JP2000230058A - ポリエステル樹脂の透明物品 - Google Patents
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Abstract
し、優れた機械特性を有する厚く透明な物品およびシー
トを提供する。 【解決手段】 0.8dl/gより大きい固有粘度;280
℃で1cNより大きい溶融強度;および、280℃で、
ほぼ0の剪断速度に対して2000Pa・sより大きい溶
融粘度および1000秒-1の剪断速度に対して200P
a・s以上の溶融粘度;を有する、5〜20%のイソフタ
ル酸単位を含有するポリアルキレンテレフタレート/イ
ソフタレート樹脂から得られ、5mmを越える厚みを持つ
透明な物品、特にシートにより上記課題が解決される。
Description
造に適する性質を有するポリアルキレンテレフタレート
樹脂から得られる透明物品に関する。
リカーボネートおよびポリスチレンなどの無定形熱可塑
性ポリマーから得られる厚い透明なシートが既知であ
る。このようなシートは、種々の欠点、例えばPVCに
おける可塑剤の存在(表面に移動する傾向を有する)また
はPMMAおよびPCシートのリサイクルの困難性、な
らびにPMMAシートの易燃性および脆性などを有す
る。
結晶性の修飾されたPETから得られる比較的薄い透明
シートが既知である。
5〜0.7dl/gの固有粘度を持ち5〜15%のイソフタ
ル酸単位を含有するコポリエチレンテレフタレート樹脂
(テレフタル酸とイソフタル酸の混合物のエステル化/
重縮合によって、または、ジメチルテレフタレートおよ
びイソフタレートの混合物のエチレングリコールによる
エステル交換と得られるグリコールエステルの重縮合に
よって、既知の方法を用いて得られる)は結晶性である
が、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーに比べ
てその速度が非常に遅いことが既知である。イソフタル
酸単位の含量が非常に高い(25〜85%)ときにのみ、
この樹脂はもはや結晶性ではなくなる。この場合、Tg
は非常に低く、この樹脂は、充分に良好な機械特性を有
する生成物の製造に対して不適当なものとなる。
5〜15%のイソフタル酸由来の単位を含有するコポリ
エチレンテレフタレート/イソフタレートコポリマーが
記載されているが、このコポリマーは、非常に高い固有
粘度および溶融強度を有しており、薄い壁の透明容器の
インフレート法による製造に適している。
ソフタル酸とエチレングリコールの混合物の重縮合によ
って、または、ジメチルテレフタレートおよびイソフタ
レートの混合物のエステル交換とその後のエステルの重
縮合によって、分岐剤(例えば、トリメチロールプロパ
ンおよびペンタエリチトールなど)および鎖停止剤(安息
香酸など)の存在下で製造される。
は、固体状態重縮合(SSP)によって1dl/gより大きい
値になる。SSPの後に、この樹脂は、溶融状態におい
て比較的高い粘度(剪断力の非存在下に265〜300
℃の温度で104〜105Pa・s)を有しているが、剪断力
の作用下では102〜103Pa・sの値まで劇的に低下す
る。
一方において、吹込成形操作に適しているが、剪断力の
作用下でも溶融物が充分に高い粘度を保持していること
が必要な厚い生成物の押出による製造には適さない。
晶性ポリアルキレンテレフタレートのシートから得られ
る1〜20mmの厚みを有する熱成形物品が、国際特許出
願公開No.97/12750から既知である。その実施
例において、多くとも5mmの厚みを有する熱成形シート
が記載されている。
発して良好な機械特性を有する厚く透明な物品およびシ
ートを製造する可能性が検討されているが、これまでこ
の課題は解決されていない。
ルキレンテレフタレート樹脂を基本とし、優れた機械特
性を有する厚く透明な物品およびシートを提供しようと
した。
性質: ・0.8dl/gより大きい固有粘度; ・280℃で1cNより大きい溶融強度; ・280℃の溶融状態において、ほぼ0の剪断速度に対
しては2000Pa・sより大きく、1000秒-1の剪断
速度に対しては200Pa・s以上の粘度; を有する、5〜20%、好ましくは7〜15%のイソフ
