JP2001176766A - 照明装置及び投影露光装置 - Google Patents

照明装置及び投影露光装置

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JP2001176766A
JP2001176766A JP30818699A JP30818699A JP2001176766A JP 2001176766 A JP2001176766 A JP 2001176766A JP 30818699 A JP30818699 A JP 30818699A JP 30818699 A JP30818699 A JP 30818699A JP 2001176766 A JP2001176766 A JP 2001176766A
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light beam
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diffractive optical
illumination
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Akihiro Goto
明弘 後藤
Nobumichi Kanayamatani
信道 金山谷
Osamu Tanitsu
修 谷津
Masato Shibuya
眞人 渋谷
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定面において種々の光強度分布を形成でき
る照明装置等を提供すること。 【解決手段】 所定のパターンが形成されたマスク14
を照明する照明装置において、光束を供給する光源部1
と、該光源部からの光束を波面分割するように回折させ
る回折光学素子51,52,53と、回折した光束を所
定面上で互いに重畳させるとともに所定面上で所定の断
面形状の光束に変換するリレーレンズ7と含む光束変換
部と、光束変換部により回折された光束に基づいて実質
的な面光源を形成するオプティカルインテグレータ8
と、オプティカルインテグレータからの光束をマスクヘ
導くコンデンサ光学系12等を備え、回折光学素子5
1,52,53の回折特性は、所定面における光強度分
布を変更可能にするために変更可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明装置、特に半
導体集積回路又は液晶デバイス等のためのマスクパター
ンを照明する装置、及び該照明装置に好適な投影露光装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等の回路パターン形成には、
一般にフォトリソグラフィ技術と呼ばれる工程が必要で
ある。この工程には通常、レチクル(マスク)パターン
を半導体ウエハ等の基板上に転写する方法が採用され
る。基板上には感光性のフォトレジストが塗布されてお
り、照射光像、すなわちレチクルパターンの透明部分の
パターン形状に応じて、フォトレジストに回路パターン
が転写される。そして、投影露光装置では、レチクル上
に描画された転写すべき回路パターンの像が、投影光学
系を介して基板(ウエハ)上に投影、露光される。かか
る投影露光装置では、レチクルを照明するための照明光
学系中に、フライアイレンズ等のオプティカルインテグ
レータが使用されており、レチクル上に照射される照明
光の強度分布を均一化している。フライアイレンズ等の
オプティカルインテグレータを用いる事で、レチクル上
に照射される照明光の強度分布が均一化される理由を以
下に述べる。
【0003】図25(A)はフライアイレンズを用いた
光学系の模式図である。図25(A)において、光源1
001を発した光束は、光学系1002により、フライ
アイレンズ1003に導かれる。ここで、フライアイレ
ンズ1003を構成する各々のレンズの入射面と、被照
明面1006(投影露光装置ではレチクル面)はそれぞ
れ共役である為、結果として、フライアイレンズに入射
した光束は、フライアイレンズの要素レンズ単位で分割
され、被照明面上で重ね合わされる。この為、フライア
イレンズ入射面にて例えばガウス分布状の明暗差の大き
い分布があったとしても、フライアイレンズの要素レン
ズ単位ではさほど大きな分布にはならず、さらにそれが
重なり合う事で平均化され、被照明面1006上では極
めて均一性の高い照度分布が得られる。
【0004】さて、波面分割及びその重ねあわせという
過程を2回繰り返すシステムが従来から知られており、
以下このシステムをダブルフライアイレンズシステムと
いう。ダブルフライアイレンズを用いた従来の投影露光
装置の光学系の一例を、図25(B)に示す。エキシマ
レーザなどの光源1からの光束は、エキスパンダー2を
通して光束の断面形状を任意の形状に変換された後、ミ
ラー3及び光束の偏光を緩和する為の水晶プリズム4を
介して複数の光学要素からなる第1フライアイレンズ
(2次光源手段)5に入射し、その射出側面に多数の2
次光源像を形成する。該多数の2次光源から発散する光
束はリレーレンズ7により集光され、図26に示すよう
に第2フライアイレンズ8の入射面を重畳的に均一照明
する。その結果、第2フライアイレンズ8の射出面に、
第1フライアイレンズのレンズ要素数mと第2フライア
イレンズのレンズ要素数nの積m×nに相当する数の多
数の3次光源像を形成することができる。そして、3次
光源からの光束は、絞り9によりその径を制限され、レ
ンズ群10,12により集光され、投影露光されるパタ
ーンが描画されたレチクル又はマスク14を重畳的に均
一照明する。ここで、レンズ群10,12中には照明範
囲を決定するための視野絞り11が配置されている。そ
して、均一照明された照明光にもとづき、レチクル又は
マスクパターン14上に形成されたパターンは投影レン
ズ15を介して被露光物体である基板16上に投影され
る。
【0005】ダブルフライアイレンズと呼ばれるシステ
ムの、通常の一つだけフライアイレンズを用いるシステ
ムに対する特徴は、以下の通りである。なお、以下では
記述を容易にする為、通常の一つだけフライアイレンズ
を用いるシステムをシングルフライアイレンズシステム
と称する。
【0006】(1)レチクルを照明する照明光の照度を
均一にする効果については、フライアイレンズの分割数
が増えれば増えるほどその効果を増すが、フライアイレ
ンズの製造費用はフライアイレンズの分割数におおよそ
比例する。このため、シングルフライアイレンズシステ
ムで多くの波面分割を実現しようとすると、レンズの製
造費用が莫大なものとなってしまう。しかし、ダブルフ
ライアイレンズシステムでは、実効的に第1と第2のフ
ライアイレンズの分割数の積が、その光学系の総合分割
数となる為、製造コストをかけずに高性能な照明系を得
る事が出来るという利点がある。例えば、第1フライア
イレンズが100分割、第2フライアイレンズが100
分割とすると、100分割のレンズ2個分の製造コスト
で10,000(=100×100)分割と等価の照明
系が得られる。
【0007】(2)シングルフライアイレンズでは、フ
ライアイレンズ入射面の光分布がそのままフライアイレ
ンズに入射する。したがって、光源の振動等で該光分布
が変化すると投影露光装置の空間的コヒーレンシーが変
化してしまい好ましくない。しかし、ダブルフライアイ
レンズシステムでは第2フライアイレンズの入射面の光
分布は、一度第1フライアイレンズにより均一化を行っ
たものであるため、光源が振動等してもその光分布は殆
ど変化しない。このため、光源部に振動等が生じても結
像性能に影響を与えにくいという利点を有する。
【0008】(3)さらに、ダブルフライアイレンズシ
ステムは、開口絞りを交換した時の照度均一性の崩れ
量、すなわち、理想的ケーラー照明状態からの変化量が
少ないという利点も有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】さて、近年、これらの
露光装置に要求される解像力等の性能は、理論的に算出
される限界に極めて近付いている。一般に良く知られて
いるように、レチクルのパターンにより、最適な光学系
の定数(投影レンズの開口数、照明系の開口数等)の設
定値は異なるが、装置能力の理論的限界付近で露光が行
なわれている関係上、当然の事ながら装置側には、マス
クのパターンに合わせて最適な光学系の定数が選択出来
る事が求められる。
【0010】このことを照明系について見ると、少なく
とも照明系の開口数が可変である事が必要となる。本発
明が取り扱う、図25(B)に示した様なダブルフライ
アイレンズシステムにおいて、開口数を可変にする為に
は、開口絞り9の径をカメラの絞りの如く可変絞りにす
る、又は絞りを切り替え可能として対応するのが一般的
である。ただし、単に絞り径を切り替えただけでは、絞
り径を小さなものに変更した場合、光束を遮光する面積
が大きくなり、照度が低下してしまう。
【0011】この種の露光装置において照度が低下する
事は、スループットの低下を意味し、その結果、製造し
た製品の原価を跳ね上げることになる。製品のうち、特
にメモリーについては製品一個当たりの利幅が極端に少
ない為、半導体等の製造業界において製造原価は特に重
要な項目である。この為、露光装置の種々の仕様の中で
も「照度」は重要な項目の一つとなっており、照度低下
は極力避ける必要がある。
【0012】ダブルフライアイレンズシステムでは、照
度低下対策として、第1フライアイレンズを焦点距離が
異なるレンズに、絞りと共に切り替える方式が提案され
ている。例えば、開口絞り径を小さくする場合には、第
1フライアイレンズを焦点距離の長いものに切り替え
る。このようにすれば、第2フライアイレンズ入射面の
中央近傍に光束が集まるので、開口絞り径が小さくて
も、殆ど照度が低下することがない。
【0013】この様に、開口絞り径が変わるだけあれ
ば、第1フライアイレンズの焦点距離を切り替えるだけ
で、照度低下を押さえる事ができる。しかし、近年で
は、開口絞りとして円形以外の絞りを用いる場合があ
る。例えば、図27(A)に示す様な輪帯状の絞りRS
や、図27(B)に示す様な複数開口の絞りQSであ
る。
【0014】図27(A)及び図27(B)の開口絞り
RS,QSについて、簡単に解説する。レチクルのパタ
ーンが微細になり、装置の解像限界付近にて露光がおこ
なわれるようになると、照明系の開口絞りから発した光
束のうち、解像に寄与するのは、開口絞りの周辺部から
発した光のみになり、開口の中央部から発した光は像の
コントラストを下げるだけの働きしか持たなくなる。換
言すると、レチクルの情報をウエハに伝達する際、情報
伝達のエネルギーを与えるのは開口絞りの周辺部から発
した光のみであり、開口の中央部から発した光はいわば
ノイズを発生するだけになってしまうという事になる。
したがって、開口絞り中央部からは光を発しないほうが
