JP2001219068A - 有機化合物燃焼除去触媒および燃焼除去法 - Google Patents

有機化合物燃焼除去触媒および燃焼除去法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】副生物の生成を抑制し、より低温でより高い燃
焼除去能を持つ触媒を用いて、有機化合物を燃焼除去す
る方法を提供する。 【解決手段】白金族元素を少なくとも1種以上含有した
金属酸化物を前段に、白金族元素を少なくとも1種以上
含有した金属酸化物及びゼオライトの混合物を後段に配
した有機化合物燃焼除去触媒を有機化合物と接触させ、
有機化合物を燃焼除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物を含む
ガスから有機化合物を除去する触媒および除去法に関
し、特にガス中に含まれる希薄な有機化合物を除去する
触媒、およびそれを用いた燃焼除去法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】有機化合物は、各種の化学工場で有用な
中間原料や製品として生産されるが、その製造工程にお
いて一部大気中に放出されたり、廃棄物焼却場の排ガス
中にも含まれたりする。それらの中には人体にとって有
害なものや大気汚染、地球の温暖化の原因となるものも
あり、何等かの排出抑制技術が必要とされている。
【0003】有機化合物を除去する技術としては、吸着
法、直接燃焼法、触媒燃焼法が知られている。吸着法の
場合、高濃度の有機化合物の除去には有効であるが、低
濃度の場合除去効率が悪い。また直接燃焼の場合、80
0℃以上の高温が必要なため経済的ではなく、窒素酸化
物の生成といった2次公害も懸念される。
【0004】触媒燃焼法として、例えば特開平4−25
0825号公報において、ハロゲン含有有機化合物を含
む気体を酸性ゼオライトと接触させることを特徴とする
ハロゲン含有有機化合物を含む気体の処理方法が開示さ
れている。この方法によると、酸性ゼオライトまたは周
期律表の第2周期から第6周期に属する金属の一種以上
を担持および/又は置換した酸性ゼオライトに接触さ
せ、ハロゲン含有有機化合物を処理する方法が開示され
ている。
【0005】特開平4−284849号公報において
1,2−ジクロロエタン分解触媒および1,2−ジクロ
ロエタンを含む排ガスの処理方法が開示されている。こ
の方法によると、酸性ゼオライトまたは酸性ゼオライト
に遷移金属を担持および/又はイオン交換していること
を特徴とする1,2−ジクロロエタン分解触媒が開示さ
れている。
【0006】特開平8−38896号公報において、揮
発性有機塩素化合物分解用触媒が開示されている。この
方法によると、揮発性有機塩素化合物を水蒸気と酸素と
の共存下で分解できる触媒であって、ジルコニアを主成
分とする担体に主触媒活性金属成分として白金、パラジ
ウム、ルテニウムからなる群より選ばれた少なくとも1
種を担持し、助触媒成分として酸化ほう素を担持した触
媒であり、主触媒活性成分の担持量が触媒に対して金属
換算0.1〜5重量%相当、助触媒成分の担持量が触媒
に対して三酸化二ほう素として2〜5重量%相当量であ
る触媒が開示されている。
【0007】特公平6−87950号公報において、炭
化水素、ハロゲン化炭化水素および一酸化炭素を含有す
る廃ガスを接触反応させる方法および装置が開示されて
いる。この方法によると、殊に塩化ビニルの合成からの
炭化水素、ハロゲン化炭化水素および一酸化炭素を含有
する廃ガスを接触させる方法において、廃ガスを300
〜800℃で、まず酸化分解するための触媒を含有する
第1帯域に導通し、次に酸化燃焼するための触媒を含有
する第2帯域に導通することを特徴とする、炭化水素、
ハロゲン化炭化水素および一酸化炭素を含有する廃ガス
を接触させる方法であって、第1帯域の触媒の触媒活性