タル酸単位を含有するコポリアルキレンテレフタレート
/イソフタレート樹脂から出発して、5mmを越える厚み
を持つ透明な物品およびシートを製造しうることを見い
出した。これら物品の結晶度は、一般に5%未満であ
る。
する樹脂は、低温結晶化DSC曲線において発熱転移を
持たない。これら物品は、良好な機械特性、特に低温に
おける高い耐衝撃性、および最適の光学特性を有する。
レンテレフタレート樹脂は、既知の方法に従って、テレ
フタル酸およびイソフタル酸の混合物と2〜8個の炭素
原子を含むアルキレングリコール(例えば、エチレング
リコールまたは1,4-ブタンジオール)とのエステル化
および結合したグリコールエステルの重縮合により、ま
たは、ジメチルエステルの混合物のエステル交換/重縮
合により、そして、このようにして得られる樹脂の固体
状態での重付加(テトラカルボン酸、好ましくは芳香族
テトラカルボン酸の二無水物の存在下に行う)により、
少なくとも0.1単位dl/gの出発樹脂の粘度の増加およ
び280℃で1cNより大きい溶融強度の値を得ること
によって製造される。
あるのが好ましく、溶融強度(常に280℃における値)
は2cN以上であるのが好ましく、通常は5〜20cNで
ある。
000〜3500Pa・sの溶融状態粘度が一般に適して
いるが、それより高い粘度も使用することができる。1
000秒-1の剪断速度に対応する280℃での溶融状態
粘度は、通常は200Pa・s以上である。
従い、樹脂の融点未満の温度およびそのTgより高い温
度、通常は130〜200℃の温度で行う。固体状態で
の反応にかける前に、重縮合反応器における粘着現象を
避ける目的で、最初の樹脂を結晶化処理にかける。実施
温度は、例えば流動床を用いて130〜180℃である
のが普通である。
ポリエチレンテレフタレートが好ましい樹脂である。
チレンテレフタレート/イソフタレートコポリマーに加
えて、様々な種類のブロックコポリマーも使用すること
ができるが、これらは常に5〜20%のイソフタル酸単
位の含量を有している。これらは、例えば、無水ピロメ
リト酸が添加された、イソフタル酸単位の含量が異なる
コポリエチレンテレフタレート/イソフタレート(例え
ば、2%および15%のイソフタル酸を含む)の混合物
の押出、およびその後の固体状態での重付加により所望
の流動特性を得ることによって製造される。このように
して得られるブロックコポリマーは、イソフタル酸含量
に依存して通常は130〜180℃の結晶化温度を有し
ている。
タレート樹脂は、相溶性の無定形ポリマー、例えばε-
ポリカプロラクトンなどと混合して使用することができ
る。これらポリマーは、物品の透明性を損なうことがな
い量で使用される。
て測定する。光の透過は、1100〜450nmの波長区
間において50%より大きい。
重縮合反応器の出口において0.05〜2重量%、好ま
しくは0.1〜0.6重量%の量で樹脂と混合するか、ま
たは樹脂の押出段階において添加する。押出機中での混
合および滞留時間は比較的短い(数分まで)。ピロメリト
酸二無水物が好ましい。
ブタンテトラカルボン酸、3,3'-、4,4'-ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキ
シフェニル)プロパン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)エーテルの二無水物である。
て、例えば押出、射出、熱成形法または他の方法を用い
て製造される。これら物品は、屋内および屋外の用途の
両方に使用することができる(UV安定剤で安定化した
後)。用途の例は、温室窓ガラス、道路標識、自動車お
よび機械の透明部品、棚用材料などである。
の厚みを有する透明シートは、ローラーへのシートの充
分な付着を与えることができるように、第1のローラー
においては例えば30℃の温度および他のローラーにお
いてはそれより高い温度に維持された収集ローラーを用
いる注型-押出によって製造するのが好ましい。1cNよ
り大きい樹脂の溶融強度値が、この操作を行うために必
要である。
でフェノールおよびテトラクロロエタンの60〜40重
量%溶液において測定する。レオロジー測定は、AST
M D3835規格に従い、280℃の温度でゲットフ
