JP2000280066A - 非鉛系接合部材の形成方法 - Google Patents

非鉛系接合部材の形成方法

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JP2000280066A JP11092033A JP9203399A JP2000280066A JP 2000280066 A JP2000280066 A JP 2000280066A JP 11092033 A JP11092033 A JP 11092033A JP 9203399 A JP9203399 A JP 9203399A JP 2000280066 A JP2000280066 A JP 2000280066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は,本発明により、従来、鉛を含有しな
いはんだとしての錫・亜鉛系の合金は、亜鉛が酸化し易
くはんだをはんだ付け対象母材にはんだをぬれ広がらせ
ることが困難であったが、錫・亜鉛を主成分とする共晶
合金を、従来の錫・鉛はんだの製造設備で活用出来るは
んだ付け方法、及び、装置を提供するもので、汎用はん
だとして工業化に寄与するものである。 【解決手段】3から12wt%の亜鉛、残りが実質的に
錫からなるはんだ合金を、溶湯中の酸素濃度が50pp
m以下、及び、湯面の酸化物を避けたところに被はんだ
付け部材を接触させることを特徴とするはんだ付け方
法、及び、装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性物質一般の
接合に利用される非鉛系接合部材の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】錫と鉛による共晶はんだは、その共晶点
が183℃であり、銅部材などに用いられるもので、は
んだに用いられる金属単体の融点よりも低いばかりでな
く、多くの熱硬化性樹脂がガス化を始める温度よりも低
いという特徴を有している。このような特徴を備えた錫
と鉛による共晶はんだを鉛を含まないはんだとしては、
錫・銀系はんだや錫・亜鉛系はんだなどが挙げられる。
この様な非鉛系のはんだ材料を電子部品のを回路基板に
実装する場合、はんだ材料を加熱して溶湯とした状態の
ものに回路基板を接触させ、その表面にはんだ層を形成
する事が行われている。しかし、この錫・亜鉛系はんだ
を使用した場合、その溶湯表面にドロスと呼ばれる酸化
物の薄膜や浮遊物が生じてしまい、これが回路基板の銅
配線の表面にはんだがぬれ難い原因を作っていた。この
ドロスは亜鉛の酸化物、或いは錫の酸化物を主としてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のはんだ付け方法
では、ト゛ロスの発生に起因してはんだ材料が回路基板表
面の金属配線にぬれ難いと言う問題があった。本発明
は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ドロスの発生
を抑え、基板に対してはんだが良好にぬれる様にした非
鉛系接合材料の形成方法を提供する事を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の非鉛系接合部材の形成方法は、亜鉛及び
錫を主成分とするはんだ合金を加熱して溶湯とし、この
溶湯中の酸素濃度を低減してドロスの生成を抑制する工
程と、前記はんだ合金に対して濡れ性を有する金属を表
面に形成した被接合部材を前記溶湯の表面に接触させ前
記金属の表面にはんだ層を形成する工程とを有する事を
特徴とする。本発明者らは、種々の実験を経た結果、ド
ロスの発生原因がはんだの溶湯中の酸素濃度に起因する
事を見出し、発明をするに至った。この酸素濃度が50
ppmを越えるとドロスの発生が確実に生じる事を突き
止め、ドロスの低減には溶湯に例えばMg、Mn、A
l、In、Si、Fe、Ge、P、C、N、B、H、及
びアンモニアから選ばれる脱酸剤を添加する事が効果的
である事を見出した。
【0005】しかるに、請求項2の非鉛系接合部材の形
成方法は、請求項1において、前記溶湯中の酸素濃度の
低減は、前記溶湯にMg、Mn、Al、In、Si、F
e、Ge、P、C、N、B、H、及びアンモニアから選
ばれる脱酸剤を添加する事を特徴とする。
【0006】請求項3の非鉛系接合部材の形成方法は、
請求項1において、前記被接合部材の金属表面に、ハロ
ゲン0.6%以下のフラックス、りん酸、過酸化水素、
硝酸、塩酸、臭化水素酸、及び硫酸のうちの少なくとも
何れか1つを塗布することを特徴とする。
【0007】請求項4の非鉛系接合部材の形成方法は、
請求項1において、前記金属の表面に形成された酸化物
あるいは水酸化物の厚さを200〓以下にすることを特
徴とする。
【0008】ここで、非鉛系接合部材とは、LSI、ゲ
ートアレイ等の集積回路チップ、或いは、トランジス
タ、ダイオード、抵抗素子、コンデンサ素子等のディス
クリート部品、およびそれらを接続する回路基板等であ
る。電子部品等では基板に接続するためのリード配線に
はんだ層が形成され、回路基板等では表面に形成した銅
等の配線パターンの表面にはんだ層が形成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は,錫・亜鉛を主成分とす
る共晶合金を、従来の錫・鉛はんだの製造設備で活用出
来るはんだ付け方法、及び、装置を提供するもので、汎
用はんだとして工業化に寄与するものである。
【0010】具体的なはんだ材料の主成分とは3から1
2wt%の亜鉛、残りが実質的に錫からなるはんだ合金
を、溶湯中の酸素濃度が50ppm以下、及び、湯面の
酸化物を避けたところに被はんだ付け部材をデイプする
方が望ましい。この場合、被接合部材に、ハロゲン0.