物質は場合によっては元素Ba、Cu、Cr、Ni、の
一つまたはそれ以上の酸化化合物0.1〜20重量%を
含有する酸化アルミニウム、二酸化珪素および/または
ゼオライトであり、第2帯域の触媒の触媒活性物質は白
金および/またはパラジウムまたは白金およびロジウム
である接触反応方法が開示されている。
【0008】特願平11−334147号において、有
機化合物燃焼触媒および有機化合物燃焼除去方法が開示
されている。この方法によると、白金族元素を少なくと
も1種以上含む金属酸化物とIA族及び/またはIIA
族のイオンで交換されたゼオライトの混合物に有機化合
物を接触させ、有機化合物を処理する方法が開示されて
いる。またアルミナの細孔半径の分布が極大値を示すと
ころの細孔半径をaオングストロームとしたときに、a
±25オングストロームの半径を有する細孔の容積が全
細孔容積の65%以上であり、かつ希土類元素の含有量
が1wt%以下のアルミナに、白金族元素を少なくとも
1種以上含有させた触媒に有機化合物を接触させ、有機
化合物を処理する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−25082
5号公報、特開平4−284849号公報において、ハ
ロゲン含有有機化合物を含む気体を酸性ゼオライトまた
は周期律表の第2周期から第6周期に属する金属の一種
以上を担持および/又は置換した酸性ゼオライトに接触
させ、ハロゲン含有有機化合物を処理する方法が開示さ
れているが、燃焼除去対象以外のハロゲン含有有機化合
物が副生するなど、ハロゲン含有有機化合物の浄化性能
は不十分であった。
【0010】特開平8−38896号公報、および特公
平6−87950号公報において開示されている方法に
よるハロゲン含有有機化合物の燃焼除去では、ハロゲン
含有有機化合物を完全に燃焼除去するためには500℃
以上と比較的高温が必要であった。
【0011】特願平11−334147号において開示
されている方法による有機化合物の燃焼除去では、高い
浄化性能を示しているが、更に低温で有機化合物を浄化
することのできる触媒が望まれていた。
【0012】本発明の目的は、有機化合物を燃焼除去す
る方法において、副生物の生成を抑制し、より高い燃焼
除去能を持つ触媒を用いて、有機化合物を燃焼除去する
方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、前段に白金族元素を
含有した金属酸化物を、後段に白金族元素を含有した金
属酸化物とゼオライトの混合物を配したものを触媒とし
て用いることにより、有機化合物を含むガスから、浄化
対象以外の有機化合物を副生することなく、より低い温
度において、高い効率で有機化合物を燃焼除去出来るこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】即ち本発明は、白金族元素を少なくとも1
種以上含有した金属酸化物を前段に、白金族元素を少な
くとも1種以上含有した金属酸化物及びゼオライトの混
合物を後段に配することを特徴とする、有機化合物燃焼
除去触媒である。また本発明は、上述の有機化合物燃焼
除去触媒を有機化合物と接触させることを特徴とする、
有機化合物燃焼除去法である。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0015】本発明に用いられる触媒は、白金族元素を
少なくとも1種以上含有した金属酸化物と、白金族元素
を少なくとも1種以上含有した金属酸化物及びゼオライ
トの混合物とからなる。
【0016】ゼオライトとは一般に M2/nO・Al23・ySiO2・zH2O (但し、nは陽イオンMの原子価、yは2以上の数、z
は0以上の数である)の組成を有する結晶性アルミノシ
リケートであり、天然品および合成品として多くの種類
が知られている。本発明に用いられるゼオライトの種類
