JP2001151511A - リチウムマンガン複合酸化物及びこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
リチウムマンガン複合酸化物及びこれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
次電池の正極活物質を提供する。 【解決手段】 マンガンサイトの1部を他元素で置換し
たスピネル型リチウムマンガン複合酸化物であって、各
一次結晶粒子の置換元素含有量の平均値に対するその標
準偏差σが50%以下となるように、置換元素が分布し
ていることを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物。
Description
複合酸化物の製造方法及びこれを正極活物質として用い
た二次電池に関するものである。
吸蔵・放出することによって電池として機能するリチウ
ムイオン二次電池は、高電圧・高エネルギー密度を有
し、携帯電話、携帯用パソコン、ビデオカメラ、電気自
動車等の用途に好適に用いることができる。
しては、層状複合酸化物であるLi 1-X CoO2 (0≦
x≦1)が4V級の高電圧を得ることができ、且つ高い
エネルギー密度を有することから、既に広く実用化され
ている。一方で原料であるCoは資源的にも乏しく高価
であるため、今後も大幅に需要が拡大してゆく可能性を
考えると、原料供給の面で不安があると共に、更に価格
が高騰することも有り得る。そこで、Li1-x CoO2
に変わり得る正極活物質として安価なMnを原料とした
リチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として利用す
ることが考えられている。
は、50〜60℃の温度で繰り返し充放電を行った際の
容量劣化が前述のLi1-x CoO2 と比較して大きい点
で問題があった。この点に関しては、(1)リチウムマ
ンガン複合酸化物の結晶性を改善する、(2)結晶構造
を安定化するために、Mnの一部を一種、或いはそれ以
上の元素で置換する事により容量劣化抑制効果があるこ
とが明らかになっている。しかしながら、かかる改良に
よっても、未だ十分ではなく、更なる改良が求められて
いる。
鑑みなされたものであって、リチウムイオン二次電池の
正極活物質に好適な、特に、サイクル特性に優れた正極
活物質となるリチウムマンガン複合酸化物を提供するこ
とを目的とするものである。
重ねた結果、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の
Mnサイトの一部を他元素で置換した場合、各一次結晶
粒子間の置換元素含有量の分布状態がサイクル特性に影
響することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち
本発明の要旨は、Mnサイトの一部が他元素で置換され
たスピネル型リチウムマンガン複合酸化物であって、各
一次結晶粒子の置換元素含有量の平均値に対するその標
準偏差σが50%以下となるように、置換元素が分布し
ていることを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物に
存する。
る。本発明者らの検討によれば、Mnサイトの一部を他
元素で置換したスピネル型リチウムマンガン複合酸化物
は、各一次結晶粒子間の置換元素(他元素)含有量が均
一に分布している場合は、置換元素の平均含有量が同じ
であっても、一次粒子間の含有量分布が不均一な場合に
比し、電解液中へのMn溶出量の抑制効果が大きく、そ
の結果、サイクル特性が向上するという効果を奏する。
元素で置換したスピネル型リチウムマンガン複合酸化物
としては、その化学式が下記一般式(1)
5、Mは置換元素を表す)で示される複合酸化物が好ま
しい。上記式中、Mで表される置換元素としては、B、
Sn、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Mg、Gaから選ばれる元素が挙げられ、好
ましくはアルミニウム(Al)である。
ネル型リチウムマンガン複合酸化物の置換元素の平均含
有量及び、各一次粒子毎の置換元素含有量を求める方法
は特に限定されるものではない。まず、平均含有量を求
める方法としては、例えば、複合酸化物試料少量(0.