6%以下のフラックス、りん酸、過酸化水素、硝酸、塩
酸、臭化水素酸、硫酸のいずれかを塗布すれば、更に、
ぬれ性が改善される。また、酸による表面処理や機械的
研磨等により被はんだ付けする金属部材表面の酸化膜或
いは水酸化物の膜の厚さを200〓以下とすれば、同様
に、ぬれ性を改善できる。
【0011】また、はんだ合金の溶解時の雰囲気を窒素
封入等により酸素濃度を5000ppm以下にしてぬれ
性を改善する方法である。特に、金属母材あるいは母材
にメッキ処理を施した表層部に存在する酸化膜あるいは
水酸化物の膜が薄いものである時(およそ200〓以
下)の効果が著しい。例えば、金あるいは金メッキ処理
(金フラッシュ処理を含む)材料、銀あるいは銀メッキ
処理材料、白金、パラジウムあるいはパラジウムメッキ
処理材料、及びこれらの合金あるいは合金メッキ処理
(フラッシュ処理を含む)材料が好例として挙げられ
る。いずれの材料もその表層部の酸化膜あるいは水酸化
物の膜は極めて薄く大気下での酸素の吸着が表層部で支
配的な材料である。これらの材料も表面加工処理した時
から長期間を経るとメッキ処理した材料などは表面の酸
化が進行してくるが、数ヶ月以内であれば低酸素雰囲気
を保った状況ではんだ付けをすると、フラックスのよう
な混合物を塗布しなくてもはんだが母材あるいはめっき
被膜にぬれ性を示し附帯設備を最小限とすることができ
る。
【0012】一般に金属表面の酸化膜や付着物質を除去
するための方法として、電解研磨と化学研磨が知られて
おり、電解研磨は電気エネルギーを用いた陽極溶解で、
その溶解の駆動力を外部の電池起電力に依存し、化学研
磨は金属表面自体の中に内包されている局部電池の起電
力に依存している。電解研磨と化学研磨とを比較する
と、化学研磨の長所として設備費が少ないこと、研磨時
間が短く研磨される物体の形状に関係無く研磨可能で生
産能率が高いことなどからはんだ付けの母材あるいはメ
ッキ処理した表層部の酸化膜あるいは水酸化物の膜の除
去に化学研磨を適用できる。この化学研磨は、被研磨面
と研磨液界面に表面層が生成し、この表面層(拡散層)
の存在によって溶解速度の調整が行われているとするの
が通説となっている。この表面層には、平滑化に寄与す
る粘液層と、光沢化に寄与する固体被膜層がある事が知
られている。
【0013】一方、低酸素雰囲気でない設備において汎
用性の高い導電性材料としてのアルミニウム等のはんだ
付けも必要となっている。このような母材の酸化膜の除
去には、前出の濃度の高い塩酸、過酸化水素、りん酸、
硝酸、硫酸及びこれの混合物の他、フッ酸を組み合わせ
たアルミニウムの処理も知られている。銅あるいは銅合
金の処理においては、3.35mol/lの硝酸50容
と、6.06mol/lの硫酸100容と、少量の塩酸
と、水100容の混合液を20℃で数分用いることが古
くから知られているが、液組成物の分解から多量のガス
発生が問題視されていることから、りん酸30から80
容量%、硝酸5から20容量%、氷酢酸10から50容
量%、水10容量%以下の混合物を55から80℃の温
度で2から6分用いる方法や、10M過酸化水素と2M
硫酸の飽和アルコールとの混合物を50℃の温度で1か
ら2分用いる方法等が大気下でのはんだ付けに応用でき
る。
【0014】さらに、これらの液状混合物を松脂と混合
し塗布してもよい。発明者らは、次のような接合材料を
作成し、それを用いるプロセスと共にその特徴を確認し
た。
【0015】はんだ溶融槽内にはんだ合金を入れ、その
共晶点である199℃よりも32℃高い230℃に一旦
昇温させた後、220℃で保持し完全に固形物を溶融さ
せた。この時、脱酸剤としてりんを1%添加し、溶湯中
の酸素量を制御する。また、190℃に到達した時点か
ら不活性ガスをはんだ付け対象物が移動する領域に流し
続け、酸素を制御する。
【0016】酸素の制御により、溶湯中の酸素を50p
pm以下、好ましくは30ppm以下とすることにより
その効果が顕著となる。温度500K(226.84