望ましいといえる。この様な発想から、図27(A)の
様な絞りRSが考案された。図27(B)に示す絞りQ
Sは、更に解像するパターンを縦方向のラインと横方向
のラインのみに限定した場合の絞りである。この場合
は、更に、開口絞りの上下、左右から発する光もノイズ
にしかならないので、開口絞りの上下、左右も更に遮光
する。
【0015】この様な円形でない開口絞りの場合、従来
の様に第1フライアイレンズの焦点距離を切り替えるだ
けではこれらの絞りが遮光する中央部のみに光束が届か
ないようにする事は出来ない。例えば、図25(B)に
示す従来の第1フライアイレンズ5によれば、第2フラ
イアイレンズ8の出射端に輪帯開口絞りRSを配置した
場合において、第2フライアイレンズ8を全面にわたっ
て照射することになるので、光量の損失が大きくなって
しまう(図28参照)。なお、特開平5−206007
号公報には、かかる照度低下を防止する提案がなされて
いるが、装置が大型化してしまい製造費用、設置スペー
スの確保などの点で問題である。
【0016】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、所定面において種々の光強度分布を形成できる
照明装置、該照明装置に好適な投影露光装置、並びに該
露光装置を用いた露光方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の照明装置は、所定のパターンが形成
されたマスクを照明する照明装置であって、光束を供給
する光源部と、該光源部からの光束を波面分割するよう
に回折させる回折光学素子と、該回折光学素子からの回
折光を所定面上で重畳させ該所定面上で所定の断面形状
の光束に変換する光学要素とを含む光束変換部と、前記
光束変換部からの光束に基づいて実質的な面光源を形成
するオプティカルインテグレータと、該オプティカルイ
ンテグレータからの光束を前記マスクへ導く光学系とを
備え、前記回折光学素子の回折特性は、前記所定面上に
おける光強度分布を変更可能にするために変更可能であ
ることを特徴とする。
【0018】上記照明装置では、従来のフライアイレン
ズに代えて、光源部からの光束を波面分割するように回
折させる回折光学素子と該回折光学素子からの回折光を
所定面上で重畳させ該所定面上で所定の断面形状の光束
に変換する光学要素とを含む光束変換部を用いており、
前記回折光学素子の回折特性は、前記所定面上における
光強度分布を変更可能にするために変更可能である。し
たがって、回折光学素子の回折特性の変更により、照明
条件の変更に応じて所望の領域を正確に照明できるの
で、光量を有効に使用でき高照度な照明が可能である。
また、フライアイレンズに比較して材料が少なくて済
み、かつ大きさも小さいので製造コストを低減できる。
さらに、簡便な構成で様々な形状の領域を照明できる。
【0019】本発明の第2の照明装置は、所定のパター
ンが形成されたマスクを照明する照明装置において、所
定波長の光を供給する光源部と、該所定波長の光に基づ
いて実質的な面光源を形成する波面分割型インテグレー
タと、該波面分割型インテグレータによる実質的な面光
源からの光束を、前記マスク面または前記マスク面と共
役な面へ重畳的に導くコンデンサ光学系とを備え、前記
光源部と前記波面分割型インテグレータとの間には、前
記光源部からの光束を波面分割するように回折させる回
折光学素子と、該回折光学素子からの回折光を所定面上
で互いに重畳させ該所定面上で所定の断面形状の光束に
変換する光学要素とを含む光束変換部が配置され、前記
波面分割型インテグレータの入射面は、実質的に前記所
定面近傍に配置されることを特徴とする。
【0020】上記照明装置では、光源部と波面分割型イ
ンテグレータとの間に、光源部からの光束を波面分割す
るように回折させる回折光学素子と回折光学素子からの
回折光を所定面上で互いに重畳させ該所定面上で所定の
断面形状の光束に変換する光学要素とを含む光束変換部
が配置されており、前記波面分割型インテグレータの入
射面が、実質的に前記所定面近傍に配置される。したが
って、前記所定面近傍に配置される前記波面分割型イン
テグレータ入射面の所望の領域を必要に応じて正確に照
明できるので、光量を有効に使用でき高照度な照明が可
能である。また、フライアイレンズに比較して材料が少
なくて済み、かつ大きさも小さいので製造コストを低減
できる。さらに、簡便な構成で様々な形状の領域を照明
できる。
【0021】本発明の第3の照明装置は、所定のパター
ンが形成されたマスクを照明する照明装置において、光
束を供給する光源部と、該光源部からの光束を回折させ
る回折光学素子を含み、所定面上で所定の断面形状の光
束に変換する光束変換部と、前記光束変換部からの光束
に基づいて実質的な面光源を形成するオプティカルイン
テグレータと、該オプティカインテグレータからの光束
を前記マスクへ導く光学系とを備え、前記回折光学素子
は、一対の保護光学部材間が形成する密閉空間内に配置
されることを特徴とする。
【0022】上記照明装置でも、従来のフライアイレン
ズに代えて、光束を所定の断面形状に変換する回折光学
素子を用いているので、所望の領域を正確に照明でき、
光量を有効に使用して高照度な照明が可能である。ま
た、フライアイレンズに比較して材料が少なくて済み、
かつ大きさも小さいので製造コストを低減できる。さら
に、簡便な構成で様々な形状の領域を照明できる。ま
た、上記照明装置では、回折光学素子が一対の保護光学
部材間が形成する密閉空間内に配置されるので、周囲の
不純物ガス等が回折光学素子の表面に付着して透過率を
低下させることを防止できる。
【0023】上記装置の好ましい態様では、前記光束変
換部が第1の回折特性を有する第1の回折光学素子と第
2の回折特性を有する第2の回折光学素子とを含み、前
記第1及び第2の回折光学素子は、照明光路内の位置と
照明光路外の位置との間で選択的に位置決めされる。
【0024】上記照明装置では、第1の回折特性を有す
る第1の回折光学素子と第2の回折特性を有する第2の
回折光学素子とを有しているので、これら回折光学素子
の切替えで2通りのパターン領域を簡便に変更して照明
できる。
【0025】上記装置の好ましい態様では、前記第1及
び第2の回折光学素子を収納可能に設けられたカセット
と、前記カセットと前記照明光路内の位置との間に設け
られて前記回折光学素子を搬送するための搬送路とを備
えることを特徴とする。
【0026】上記照明装置では、回折光学素子を収納可
能に設けられたカセットと、前記回折光学素子を搬送す
るための搬送路とを備えるので、多種の回折光学素子を
準備し必要に応じて適宜交換すれば、照明条件を多様に
設定した場合にも対応することができる。
【0027】上記装置の好ましい態様では、前記光束変
換部中の前記回折光学素子が、前記所定面の中心部の光
強度と、前記所定面の周辺部の光強度とが異なる光強度
分布となるような回折特性を有することを特徴とする。
【0028】上記照明装置では、前記回折光学素子の回
折特性が、前記所定面の中心部と前記所定面の周辺部と
で異なる光強度分布となるので、例えば輪帯等の種々の
形状の領域を効率よく照明できる。
【0029】上記装置の好ましい態様では、前記光束変
換部中の前記回折光学素子への入射ビーム形状と、前記
波面分割型インテグレータの要素レンズの開口形状とを
相似にすることを特徴とする。
【0030】上記照明装置では、前記回折光学素子への
入射ビーム形状と前記波面分割型インテグレータの要素
レンズの開口形状とを相似にするので、前記波面分割型
インテグレータにより実質的な面光源を効率よく充填し
て形成することができ、ここにおける巨視的な強度分布
の均一性を向上させ、さらにはマスクを所望の状態で照
明することができる。
【0031】上記装置の好ましい態様では、前記光束変
換部中の前記回折光学素子と前記インテグレータとの間
に配置されて、前記回折光学素子から出射する0次光が
前記インテグレータに入射することを防ぐための遮光部
材を有することを特徴とする。
【0032】上記照明装置では、遮光部材が前記回折光
学素子から出射する0次光が前記インテグレータに入射
することを防ぐので、かかる0次光がノイズ光となって
マスク等の上に照明の特異点が形成され、照明不均一と
なることを防止することができる。
【0033】上記装置の好ましい態様では、前記光束変
換部中の前記回折光学素は、前記光学要素の焦点位置か
ら光軸方向へ外れた位置に位置決めされることを特徴と
する。
【0034】上記照明装置では、前記回折光学素が前記
光学要素の焦点位置から光軸方向へ外れた位置に位置決
めされるので、同一次数の回折光が干渉して干渉ノイズ
を発生させることを簡易に防止できる。
【0035】上記装置の好ましい態様では、前記光束変
換部中の光学要素の位置及び傾斜の少なくとも一方は調
整可能であることを特徴とする。
【0036】上記照明装置では、前記光束変換部中の光
学要素の位置及び傾斜の少なくとも一方が調整可能であ
るので、マスク若しくはウエハ面での照明ムラを解消す
ることができ、マスク若しくはウエハ面での照明のテレ
セン度を高精度に調整することができる。
【0037】本発明の第4の照明装置は、所定のパター
ンが形成されたマスク及び感光性基板を投影光学系に対
して相対的に走査させつつ前記パターンを前記感光性基
板へ転写するための投影露光装置に用いられる照明装置
において、光束を供給する光源部と、該光源部からの光
束を回折させる回折光学素子と、該回折光学素子にて回
折された光束に基づいて実質的な面光源を形成する波面
分割型オプティカルインテグレータとを備え、前記波面
分割型オプティカルインテグレータは、複数の要素レン
ズを含み、前記回折光学素子は、前記波面分割型オプテ
イカルインテグレータの前記複数の要素レンズ上に照明
領域を形成し、前記回折光学素子による前記照明領域
は、前記走査の方向に対応する方向に対して傾けられた
エッジを有することを特徴とする。
【0038】上記照明装置では、前記回折光学素子によ
る前記照明領域が前記走査の方向に対応する方向に対し
て傾けられたエッジを有するので、このエッジに対応す
る複数の要素レンズにおいて、走査方向に直交する方向
(走査直交方向)の照度分布が連続的に変化する。よっ
て、感光性基板上においては、走査直交方向に関し、全
体としては均一な照度分布を得ることができる。
【0039】上記装置の好ましい態様では、前記回折光
学素子による前記照明領域が互いに離されて位置決めさ
れた複数の照明領域を有する。
【0040】上記装置の好ましい態様では 前記回折光
学素子による前記複数の照明領域の形状が楕円形状であ
る。
【0041】本発明の第5の照明装置は 所定のパター
ンが形成されたマスクを照明する照明装置において、光
束を供給する光源部と、該光源部からの光束を波面分割
する第1のオプティカルインテグレータと、該第1のオ
プティカルインテグレータからの光束を所定面上で互い
