JP2001048497A - フォークリフト - Google Patents

フォークリフト

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JP2001048497A
JP2001048497A JP11238615A JP23861599A JP2001048497A JP 2001048497 A JP2001048497 A JP 2001048497A JP 11238615 A JP11238615 A JP 11238615A JP 23861599 A JP23861599 A JP 23861599A JP 2001048497 A JP2001048497 A JP 2001048497A
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JP
Japan
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forklift
rail
wheel
outer rail
disposed
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Application number
JP11238615A
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English (en)
Inventor
Tatsunosuke Tanaka
達之輔 田中
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カウンターバランスタイプのフォークリフト
においてホイールベースを大幅に伸縮できる軽量コンパ
クトなフォークリフトを提供すること。 【解決手段】 フォークリフト1は,左右一対のアウタ
ーレール20を有するフロントフレーム2と,アウター
レール20に対してスライド可能に配設された左右一対
のインナーレール30を有するリアフレーム3とを有し
ている。フロントフレーム2により前輪11及び荷役装
置10を,リアフレーム3により後輪12及びカウンタ
ーウエイト13を支持している。前輪11はアウターレ
ール20の外側に,後輪12はインナーレール30の内
側にそれぞれ配設してあり,前輪11及び後輪12に干
渉することなくアウターレール20とインナーレール3
0をスライドできるよう構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,ホイールベースの伸縮が可能で
軽量コンパクトなフォークリフトに関する。
【0002】
【従来技術】フォークリフトは車両前方に配されたフォ
ークによって荷役作業を行う。そのため,積荷をフォー
クにより持ち上げた際には,前方への転倒モーメントが
生じる。この転倒モーメントに抗して車両の安定を保つ
ために,フォークリフトの後部にカウンタウェイトを設
置し,バランスをとっている。車体の安定モーメントを
十分に確保するためには,車体重心位置を極力後方に設
定するとともにウエイトにより車体重量を重くする必要
がある。このため,フォークリフトは,どうしても車両
全長が長くなるとともに,車両重量が重い機械となって
いる。
【0003】一方,フォークリフトを使う立場から見る
と,取扱い荷物の種類や作業状態により,必ずしも常時
十分な安定モーメントを必要としていない。そのため,
フォークリフトに対しては軽量コンパクト化の要望があ
る。例えば次のような要求がある。
【0004】重い荷物と軽い荷物の両方を取り扱うが,
軽い荷物の方が多いので,フォークリフトは軽量コンパ
クトな方がよい。また,狭い場所と広い場所の両方で作
業するが,狭い場所で作業する際には軽い荷物しか扱わ
ないのでフォークリフトは軽量コンパクトな方がよい。
トラックでフォークリフトを運搬し作業場まで運びたい
ので,荷役をしない時のフォークリフトは軽量でコンパ
クトな方がよい。
【0005】このような要求に対し,車体の重心位置を
転倒支点に対して前後方向に移動可能としたフォークリ
フトに関する技術が多数提案されている。これらは大別
すると,カウンタウエイトを車体に対して前後に移動さ
せるもの(特開昭59−42764号等),ホイールベ
ースを伸縮式としたもの(特開昭59−22894号
等),前輪又は車輪付アウトリガをフォークに対して前
方に移動させるもの(特開昭51−35952号等)に
分かれる。
【0006】
【解決しようとする課題】しかし,いずれの従来技術も
車体の重心の移動量が十分でなく,従って軽量コンパク
ト化に対する効果が少ないという欠点があった。また,
前輪又は車輪付アウトリガをフォークに対して前方に移