℃)におけるはんだ材料に関する酸化物の生成自由エネ
ルギーとして、次の様な値が知られている。
【0017】 CuO : −110kJ/mol Cu2O : −132kJ/mol ZnO : −300kJ/mol これらの値から、いったん酸化物となってしまうと銅に
比べて亜鉛は元の金属単体に戻りにくいことがわかる。
また、はんだの溶湯中にディップするテストピースの表
面にも金属酸化物が存在している。例えば、テストピー
スとして得られたりん脱酸銅の表面にはSIMS(Se
condary Ion Mass Spectrom
eter)による解析で約200〓の酸化膜が存在して
いることがわかった。このテストピースの表面の酸化膜
は、溶湯中の酸素を制御することによりその厚みも変化
させることも可能である。溶湯中の酸素を低くするとデ
ィップしたテストピースの表面に存在している酸素を亜
鉛が容易に奪うこと、さらに、Cu2Oから酸化物の生
成自由エネルギーの絶対値が小さいCuOへの変化を促
すことから、テストピースとはんだとの接触が容易とな
りぬれ性が改善される。
【0018】また、溶湯中に存在する酸素は溶湯中の亜
鉛そのものとも結びつきやすいが、酸素量を少なくする
ほど溶湯表面に浮遊していく酸化物の量(ドロス)を減
らすことができる。生じた酸化物の量が少なければ、デ
ィップ時にテストピースと溶湯との接触妨害が軽減され
るため、ブリッジなどのはんだ付け不良を防止すること
ができる。浮遊物の厚みが少ないほどこの効果は著し
く、回収も容易となる。次に、溶融槽はんだの中に、大
きさが50mm×10mm×1.0mmの3種類の銅試
験片を用意した上で、溶融槽はんだの中に長手方向の下
から30mmの部分を溶融したはんだに浸漬し、10秒
後に引き上げた。この結果を示したのが表1である。
【0019】
【表1】 [表中の記号説明] 二重丸:非常に優れる ○:優れる
△:普通 ×:劣る ×:非常に劣る はんだ付け方法としては、溶湯中の酸素が50ppm以
下、かつ、湯面の酸化膜を除去することが必要条件であ
るが、試験片の表層部に存在する酸化膜あるいは水酸化
物の厚みが増大するほどはんだの接触角が増大し、ぬれ
性を悪化させることが明らかとなった。従って、酸化膜
厚を減少させることがはんだ付け不良を起さない要素の
一つであると考えられる。例えば、ニッケル/金フラッ
シュめっきした銅試験片においても表層部に存在する酸
化膜、あるいは水酸化物のマクの厚みが増大するほどは
んだの接触角が増大し、ぬれ性を悪化させるため同様な
現象が生じることが明らかとなった。従って、銅片以外
の金属表面についても酸化膜あるいは水酸化物の厚みを
減少させることがはんだ付け不良を起さない要素の一つ
であると考えられる。このため、一度酸化された金属表
面も酸化膜を薄くすれば錫・亜鉛系はんだ材料でも十分
なぬれ性を確保することが可能なことがわかる。
【0020】また、テストピースや基板ではんだ付けし
た後の糸はんだ(錫・亜鉛系で脂入りのものを含む)に
よる手修正も、従来の錫・鉛を成分とする糸はんだと同
じ条件で可能となることも判った。
【0021】以上のことから、本発明の実施形態とし
て、拡がりを有する導電性物質の表面に接合させるとき
に、はんだ付けができなかった材料の表面に対して十分
なぬれ性が確保できるため、高密度な電子部品実装品を
提供することも可能となる。
【0022】さらに、はんだ付けを行う領域の雰囲気
と、はんだ付け対象物の表層部の酸化物あるいは水酸化
物の厚さを薄くすることにより錫・亜鉛系はんだもはん
だ付けが可能になる。
【0023】
【実施例】以下、例示的ではあるが限定的ではない実施
例を説明することによって本発明をより深く理解する事
ができる。 (実施例1)はんだ溶融槽内に錫90.9wt%以上、
亜鉛9.0wt%、その他の不可避な成分0.1wt%
以下のはんだ合金を入れ、その共晶点である199℃よ
りも32℃高い230℃に一旦昇温させた後、220℃
で保持し完全に固形物を溶融させた。この時、脱酸剤と
してりんを0.1wt%添加し、溶湯中の酸素量を制御