に重畳させる光学要素とを含む光束変換部と、該光束変
換部からの光束に基づいて実質的な面光源を形成する第
2のオプティカルインテグレータと、該第2のオプティ
カルインテグレータからの光束をマスクに導く光学系と
を備え、前記光学要素は、複数のレンズ要素からなり、
該複数のレンズ要素の少なくとも1つの移動により当該
光学要素の屈折力及び焦点位置の少なくとも一方を調節
可能であること特徴とする。
【0042】上記照明装置では、前記光学要素が複数の
レンズ要素からなり、該複数のレンズ要素の少なくとも
1つの移動により当該光学要素の屈折力及び焦点位置の
少なくとも一方を調節可能であるので、所定面上に重畳
する光束の大きさや寸法比等を必要に応じて適宜調整す
ることができる。よって、マスク上における照度分布を
所望の状態とできるとともに、照明光の損失を最小限に
抑えることができる。
【0043】本発明の投影露光装置は、前記マスクを支
持する第1ステージと、前記マスクを照明する上述のう
ちの何れかの照明装置と、被露光基板を保持する第2ス
テージと、前記照明された前記マスクのパターンの像を
前記被露光基板上へ投影露光するための投影光学系とを
備えることを特徴とする。
【0044】上記投影露光装置では、本発明にかかる照
明装置を備えているので、効率よくマスクを照明でき
る。したがって、露光時間の短縮化を図ることができ、
スループットが向上する。
【0045】以上説明した本発明の照明装置において、
光束変換部中の光学要素は、焦点距離を変更可能なズー
ム光学系であることが好ましい。このズーム光学系の焦
点距離変更動作によっても所定面上の光強度分布を変更
することが可能であり、ひいてはインテグレータが形成
する実質的な面光源の大きさや形状を変更することがで
きる。
【0046】なお、本発明における波面分割型インテグ
レータとは、複数の光学要素(レンズ要素または反射鏡
要素)をマトリックス状に集積して構成されたフライア
イレンズや、光透過性基板にエッチングなどの手法によ
り複数の微少レンズ面(反射面)をマトリックス状に設
けたマイクロ・フライアイ・レンズなどを含む。
【0047】また、本発明において、回折光学素子を密
閉空間内に配置する場合には、この密閉空間内を酸素濃
度を低滅させた気体、例えば窒素、ヘリウムなどの不活
性ガスで充填することが好ましい。
【0048】また、本発明において、光束変換部中の回
折光学素子と交換可能に設けられて、光源部からの光束
に基づいて実質的な面光源を形成するための補助オプテ
ィカルインテグレータをさらに有することが好ましい。
【0049】また、本発明において、所定面の中心部と
周辺部との光強度が異なるような光強度分布とは、例え
ば、所定面上において照明装置の光軸を囲む輪帯状(ド
ーナッツ状)の領域で光強度が強くなるような光強度分
布(輪帯状分布)、所定面上において照明装置の光軸の
周りに実質的に等角度間隔で配置された4ケ所以上の複
数の領域で強度が強くなるような光強度分布(4箇所の
場合:4重極分布、8箇所の場合8重極分布)などを含
むものである。
【0050】さて、本発明は、所定のパターンが設けら
れたマスクを被露光基板(ワーク)へ転写する投影露光
方法であって、本発明(請求項1〜10)の何れか一項
記載の照明装置により、前記マスクに対して照明光を供
給する工程と、前記マスクと前記被露光基板との間に配
置された投影光学系を用いて該照明されたマスクのパタ
ーン像を前記被露光基板上に形成する工程とを含むもの
である。この投影露光方法によれば、高効率にパターン
像を被露光基板に形成できるので、スループットが向上
する。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態について説明する。
【0052】(第1実施形態)図1は、本発明の実施の
形態にかかる投影露光装置の構成を示す図である。エキ
シマレーザなどの光源1からの光束は、ビームエキスパ
ンダ2により光束の断面形状が所望の形状に変換された
後、反射ミラー3を介して、レボルバ6Aに設けられて
いる第1の回折光学素子51に入射し、後述するような
特定の断面形状を有する光束に回折される。次に、リレ
ーレンズ7により集光され、波面分割型インテグレータ
であるフライアイレンズ8の入射面を重畳的に均一照明
する。その結果、フライアイレンズ8の射出面に実質的
な面光源を形成することができる。
【0053】ここで、光源1とビームエキスパンダ2
は、光源部となっている。また、オプティカルインテグ
レータであるフライアイレンズ8と、光学素子であるリ
レーレンズ7からなる合成レンズ系は、結像光学系とな
っており、詳細は後に説明するが、回折光学素子51の
射出面近傍の有効領域全体がフライアイレンズ8の出射
側のほぼ全面に結像する設計となっている。
【0054】フライアイレンズ8の出射側の面光源を発
した光束は、レボルバ6Bに設けられている開口絞り6
6により通過光束の形状を制限された後、コンデンサー
光学系10により一旦重畳するように集光される。この
ように重畳された光束は、リレー光学系12を経て、パ
ターンが描画されたレチクルまたはマスク14を重畳的
に均一照明する。ここで、コンデンサー光学系10とリ
レー光学系12と間の光路中には、照明範囲を決定する
ための視野絞り11が配置されている。そして、均一な
照明光に基づき、投影レンズ15がレチクル又はマスク
14上に形成されたパターンを被露光物体であるウエハ
16上に投影露光する。
【0055】ここで、レボルバ6Aには、図2(A)に
示すように、複数の回折光学素子51,52,53と、
複数の補助フライアイレンズ54,55,56とが設け
られている。そして、図1のモータMT1により光軸A
Xを中心としてレボルバ6Aを回転させる事で、回折光
学素子及び補助フライアイレンズの中から任意の一つを
選択的に切り替え可能な構成となっている。また、開口
絞り61〜66も同様に、図2(B)に示すように、種
々の開口形状を有する絞りがレボルバ6Bにより選択的
に切り換え可能な構成である。
【0056】レボルバ6Aを回転することで、補助フラ
イアイレンズ54〜56を選択した時は、ダブルフライ
アイレンズシステムとなる。このダブルフライアイレン
ズシステムでは、フライアイレンズ8の射出面に、補助
フライアイレンズのレンズ要素数mとフライアイレンズ
8のレンズ要素数nとの積m×nに相当する数の多数の
3次光源像を形成することができる。ここで、補助フラ
イアイレンズ54は、開口絞り65に対応し、同様にレ
ンズ55は絞り63に、レンズ56は絞り64にそれぞ
れ対応している。なお、従来技術においても、本実施形
態の補助フライアイレンズ54〜56に対応する第1フ
ライアイレンズを切り換えて、径の小さい開口絞りに対
応させることは行われている。
【0057】これに対して、本実施形態の特徴の一つ
は、このような従来技術の第1フライアイレンズ(本実
施形態では補助フライアイレンズ54〜56)を切り換
える選択肢を増やして、第1から第3の回折光学素子5
1〜53をも選択できるように構成されていることであ
る。
【0058】次に、上記した第1から第3の回折光学素
子51〜53の詳細について説明する。これらの格子
は、位相型回折光学素子であり、複数の微小な位相パタ
ーンや透過率パターンを配設して構成されている。図3
(A)は、回折光学素子をX方向から見た断面形状を示
す図である。回折光学素子に入射した光のうち、Aで示
す部分を透過した光は位相がゼロ、Bで示す部分を透過
した光は位相がπだけ遅れる。したがって、波動光学的
に見るとこれら2つの光は打ち消しあって、図3(B)
に示すように0次光(直接透過光)が無くなる。そのた
め、回折光学素子51を透過した光は±1次光(又は±
2次光)として回折され、リレーレンズ7を透過する。
そして、図3(C)に示すように所定の照射面P上では
デルタ(δ)関数状の強度分布Iを有する照明となる。
この現象を利用して、種々のバリエーションの位相パタ
ーンや透過率パターンを加えた回折光学素子を使用する
と、照射面P、つまりフライアイレンズ8の入射面上で
所望の光強度分布を得ることができる。なお、上記回折
光学素子は、位相、透過率、屈折率などの違いにより光
を回折させる全ての素子を含むものをいう。
【0059】図4(A)は、一例として第1の回折光学
素子51に光束が入射する様子を示す斜視図である。図
4(B)は回折光をX方向から見た様子、図4(C)は
回折光をY方向から見た様子をそれぞれ示す。ここで、
光軸をZ軸とし、これに対して垂直に交わる縦の方向を
Y軸、横の方向をX軸として、ZY面での角度をθy
ZX面での角度をθxとする。入射光は第1の回折特性
により回折角度θx0〜θx1、θy0〜θy1の範囲で回折さ
れる結果、回折光の断面形状は略輪帯形状となる。そし
て、リレーレンズ7を介してフライアイレンズ8の入射
面上に輪帯形状の光強度分布を形成する。
【0060】図5は、第1の回折光学素子51がフライ
アイレンズ8の入射面に形成する照明領域を説明する図
である。第1の回折光学素子51を使用すると、第1の
回折特性により、回折後の光束の断面形状が略輪帯形状
になる。そして、リレーレンズ7を通過した光束は、フ
ライアイレンズ8の入射面上で、斜線で示す略輪帯状の
照明領域IAのみにほぼ均一な光強度分布を形成する。
ここで、点線で示す輪帯は、第1の回折光学素子51に
対応して配置された開口絞り66による開口領域AAを
示す。図からも明らかなように、第1の回折光学素子5
1及びリレーレンズ7によって形成した輪帯形状の光束
により、開口絞り66の開口形状に対応するフライアイ
レンズ8の要素レンズ8aのみを照明できるので、光源
1からの光量を極めて高効率に使用できる。
【0061】一方、従来型の補助フライアイレンズ54
〜56の照明領域は、図26の斜線で示す領域となる。
このため、フライアイレンズ8の射出側に配置されてい
る開口絞りの形状が図27(A)のような輪帯形状(斜
線部分が遮光部分)である場合に補助フライアイレンズ
54〜56をあえて用いると、図6の斜線部で示す部分
の光量が遮光されてしまうので、光量損失が大きくな
る。
【0062】第1の回折光学素子51については、さら
に照明効率を上げるために、輪帯状の開口絞り66を通
過する光束に寄与する要素レンズ8aのみの輪郭に沿っ
て照明を行わせることもできる。この場合、回折光学素
子51の回折角度θx、θyの範囲を適宜変更して、図7
(A)に示すように、フライアイレンズ8の入射面で、
中心部の光強度と周辺部の光強度分布とが異なるような
多角輪帯状の照明領域IAにする。これにより、必要な
要素レンズ8aのみを照明することができるので、輪帯
状の開口絞り66を極めて効率良く照明できる。
【0063】また、第1の回折光学素子51として、図
7(B)に示すように、回折光を外側形状が樽型、内側
形状が六角形である多角輪帯形状に変換する回折特性を