動させるものについては,フォーク根元よりも前方に前
輪があるため,前輪内幅よりも広い荷物の扱いに大きな
制約を有する欠点がある。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,上記欠点を解決し,カウンターバランス
タイプのフォークリフトにおいてホイールベースを大幅
に伸縮できる軽量コンパクトなフォークリフトを提供し
ようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,ホイールベース
の伸縮が可能なカウンターバランスタイプのフォークリ
フトであって,該フォークリフトは,左右一対のアウタ
ーレールを有するフロントフレームと,上記アウターレ
ールに対してスライド可能に配設された左右一対のイン
ナーレールを有するリアフレームとを有しており,上記
フロントフレームにより前輪及び荷役装置を,上記リア
フレームにより後輪及びカウンターウエイトを支持して
おり,かつ,上記前輪は上記アウターレールの外側に,
上記後輪は上記インナーレールの内側にそれぞれ配設し
てあり,上記前輪及び上記後輪に干渉することなく上記
アウターレールと上記インナーレールをスライドできる
よう構成してあることを特徴とするフォークリフトにあ
る。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,上
記アウターレールを有するフロントフレームと,上記イ
ンナーレールを有するリアフレームという2つのフレー
ムを組み合わせていると共に,上記前輪及び後輪を上記
のごとく特定の位置に配設したことである。
【0010】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明のフォークリフトは,上記のごとく,フロントフ
レームとリアフレームとを組み合わせて構成してある。
そして,フロントフレームの上記アウターレールとリア
フレームの上記インナーレールとは,互いにスライド可
能に設けてある。更に,フロントフレームには前輪を,
リアフレームには後輪を配設してある。そのため,上記
フロントフレームとリアフレームとをスライドさせるこ
とにより,容易にホイールベースを変更することができ
る。
【0011】また,本発明においては,上記前輪をアウ
ターレールの外側に,上記後輪をインナーレールの内側
に配設してある。そのため,アウターレールとインナー
レールとをスライドさせる際に,これらと前輪及び後輪
との干渉を確実に無くすことができる。それ故,アウタ
ーレールとインナーレールとのスライド距離を非常に大
きくすることができ,上記ホイールベースの変更間隔を
大きくすることができる。
【0012】また,上記フロントフレームには荷役装置
及び前輪が,リアフレームにはカウンターウエイトがそ
れぞれ配設されている。そのため,上記フロントフレー
ムとリアフレームとのスライドにより,車体の安定モー
メントを変化させることができる。
【0013】即ち,本発明のフォークリフトはカウンタ
ーバランスタイプであるので,前輪よりも前方の荷役装
置により荷役作業を行う。そのため,転倒支点は前輪と
なる。ここで,上記フロントフレームとリアフレームが
互いに縮まるようにスライドさせた場合には,車体重心
が前輪に近づき,安定モーメントが小さくなる。一方,
上記フロントフレームとリアフレームが互いに伸びるよ
うにスライドさせた場合には,車体重心が前輪から遠ざ
かり,安定モーメントが大きくなる。
【0014】そして,このように安定モーメントの変化
量を大きくすることによって,十分な軽量コンパクト化
を図ることができる。即ち,上記カウンターウエイトの
重量は,従来よりもホイールベースを大きくできる分だ
け軽量化することができる。更に,フォークリフトの全
長は,上記ホイールベースを従来より縮められる分だけ
短くすることができる。
【0015】次に,請求項2の発明のように,上記フロ
ントフレームと上記リアフレームとは,これらをスライ
ド移動させるためのアクチュエータに連結されているこ
とが好ましい。上記フロントフレームとリアフレームと
のスライド移動は,例えばフォークリフトの走行機能を
利用して行うこともできる。しかしながら,上記のよう
な専用のアクチュエータを設けることにより,非常に容
易に上記スライド移動を行うことができる。
【0016】また,請求項3の発明のように,上記アウ
ターレールと上記インナーレールとを最小に縮めた際に
は,上記後輪の軸芯が上記アウターレールの内部に収ま
るよう構成されていることが好ましい。この場合には,
アウターレールとインナーレールのスライド量,すなわ
ちホイールベースの伸縮量をさらに大きくすることがで