5g〜5g程度)を、酸で溶解して原子吸光分析、IC
P(誘導結合プラズマ)分析等により測定する方法があ
る。但し、この分析手法では同時に各一次粒子毎の置換
元素含有量を測定することは出来ない。一方、各一次粒
子毎の置換元素含有量は、例えばAuger電子分光分
析(AES)を用いることが出来る。AESは、電子顕
微鏡で観察して、特定の一次粒子に電子線をスポット照
射し、散乱電子のエネルギー分析により、オージェ効果
による放出電子を検出する方法である。AESでは、電
子線のビーム径を100nm以下に絞ることが出来、局
所的な組成分析が可能となるので好ましい。従って、複
数の二次粒子から選んだ数個〜数十個の一次粒子を対象
として、それぞれの置換元素含有量を求めることが出来
る。また、その測定値を平均して平均含有量を求めるこ
とが出来る。ところで、n個の各一次粒子のうち、i番
目の置換元素含有量をXi、n個の一次粒子の平均置換
元素含有量をXAV.とした場合、変動(偏差の平方和)
S、及び標準偏差σは下式に従って算出される。
物は、上記の様にして求めた標準偏差σが、置換元素含
有量の平均値に対して50%以下、好ましくは30%以
下のものである。本発明に係わるMnサイトの一部を他
元素で置換したリチウムマンガン複合酸化物の製造方法
は特に限定されるものではなく、公知の方法に準じ、生
成酸化物の組成が可及的に均一となり、一次粒子間の置
換元素の含有量分布が上記範囲となるように、リチウム
化合物、マンガン化合物、置換元素化合物を粉砕混合
し、焼成する方法により製造すればよい。
は、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチ
ウム、酸化リチウム等あるいはこれらの水和物から選ば
れる1種または2種以上の混合物を挙げられる。マンガ
ン化合物としては、例えば、MnO2 、Mn2 O3 、M
n3 O4 、MnO等のマンガン酸化物、あるいはMnC
O3 等の炭酸塩、あるいはMnOOH等から選ばれる1
種または2種以上の混合物が挙げられる。
化合物としては、前述の元素を含む酸化物、水酸化物、
有機酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等あるいはその水和
物が挙げられる。具体的には置換元素がAlの場合は、
Al2 O3 、AlOOH、Al(OH)3 、Al(CH
3 COO)3 、AlCl3 、Al(NO3 )3 ・9H 2
O、Al2 (SO4 )3 等が挙げられ、好ましくはAl
2 O3 、AlOOH、Al(OH)3 である。
n及び置換元素Mが前記一般式(1)の組成となるよう
に使用される。これら原料化合物は、先ず混合される。
反応温度において溶融しない化合物の場合は、反応性を
上げる目的で粉砕等の手段により、粒子径を10μm以
下としておくのが好ましい。粉砕、混合の順序には特に
制限が無く、任意の順序で粉砕、混合することができ
る。粉砕、混合の方法も均一な混合が可能であれば特に
限定されるものでは無い。乾式でも湿式でも良く、例え
ばボールミル、振動ミル、ビーズミル等の装置を使用す
る混合方法が挙げられるが、得られる複合酸化物の一次
粒子間の置換元素含有量分布の均一性が良好であること
が必要なことから、湿式混合が好ましい。湿式で混合し
た場合には、混合物を乾燥する際に、噴霧乾燥等の手段
により例えば1〜100μmに造粒しても良い。
上好ましくは550℃以上であり、また通常1000℃
以下、中でも950℃以下が好ましい。温度が低すぎる
と、結晶性の良いリチウムマンガン複合酸化物を得るた
めに長時間の反応時間を要し好ましくない。また温度が
高すぎると、目的とするリチウムマンガン複合酸化物以
外の相が生成するか、あるいは欠陥が多いリチウムマン
ガン複合酸化物を生成する結果となり、二次電池とした
際に容量の低下あるいは充放電による結晶構造の崩壊に
よる劣化を招き好ましくない。また、常温から上記の反
応温度まで昇温する際には、反応をより均一に行うため
に例えば毎分5℃以下の温度で徐々に昇温するか、ある
いは途中で一旦昇温を停止し、一定温度での保持時間を
入れる事が好ましい。
である。時間が短すぎると結晶性の良いリチウムマンガ
ン複合酸化物が得られず、長すぎる反応時間は実用的で
はない。結晶欠陥が少ないリチウムマンガン複合酸化物
を得るためには、上記の反応後、ある程度の温度迄はゆ
っくりと冷却することが好ましく、800℃、好ましく
は600℃迄は5℃/min.以下の冷却速度で徐冷す
ることが好ましい。焼成に使用する加熱装置は、上記の
温度、雰囲気を達成できるものであれば特に制限はな
く、例えば箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキ
ルン等を使用することができる。
化物は、粒子径0.1〜3μmの1次粒子が凝集した、
粒子径1〜100μmの2次粒子からなり、かつ窒素吸
着による比表面積が0.1〜5m2 /gであること好ま
しい。1次粒子の大きさは、原料の粉砕の程度、焼成温
度、焼成時間等により制御することが可能である。2次
粒子の粒子径は、原料の粉砕条件、噴霧乾燥を行う場合