は特に限定はされないが、高い耐久性を得るためにはS
iO2/Al23モル比が10以上であることが好まし
い。代表的には、フェリエライト、Y、エリオナイト、
モルデナイト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ等を
挙げることが出来る。これらのゼオライトは、天然品お
よび合成品をそのまま用いても、またこれらをイオン交
換、あるいは焼成して用いても一向に差し支えない。こ
の時の陽イオン種は特に限定されないが、IA族、II
A族が好ましく、更に好ましくはIIA族であり、特に
カルシウムイオンが好ましい。また複数の種類の元素を
含有していても差し支えない。
【0017】本発明において金属酸化物とは、IVA
族、VA族、VIA族、VIIA族、VIII族、IB
族、IIB族、IIIB族、IVB族、およびVB族の
酸化物であり、これらの元素のうち1種以上を含む酸化
物である。中でもアルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニ
ウムまたはシリカが好ましい。
【0018】アルミナは多孔質であることが知られてい
るが、一般的にはアルミナの細孔の大きさは必ずしも一
定ではなく、その細孔半径はある範囲内に分布を示すも
のである。本発明の金属酸化物としてアルミナを用いる
場合に、用いられるアルミナには特に限定はないが、細
孔半径の分布を求めた場合に、分布が極大値を示すとこ
ろの細孔半径をaオングストロームとしたときに、a±
25オングストロームの半径を有する細孔が多く存在す
るものが好ましく、そのような細孔の容積が全細孔容積
に対して65%以上を占めるものが好ましい。a±25
オングストロームの半径を有する細孔の容積が全細孔容
積の65%以上より大きいアルミナでは、有機化合物の
高い燃焼除去効率が得られやすいからである。この理由
は明らかでないが、有機化合物燃焼除去触媒の性能は、
触媒として用いられるアルミナの細孔の大きさ(半径)
よりも、細孔の大きさ(半径)の分布に大きく影響を受
けることが明かとなった。
【0019】また、本発明でアルミナを用いる場合、そ
のアルミナは希土類元素の含有量が1wt%以下のもの
が好ましく、更に好ましくは500ppm以下であり、
特に検出限界以下のものが好ましい。ここで言う希土類
元素とは、原子番号57〜71およびスカンジウム、イ
ットリウムであり、その含有量は元素分析(ICP)で
測定することができる。希土類元素の含有量が1wt%
以下の場合、有機化合物の高い燃焼除去効率が得られや
すい。一方、希土類元素以外の元素を含んでいても何ら
問題ない。
【0020】白金族元素とは、ルテニウム、オスミウ
ム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金の6元素
のことであり、中でも白金が好ましい。
【0021】金属酸化物に白金族元素を含有させる方法
は特に限定されず、含浸担持法、イオン交換法等により
行なえばよい。例えば金属酸化物に白金をイオン交換す
る場合、白金イオンを含む溶液に金属酸化物を投入し、
20〜100℃で5分〜100時間攪拌して行なえばよ
い。また、例えばアルミナに白金を含浸担持する場合、
白金イオンを含む用液にアルミナを投入し、その後溶液
を除去して行えばよい。使用する白金塩としてはアンミ
ン錯塩、ジニトロジアンミン錯塩、塩化物等が挙げられ
る。
【0022】白金族元素の含有量は特に限定されない
が、高い触媒性能を得るためには、白金族元素の含有量
は重量パーセントで表して、白金族元素と金属酸化物の
合計量に対して0.0005〜10.0wt%が好まし
く、0.01〜8.0wt%が更に好ましい。
【0023】本発明の触媒は、前段に白金族元素を少な
くとも1種以上含有した金属酸化物を、後段に白金族元
素を少なくとも1種以上含有した金属酸化物及びゼオラ