きる。
【0017】また,請求項4の発明のように,上記アウ
ターレールと上記インナーレールを最大に広げた場合の
ホイールベースは,上記アウターレールと上記インナー
レールを最小に縮めた場合のホイールベースの1.5倍
以上とすることが好ましい。即ち,上記フレーム構造に
おいては,上記のごとく,前輪及び後輪の干渉を考慮す
る必要がないので,アウターレールとインナーレールの
長さによってホイールベースの伸縮量を容易に調整する
ことができる。そのため,上記ホイールベースの伸びを
容易に1.5倍以上とすることができ,これにより,さ
らにフォークリフトの軽量コンパクト化を図ることがで
きる。
【0018】また,請求項5の発明のように,上記アウ
ターレールは,上板部,横板部,下板部をコ字状に配置
していると共に開口部を内側に設けてなるコ字状レール
よりなり,上記インナーレールは,上記コ字状レールの
上板及び下板の間に位置するよう設けられたローラを2
つ以上有していることが好ましい。この場合には,アウ
ターレールとインナーレールのスライド可能な構造を容
易に実現することができる。
【0019】また,請求項6の発明のように,上記アウ
ターレールは,上板部,横板部,下板部をコ字状に配置
していると共に開口部を内側に設けてなるコ字状レール
よりなり,上記インナーレールは,上記コ字状レールの
内部に摺動可能に配されるパッドを有している構造とす
ることができる。この場合も上記と同様に,アウターレ
ールとインナーレールのスライド可能な構造を容易に実
現することができる。
【0020】また,請求項7の発明のように,車両を走
行させるための油圧モータを上記前輪の内部又は上記後
輪の内部に配置すると共に,上記油圧モータに油圧回路
を介して接続されたオイルポンプを駆動するためのエン
ジンを,該エンジンの長手方向が車両横方向に向くよう
に配置することが好ましい。この場合には,上記のごと
く,油圧駆動方式を採用しているので,エンジン駆動の
場合に必要とされる動力伝達装置を配置する必要がな
い。そのため,動力伝達装置をなくす分だけ車両全長を
短くすることができる。また,オイルポンプ駆動用のエ
ンジンの配置を,その長手方向が車両横方向に向くよう
に,即ち横置きすることにより,さらにフォークリフト
の全長を短くすることができる。
【0021】また,請求項8の発明のように,上記エン
ジンの前方には作動油タンク又は燃料タンクが配置され
ており,該作動油タンク又は燃料タンクは,少なくとも
その一部を運転室の床面中央部から上方に突出させて配
置されていることが好ましい。この場合には,運転者に
作動油タンク又は燃料タンクをまたぐかたちで着座させ
ることにより,作動油タンク又は燃料タンクの高さを高
くすることが可能となる。そのため,作動油タンク又は
燃料タンクを車両前後方向に短くすることができるの
で,その分だけフォークリフトの全長を短くすることが
できる。
【0022】また,請求項9の発明のように,上記油圧
モータは左右一対の上記前輪にそれぞれ配置されてお
り,上記荷役装置のマストは,少なくともその一部が上
記油圧モータの前端よりも車両後方側に位置するように
配置されていることが好ましい。この場合には,動力電
動装置を配置する必要がないので,左右の油圧モータ間
にはマストの一部を配置可能なスペースを確保すること
ができる。そのため,マストを転倒支点である前輪に近
づけることができるので,転倒モーメントに対向するた
めのカウンターウエイトを軽量,小型化できる。
【0023】また,請求項10の発明のように,上記油
圧モータは上記後輪に配置されており,上記荷役装置の
マストは,少なくともその一部が上記左右一対の前輪の
ホイール中心線よりも車両後方側に位置するように配置
されていることが好ましい。この場合には,マストが油
圧モータの支持部材等と干渉するおそれがないので,さ
らにマストを前輪に近づけることができる。そのため,
前輪に油圧モータを配置させる場合よりも,フォークリ
フトの全長を短くすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるフォークリフトにつき,図
1〜図4を用いて説明する。本例のフォークリフト1
は,図1に示すごとく,ホイールベースWの伸縮が可能
なカウンターバランスタイプのフォークリフトである。
フォークリフト1は,図1,図3に示すごとく,左右一
対のアウターレール20を有するフロントフレーム2
と,上記アウターレール20に対してスライド可能に配
設された左右一対のインナーレール30を有するリアフ
レーム3とを有している。
【0025】そして,上記フロントフレーム2により前
輪11及び荷役装置10を,上記リアフレーム3により