は噴霧乾燥条件、焼成後の粉砕、分級条件等により制御
することが可能である。比表面積は1次粒子の粒径およ
び2次粒子の粒径により制御することが可能であり、1
次粒子の粒径及び/又は2次粒子の粒径を大きくするこ
とにより減少する。
したリチウムマンガン酸化物を正極活物質として、二次
電池を作製することができる。本発明の2次電池の一例
としては、正極、負極、電解液、セパレーターからなる
2次電池が挙げられ、正極と負極との間には電解質が存
在し、かつセパレーターが正極と負極が接触しないよう
にそれらの間に配置される。正極としては、本発明で得
られたリチウムマンガン酸化物(正極活物質)、導電
材、結着剤、並びにこれらを均一に分散させる為の溶媒
を一定量で混合した後、集電体上に塗布する。ここで用
いられる導電材としては、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチ
レンブラック等が、結着剤としてはポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロ
ース等が、分散用の溶媒としてはN−メチルピロリド
ン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。集電体
の材質としてはアルミニウム、ステンレス等が挙げられ
る。集電体上に塗布後、乾燥し、通常、ローラープレ
ス、その他の手法により圧密する。
然黒鉛、熱分解炭素等)をCu等の集電体上に塗布した
もの、或いはリチウム金属箔、リチウム−アルミニウム
合金等が使用できる。
り、具体的には、電解塩としてはLiClO4 、LiA
sF6 、LiPF6 、LiBF4 、LiBr、LiCF
3 SO3 等が挙げられ、電解液を構成する溶媒として
は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエ
チルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、これら溶
媒は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用い
ても良い。
は、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル等の高分子、又はガラス繊維等の不織布フィルタ
ー、或いはガラス繊維と高分子繊維の複合不織布フィル
ター等を挙げられる。この様にして、本発明で得られた
正極活物質を用いて作成した二次電池は、実施例から明
らかなように、高温での充放電サイクル後の容量維持率
が高い二次電池が得られる。
に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、如
何の実施例に制約されるものではない。 実施例1 Mn2 O3 、AlOOH、LiOHを、それぞれ最終的
なスピネル型リチウムマンガン複合酸化物中の組成で、
Li:Mn:Al=1.04:1.84:0.12(モ
ル比)となるように秤量し、これに純水を加えて固形分
濃度30重量%のスラリーを調整した。このスラリーを
攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕器を用いて、
スラリー中の固形分の平均粒子径が0.5μmになる
迄、粉砕した後、二流体ノズル噴霧型のスプレードライ
ヤーを用いて、噴霧乾燥を行い、更に大気雰囲気中で9
00℃にて10時間焼成した。その結果、平均粒子径約
8μmのほぼ球状の造粒粒子が得られた。X線回折を測
定したところ、立方晶のスピネル型リチウムマンガン複
合酸化物の構造を有していることが確認された。なお、
粒度分布の測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装
置(HORIBA製LA910)を用いて行った。この
様にして得られた複合酸化物粉末1gを酸で溶解し、原
子吸光分析法にて組成分析を行ったところ、Li:M
n:Al=1.04:1.85:0.11(モル比)の
組成であった。
結果、この複合酸化物造粒粒子を構成している一次粒子
の粒子径は0.2〜1.0μmであった。この一次粒子
におけるAl含有量に関して、以下の通り、Auger
電子分光分析法により測定を行った。計4個の造粒粒子
につき、各造粒粒子毎に、それを構成している一次粒子
3点を選択し、合計12個の一次粒子について、Aug
er電子分光分析を行った(測定装置:VG社製MIC
ROLAB310−F)。情報としてはAl及びMnに
関する信号強度値が得られるが、Alの信号強度値/M
nの信号強度値の値を、Al含有量の尺度として表−1
に示した。これら測定値の平均値に対する標準偏差は、
24.5%であった。
アセチレンブラック粉末及びポリテトラフルオロエチレ
ン粉末と、75:20:5の重量比で混合し、乳鉢中で
混練してシート化した後、12mmφのポンチで打ち抜
き、17.0mgの円盤形正極合剤シートを作製した。
この正極合剤シートは16mmφのアルミメッシュにハ
ンドプレス機を用いて圧着して正極電極とした。また、
負極剤として、微小黒鉛粉末をポリフッ化ビニリデン