イトの混合物を配することを特徴とする。前段の白金族
元素を少なくとも1種以上含有した金属酸化物と、後段
の白金族元素を少なくとも1種以上含有した金属酸化物
及びゼオライトの混合物との割合は特に限定されない
が、重量比で1:20〜2:1とすることで特に本発明
の触媒性能が発揮される。
【0024】また後段の混合物中の、白金族元素を少な
くとも1種以上含有した金属酸化物と、ゼオライトとの
割合は特に限定されないが、重量比で1:20〜20:
1とすることで特に本発明の触媒性能が発揮される。
【0025】後段において白金族元素を少なくとも1種
以上含有した金属酸化物とゼオライトとの混合物は均一
であることが好ましく、また粉末などのより粒子の細か
い状態での混合物であることが好ましい。混合する方法
は特に限定されず、例えば粉末状や、スラリー状で混合
し、最終的に均一に混合されればよい。また、あらかじ
め金属酸化物とゼオライト混合し、金属酸化物上に選択
的に白金族元素を少なくとも1種以上含有させてもよ
い。
【0026】前段の白金族元素を少なくとも1種以上含
有した金属酸化物と、後段の白金族元素を少なくとも1
種以上含有した金属酸化物及びゼオライトの混合物は、
触媒として用いるに際して、乾燥や焼成等の前処理を行
なってから用いてもよい。
【0027】本発明の有機化合物燃焼除去触媒は、粉末
状、ペレット状体、ハニカム状体等の形状、構造等は問
わず、アルミナゾル、シリカゾルや粘土等のバインダー
を加えて所定の形状に成型したり、水を加えてスラリー
状とし、ハニカム等の形状のアルミナ、マグネシア、コ
ージェライト等の耐火性基材上に塗布してから使用して
もよい。
【0028】本発明の触媒は、前述のように前段及び後
段からなるものであり、処理されるガス流の上流側に前
段、下流側に後段を配すればよい。この時、前段と後段
とは互いに接するように配してもよいし、または互いに
距離をおいて離して配してもよく、その距離には特に限
定はなく任意に選択できる。
【0029】本発明で除去される有機化合物とは、分子
構造中に水素、ハロゲン元素、酸素等を含んでいてもよ
い炭素化合物であり、特に限定はされないが、例えばメ
タン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブタ
ジエン、ベンゼン、キシレン、トルエン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、
臭化メチル、1,2−ジクロロエタン、塩化ビニルモノ
マー、モノクロロベンゼン、フロン類、PCB、ダイオ
キシン等が挙げられる。中でも有機化合物が、ハロゲン
含有有機化合物および/または293.15Kにおける
蒸気圧が0.01kPa以上である有機化合物および/
または炭素数が2の炭化水素および/または炭素数2の
塩素化炭化水素に対して特に有効である。
【0030】尚本発明でハロゲンとはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素を示す。また293.15Kにおいて0.0
1kPa以上の蒸気圧を有する有機化合物とは、揮発性
有機化合物を表す定義の一つであり、例えばメタン、エ
タン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、
ベンゼン、キシレン、トルエン、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、臭化メチ
ル、1,2−ジクロロエタン、塩化ビニルモノマー、モ
ノクロロベンゼン、フロン類等が挙げられる。
【0031】有機化合物を燃焼除去する際は、処理され
るガス中に有機化合物濃度1%以下で存在することが好
ましい。また処理されるガスの空間速度、温度等は特に
限定されないが、空間速度100〜500000h
-1、温度100〜700℃であることが好ましい。