後輪12及びカウンターウエイト13を支持している。
かつ,上記前輪11は上記アウターレール20の外側
に,上記後輪12は上記インナーレール30の内側にそ
れぞれ配設してあり,上記前輪11及び上記後輪12に
干渉することなく上記アウターレール20と上記インナ
ーレール30をスライドできるよう構成してある。
【0026】以下,これを詳説する。まず,上記フロン
トフレーム2は,図3に示すごとく,左右一対のアウタ
ーレール20を2つの連結部材21,22により連結し
て設けてある。また,アウターレール20の先端には,
後述する油圧シリンダ4に連結するためのブラケット2
3を設けてある。一方,上記リアフレーム3は,同図に
示すごとく,左右一対のインナーレール30を2つの連
結部材31,32により連結して設けてある。
【0027】上記各アウターレール20は,図4に示す
ごとく,上板部201,横板部202,下板部203を
コ字状に配置していると共に開口部を内側に設けてなる
コ字状レールより設けてある。一方,上記インナーレー
ル30は,上記コ字状レールの上板部201及び下板部
203の間に位置するよう設けられたローラ301を左
右にそれぞれ2つ有している。
【0028】また,図1に示すごとく,フロントフレー
ム2には,荷役装置10をアウターレール20の先端部
の間に挟むように配設してあると共に,前輪11をアウ
ターレール20先端よりの外側に配設してある。また,
本例の前輪12は油圧駆動方式としてあり,各駆動装置
としての油圧モータ14は,いわゆるホイールイン式の
走行用モータであり,各前輪12の内部に組み込んであ
る。
【0029】リアフレーム3には,その後端にカウンタ
ーウエイト13と後輪12を支持するための部材33が
配設してある。本例の後輪12は,一輪式であり車体の
幅方向中央に配設されている。リアフレーム3には,後
輪12とカウンターウエイト13の他に,油圧源,運転
席16,ハンドル171等を備えた運転操作部が配設さ
れている。
【0030】また,フロントフレーム2とリアフレーム
3とは,図1に示すごとく,これらをスライド移動させ
るためのアクチュエータとしての油圧シリンダ4に連結
されている。油圧シリンダ4は,その一端をフロントフ
レーム2に設けたブラケット23に,他端をリアフレー
ム3の連結部材32にそれぞれ連結することにより左右
に配設してある。
【0031】また,本例における荷役装置10は,図
1,図2に示すごとく,マスト101に沿ってフォーク
102を昇降させるタイプの通常のものである。また,
フォーク102は,図2(a)に示すごとく,その先端
が後方に向くように反転可能に設けてある。
【0032】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例のフォークリフト1は,上記のごとく,フロントフレ
ーム2とリアフレーム3とを組み合わせて互いにスライ
ド可能に設けてある。更に,前輪11をアウターレール
20の外側に,後輪12をインナーレール30の内側に
配設してある。そのため,アウターレール20とインナ
ーレール30とをスライドさせる際に,これらと前輪1
1及び後輪12の干渉を確実に無くすることができる。
それ故,アウターレール20の長さを長く設定すること
ができ,スライド距離を非常に大きくすることができ
る。具体的には,アウターレール20とインナーレール
30を最大に広げた場合のホイールベースWを,アウタ
ーレール20とインナーレール30を最小に縮めた場合
のホイールベースWの約2倍とすることができた。
【0033】また,上記フロントフレーム2には荷役装
置10及び前輪11が,リアフレーム3にはカウンター
ウエイト13がそれぞれ配設されている。そのため,上
記フロントフレーム2とリアフレーム3とのスライドに
より,車体の安定モーメントを大きく変化させることが
できる。
【0034】例えば,図1(a),図2(a)に示すご
とく,フロントフレーム2とリアフレーム3を互いに縮
まる用にスライドさせた場合には,転倒支点である前輪
11にカウンターウエイト13が近づくことにより車体
重心が前輪11に近づき,安定モーメントが小さくな
る。一方,図1(b),図2(b)に示すごとく,フロ
ントフレーム2とリアフレーム3を互いに伸びるように
スライドさせた場合には,車体重心が前輪11から遠ざ
かり,安定モーメントが大きくなる。
【0035】そして,このように安定モーメントの変化
量を大きくすることによって,十分な軽量コンパクト化
を図ることができる。即ち,本例では,従来よりもホイ
ールベースWを大きくして車両全長を長くできるので,
カウンターウエイト13等の軽量化を図ることができ,