ェルト・レオメーター(Goettfert Rheometer)を用いて
行う。溶融強度は、ゲットフェルト・レオグラフ(Goett
fert Rheograph)2002レオメーターのキャピラリー
から押出される材料を伸張するのに必要な力を測定する
ことによって評価する。測定のために、レオテンス(Rhe
otens)装置をゲットフェルト・レオグラフ2002レオ
メーターのキャピラリーの出口に装着する。
ることによって行った。それぞれの試験を繰返し、2つ
を平均した結果を記録した。
さらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
酸(PMDA)の存在下に品質向上させた、13.5%の
イソフタル酸(IPA)単位を含有するポリエチレンテレ
フタレート/イソフタレートコポリマー(CO-PET)
(0.83dl/gの固有粘度を有する)の調製 13.5%のIPAを含有するCO-PET(テレフタル
酸およびイソフタル酸の混合物のエチレングリコールに
よるエステル化と、その後のグリコールエステルの重縮
合によって得た;0.62dl/gの固有粘度を有する)を、
L/D=21.5を有するかみ合いおよび逆回転の二軸
スクリュー押出機中で混合した。押出機の種々の区画に
おける温度プロフィールは、244/260/270/
280/289℃であり、スクリューの回転速度は44
7rpmであった。得られたポリマーは0.71dl/gの固有
粘度を有していた。このペレットを173℃で0.5時
間結晶化させ、次いで、窒素流中、168℃、滞留時間
24時間で品質を向上させた。この品質向上させた生成
物の固有粘度は0.83dl/gであった。
7.2J/gの融解エンタルピーで202℃に融解ピーク
を示した。低温結晶化DSC曲線は、どのような結晶化
ピークをも示さなかった。280℃でのポリマーの粘度
は、ほぼ0の剪断速度に対しては2500Pa・sであ
り、1000秒-1の剪断速度に対しては200Pa・sで
あった。280℃でのコポリマーの溶融強度は、11.
5cNであった。
ヤー(Breyer)押出機で押出して、厚さ7.7mmのシート
を得た。押出したシートを、第1ローラーを30℃、第
2ローラーを56℃、および第3ローラーを60℃の温
度に維持した3本ローラーの系に集めた。得られたシー
トは透明であった。UV/VIS分光光度法によって測
定した光の透過は、1100〜700nmの波長に対して
は約80%であり、700〜600nmの波長に対しては
70%であり、600〜450nmの波長に対しては70
%であった。DSC曲線(最初の測定)は、2%未満の結
晶性を示した。
測定は、−25℃、25℃および50℃において以下の
値を与えた。
試験を繰返した。このシートは透明であり、実施例7の
シートと同様の特性を示した(結晶度を持たず、低温で
も高い耐衝撃性を有する)。
た。
たことを除き、実施例1の試験を繰返した。押出後の固
有粘度は0.62dl/gであり、175℃で17時間の品
質向上の後には0.85dl/gであった。DSC曲線(最初
の測定)は、34.0J/gのエンタルピーで137℃に結
晶化ピークを示し、39.8J/gのエンタルピーで24
7℃に融解ピークを示した。得られた厚み7mmのシート
は、実施例1のシートと同様の特性を示した
-PETおよび0.61dl/gの固有粘度を持ち13.5%
のIPAを含むCO-PETの50重量%混合物(混合物
のIPAは7.8重量%;0.2重量%のPMDAを含
む)を、L/D=21.5を有するベルシュトルフ(Berst
orff)Ze40かみ合い逆回転二軸スクリュー押出機にお
いて、押出機の種々の区画における温度プロフィール2
46/268/272/286/289/295/30
0℃およびスクリュー速度447rpmを用いて押出し
た。押出したポリマーの固有粘度は0.70dl/gであっ
た。このペレットを185℃で0.5時間結晶化させ、
次いで、窒素流中、175℃で16時間、品質を向上さ
せた。この品質向上させたポリマーの固有粘度は0.8
5dl/gであった。
のエンタルピーで155.9℃に結晶化ピークを示し、
31.7J/gのエンタルピーで233.8℃に融解ピーク
を示した。低温結晶化DSC曲線は、37.2J/gのエ