【0032】有機化合物を燃焼除去する際、処理される
ガス中に水、酸素、水素、塩化水素、窒素酸化物、硫黄
酸化物、炭化水素、微粒子などを含んでいても構わな
い。
【0033】以下、実施例において本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0034】
【実施例】実施例1<触媒1の調製> アルミナ(住友化学工業株式会社製 商品名「TA−1
301」)20gを、28.5mMのジニトロジアンミ
ン白金水溶液180ミリリットル中に投入し、30℃で
2時間攪拌した後、固液分離し純水で洗浄し、110℃
で20時間乾燥を行ない白金担持アルミナを得た。白金
の含有量は、元素分析(ICP)の結果4.3wt%で
あり、希土類元素は検出されなかった。またアルミナの
細孔半径の分布が極大値を示すところの細孔半径をaオ
ングストロームとしたときに、a±25オングストロー
ムの半径を有する細孔の容積は、窒素吸着量測定の結
果、全体の細孔容積の90%であった。こうして得られ
た白金担持アルミナを前段触媒とした。
【0035】SiO2/Al23モル比25.7のベー
タ型ゼオライト(東ソー株式会社製商品名「HSZ−9
30−HOA」)50gを0.69M酢酸カルシウム水
溶液450ミリリットルに投入し、60℃で20時間攪
拌してイオン交換を行なった。スラリーを固液分離後、
ゼオライトケーキを0.69Mの塩化カルシウム水溶液
450ミリリットルに投入して、再度60℃で20時間
攪拌してイオン交換を行なった。固液分離後、濾液から
塩化物イオンが検出されなくなるまで純水で洗浄し、1
10℃で20時間乾燥しカルシウム型ベータを得た。
【0036】こうして得られたカルシウム型ベータ8g
と、上述の白金担持アルミナ2gとを十分に混合し後段
触媒とした。
【0037】前段触媒および後段触媒をそれぞれ打錠成
型後破砕し、12〜20メッシュに整粒し、ガス流の上
流側より、前段触媒1ミリリットル(0.75g)およ
び後段触媒1ミリリットル(0.5g)を二段に常圧固
定床反応装置に装填し、触媒1とした。
【0038】実施例2<触媒2の調製> アルミナ(住友化学工業株式会社製 商品名「TA−1
301」)20gを、5.70mMのジニトロジアンミ
ン白金水溶液180ミリリットル中に投入し、30℃で
2時間攪拌した後、固液分離し純水で洗浄し、110℃
で20時間乾燥を行ない白金担持アルミナを得た。白金
の含有量は、元素分析(ICP)の結果1.0wt%で
あり、希土類元素は検出されなかった。またアルミナの
細孔半径の分布が極大値を示すところの細孔半径をaオ
ングストロームとしたときに、a±25オングストロー
ムの半径を有する細孔の容積は、窒素吸着量測定の結
果、全体の細孔容積の90%であった。こうして得られ
た白金担持アルミナを前段触媒とした。
【0039】また、実施例1で得られた後段触媒を実施
例2の後段触媒とした。
【0040】前段触媒および後段触媒をそれぞれ打錠成
型後破砕し、12〜20メッシュに整粒し、ガス流の上
流側より、前段触媒1ミリリットル(0.75g)およ
び後段触媒1ミリリットル(0.5g)を二段に常圧固
定床反応装置に装填し、触媒2とした。
【0041】比較例1<比較触媒1の調製> 実施例1で得られた白金担持アルミナを打錠成型後破砕
し、12〜20メッシュに整粒し、そのうち2ミリリッ
トルを常圧固定床反応装置に充填し、比較触媒1とし
た。
【0042】比較例2<比較触媒2の調製> 実施例1で得られたカルシウム型ベータ8gと実施例1
で得られた白金担持アルミナ2gとを十分に混合したも
のを打錠成型後破砕し、12〜20メッシュに整粒し、
そのうち2ミリリットルを常圧固定床反応装置に充填
し、比較触媒2とした。
【0043】比較例3<比較触媒3の調製> 実施例1での後段触媒1ミリリットル(0.5g)を前
段触媒に、実施例1での前段触媒1ミリリットル(0.