車両全体の重量を従来の約2/3まで軽量化することが
できる。また,従来よりもホイールベースWを短く縮め
られるので,車両の全長を従来の約2/3までコンパク
ト化することができる。
【0036】さらに,本例では,図2(a)に示すごと
く,フォーク102を反転することができるので,荷役
しない際の全長をさらに短くすることができる。そのた
め,フォークリフト1の保管場所の縮小化,あるいは,
フォークリフト1のトラックによる運搬の容易化を図る
ことができる。
【0037】なお,本例では,上記アウターレール20
とインナーレール30の構造を,上記コ字状レールとロ
ーラ301との組み合わせにより行ったが,ローラ30
1に代えてコ字状レールと摺動可能なパッドを用いるこ
ともできる。更に,アウターレール20にローラを設
け,インナーレール30を外側に開口部を有するコ字状
レールとすることも勿論可能である。
【0038】実施形態例2 本例は,図5に示すごとく,フロントフレーム2とリア
フレーム3とをピン6により固定するよう構成すると共
に,上記油圧シリンダ4を取り除き,ホイールベースの
伸縮をフォークリフトの自走により行うにした例であ
る。
【0039】即ち,図5に示すごとく,フロントフレー
ム2の前後の連結部材21,22と,リアフレーム3の
前方の連結部材31には,それぞれピン6を挿入可能な
貫通穴61,62,63を設けてある。そして,図5,
図6に示すごとく,フロントフレーム2とリアフレーム
3とを縮めた際には貫通穴61と63を重ねてピン6を
挿入することにより,ホイールベースを縮めた状態を保
持する(図6(a))。また,フロントフレーム2とリ
アフレーム3とを伸ばした際には貫通穴62と63を重
ねてピン6を挿入することにより,ホイールベースを伸
ばした状態を保持する(図6(b))。
【0040】また,上記ホイールベースの伸縮は,前輪
11の駆動力を用いたフォークリフト1の自走により行
う。具体的には,後輪12を90度切った状態とする
か,あるいは後輪12に輪留めを当てて後輪を固定す
る。次いで,上記ピン6を外して,前輪11を駆動させ
ることによりフロントフレーム2をリアフレーム3に対
して進退させる。次いで,所望の位置において上記ピン
を貫通穴に差し込むことによりフロントフレーム2とリ
アフレーム3の位置関係を固定する。
【0041】このように,本例においては,実施形態例
1のような移動装置としての油圧シリンダ4を不要にす
ることができる。そのため,フォークリフト1の構造の
簡素化及びコスト低減を図ることができる。その他は,
実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】実施形態例3 本例は,実施形態例1における前輪11の駆動方法を,
変更した例である。即ち,図7,図8に示すごとく,前
輪11の駆動装置として,デフを有する車軸ユニットを
用い,その車軸を,左右の前輪11の間のアクスル7内
に収納した。
【0043】この場合には,前輪11を駆動する走行用
モータを1つに減少させることができ,コストダウンを
図ることができる。一方,上記アクスル7の存在によっ
て,アウターレール20とインナーレール30の伸縮ス
トロークが短くなるので,実施形態例1の場合よりもホ
イールベースの伸縮量が少なくなる。その他は実施形態
例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】実施形態例4 本例は,車体内部の装置及びマストの配置を変更した例
である。即ち,図9に示すごとく,種々のバルブを有す
る油圧回路(図示略)を介して油圧モータ14に接続さ
れたオイルポンプ51を駆動するためのエンジン52
は,エンジンの長手方向Lが車両横方向に向くように配
置されている。
【0045】また,エンジン52の前方には作動油タン
ク53が配置されており,作動油タンク53は,その上
部531を運転室の床面55の中央部から上方に突出さ
せて配置されている。なお,エンジン52の横方には燃
料タンク54が配置されている。
【0046】また,マスト101は,その後部103が
油圧モータ14の前端よりも車両後方側に位置するよう
に配置されている。なお,車両を走行させるための油圧
モータ14は,実施形態例1と同様に,左右一対の前輪
11の内部にそれぞれ配置されている。
【0047】本例においては,上記のごとく,油圧駆動
方式を採用しているので,エンジン52と前輪11との
間に,動力伝達装置としてのクラッチ,変速機,アクス
ル(図10参照)等を配置する必要がない。そのため,
本例のフォークリフト1は,動力伝達装置がない分だ
け,全長を短くすることができる。また,エンジン52