有する回折光学素子を使用することもできる。この場合
も、フライアイレンズ8を構成する要素レンズ8aのう
ち照明に利用されるものの大きさに合わせた照明領域I
Aになり、簡易に、照度の均一性を保ちつつ、さらに照
度効率を上げることができる。
【0064】また、第1の回折光学素子51として、図
7(C)に示すように、照明領域IAの外側、及び内側
形状がともに楕円輸帯形状(図の太線)となるような回
折特性を有する回折光学素子を使用することもできる。
これによっても、フライアイレンズ8を構成する要素レ
ンズ8aのうち照明に利用されるものの大きさに合わせ
た照明を行なうことができ、照明均一度を保ちつ照明効
率を上げることができる。
【0065】また、フライアイレンズ8を構成する各要
素レンズ8aが不規則、すなわち規則的な格子状に整列
していない場合は、回折光の断面形状の外形が円形又は
多角形、内形が多角形又は円形の多角輪帯状となるよう
な回折特性を有する回折光学素子を適当な回折角で使用
することにより、フライアイレンズ8を構成する要素レ
ンズ8aのうち照明に利用れるものの大きさに合わせた
照明を行うことができる。
【0066】図8は、回折光学素子51の有効領域とフ
ライアイレンズ8の要素レンズ8aとの関係を説明する
図であり、図8(A)は回折光学素子51を、図8
(B)はフライアイレンズ8の一部を示す。図からも明
らかなように、回折光学素子51の有効領域51aと、
フライアイレンズ8を構成する各要素レンズ8aのXY
断面とは、ともに長方形であり、ほぼ相似形となるよう
に設定されている。このような設定により、フライアイ
レンズ8の射出面に生成される光点列LMの巨視的構造
が最も稠密となり、これを近似的には面光源とみなすこ
とができる。つまり、フライアイレンズ8の出射側の開
口絞り66の位置における巨視的な光強度分布の均一性
を向上させることができ、さらにはレチクル14やウエ
ハ16の均一な照明を達成することができる。
【0067】なお、回折光学素子51の有効領域51a
は、回折光学素子51のうち光学要素が形成されている
領域の射出面近傍におけるXY断面形状、及び回折光学
素子51への入射ビームのXY断面形状のいずれかのう
ち狭い方とほぼ一致する。この実施形態では、回折光学
素子51の光学要素が形成されている領域と回折光学素
子51への入射ビーム形状とを、ともにフライアイレン
ズ8を構成する要素レンズ8aの断面形状と一致させて
いる。
【0068】照明条件を変更する場合、例えばモータM
T2によってレボルバ6Bを回転させて、開口絞りとし
て、図2(B)に示す大きな径の輪帯絞り63(絞り6
6と同じ形状で大きさが異なる)を光路中に位置させる
ことができる。このように大きな径の輪帯絞り63に交
換した場合、リレーレンズ7が可変ズーム光学系であれ
ば、第1の回折光学素子51を光路中に位置させたまま
で、光量の損失無しにフライアイレンズ8を照明するこ
とができる。
【0069】また、モータMT2によりレボルバ6Bを
回転し、開口絞り61を選択した場合は、連動してモー
タMT1でレボルバ6Aを回転し、第2の回折光学素子
52を光路中に位置させる。第2の回折光学素子52
は、第2の回折特性を有し、回折後の光束の断面形状が
4方向に分離した形状となる。そして、リレーレンズ7
を介した後、フライアイレンズ8の入射面上で図9
(A)に示すように四つ目状の光強度分布である照明領
域IAを形成する。そのため、従来の補助フライアイレ
ンズを使用した場合に比較して、中心を通る十字状の領
域を無駄に照明することがなくなり、字照度効率を極め
て高くすることができる。
【0070】さらに好ましくは、四つ目形状のうちの一
つの断面形状が多角形、特に図9(B)に示すように五
角形形状をしたものを使用すると、フライアイレンズ8
を構成する要素レンズ8aの大きさに最適な照明になる
ので、照度の均一性を維持しつつさらに照度効率を向上
することができる。
【0071】なお、フライアイレンズ8を構成する各要
素レンズ8aが不規則に配設されている場合、即ち格子
状に整列していない場合に、四つ目形状の回折光の外形
形状が多角形となる回折特性を有する回折光学素子を使
用することにより、フライアイレンズ8を構成するうち
必要な要素レンズ8aの大きさに最適な照明を行うこと
ができる。
【0072】また、モータMT2によりレボルバ6Bを
回転し、開口絞り62を選択した場合は、連動してモー
タMT1でレボルバ6Aを回転し、第3の回折光学素子
53を光路中に位置させる。第3の回折光学素子53
は、第3の回折特性を有し、図10に示すように、回折
光の断面形状が略円形状(樽型形状)になる。そして、
リレーレンズ7を介してフライアイレンズ8の入射面上
で略円形状の光強度分布である照明領域IAを形成す
る。このため、従来の補助フライアイレンズを使用した
場合に比較して、照度効率を極めて高くすることができ
る。
【0073】なお、フライアイレンズ8を構成する各要
素レンズ8aが不規則に配設されている場合、即ち格子
状に整列していない場合に、回折光の外形形状が多角形
となる回折特性を有する回折光学素子を配置することに
より、フライアイレンズ8を構成する必要な要素レンズ
8aの大きさに最適な照明を行うことができる。これに
より、照度の均一性を維持し、かつ光量の損失を大幅に
低減できる。
【0074】以上の実施形態では、第1の回折光学素子
51の有効領域と、フライアイレンズ8の要素レンズ8
aの断面形状とが相似であるとして説明したが、第2及
び3の回折光学素子52、53の有効領域と、フライア
イレンズ8の要素レンズ8aの断面形状も互いに相似と
なっている。したがって、照明条件の変更に伴って第2
及び3の回折光学素子52、53を選択した場合にも、
フライアイレンズ8の出射側の開口絞り61、62の位
置における巨視的な光強度分布の均一性を向上させるこ
とができ、さらにはレチクル14やウエハ16の均一な
照明を達成することができる。
【0075】また、特に投影原版としてのレチクルとワ
ークとしての基板とを投影光学系に対して移動させつつ
露光を行う走査型の投影露光装置に本実施形態を適用す
る場合には、波面分割型のオプティカルインテグレータ
としてのフライアイレンズ8を構成する複数の要素レン
ズ8aの個々の形状が長方形状となる(図8(B)等参
照)。この場合、フライアイレンズ8上に形成される照
明領域のエッジの方向が、複数の要素レンズ8aにおい
て走査方向と対応する方向(典型的には要素レンズ8a
短辺に沿った方向)に平行となると、被照射面としての
ウエハ上での照度分布が走査直交方向において所望の分
布とならないおそれがある。
【0076】そこで、特に4重極照明を行うときには、
回折光学素子52及びリレーレンズ7によってフライア
イレンズ8の入射面上に形成される4つの照明領域のエ
ッジの方向を、フライアイレンズ8を構成する複数の要
素レンズ8aの走査方向に対応した方向、つまり要素レ
ンズ8aの短辺方向に対して傾斜させることが好まし
い。
【0077】図11(A)は、フライアイレンズ8の入
射面上に形成される4つの照明領域IAの形状を楕円形
状とした例を示す。そして、図11(B)は、これら複
数の照明領域IAとフライアイレンズ8を構成する複数
の要素レンズ8aの入射面との関係を示す図である。こ
の場合、照明領域IAのエッジは、要素レンズ8aにお
ける走査方向に対応した方向に対して連続的に傾いた方
向となっている。
【0078】図11(B)からも明らかな通り、楕円形
状の照明領域IAのエッジが、複数の要素レンズ8aに
対してそれぞれ同じ位置で交差していないため、被照射
面上での照度分布の不均一性(所望の分布からの偏
り)、特に走査直交方向の不均一性を低減できる。
【0079】なお、この場合、フライアイレンズ8の射
出側の開口絞り9によって、複数の要素レンズ8aのう
ち照明領城のエッジが交差している要素レンズを遮光し
なくとも、照度ムラ低減の効果を得ることができる。ひ
いては、開口絞り9を用いない場合(または最大開口と
する場合)であつても、照度ムラ低滅効果を得ることが
できる。従って、リレーレンズ8をズーム光学系として
複数の照明領域IAの位置を連続的に変移させた場合に
おいても、それらの照明領域IAに対応して開口絞り9
の開口部の位置を連続的に変移させる必要がない。
【0080】また、図11(C)に示すように、4つの
照明領域IAの形状を円形状としてもよい。なお、結像
性能向上の観点に立てば、図11(A)のように複数の
照明領域IAの形状を楕円形状とした方が、図11
(C)のように円形状とするよりも、フライアイレンズ
8の射出側である3次光源の光量分布を光軸から離すこ
とが可能であるため好ましい。
【0081】走査型露光装置では、複数の照明領域IA
のエッジの方向が走査直交方向と同方向であっても、こ
の方向に沿った照度ムラは走査露光により積分されるた
め考慮しなくともよい。従って、回折光学素子52及び
リレーレンズ7が形成する複数の照明領域IAの形状と
しては、図11(D)に示すような六角形状であっても
良い。この場合、要素レンズ8aの走査方向に対応する
方向に対して斜めに照明領城IAのエッジが交差するよ
うに設定すれば、被照射面上での照度ムラを低滅させる
ことができる。
【0082】なお、要素レンズ8aの走査方向に対応す
る方向に対して斜めに照明領域IAのエッジが交差する
ように設定するならば、照明領域の形状は六角形状に限
られず、他の多角形状でもよい。
【0083】例えば、図11(E)に示すように、照明
領域IAの形状は矩形状であってもよい。
【0084】一方、照明領域の形状が六角形状や矩形状
であっても、そのエッジが要素レンズ8aの走査方向に
対応する方向と平行となってしまう場合(例えば図11
(D)に示す各照明領域IAをその重心を中心として3
0゜回転させたような場合)、照度ムラの低滅効果が減
少するため好ましくない。
【0085】また、以上の例では、4重極照明を前提と
してフライアイレンズ8の入射面上に4つの照明領域I
Aを形成したが、上記の原理は、8重極照明などの多重
極照明にも応用できる。つまり、フライアイレンズ8の
入射面上に形成される多重極照明を構成する各照明領域
のエッジ方向を、フライアイレンズ8を構成する複数の
要素レンズ8aの走査方向に対応した方向に対して傾斜
させることにより、照度分布の均一性を向上させること
ができる。
【0086】以上の通り、回折光学素子及びリレーレン
ズによって波面分割型インテグレータの入射面に複数の
照明領城を形成する場合、複数の照明領域のエッジが波
面分割型インテグレータの要素レンズにおける走査方向
と対応する方向に対して傾くように設定することによ
り、被照射面上での照度ムラを低減させた状態のもとで
結像性能を向上させ、かつ光量損失も低減できる効果を
得ることができる。なお、照明領城の長軸を光軸を中心
としたタンジェンシャル方向(サジタル方向)に設定す
れば、さらに結像性能の向上を図ることができる。