ンタルピーで177.2℃にピークを示した。
7.7mmのシートを得た。このシートは、実施例1のシ
ートと同様の透明性および耐衝撃性を有していた。この
シートの結晶度は2%未満であった。
試験を繰返した。このシートは透明であり、高い耐衝撃
性を有していた。
O-PETを用いたことを除き、実施例4の試験を繰返
した。得られた結果は、実施例4の結果と同様であっ
た。
CO-PET(PMDAの非存在下の品質向上によって得
た)を用いたことを除き、実施例1の試験を繰返した。
DSC曲線(最初の測定)は、37.9J/gの融解エンタ
ルピーで203℃に融解ピークを示した。低温結晶化D
SC曲線は、どのような結晶化ピークをも示さなかっ
た。280℃での溶融強度の測定は不可能であった(溶
融強度が低すぎた)。280℃での溶融状態のCO-PE
Tの粘度は、ほぼ0の剪断速度では500Pa・sであ
り、1000秒-1の剪断速度では150Pa・sであっ
た。実施例1の条件で行う薄層化試験は実施することが
できなかった。低い溶融強度のために、押出したシート
が巻取りローラーに付着しなかった。
混合物において0.04%のPMDA含量を用いたこと
を除き、実施例4の試験を繰返した。押出後に、このポ
リマーは0.69dl/gの固有粘度を有しており、窒素流
中、175℃で31時間の品質向上後(185℃で0.5
時間の結晶化後)に、0.85dl/gの固有粘度を有してい
た。DSC曲線(最初の測定)は、31.8J/gのエンタ
ルピーで143.3℃に結晶化ピークを示し、34.5J
/gのエンタルピーで235.9℃に融解ピークを示し
た。低温結晶化曲線は、36.9J/gのエンタルピーで
180.6℃にピークを示した。280℃での溶融強度
の測定は不可能であった(溶融強度が低すぎた)。実施例
1の条件での薄層化試験は実施することができなかっ
た。シートが巻取りローラーに付着しなかった。
レート樹脂を基本とし、優れた機械特性を有する厚く透
明なシートおよび物品が提供される。
Claims (7)
- 【請求項1】 以下の性質: ・0.8dl/gより大きい固有粘度; ・280℃で1cNより大きい溶融強度; ・280℃で、剪断力の非存在下に2000Pa・sより
大きい溶融粘度、および1000秒-1の剪断速度に対応
して200Pa・s以上の溶融粘度;を有する、5〜20
%のイソフタル酸由来の単位を含有するコポリアルキレ
ンテレフタレート/イソフタレート樹脂から得られ、5
%未満の結晶度を持ち、5mmを越える厚みを持つ透明な
生成物。 - 【請求項2】 溶融強度が5〜20cNであり、溶融粘
度が、ほぼ0の剪断速度に対して2000〜3500P
a・sである請求項1に記載の生成物。 - 【請求項3】 イソフタル酸単位の含量が7〜15%で
ある請求項1または2に記載の生成物。 - 【請求項4】 コポリアルキレンテレフタレート/イソ
フタレートが、既知の方法によって、テレフタル酸およ
びイソフタル酸の混合物とアルキレングリコールとのエ
ステル化/重縮合により、または、ジメチルテレフタレ
ートおよびイソフタレートの混合物のアルキレングリコ
ールによるエステル交換および得られるエステルの重縮
合により、そして、テトラカルボン酸の二無水物の存在
下でのこのコポリマーの固体状態重付加により、0.8d
l/gより大きい固有粘度値および少なくとも1cNの溶融
強度を得ることによって製造されるコポリマーである請
求項1〜3のいずれかに記載の生成物。 - 【請求項5】 コポリアルキレンテレフタレート/イソ
フタレートが、無水ピロメリト酸の存在下での種々のイ
ソフタル酸単位含量を有するコポリアルキレンテレフタ
レート/イソフタレートの混合物の押出、およびその後
の固体状態重付加によって得られるブロックコポリマー
である請求項1〜4のいずれかに記載の生成物。 - 【請求項6】 コポリアルキレンテレフタレート/イソ
フタレートがコポリエチレンテレフタレート/イソフタ
レートから選択される請求項1〜5のいずれかに記載の
生成物。 - 【請求項7】 5〜20mmの厚みを有するシートの形態
にある請求項1〜6のいずれかに記載の生成物。
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