を横置きすることにより,フォークリフト1の全長をさ
らに短くすることができる。
【0048】また,運転者に作動油タンク53の上部5
31をまたぐかたちで着座させることにより,作動油タ
ンク53の高さを高くすることが可能となる。そのた
め,作動油タンク53を車両前後方向に短くすることが
できるので,その分だけフォークリフト1の全長をさら
に短くすることができる。なお,作動油タンク53と燃
料タンク54とを入れ替えて配置しても,同様の効果を
得ることができる。
【0049】また,左右の前輪11の間に上記変速機,
アクスル等を配置する必要がないので,左右の油圧モー
タ14間には,マスト101の後部を配置可能なスペー
スを確保することができる。そのため,マスト101を
転倒支点である前輪11に近づけることができるので,
転倒モーメントに対向するためのカウンターウエイト1
3を軽量,小型化できる。それ故,フォークリフト1の
全長を,より一層短くすることができる。その他は実施
形態例1と同様の作用効果が得ることができる。
【0050】また,運転室の床面55は,作動油タンク
53の上面よりも下方に位置させることができる。その
ため,フロア地上高を大幅に下げることができるので,
運転者の乗り降りが容易になる。
【0051】ここで,比較のために,油圧モータを配設
する代わりに,エンジンと前輪との間に動力伝達装置を
配設した例を示す。即ち,本比較例においては,図10
に示すごとく,動力伝達を容易にするため,エンジン5
2,クラッチ56,変速機57,アクスル7を車両前方
に向かって略一直線状に配置している。そして,エンジ
ン52の動力を,順次,クラッチ56,変速機57,ア
クスル7に伝えて,左右の前輪11を駆動する。
【0052】本比較例においては,変速機57,アクス
ル7の存在によって,前輪11の車軸よりもかなり前方
にしか,マスト101を配置できない。そのため,本比
較例におけるマスト101は,実施形態例4のフォーク
リフト1に比べてかなり車両前方に位置している。その
ため,カウンターバランス13は,実施形態例4の場合
よりも大型化が余儀なくされている。
【0053】さらに,エンジン52,クラッチ56,変
速機57,アクスル7を車両前後方向に沿って配置して
いる。それ故,本比較例のフォークリフト9は,実施形
態例4のフォークリフト1に比べて全長が長い。また,
本比較例のフォークリフト9は,クラッチ56,変速機
57,アクスル7等が全て運転室の床面55の下に配置
されているため,実施形態例4のフォークリフト1に比
べてフロア地上高が高い。この比較例との比較により,
上記実施形態例4のフォークリフト1が非常にコンパク
ト化され,全長の短縮化が進められていることがわか
る。
【0054】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,カウン
ターバランスタイプのフォークリフトにおいてホイール
ベースを大幅に伸縮できる軽量コンパクトなフォークリ
フトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(a)ホイールベース
の収縮時,(b)ホイールベース伸長時の,フォークリ
フトを上面から見た説明図。
【図2】実施形態例1における,(a)ホイールベース
の収縮時,(b)ホイールベース伸長時の,フォークリ
フトを側面から見た説明図。
【図3】実施形態例1における,フロントフレームとリ
アフレームの構成を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,アウターレールとイン
ナーレールとの係合状態を示す説明図。
【図5】実施形態例2における,フロントフレームとリ
アフレームの構成を示す説明図。
【図6】実施形態例2における,(a)ホイールベース
の収縮時,(b)ホイールベース伸長時の,フォークリ
フトを上面から見た説明図。
【図7】実施形態例3における,フロントフレームとリ
アフレームの構成を示す説明図。
【図8】実施形態例3における,(a)ホイールベース
の収縮時,(b)ホイールベース伸長時の,フォークリ
フトを上面から見た説明図。
【図9】実施形態例4における,ホイールベース伸長時
のフォークリフトを(a)上面から見た説明図,(b)
側面から見た説明図。
【図10】比較例における,フォークリフトを側面から
見た説明図。
【符号の説明】
1...フォークリフト, 10...荷役装置, 11...前輪, 12...後輪, 13...カウンターウエイト, 14...油圧モータ, 2...フロントフレーム, 20...アウターレール, 3...リアフレーム, 30...インナーレール, 301...ローラ, 4...油圧シリンダ, 51...オイルポンプ, 52...エンジン, 53...作動油タンク, 54...燃料タンク, 55...床面,