【0087】ここで、本実施形態におけるフライアイレ
ンズ8の詳細な構造について説明しておく。図12
(A)は、フライアイレンズ8を側方から見た図であ
り、図12(B)は、フライアイレンズ8を光軸に沿っ
て見た図である。図示のように、フライアイレンズ8
は、光軸方向に配置された2つのカバーガラス81、8
2によって保持されている。これらのカバーガラス8
1、82の外表面の中央部(光軸付近)には、遮光部材
として、円形の遮光コーティング81a、82aが施さ
れている。この遮光コーティング81a、82aを設け
たことにより、回折光学素子51〜53からの0次光が
不要なノイズ光としてレチクル14のパターン面やウエ
ハ16の表面に到達することを防ぐことができる。
【0088】ここで、0次光とは、回折光学素子の製造
誤差によって発生する直進光成分のことである。この0
次光は、リレーレンズ7の焦点位置に集光してしまう。
したがって、この0次光を放置した場合、例えば図10
では、照明領域IAの中央には、明るい特異点ができて
しまい、レチクル14やウエハ16の照明不均一を引き
起こしてしまう。そこで、図12(A)、(B)のよう
に、光軸上に遮光コーティング81a、82aを施し
て、0次光をカットして照明ムラの発生を防止している
のである。
【0089】図12では、2つのカバーガラス81、8
2にそれぞれ遮光コーティング81a、82aを施して
いるが、最低限、いずれか一方について0次光の遮光措
置がなされていればよいことはいうまでもない。また、
入射側については、遮光コーティング81aの代わりに
粗ずり面加工を施しておいてもよい。
【0090】遮光コーティング81a、82aの形状と
しては、特に回折光学素子側(入射側)の遮光コーティ
ング81aについては、フライアイレンズ8を構成する
要素レンズ8aのXY断面形状を単位とした形状にして
おくことが望ましい。フライアイレンズ8の入射側は、
レチクル14のパターン面と共役であるため、要素レン
ズ8aの入射端が部分的に遮光されると、レチクル14
の照明ムラとなってしまう虞があるからである。
【0091】なお、開口絞り61〜66の面内での照明
特性を回転対称にしたい場合には、フライアイレンズ8
の射出側のカバーガラス82に回転対称の遮光パタンを
生成しておくことが望ましい。
【0092】図13は、図12のフライアイレンズ8の
構造を変形した例である。図13(A)は、変形したフ
ライアイレンズ108を側方から見た図であり、図12
(B)は、フライアイレンズ108を光軸に沿って見た
図である。この場合、カバーガラス181、182に遮
光コーティングを施すのではなく、フライアイレンズ1
08の中央で要素レンズを金属製のダミー素子183に
置き換えている。このようなダミー素子183は、ガラ
ス材に遮光コーティングを施すことによって形成したも
のとすることができる。ガラス材からダミー素子183
を形成する場合、回折光学素子側(入射側)について
は、遮光コーティングの代わりに粗ずり面加工としても
よい。
【0093】フライアイレンズ108中におけるダミー
素子183の配置は、図13(B)に示すものには限定
されない。0次光の入射範囲や、照明条件等に応じて図
示の配置を適宜変更することができる。
【0094】図14は、図13のフライアイレンズ10
8の構造をさらに変形した例である。この場合、フライ
アイレンズ208の中心にダミー素子283を形成する
とともに、ダミー素子283の軸心に差込穴(またはネ
ジ穴)283aを設けている。さらに、カバーガラス2
81、282のうち出射側に開口を設け、遮光部材であ
る遮光板284の中央から突出した突起を差込穴283
aに差込む。これにより、周辺からの保持することな
く、任意の形状の遮光板284をフライアイレンズ20
8の中央に配置することができる。
【0095】次に、輪帯状の発散特性を持つ第1の回折
光学素子51と、円形の開口絞り65とを組み合わせて
使用する場合について説明する。なお、この場合も、フ
ライアイレンズ8では、図12〜図14で示した0次光
の遮光が行われているものとする。
【0096】このような組み合わせの照明では、上記し
た開口絞り66の場合と異なり、輪帯の内側絞りがない
ため回折光学素子51によって生成された輪帯照明領域
の内側部分に関しては、照明領域の境界まで全て利用す
ることができる。したがって、光量ロスを最小限に押さ
えつつ輪帯照明を行なうことができる。なお、4つ目状
の発散特性を持つ第2の回折光学素子52と円形開口絞
り65を組み合わせて使用する際にも、回折光学素子5
1と開口絞り65の組み合わせの場合と同様の効果を得
ることができる。
【0097】次に、レボルバ6A内における回折光学素
子51〜53の配置方法について説明する。図15に示
すように、各回折光学素子は、保護容器105中に収容
されている。この保護容器105は、回折光学素子51
〜53を支持する金属ホルダ105aと、金属ホルダ1
05aに固定されて平行に支持された一対の保護光学部
材であるカバーガラス105bとを備える。つまり、回
折光学素子51〜53は、保護容器105の外側に存在
する酸素が紫外線に励起されることによって発生するガ
ス等の不純物の付着に対し、光軸方向に関しては両カバ
ーガラス105bによって保護され、光軸に垂直な方向
に関しては金属ホルダー105aによって保護される。
この場合、不純物が付着するのはカバーガラス105b
だけであるから、不純物の付着によって透過率が劣化し
ても、高価な回折光学素子51〜53を交換することな
く、安価なカバーガラス105bの交換のみによって、
透過率劣化を回復することが可能である。
【0098】ここで、回折光学素子51〜53の光軸方
向の配置について詳細に説明する。以上の実施形態で
は、回折光学素子をリレーレンズ7の焦点位置から光軸
方向にシフトした位置に配置してある。これは、レチク
ル上に発生する干渉ノイズを低減するためである。
【0099】図16は、干渉ノイズの発生を説明する模
式図である。干渉ノイズは、図4に示した±1次光がレ
チクル面で干渉することによって主に発生する。回折光
学素子51をリレーレンズ7の焦点距離に配置した場
合、回折光学素子51上のある1点から発生した±1次
光は、対称的な角度で発生するために、それぞれ光軸に
対して対称的な位置にある要素レンズ8aに入射すると
ともに、各要素レンズ8a内で同じ位置に入射する。こ
れらの光束は、レチクル共役面にある視野絞り11の位
置で再び合流し干渉ノイズを発生する。
【0100】光源1からの光がエキシマレーザのように
発散角αがあるものであっても、干渉ノイズは低減され
ない。同図の点線の光束は光源の発散角αによって傾斜
を持って射出した成分を示している。このような光束で
は、要素レンズ8a上での入射位置が実線の場合からシ
フトする。しかし、回折光学素子51がリレーレンズ7
の焦点位置にあることから、波面の傾斜は発生しない。
図面中において、実線は垂直入射の場合の波面WS1を
示し、点線は傾斜入射の場合の波面WS2を示す。この
ように、発散角αがあっても位相差が発生しないので、
種々の角度αで照明光が入射したとしても、各角度成分
は、視野絞り11上に同じ干渉パターンを発生しまう。
すなわち、発散角αによる干渉パタンの平均化は起こら
ない。
【0101】図17は、本実施形態における干渉ノイズ
の発生防止を説明する模式図である。この場合、回折光
学素子51をリレーレンズ7の焦点位置から所定距離d
だけ離して配置しているので、発散角αによって±1次
光の波面が相対的に傾斜し、発散角αに応じた位相差が
発生することが分かる。この現象は、フライアイレンズ
8に入射する光線の角度がリレーレンズ7の焦点面(点
線)を切る位置によって定まることから理解される。こ
の現象を利用すれば、角度α毎に異なる干渉パターンが
視野絞り11上に生成される。つまり、各角度αによる
干渉ノイズの強度分布が互いに平均化され、視野絞り1
1と共役なレチクル14のパターン面等における干渉ノ
イズが低減される。
【0102】なお、上記の位相差は、発散角αを一定と
すると距離dが大きいほど大きくなる。また、上記の位
相差は、着目するフライアイレンズ8中の要素レンズ8
aが光軸から離れているほど大きくなる。ここで、要素
レンズ8aの最低位置(光軸からの距離)は、照明形態
ごとにある値に定まる。よって、使用する照明条件の範
囲で、発散角αと要素レンズ8aの最低位置とが定まる
ならば、その最低位置における要素レンズ8aに関する
±1次光の位相差が波長以上となるように、距離dを調
整しておくことが望ましい。
【0103】以上の説明では、回折光学素子51を光源
側に距離dシフトする場合を示したが、回折光学素子5
1をフライアイレンズ8側にシフトした場合でも、同じ
効果が得られる。また、以上の説明において、回折光学
素子51の光軸方向の位置は、回折光学素子51がパタ
ーニングされた面に対して定義されるものである。
【0104】(第2実施形態)図18は、本発明の第2
実施形態に係る投影露光装置の構成を示す図である。基
本的な構成は第1実施形態の装置と同様であるので重複
する部分の説明は省略する。
【0105】第1から第3の回折光学素子51〜53を
光路中に位置させた場合に、回折光学素子を通過し、フ
ライアイレンズ8の入射面上に照射された光は、スペッ
クルパターンがノイズとなり均一な照度(強度)分布の
照明が困難となる場合がある。そこで、回折光学素子5
1〜53をレボルバ6Aごと振動機構部VBにより振動
させることで、フライアイレンズ8の入射面上でスペッ
クルパターンを振動させる。これにより、時間平均する
とスペックルパターンは平滑化されるので、均一な光強
度分布を得ることができる。
【0106】さらに、リレーレンズ7とフライアイレン
ズ8との間に楔状の偏向プリズムDPを配置し、モータ
MT3で該プリズムDPの中心と光軸AXとを略一致さ
せて露光中に回転させることにより、フライアイレンズ
8の入射面上に形成される光強度分布を回転させること
ができる。この結果、スペックパターンも回転するの
で、時間平均するとスペックルパターンは平滑化され、
回折光学素子51〜53を振動させた場合と同様に均一
な照度分布の光を得ることができる。ここで、回折光学
素子を振動させる事と偏向プリズムDPを使用する事の
何れか一方、又は両方を行っても良い。
【0107】さらに、光源1がパルス光を射出する場合
は、所定のパルス数ごとに回折光学素子51〜53をシ
フト又はチルトさせて、スペックパターンを平均化して
も良い。
【0108】(第3実施形態)図19は、本発明の第3
実施形態に係る投影露光装置の構成を示す図である。図
19では、コンデンサ光学系10とリレー光学系12の
部分を簡略表示しているが、実際には図1の対応部分と
同じ構成である。またその他の基本的構成についても第
1実施形態の装置と同様である。
【0109】第3実施形態の装置における光束変換部