(PVDF)及びN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)と混合して塗液とし、この塗液をCuシート上に塗
布して、乾燥後、12mmφのポンチで円盤状に打ち抜
き、負極電極とした。負極電極中の負極活物質正味重量
は4.80mgであった。この様にして作製した電極
を、ポリエチレン製のセパレーターを介してCR203
2型(直径20mm×厚さ3.2mm)のコイン電池に
組み立てた。その際、電解液として、エチレンカーボネ
ート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)=3:
7組成溶液1リットルに1M−LiPF6 を溶解したも
のを使用した。この電池を4個作製し、そのうち1個の
電池について4.2V迄充電し、充電状態のまま80℃
の恒温槽中に7日間保存した。保存終了後、電池を解体
して電解液を回収し、この電解液中に含まれるMnの量
を測定したところ、0.18μmol/mlであった。
一方、残り3個の電池に関しては、50℃の恒温槽中
で、3.0〜4.2Vの範囲での1C充放電サイクル試
験を実施した。この3個の電池試験の1サイクル目の初
期放電容量は95mAh/gであり、50サイクル経過
時の容量維持率(50サイクル目の放電容量/1サイク
ル目の放電容量)の平均値は89%であった。
なスピネル型リチウムマンガン複合酸化物中の組成が、
Li:Mn:Al=1.04:1.84:0.12(モ
ル比)となるように秤量し、これに純水を加えて固形分
濃度30重量%のスラリーを調整した。このスラリーを
攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕器を用いて、
スラリー中の固形分の平均粒子径が1.2μmになる
迄、粉砕した後、二流体ノズル噴霧型のスプレードライ
ヤーを用いて、噴霧乾燥を行い、更に大気雰囲気中で9
00℃にて10時間焼成した。その結果、平均粒子径約
8μmのほぼ球状の造粒粒子が得られ、X線回折を測定
したところ、立方晶のスピネル型リチウムマンガン複合
酸化物の構造を有していることが確認された。なお、粒
度分布の測定は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装
置(HORIBA製LA910)を用いて行った。この
様にして得られた複合酸化物粉末1gを酸で溶解し、原
子吸光分析法にて組成分析を行ったところ、Li:M
n:Al=1.04:1.85:0.11(モル比)の
組成であった。
造粒粒子を構成している一次粒子の粒子径は0.2〜
2.0μmであることが判ったが、この一次粒子におけ
るAl含有量に関して、実施例1と同様に、Auger
電子分光分析法による測定を行った。結果を表−1に示
した。これら測定値の平均値に対する標準偏差は、43
%であった。
施例1と同様の手法で、コイン型電池を4個作製し、そ
のうち1個の電池について4.2V迄充電し、充電状態
のまま80℃の恒温槽中に7日間保存した。保存終了
後、電池を解体して電解液を回収し、この電解液中に含
まれるMnの量を測定したところ、0.22μmol/
mlであった。一方、残り3個の電池に関しては、50
℃の恒温槽中で、3.0〜4.2Vの範囲での1C充放
電サイクル試験を実施した。この3個の電池試験の1サ
イクル目の初期放電容量は95mAh/gであり、50
サイクル経過時の容量維持率(50サイクル目の放電容
量/1サイクル目の放電容量)の平均値は、87%であ
った。
Hを、それぞれ最終的なスピネル型リチウムマンガン複
合酸化物中の組成が、Li:Mn:Al=1.04:
1.84:0.12(モル比)となるように秤量し、ボ
ールミルで乾式混合を行った。混合後の粉末を、最終的
に900℃にて10時間焼成した。得られた正極活物質
粉末は、X線回折では、立方晶スピネル型のマンガン酸
リチウムの構造を有していた。また、粒度分布測定及び
SEM観察の結果から、1.0μm前後の一次粒子が凝
集し、凝集物の平均粒子径は、10μmであった。さら
に、この様にして得られた複合酸化物粉末1gを酸に溶
解し、原子吸光法にて組成分析を行ったところ、Li:
Mn:Al=1.04:1.85:0.11(モル比)
の組成であった。次に、この複合酸化物粉末の一次粒子
中のAl含有量に関して、4個の凝集粒子から選んだ、
計12個の一次粒子について実施例1と同様の方法で、
Auger電子分光分析法により測定を行った。結果を
表−1に示した。これら測定値に対する標準偏差は10
2.7%であった。
実施例と同様の手順でCR2032型のコイン電池を4
個組立て、そのうち1個の電池について4.2V迄充電
し、充電状態のまま80℃の恒温槽中に7日間保存し
た。保存終了後、電池を解体して電解液を回収し、この
電解液中に含まれるMnの量を測定したところ、0.3
2μmol/mlであった。一方、残り3個の電池に関
しては、50℃の恒温槽中で、3.0〜4.2Vの範囲
での1C充放電サイクル試験を実施した。この3個の電
池試験の1サイクル目の初期放電容量は94mAh/g
と実施例と有意差が見られなかったが、50サイクル経
過時の容量維持率(50サイクル目の放電容量/1サイ