する。添加した後にドロスの発生は見られなかった。
【0024】また、雰囲気の酸素量は190℃に到達し
た時点から不活性ガスを投入し続けて酸素を制御する。
この時、湯面上の酸化物はステンレス板等で堰を作り除
いた。
【0025】溶融槽はんだの中に、次の仕様の試験基板
を用意し、溶融槽はんだの中に長手方向の下から100
mmの部分を溶融したはんだに浸漬し、10秒後に引き
上げた。この時使用した被接合部材である基板の仕様を
以下に示した。
【0026】[基板の仕様] 寸法:120mml×100mmw×1mmt 材質:ソルダーレジスト塗布ガラスエポキシ基板 パッド部のパターン: 64pin QFP対応パター
ン パッド寸法:5mml×0.3mmw パッドピッチ:0.5mm パッド部めっき:銅めっき処理 冷却後、試験基板についての解析、観察を実施したとこ
ろはんだは試験基板上にぬれ広がり、ブリッジ、未はん
だは認められなかった。後述する比較例1との比較が必
要であるが、上述した実施例1により、従来、鉛を含有
しないはんだとしての錫・亜鉛系の合金は、亜鉛が酸化
し易くはんだをはんだ付け対象母材にはんだをぬれ広が
らせることが困難であったが、錫・亜鉛を主成分とする
共晶合金を、従来の錫・鉛はんだの製造設備で活用出来
る非鉛系接合材料の製造方法を提供するもので、汎用は
んだとして工業化に寄与するものである。
【0027】この実施例の変形例として、脱酸剤として
Cの代わりにMg、Mn、Al、In、Si、Fe、G
e、H或いはアンモニアをドロスの発生を抑えるのに必
要な所定量として0.001〜1wt%程度の範囲で添
加し、溶湯中の酸素量を制御した。その他は、上述の実
施例1と同一の工程に沿った。その結果、実施例1と同
様の効果を奏することができた。
【0028】(実施例2)実施例2として、被はんだ付
け部材に、ハロゲン0.6%以下のフラックス、りん
酸、過酸化水素、硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸のいず
れかを各々塗布し、その他は(実施例1)と同一の工程
で実施した。この実施例では、脱酸剤としてCを0.5
%添加し、溶湯中の酸素量を制御した。添加した後にド
ロスの発生は見られなかった。
【0029】冷却後、試験基板についての解析、観察を
実施したところはんだは試験基板上にぬれ広がり、ブリ
ッジ、未はんだは認められなかった。 (実施例3)被はんだ付けする金属部材表面の酸化膜の
厚さを酸による表面除去、機械的研磨により200〓以
下にし、その他は(実施例1)と同一の方法で実施し
た。ただし、この実施例では、脱酸剤としてNを0.0
1wt%添加し、溶湯中の酸素量を制御した。冷却後、
試験基板についての解析、観察を実施したところはんだ
は試験基板上にぬれ広がり、ブリッジ、未はんだは認め
られなかった。
【0030】(実施例4)(実施例1)と同じ組成の合
金の溶解時の雰囲気酸素濃度が5000ppm以下と
し、(実施例1)の方法で実施した。ただし、この実施
例では、脱酸剤としてBを0.1wt%添加し、溶湯中
の酸素量を制御した。冷却後、試験基板についての解
析、観察を実施したところはんだは試験基板上にぬれ広
がり、ブリッジ、未はんだは認められなかった。
【0031】(比較例1)はんだ溶融槽内に(実施例
1)と同じ組成のはんだ合金を入れ、その共晶点である
199℃よりも32℃高い230℃に一旦昇温させた
後、220℃で保持し完全に固形物を溶融させた。この
時、脱酸剤による溶湯中の酸素低減を行わず、かつ、湯
面の酸化膜を除去せず、各種試験片をデップした。
【0032】冷却後、試験片についての解析、観察を実
施したところはんだは試験片上にほとんどぬれ広がら
ず、縁辺部の断面観察により接触角は測定不能であっ
た。この結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】[表中の記号説明] 二重丸:非常に優れる ○:優れる