は、第1及び第2実施形態のようにレボルバー回転させ
て回折光学素子を選択する代わりに、カセットに収納し
た複数の回折光学素子のうちから必要な回折光学素子を
選択して光路上に配置することによって、フライアイレ
ンズ8の入射面側に所望の強度分布の光を供給する。こ
のため、光束変換部は、回折光学素子151を収納する
カセット58aと、カセット58aから回折光学素子1
51を受け取って搬送する搬送路58bと、搬送路58
から回折光学素子151を受け取って支持する支持部材
58cとからなる。
【0110】カセット58aは、回折特性が異なる複数
の回折光学素子151を貯蔵している。このカセット5
8aは、CPU(図示省略)からの信号に基づいて所望
の照明条件に対応する回折光学素子151を送り出し、
搬送路58bは、カセット58aから送り出された回折
光学素子151を照明光の光路に向けて搬送する。搬送
路58bを通った回折光学素子151は、支持部材58
cに搬入されて照明光の光路上で固定される。
【0111】なお、支持部材58c中に保持された不要
な回折光学素子151は、交換に際して予め光路上から
除去される。つまり、光路上に移動させるべき新たな回
折光学素子151をカセット58aから搬出する前に、
光路上から除去すべき元の回折光学素子151、すなわ
ち支持部材58c中に保持された回折光学素子151を
搬送路58bを介してカセット58a中に格納する。
【0112】ここで、カセット58aは、取り外し可能
であり、交換可能とする。この場合、収納している回折
光学素子151の種類が異なる種々のカセットを予め備
えておき、所望のカセットを自動的に選択して搬送路5
8bに接続する構成としてもよい。
【0113】以上のようなカセット58aを用いた場
合、フライアイレンズ8上の強度分布のバリエーション
が増える。例えば、同じように輪帯形状の回折特性を利
用する場合であっても、種々の最大発散角と最小発散角
を組み合わせることによって多様な輪体照明を行うこと
ができる。このようにフライアイレンズ8上の強度分布
のバリエーションを増やすことにより、フライアイレン
ズ8の出射側に配置する輪体開口絞りの形状を多様に調
節し、照明の瞳分布をきめ細かく調整した場合にも、照
明光量を無駄にすることがない。なお以上では、輪体照
明の場合について説明したが、円形照明、四つ目形状照
明の場合についても同様な効果がある。
【0114】回折光学素子151を保持する支持部材5
8cは、図15に示す場合と同様に、カバーガラス58
dによって周囲に対して気密に仕切られた支持室になっ
ている。この支持室には、不活性ガス、例えば窒素、ヘ
リウムガス等をパージしておくことが望ましい。この場
合、支持部材58cの外側で発生するガス等に起因する
不純物の付着から回折光学素子151を保護することが
でき、安価なカバーガラス58dの交換のみによって、
透過率劣化を回復することが可能である。また、支持部
材58cから延びる搬送路58bに対してカセット58
aを着脱自在としているので、不純物によるくもり対策
になるのみならず、回折光学素子151のメンテナンス
が容易となる。
【0115】さらに、第3実施形態に係る投影露光装置
では、リレーレンズ7を2分割して前群7aと後群7b
とに分け、さらに両群7a、7bの間に振動ミラー7c
を配置している。前群7aと後群7bの少なくとも一方
には、駆動機構72を設けており、前群7aと後群7b
の少なくとも一方を3次元的に微動させたり、光軸に垂
直な一対の軸回りに微少回転させることができるように
なっている。振動ミラー7cにも、駆動機構73を設け
ており、振動ミラー7cを3次元的に微動させたり、光
軸に垂直な一対の軸回りに微少回転させることができる
ようになっている。なお干渉ノイズ低減のために露光時
間中に振動ミラー7cの角度を変化させる駆動機構は、
不図示であり、駆動機構73とは別に設けてある。
【0116】動作について説明すると、駆動機構72に
よって前群7a及び後群7bの少なくとも一方をXYシ
フトまたはXYチルトさせて(Z軸は光軸に平行とす
る)、回折光学素子151によって形成される照明領域
とフライアイレンズ8の入射面との位置合わせを行な
う。一方、駆動機構73によってミラー7cをXYチル
トさせて、照明領域の位置合わせを行なうこともでき
る。
【0117】また、駆動機構72によって前群7a及び
後群7bの少なくとも一方をZ方向シフトによってフラ
イアイレンズ8の入射面上の照明領域の大きさを調整す
る。
【0118】以上のような駆動機構72、73を適宜動
作させることにより、レチクル17のパターン面又はウ
エハ16の露光面での照明ムラとテレセン度を高精度に
調整することができる。ここで、テレセン度とは、ウエ
ハ16等に入射する照明光束の傾きの少なさを意味し、
ウエハ16の露光面等における結像の等方性を意味す
る。照明ムラやテレセン度はフライアイレンズ8の後段
に設けたコンデンサ光学系10に含まれる光学要素のシ
フトまたはチルトによって調整することができるが、フ
ライアイレンズ8の前段に設けたリレーレンズ7を構成
する光学要素の微動と組み合わせることによって、より
高精度な調整が可能となる。
【0119】(第4実施形態)図20は、本発明の第4
実施形態に係る投影露光装置の構成を示す図である。基
本的な構成は第1実施形態の装置と同様であるので重複
する部分の説明は省略する。
【0120】第4実施形態の装置におけるリレーレンズ
207は、一対のレンズ群207a、207bからなる
ズームレンズとなっており、ズーム駆動機構207dに
よってフライアイレンズ8に投影する照明領域のサイズ
を適宜調節することができるようになっている。ズーム
駆動機構207dは、入力されたズーム倍率に応じて、
リレーレンズ207を構成する両レンズ群207a、2
07bを適宜ズーム動作させることができる。また、両
レンズ群207a、207bの少なくとも1つは、電動
機構207eによって単独で移動させることができるよ
うになっている。このように、レンズ群207bを単独
で移動させることによってフライアイレンズ8の照明状
態を変更することができるので、マスク14における照
明情報に応じて照明分布を最適化するといった制御が可
能になる。
【0121】また、コンデンサ光学系210も、一対の
レンズ群210a、210bからなるズームレンズとな
っている。また、光源1と回折光学素子51〜54との
間には、光源1からの光束に多重位相変化を与える光遅
延素子21が配置されている。また、回折光学素子51
〜54は、出射側に光束を変化させるプリズム等を設け
たフライアイインテグレータやマイクロ・フライアイ・
レンズに置き換えることができる。
【0122】動作について説明すると、光源1からの光
束は、光遅延素子21を通って回折光学素子51〜54
に入射する。この回折光学素子51〜54は、図1に示
すと同様のレボルバ6Aによって他の回折光学素子と交
換可能になっており、任意の回折角度特性を有する多光
源像を形成することができる。この多光源像から射出さ
れた光束は、リレーレンズ207で集光され、所望の照
明領域でフライアイレンズ8に入射する。このフライア
イレンズ8は、図1に示すと同様のレボルバ6Bによっ
てサイズ等が異なる他のフライアイレンズと交換可能に
なっている。フライアイレンズ8の射出側では、実質的
な面光源が形成され、この面光源から発散された光束
は、コンデンサ光学系210を通ってリレー光学系12
に入射し、ミラー13で反射される。リレー光学系12
及びミラー13を通過した光束は、レチクル又はマスク
14に形成されたパターンを重畳的に均一に照明する。
均一照明されたレチクル又はマスク14上のパターン
は、投影レンズ15によって被露光物体であるウエハ1
6に投影露光される。
【0123】ここで、リレーレンズ207は、焦点距離
を変更することにより、フライアイレンズ8の入射面上
に所望の大きさで照明することができる。この時、レチ
クル14が均一に照明されず、照明ムラがあつた場合、
リレーレンズ207構成する一方のレンズ群207bを
独立に光軸方向に移動させる。このようにレンズ207
bを独立して移動させることにより、ズームレンズであ
るリレーレンズ207のデイストーションを変化させ、
形成される像の位置もずれるため、フライアイレンズ8
の入射面側での像をぼかすことができる。これにより、
フライアイレンズ8の射出面側で形成される実質的な面
光源が変化し、面光源の状態を調整することができる。
さらに、面光源に変化があると、マスク14での照明ム
ラも変化するため、レンズ207bを動かすことで照明
ムラを調整し、さらにウエハ16上における露光ムラを
低減することができる。
【0124】さらに、リレーレンズ207を構成する各
レンズ群207a、207bをズーム駆動機構207d
によって移動させて倍率を適宜変更することにより、フ
ライアイレンズ8の入射面における照明領域のサイズ、
すなわちフライアイレンズ8の射出面側に形成される面
光源の大きさを調整することができる。なお、ズーム駆
動機構207dによって面光源の大きさを調整すること
により、マスク14上で照明ムラが生じた場合などにお
いては、上記と同様に電動機構207eによってリレー
レンズ207のレンズ群207bを動かすことにより、
照明ムラや露光ムラを調整することができる。
【0125】なお、上記第4実施形態のリレーレンズ2
07では、ズーム駆動機構207dによってズーム倍率
を変更し、電動機構207eによってフライアイレンズ
8の照明状態を変更することとしているが、ズーム倍率
と照明状態の双方を変更する必要はない。例えば、ズー
ム駆動機構207dによってズーム倍率を変更するだけ
でもよく、電動機構207eによってフライアイレンズ
8の照明状態を変更するだけでもよい。
【0126】(第5実施形態)図21は、本発明の第5
実施形態に係る投影露光装置の要部を示す図である。基
本的な構成は第1実施形態の装置と同様であるので重複
する部分の説明は省略する。
【0127】第5実施形態の装置におけるリレーレンズ
307は、一対のレンズ群307a、307bからなっ
ており、駆動機構307dによって焦点距離やピント位
置を適宜調節できるようになっている。
【0128】リレーレンズ307のピント位置を調節す
る際には、駆動機構307dを動作させて両レンズ群3
07a、307bいずれか一方を光軸方向に移動させ
る。
【0129】一方、リレーレンズ307の焦点距離を調
節する際には、駆動機構307dを動作させて両レンズ
群307a、307bの間隔を調整する。この際、リレ
ーレンズ307全体としての前側焦点面を回折光学素子
51の出射面にほぼ一致させるように、両レンズ群30
7a、307bを全体として光軸方向に移動させる。
【0130】図22及び図23は、駆動機構307dに
よってリレーレンズ307の焦点距離やピント位置を調
節した場合における、フライアイレンズ8の入射面側で
の照射領域の変化を示す。