75g)を後段触媒とし、二段に常圧固定床反応装置に
装填し、比較触媒3とした。
【0044】<触媒性能評価>触媒1および2と比較触
媒1〜3において、空気流通下500℃で1時間前処理
を施した後、100℃に降温し表1に示す組成のガスを
360ミリリットル/分で流通させ、10℃毎分で昇温
し、ガス中の全炭化水素の転化率が95%、99%とな
る温度を測定し表2に示した。尚、表1のEDCは1,
2−ジクロロエタンを表す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】表2の結果より、本発明の白金族元素を
少なくとも1種以上含有した金属酸化物を前段に、白金
族元素を少なくとも1種以上含有した金属酸化物及びゼ
オライトの混合物を後段に配したものを触媒として用い
ることにより、低温下で有機化合物を含むガスから有機
化合物を効率よく燃焼除去できることは明らかである。
従って本発明は、環境保全上極めて有意義である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 7/06 102 B01D 53/36 104Z Fターム(参考) 3K078 AA04 BA17 BA21 BA26 DA14 DA18 DA31 4D048 AA17 AA21 AB01 BA01Y BA02X BA03X BA11X BA14Y BA15Y BA30X BA31Y BA32Y BA33Y BA41X BB01 BB02 BB17 CC46 DA01 DA03 DA05 DA06 DA08 4G069 AA03 AA08 AA12 BA01A BA01B BA02A BA04A BA05A BA07A BA07B BB02A BB02B BB04A BC01A BC08A BC09A BC09B BC38A BC69A BC70A BC71A BC72A BC73A BC74A BC75A BC75B CA02 CA04 CA07 CA15 CA19 DA06 EA01Y EA02Y EA18 EB18Y EC19 EE09 FA01 FB07 FC08 ZA01A ZA04A ZA06A ZA07A ZA11A ZA12A ZA13A ZA19A ZA19B ZD01 ZF05A ZF05B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白金族元素を少なくとも1種以上含有した
    金属酸化物を前段に、白金族元素を少なくとも1種以上
    含有した金属酸化物及びゼオライトの混合物を後段に配
    することを特徴とする、有機化合物燃焼除去触媒。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の有機化合物燃焼除去触媒
    において、前段の白金族元素を少なくとも1種以上含有
    した金属酸化物と、後段の白金族元素を少なくとも1種
    以上含有した金属酸化物及びゼオライトの混合物との割
    合が、重量比で1:20〜2:1であることを特徴とす
    る、有機化合物燃焼除去触媒。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の有機化合物燃焼
    除去触媒において、後段の混合物中の白金族元素を少な
    くとも1種以上含有した金属酸化物とゼオライトとの割
    合が、重量比で1:20〜20:1であることを特徴と
    する、有機化合物燃焼除去触媒。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれかに記載の有機化合物
    燃焼除去触媒において、ゼオライトがIA族及び/また
    はIIA族のイオンで交換されたものであることを特徴
    とする、有機化合物燃焼除去触媒。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれかに記載の有機化合物
    燃焼除去触媒において、後段の混合物中の金属酸化物が
    アルミナであり、かつそのアルミナの細孔半径の分布が
    極大値を示すところの細孔半径をaオングストロームと
    したときに、a±25オングストロームの半径を有する
    細孔の容積が全細孔容積の65%以上であり、かつ希土
    類元素の含有量が1wt%以下のアルミナであることを
    特徴とする、有機化合物燃焼除去触媒。
  6. 【請求項6】請求項1〜5いずれかに記載の有機化合物
    燃焼除去触媒において、前段の金属酸化物がアルミナで
    あり、かつそのアルミナの細孔半径の分布が極大値を示
    すところの細孔半径をaオングストロームとしたとき
    に、a±25オングストロームの半径を有する細孔の容
    積が全細孔容積の65%以上であり、かつ希土類元素の
    含有量が1wt%以下のアルミナであることを特徴とす
    る、有機化合物燃焼除去触媒。
  7. 【請求項7】請求項1〜6いずれかに記載の有機化合物
    燃焼除去触媒を有機化合物と接触させることを特徴とす
    る、有機化合物燃焼除去法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の有機化合物燃焼除去法に
    おいて、有機化合物がハロゲン含有有機化合物であるこ
    とを特徴とする、有機化合物燃焼除去法。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の有機化合物燃焼除
    去法において、293.15Kにおける蒸気圧が0.0
    1kPa以上の有機化合物であることを特徴とする、有
    機化合物燃焼除去法。
  10. 【請求項10】請求項7〜9いずれかに記載の有機化合
    物燃焼除去法において、有機化合物が処理されるガス中
    に濃度1%以下で存在することを特徴とする、有機化合
    物燃焼除去法。
  11. 【請求項11】請求項7〜10いずれかに記載の有機化
    合物燃焼除去法において、有機化合物が炭素数2の炭化
    水素であることを特徴とする、有機化合物燃焼除去法。
  12. 【請求項12】請求項7〜11いずれかに記載の有機化
    合物燃焼除去法において、有機化合物が炭素数が2の塩
    素化炭化水素であることを特徴とする、有機化合物燃焼
    除去法。
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