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールベースの伸縮が可能なカウンタ
    ーバランスタイプのフォークリフトであって,該フォー
    クリフトは,左右一対のアウターレールを有するフロン
    トフレームと,上記アウターレールに対してスライド可
    能に配設された左右一対のインナーレールを有するリア
    フレームとを有しており,上記フロントフレームにより
    前輪及び荷役装置を,上記リアフレームにより後輪及び
    カウンターウエイトを支持しており,かつ,上記前輪は
    上記アウターレールの外側に,上記後輪は上記インナー
    レールの内側にそれぞれ配設してあり,上記前輪及び上
    記後輪に干渉することなく上記アウターレールと上記イ
    ンナーレールをスライドできるよう構成してあることを
    特徴とするフォークリフト。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記フロントフレー
    ムと上記リアフレームとは,これらをスライド移動させ
    るためのアクチュエータに連結されていることを特徴と
    するフォークリフト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記アウター
    レールと上記インナーレールとを最小に縮めた際には,
    上記後輪の軸芯が上記アウターレールの内部に収まるよ
    う構成されていることを特徴とするフォークリフト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記アウターレールと上記インナーレールを最大に広げ
    た場合のホイールベースは,上記アウターレールと上記
    インナーレールを最小に縮めた場合のホイールベースの
    1.5倍以上であることを特徴とするフォークリフト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記アウターレールは,上板部,横板部,下板部をコ字
    状に配置していると共に開口部を内側に設けてなるコ字
    状レールよりなり,上記インナーレールは,上記コ字状
    レールの上板及び下板の間に位置するよう設けられたロ
    ーラを2つ以上有していることを特徴とするフォークリ
    フト。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,
    上記アウターレールは,上板部,横板部,下板部をコ字
    状に配置していると共に開口部を内側に設けてなるコ字
    状レールよりなり,上記インナーレールは,上記コ字状
    レールの内部に摺動可能に配されるパッドを有している
    ことを特徴とするフォークリフト。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    車両を走行させるための油圧モータを上記前輪の内部又
    は上記後輪の内部に配置すると共に,上記油圧モータに
    油圧回路を介して接続されたオイルポンプを駆動するた
    めのエンジンを,該エンジンの長手方向が車両横方向に
    向くように配置してなることを特徴とするフォークリフ
    ト。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項において,
    上記エンジンの前方には作動油タンク又は燃料タンクが
    配置されており,該作動油タンク又は燃料タンクは,少
    なくともその一部を運転室の床面中央部から上方に突出
    させて配置されていることを特徴とするフォークリフ
    ト。
  9. 【請求項9】 請求項7において,上記油圧モータは左
    右一対の上記前輪にそれぞれ配置されており,上記荷役
    装置のマストは,少なくともその一部が上記油圧モータ
    の前端よりも車両後方側に位置するように配置されてい
    ることを特徴とするフォークリフト。
  10. 【請求項10】 請求項7において,上記油圧モータは
    上記後輪に配置されており,上記荷役装置のマストは,
    少なくともその一部が上記左右一対の前輪のホイール中
    心線よりも車両後方側に位置するように配置されている
    ことを特徴とするフォークリフト。
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