【0131】図22(A)は、円形である当初の照明領
域IA1を示し、図22(B)は、焦点距離やピント位
置の調節後の照明領域IA2を示す。駆動機構307d
によってリレーレンズ307の焦点距離やピント位置を
調節することで、比較的小さな照明領域IA1から比較
的大きな照明領域IA2に変更できることが分かる。な
お、リレーレンズ307の焦点距離を短くする場合、調
整後の照明領域は、当初の照明領域IA1よりも小さく
なる。
【0132】図23(A)は、環状である当初の照明領
域IA3を示し、図23(B)は、焦点距離の調節後の
照明領域IA4を示し、図23(C)は、ピント位置の
調節後の照明領域IA5を示す。
【0133】図23(A)と図23(B)の比較により
明らかなように、駆動機構307dによってリレーレン
ズ307の焦点距離を調節することで、比較的小さな照
明領域IA3を相似に拡大した照明領域IA4に変更でき
ることが分かる。つまり、輪帯照明の内側の径と外側の
径とを比例させて全体のサイズを適宜変更することがで
きる。
【0134】また、図23(A)と図23(C)の比較
により明らかなように、駆動機構307dによってリレ
ーレンズ307のピント位置を調節することで、照明領
域IA3の輪帯比を変更した照明領域IA5を得ることが
できる。つまり、輪帯照明の内側と外側との間隔を適宜
変更することができる。
【0135】本実施形態では、駆動機構307dによっ
てリレーレンズ307の焦点距離やピント位置を適宜調
節しているので、フライアイレンズ8をある程度の自由
度をもって可変に照明することができるので、光量損失
を効果的に低減することができる。
【0136】また、本実施形態では、フライアイレンズ
8を構成する要素レンズの個数、すなわち積分個数を3
00個以上としている。このため、フライアイレンズ8
の出射面側に配置される絞りを可変開口絞りとするまで
もなく、フライアイレンズ8に入射する光束のサイズを
変更するだけで照明条件を変更しても、マスク14にお
ける照明ムラの発生を低く抑えることができる。このこ
とを、以下に詳細に説明する。
【0137】フライアイレンズ8を構成する要素レンズ
は、一辺の長さがdである正方形断面を有するものと仮
定する。また、フライアイレンズ8の照明領域の半径を
Rとすると、フライアイレンズ8全体による積分個数N
は、 N=π・R2・/d2 (1) で与えられる。また、フライアイレンズ8の周辺を構成
する要素レンズの個数N sは、おおよそ Ns=2πR/d (2) となる。これら周辺の要素レンズは、部分的に照明され
るので、照明ムラの原因となる可能性がある。周辺の一
つ要素レンズによって生じる照明ムラは最大で100%
の可能性があるが、周辺ではだんだんと照度が弱くなる
ので、生じるむらも少なくなり、絶対的な影響度も小さ
くなる。よって、総合的に考えると、周辺の一つの要素
レンズによって生じる照明ムラの影響は、1/3程度と
見積もることができる。さらに、周辺領域における統計
的ランダム性よリ、それらの数の平根で照明ムラへの影
響がある。よって、照明ムラを1%以下にするために
は、 (1/3)・(Ns1/2/N<0.01 (3) となる必要がある。よって、(1)、(2)、(3)式
より (1/3)・(2/π)1/2・(d/R)3/2<0.01 (4) となる。さらに(1)、(4)式より N>π・(1/3)4/3×(2/π)2/4 ×(0.01)-4/3=249 (5) を得る。すなわち、フライアイレンズ8による分割数が
約300を越えると、照明ムラの発生が抑えられる。特
に照明条件を変えたときにも、照明ムラの発生が十分に
抑えられることが分かる。
【0138】なお、走査型の露光装置の場合、一つの照
明領域がすなわちフライアイレンズ8を構成する要素レ
ンズの断面が長方形であるが、上記の場合とほぼ同様の
理論によって照明ムラの発生が抑えられる。
【0139】以上の説明では、第2のオプティカルイン
テグレータとしてフライアイレンズ8を用いる場合につ
いて説明したが、フライアイレンズ8に代えてロッドイ
ンテグレータを用いることもできる。図24は、第2の
オプティカルインテグレータとしてロッドインテグレー
タを用いた変形例を示す。この場合、回折光学素子51
〜54からの光束は、リレーレンズ307を介してロッ
ドインテグレータ408aの前側焦点面FFを所望の照
度分布で重畳的に照明する。ロッドインテグレータ40
8aの入射端側には、コンデンサレンズ408bが配置
されており、ロッドインテグレータの入射端の近傍に光
源面を形成する。また、ロッドインテグレータ408a
の出射端は、レチクルブラインドに相当し、マスク14
と共役な位置となっている。図示の装置でも、リレーレ
ンズ307を2群のレンズで構成して焦点距離やピント
位置を調節することにより、前側焦点面FFにおける照
明領域のサイズや比率を適宜調節することができる。
【0140】以上の第5実施形態では、第1のオプティ
カルインテグレータとして回折光学素子を用いている
が、これに代えてフライアイレンズを用いることができ
ることは言うまでもない。
【0141】また、以上の第5実施形態では、リレーレ
ンズ307を2群のレンズで構成して焦点距離やピント
位置を調節しているが、リレーレンズ307を3群のレ
ンズで構成してフライアイレンズ8やロッドインテグレ
ータ408aの照明のテレセン性を確保することもでき
る。
【0142】以上説明した第1〜第5実施形態において
は、光源1として、例えばKrFエキシマレーザ(波
長:248nm)やArFエキシマレーザ(波長:19
3nm)等、波長が180nm以上の照明光すなわち露
光光を用いることができる。この場合、回折光学素子5
1〜53、151は、例えば石英ガラスで形成すること
ができる。
【0143】なお、露光光として200nm以下の波長
を用いる場合には、回折光学素子51〜53、151を
螢石、フッ素がドープされた石英ガラス、フッ素及び水
素がドープされた石英ガラス、構造決定温度が1200
K以下で且つOH基濃度が1000ppm以上である石英
ガラス、構造決定温度が1200K以下で且つ水素分子
濃度が1×1017molecules/cm3以上である石英ガラ
ス、構造決定温度が1200K以下でかつ塩素濃度が5
0ppm以下である石英ガラス、及び構造決定温度が12
00K以下で且つ水素分子濃度が1×1017molecules
/cm3以上で且つ塩素濃度が50ppm以下である石英ガラ
スのグループから選択される材料で形成することが好ま
しい。
【0144】ここで、構造決定温度が1200K以下で
且つOH基濃度が1000ppm以上である石英ガラスに
ついては、本願出願人による特許第2770224号公
報に開示されており、構造決定温度が1200K以下で
且つ水素分子濃度が1×10 17molecules/cm3以上であ
る石英ガラス、構造決定温度が1200K以下でかつ塩
素濃度が50ppm以下である石英ガラス、及び構造決定
温度が1200K以下で且つ水素分子濃度が1×1017
molecules/cm3以上で且つ塩素濃度が50ppm以下であ
る石英ガラスについては、本願出願人による特許第29
36138号公報に開示されている。
【0145】以上説明した第1〜第5実施形態において
は、フライアイレンズ8及び補助フライアイレンズ54
を、複数の要素レンズを集積して形成しているが、これ
らをマイクロ・フライアイ・レンズとすることも可能で
ある。マイクロ・フライアイ・レンズとは、光透過性基
板にエッチングなどの手法により複数の微少レンズ面を
マトリックス状に設けたものである。複数の光源像を形
成する点に関して、フライアイレンズとマイクロ・レン
ズ・アレイとの間に機能上の差異は実質的にはないが、
1つの要素レンズ(微少レンズ面)の開口の大きさを極
めて小さくてきること、製造コストを大幅に削減できる
こと、光軸方向の厚みを非常に薄くできることなどの点
で、マイクロ・フライアイ・レンズの方が有利である。
【0146】また第1〜第4実施形態では、第2のオプ
ティカルインテグレータとしてフライアイレンズ8を用
いているが、その代わりに、四角柱、六角柱などの多角
柱状、あるいは円柱状の内面反射面を有するロッド型イ
ンテグレータを用いた実施形態をとることも可能であ
る。
【0147】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の照明装置によれば、従来のフライアイレンズに
代えて、光源部からの光束を波面分割するように回折さ
せる回折光学素子と該回折光学素子からの回折光を所定
面上で重畳させ該所定面上で所定の断面形状の光束に変
換する光学要素とを含む光束変換部を用いており、前記
回折光学素子の回折特性は、前記所定面上における光強
度分布を変更可能にするために変更可能である。したが
って、照明条件の変更に伴って所望の領域を正確に照明
できるので、光量を有効に使用でき高照度な照明が可能
である。
【0148】また、本発明の第2の照明装置によれば、
光源部と波面分割型インテグレータとの間に、光源部か
らの光束を波面分割するように回折させる回折光学素子
と回折光学素子からの回折光を所定面上で互いに重畳さ
せ該所定面上で所定の断面形状の光束に変換する光学要
素とを含む光束変換部が配置されており、前記波面分割
型インテグレータが、実質的に前記所定面上に配置され
る。したがって、前記所定面上に配置される前記波面分
割型インテグレータの所望の領域を必要に応じて正確に
照明できるので、光量を有効に使用でき高照度な照明が
可能である。
【0149】また、本発明の第3の照明装置によれば、
光束を所定の断面形状に変換する回折光学素子を用いて
いるので、所望の領域を正確に照明でき、光量を有効に
使用して高照度な照明が可能である。また、フライアイ
レンズに比較して材料が少なくて済み、かつ大きさも小
さいので製造コストを低減できる。さらに、簡便な構成
で様々な形状の領域を照明できる。
【0150】また、本発明の第4の照明装置によれば、
前記回折光学素子による前記照明領域が前記走査の方向
に対応する方向に対して傾けられたエッジを有するの
で、このエッジに対応する複数の要素レンズにおいて走
査直交方向の照度分布が連続的に変化する。よって、感
光性基板上においては、走査直交方向に関し、全体とし
ては均一な照度分布を得ることができる。
【0151】また、本発明の第5の照明装置によれば、
前記光学要素が複数のレンズ要素からなり、該複数のレ
ンズ要素の少なくとも1つの移動により当該光学要素の
屈折力及び焦点位置の少なくとも一方を調節可能である
ので、所定面上に重畳する光束の大きさや寸法比等を必
要に応じて適宜調整することができる。よって、マスク
上における照度分布を所望の状態とできるとともに、照
明光の損失を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる投影露光装置の
構成を示す図である。