クル目の放電容量)の平均値は、81%と低かった。
なスピネル型リチウムマンガン複合酸化物中の組成が、
Li:Mn:Al=1.04:1.84:0.12(モ
ル比)となるように秤量し、これに純水を加えて固形分
濃度30重量%のスラリーを調整した。このスラリーを
湿式粉砕は行わずに、攪拌翼で30min攪拌処理を施
した後、噴霧乾燥を行い、更に大気雰囲気中で900℃
にて10時間焼成した。その結果、真球度は非常に悪い
ものの、平均粒子径約8μmの造粒粒子が得られた、X
線回折を測定したところ、立方晶のスピネル型リチウム
マンガン複合酸化物の構造を有していることが確認され
た。この様にして得られた複合酸化物粉末1gを酸で溶
解し、原子吸光分析法にて組成分析を行ったところ、L
i:Mn:Al=1.04:1.85:0.11(モル
比)の組成であった。
造粒粒子を構成している一次粒子の粒子径は0.5〜
3.0μmであることが判った。この一次粒子における
Al含有量に関して、実施例1と同様に、Auger電
子分光分析法による測定を行った。結果を表−1に示し
た。これら測定値の平均値に対する標準偏差は、72%
であった。
実施例1と同様の手法で、コイン型電池を4個作製し、
そのうち1個の電池について4.2V迄充電し、充電状
態のまま80℃の恒温槽中に7日間保存した。保存終了
後、電池を解体して電解液を回収し、この電解液中に含
まれるMnの量を測定したところ、0.28μmol/
mlであった。一方、残り3個の電池に関しては、50
℃の恒温槽中で、3.0〜4.2Vの範囲での1C充放
電サイクル試験を実施した。この3個の電池試験のサイ
クル目の初期放電容量は95mAh/gであり、50サ
イクル経過時の容量維持率(50サイクル目の放電容量
/1サイクル目の放電容量)の平均値は、83%であっ
た。
の一部を置換したAlの含有量が、均一に分布した本願
発明に係わるリチウムマンガン複合酸化物を活物質とし
たリチウム二次電池は、Al含有量の分布が不均一な比
較例の複合酸化物を用いた電池に比し、充放電を繰り返
した際の電解液中へのMn溶解量が抑制され、50℃に
おける50サイクル経過時の容量維持率が優れている。
Claims (6)
- 【請求項1】 Mnサイトの一部が他元素で置換された
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物であって、各一
次結晶粒子の置換元素含有量の平均値に対するその標準
偏差σが、50%以下となるように置換元素が分布して
いることを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物。 - 【請求項2】 リチウムマンガン複合酸化物が、下記一
般式(1) 【化1】 Li1+X Mn2-X-Y MY O4 (1) (但し、0<X<0.5、0<Y<0.5、Mは置換元
素を示す。)で表されることを特徴とする請求項1記載
のリチウムマンガン複合酸化物。 - 【請求項3】 置換元素が、B、Sn、Al、Ti、
V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga
から選ばれる元素であることを特徴とする請求項1又は
2に記載のリチウムマンガン複合酸化物。 - 【請求項4】 置換元素が、Alであることを特徴とす
る請求項3に記載のリチウムマンガン複合酸化物。 - 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載のリチウ
ムマンガン複合酸化物を活物質として用いることを特徴
とするリチウムイオン二次電池用正極。 - 【請求項6】 請求項5記載の正極を用いることを特徴
とするリチウムイオン二次電池。
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---|---|---|---|
JP33241499A JP2001151511A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | リチウムマンガン複合酸化物及びこれを用いたリチウム二次電池 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33241499A JP2001151511A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | リチウムマンガン複合酸化物及びこれを用いたリチウム二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP33241499A Pending JP2001151511A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | リチウムマンガン複合酸化物及びこれを用いたリチウム二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001151511A (ja) |
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