△:普通 ×:劣る ××:非常に劣る (実施例5)次の様なスルーホール型基板での実施例を
示す。この時、(実施例1)と同じ組成のはんだの噴流
は、噴流する開口部を従来のノズルよりも狭めるか、基
板がはんだと接触する幅を調整しはんだが噴流槽内で接
触する面積を狭めることにより、酸化物の発生量を抑制
した。また、単位時間当たりに循環させるはんだの量を
従来のはんだ量の50%から98%ととしてもはんだの
酸化防止効果がある。
【0035】さらに、基板をコンベアーで流す時には、
基板通過後から次の基板通過までに、噴流部分にフラッ
クスを滴下したり、強制的に板で酸化物を掬ってわずか
な酸化物の滞留も防止できる。この実施例5で使用した
基板の仕様を以下に示した。
【0036】[基板仕様] 寸法:50mml×50mmw×1mmt 材質:ソルダーレジスト塗布ガラスエポキシ基板 パッド部のパターン:16pin 挿入ICパターン リードピッチ:1.3mm パッド部のめっき:銅めっき処理 この基板にIC部品を挿入した後コンベアーにのせ、フ
ローディップ槽に次の条件で通過させはんだ付けを実施
した。この時、(実施例1)と同一の溶湯制御、(実施
例2)と同一の被はんだ付け部材に、ハロゲン0.6%
以下のフラックス、りん酸、過酸化水素、硝酸、塩酸、
臭化水素酸、硫酸の各々を塗布、(実施例3)と同一の
被はんだ付けする金属部材表面の酸化膜の厚さを酸によ
る表面除去、機械的研磨により200〓以下とする方
法、(実施例4)と同一の合金の溶解時の雰囲気酸素濃
度が5000ppm以下とする方法のいずれか1つもし
くは複数を組み合わせて試験を行った。
【0037】[はんだ付け条件] コンベアースピード:0.8m/sec コンベアー角度:3度 ディップ時間:10sec 冷却後、試験した実装基板についての解析、観察を実施
したところはんだは試験基板上のパッドにぬれ広がり、
ブリッジは皆無であり、はんだ上がりも良好であった。
【0038】
【発明の効果】上記構成によって、ドロスの発生を抑
え、はんだが良好にぬれることを改善した非鉛系接合材
料の形成方法を提供する事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 出 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 岡田 章 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4E080 AA01 BA06 BA08 DA04 EA07 5E319 BB01 CD21 GG03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛及び錫を主成分とするはんだ合金を加
    熱して溶湯とし、この溶湯中の酸素濃度を低減してドロ
    スの生成を抑制する工程と、前記はんだ合金に対して濡
    れ性を有する金属を表面に形成した被接合部材を前記溶
    湯の表面に接触させ前記金属の表面にはんだ層を形成す
    る工程とを有する事を特徴とする非鉛系接合部材の形成
    方法。
  2. 【請求項2】前記溶湯中の酸素濃度の低減は、前記溶湯
    にMg、Mn、Al、In、Si、Fe、Ge、P、
    C、N、B、H、及びアンモニアから選ばれる脱酸剤を
    添加する事を特徴とする請求項1に記載の非鉛系接合部
    材の形成方法。
  3. 【請求項3】前記被接合部材の金属表面に、ハロゲン
    0.6%以下のフラックス、りん酸、過酸化水素、硝
    酸、塩酸、臭化水素酸、及び硫酸のうちの少なくとも何
    れか1つを塗布することを特徴とする請求項1に記載の
    非鉛系接合部材の形成方法。
  4. 【請求項4】前記金属の表面に形成された酸化物あるい
    は水酸化物の厚さを200〓以下にすることを特徴とす
    る請求項1に記載の非鉛系接合部材の形成方法。
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