【図2】(A)は補助フライアイレンズと回折光学素子
とが設けられたレボルバの構成を示す図である。(B)
は開口絞りが設けられたレボルバの構成を示す図であ
る。
【図3】(A)は回折光学素子の構成、(B)は回折光
の様子、(C)は回折光の光強度分布をそれぞれ示す図
である。
【図4】(A)は回折光学素子の斜視図、(B)、
(C)は回折角度を説明する図である。
【図5】所定面における光強度分布を示す図である。
【図6】光量の損失を説明する図である。
【図7】(A)、(B)、(C)は所定面における他の
光強度分布(輪帯形状)を示す図である。
【図8】(A)は回折光学素子の照明領域を示し、
(B)はフライアイレンズの出射端の一部を示す。
【図9】(A)、(B)は所定面における別の光強度分
布(四つ目形状)を示す図である。
【図10】所定面におけるさらに別の光強度分布(樽
型)を示す図である。
【図11】(A)〜(E)は、フライアイレンズと照明
領域との関係を説明する図である。
【図12】(A)、(B)はフライアイレンズの構造を
説明する側面図及び裏面図である。
【図13】(A)、(B)はフライアイレンズの別の構
造を説明する側面図及び裏面図である。
【図14】フライアイレンズのさらに別の構造を説明す
る側面図及び裏面図である。
【図15】回折光学素子の保持及び収納を説明する側面
図である。
【図16】回折光学素子の配置を説明する側面図であ
る。
【図17】回折光学素子の配置を説明する側面図であ
る。
【図18】本発明の第2実施形態にかかる投影露光装置
の構成を示す図である。
【図19】本発明の第3実施形態にかかる投影露光装置
の構成を示す図である。
【図20】本発明の第4実施形態にかかる投影露光装置
の構成を示す図である。
【図21】本発明の第5実施形態にかかる投影露光装置
の要部を示す図である。
【図22】(A)、(B)は、図21の装置における第
2のインテグレータの照明領域の変更の一例を説明する
図である。
【図23】(A)、(B)、(C)は、図21の装置に
おける第2のインテグレータの照明領域の変更の別の例
を説明する図である。
【図24】図21の装置の変形例を説明する図である。
【図25】(A)はフラアイレンズを用いた光学系、
(B)は従来の投影露光装置の光学系を示す図である。
【図26】従来のフライアイレンズによる光強度分布を
示す図である。
【図27】(A)輪帯形状の開口絞りの構成を示し、
(B)は四つ目形状の開口絞りの構成を示す図である。
【図28】光量の損失を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源 2 エキスパンダ 3,13 反射ミラー MT1,MT2 モータ 6A,6B レボルバ 51〜53,151 回折光学素子 54〜56 補助フライアイレンズ 7 リレーレンズ 8 フライアイアイレンズ 61〜66 開口絞り 10 コンデンサ光学系 12 リレー光学系 11 視野絞り 14 マスク 15 投影光学系 16 被露光基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷津 修 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 渋谷 眞人 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 5F046 BA04 CA04 CB05 CB10 CB12 CB13 CB23

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のパターンが形成されたマスクを照
    明する照明装置において、 光束を供給する光源部と;該光源部からの光束を波面分
    割するように回折させる回折光学素子と、該回折光学素
    子からの回折光を所定面上で重畳させ該所定面上で所定
    の断面形状の光束に変換する光学要素とを含む光束変換
    部と;前記光束変換部からの光束に基づいて実質的な面
    光源を形成するオプティカルインテグレータと;該オプ
    ティカルインテグレータからの光束を前記マスクへ導く
    光学系と;を備え、 前記回折光学素子の回折特性は、前記所定面上における
    光強度分布を変更可能にするために変更可能であること
    を特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 所定のパターンが形成されたマスクを照
    明する照明装置において、 所定波長の光を供給する光源部と;該所定波長の光に基
    づいて実質的な面光源を形成する波面分割型インテグレ
    ータと;該波面分割型インテグレータによる実質的な面
    光源からの光束を、前記マスク面または前記マスク面と
    共役な面へ重畳的に導くコンデンサ光学系と;を備え、 前記光源部と前記波面分割型インテグレータとの間に
    は、前記光源部からの光束を波面分割するように回折さ
    せる回折光学素子と、該回折光学素子からの回折光を所
    定面上で互いに重畳させ該所定面上で所定の断面形状の
    光束に変換する光学要素とを含む光束変換部が配置さ
    れ、 前記波面分割型インテグレータの入射面は、実質的に前
    記所定面近傍に配置されることを特徴とする照明装置。
  3. 【請求項3】 所定のパターンが形成されたマスクを照
    明する照明装置において、 光束を供給する光源部と;該光源部からの光束を回折さ
    せる回折光学素子を含み、所定面上で所定の断面形状の
    光束に変換する光束変換部と;前記光束変換部からの光
    束に基づいて実質的な面光源を形成するオプティカルイ
    ンテグレータと;該オプティカインテグレータからの光
    束を前記マスクへ導く光学系と;を備え、 前記回折光学素子は、一対の保護光学部材間が形成する
    密閉空間内に配置されることを特徴とする照明装置。
  4. 【請求項4】 前記光束変換部は、第1の回折特性を有
    する第1の回折光学素子と、第2の回折特性を有する第
    2の回折光学素子とを含み、 前記第1及び第2の回折光学素子は、照明光路内の位置
    と、照明光路外の位置との間で選択的に位置決めされる
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の照明装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の回折光学素子を収納
    可能に設けられたカセットと;前記カセットと前記照明
    光路内の位置との間に設けられて、前記回折光学素子を
    搬送するために搬送路と;を備えることを特徴とする請
    求項4記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 前記光束変換部中の前記回折光学素子
    は、前記所定面の中心部の光強度と、前記所定面の周辺
    部の光強度とが異なる光強度分布となるような回折特性
    を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の
    照明装置。
  7. 【請求項7】 前記光束変換部中の前記回折光学素子へ
    の入射ビーム形状と、前記波面分割型インテグレータの
    要素レンズの開口形状とを相似にすることを特徴とする
    請求項1、2または3記載の照明装置。
  8. 【請求項8】 前記光束変換部中の前記回折光学素子と
    前記インテグレータとの間に配置されて、前記回折光学
    素子から出射する0次光が前記インテグレータに入射す
    ることを防ぐための遮光部材を有することを特徴とする
    1乃至7の何れか一項記載の照明装置。
  9. 【請求項9】 前記光束変換部中の前記回折光学素は、
    前記光学要素の焦点位置から光軸方向へ外れた位置に位
    置決めされることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の照明装置。
  10. 【請求項10】 前記光束変換部中の光学要素の位置及
    び傾斜の少なくとも一方は調整可能であることを請求項
    1、2または3記載の照明装置。
  11. 【請求項11】 所定のパターンが形成されたマスク及
    び感光性基板を投影光学系に対して相対的に走査させつ
    つ前記パターンを前記感光性基板へ転写するための投影
    露光装置に用いられる照明装置において、 光束を供給する光源部と;該光源部からの光束を回折さ
    せる回折光学素子と;該回折光学素子にて回折された光
    束に基づいて実質的な面光源を形成する波面分割型オプ
    ティカルインテグレータと;を備え、 前記波面分割型オプティカルインテグレータは、複数の
    要素レンズを含み、 前記回折光学素子は、前記波面分割型オプテイカルイン
    テグレータの前記複数の要素レンズ上に照明領域を形成
    し、 前記回折光学素子による前記照明領域は、前記走査の方
    向に対応する方向に対して傾けられたエッジを有するこ
    とを特徴とする照明装置。
  12. 【請求項12】 前記回折光学素子による前記照明領域
    は、互いに離されて位置決めされた複数の照明領域を有
    することを特徴とする請求項11記載の照明装置。
  13. 【請求項13】 前記回折光学素子による前記複数の照
    明領域の形状は、楕円形状であることを特徴とする請求
    項12記載の照明装置。
  14. 【請求項14】 所定のパターンが形成されたマスクを
    照明する照明装置において、 光束を供給する光源部と;該光源部からの光束を波面分
    割する第1のオプティカルインテグレータと、該第1の
    オプティカルインテグレータからの光束を所定面上で互
    いに重畳させる光学要素とを含む光束変換部と;該光束
    変換部からの光束に基づいて実質的な面光源を形成する
    第2のオプティカルインテグレータと;該第2のオプテ
    ィカルインテグレータからの光束をマスクに導く光学系
    と;を備え、 前記光学要素は、複数のレンズ要素からなり、該複数の
    レンズ要素の少なくとも1つの移動により当該光学要素
    の屈折力及び焦点位置の少なくとも一方を調節可能であ
    ること特徴とする照明装置。
  15. 【請求項15】 前記マスクを支持する第1ステージ
    と;前記マスクを照明する請求項1乃至14の何れか一
    項記載の照明装置と;被露光基板を保持する第2ステー
    ジと;前記照明された前記マスクのパターンの像を前記
    被露光基板上へ投影露光するための投影光学系と;を備
    えることを特徴とする投影露光装置。
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