JP2000187024A - 複合発泡体の非破壊検査装置 - Google Patents

複合発泡体の非破壊検査装置

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JP2000187024A
JP2000187024A JP10366244A JP36624498A JP2000187024A JP 2000187024 A JP2000187024 A JP 2000187024A JP 10366244 A JP10366244 A JP 10366244A JP 36624498 A JP36624498 A JP 36624498A JP 2000187024 A JP2000187024 A JP 2000187024A
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foam
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wave
composite
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JP10366244A
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English (en)
Inventor
Takao Yada
隆生 矢田
Tameyuki Akishika
爲之 秋鹿
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TOTSUKA DENSHI KEISOKU KENKYUS
TOTSUKA DENSHI KEISOKU KENKYUSHO KK
Mitsubishi Chemical Foam Plastic Corp
Original Assignee
TOTSUKA DENSHI KEISOKU KENKYUS
TOTSUKA DENSHI KEISOKU KENKYUSHO KK
Mitsubishi Chemical Foam Plastic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合発泡体の内部欠陥を効率的に検出できる
と共に,検査作業が容易で,検査コストが安価である,
複合発泡体の非破壊検査装置を提供すること。 【解決手段】 発泡体52と該発泡体52の表面を被覆
する表皮51とよりなる複合発泡体5における内部欠陥
を検査する装置であって,上記複合発泡体5の外表面5
10より該複合発泡体5の内部に対し検査用横波41を
発信する発信器2と,上記検査用横波41が上記複合発
泡体5内部を伝搬することで形成された伝搬波42を上
記複合発泡体4の外表面410において検出する受信器
3とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,表皮と発泡体とよりなる複合発
泡体を非破壊的に検査することができる非破壊検査装置
に関する。
【0002】
【従来技術】発泡体と該発泡体の表面を被覆する表皮と
よりなる複合発泡体が知られており,この材料は各種プ
ラスチック製品に応用されている。上記複合発泡体にお
ける内部欠陥の発見にかかる検査方法としては,従来,
直接,上記複合発泡体を切断して行う検査法が採用され
てきた。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記複合発泡
体は比較的高価である。よって,破壊を伴う従来の検査
法では複合発泡体の価格を更に引き上げてしまうおそれ
がある。一方,従来,複合発泡体の非破壊検査方法とし
て軟X線法,CTスキャン法等が試みられてきた。しか
しながら,これらの検査方法はいずれも非常にコスト高
であると共に,人体に対する安全対策が必要である。こ
のため,検査作業に手間がかかる。この点から実用化に
至っていないのが現状である。
【0004】本発明は,かかる従来の問題点を解決する
ためになされたもので,複合発泡体の内部欠陥を効率的
に検出できると共に,検査作業が容易で,検査コストが
安価である,複合発泡体の非破壊検査装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,発泡体と
該発泡体の表面を被覆する表皮とよりなる複合発泡体に
おける内部欠陥を検査するための非破壊検査装置であっ
て,上記複合発泡体の外表面より該複合発泡体の内部に
対し検査用横波を発信する発信器と,上記検査用横波が
上記複合発泡体内部を伝搬することで形成された伝搬波
を上記複合発泡体の外表面において検出する受信器とよ
りなることを特徴とする複合発泡体の非破壊検査装置に
ある。
【0006】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明にかかる非破壊検査装置は,複合発泡体に検査用横波
を与え,該横波が複合発泡体内部を伝播することで形成
された伝搬波を受信するよう構成されている。複合発泡
体が内部欠陥を持たない場合,共振現象等が生じやすい
空洞部や間隙部が内部に存在しないことから,上記伝搬
波は共振等のない通常の波形(複合発泡体に与えた検査
用横波と似た波形)となる。
【0007】仮に,間隙部や空洞部等の内部欠陥のある
複合発泡体に検査用横波を与えた場合,横波中の基本振
動数を含む波動の中の少なくとも1つの波動の基本振動
数が,上記内部欠陥の固有振動数と一致する。このた
め,上記内部欠陥で発生した共鳴振動に由来する大きな
振幅を持った共振波が伝搬波に混じる。また,表皮の形
状膜振動の固有振動数が間隙部等の内部欠陥のない場合
と比べて,上音振動が減少し,節振動が消滅するため,
大きく変化する。このため,伝搬波の振動数も大きく変
化する。
【0008】このように伝搬波を観測すると,発信した
検査用横波には見られなかった大きな振幅や振動数の変
化を認めることができる。よって,本発明にかかる装置
において,受信器で伝搬波を受信し,その振幅や振動数
を解析することで,複合発泡体の内部欠陥の有無を知る
ことができる。
【0009】そして,本発明にかかる検査装置は対象と
なる複合発泡体を損なうことなく検査を行うことができ
る。このため,高価な複合発泡体を無駄にすることなく
検査が実行できる。よって,検査コストを安価とするこ
とができる。また,本発明は複合発泡体に検査用横波を
当てて検査を行う装置である。従って,従来考えられた
他の装置とくらべて構造は単純で,操作法も容易であ
る。更に,横波として電気信号や音波,弾性波を使用で
きるため,他の装置に比べて人体に安全である。
【0010】以上,本発明によれば,複合発泡体の内部
欠陥を効率的に検出できると共に,検査作業が容易で,
検査コストが安価である,複合発泡体の非破壊検査装置
を提供することができる。
【0011】また,電気信号を電気音響変換素子などを
利用して音波となし,この音波を複合発泡体に発信する
ことで該複合弾性体に対し横波の弾性波を伝搬させる。
この弾性波による伝搬波を受信するよう,本発明の検査
装置を構成することができる(実施形態例1参照)。ま
た,本発明において発信器より複合発泡体に横波を発信
するのは,該発泡体の表面を被覆する表皮を膜振動させ
るためである。
【0012】また,上記複合発泡体としては,後述する
ごとく樹脂,プラスチック等よりなるものが挙げられ
る。また,上記複合発泡体の内部欠陥としては,複合発
泡体製造時の発泡粒子充填中に発生する空洞部,発泡粒
子の加熱溶融不足により発泡粒子間に発生する空洞部,
表皮と発泡体との界面に発生する間隙部等が挙げられ
る。
【0013】次に,請求項2の発明のように,上記発信
器は接触端を持つ発信側接触子を有し,該発信側接触子
は1〜10kHzの基本振動を発生する振動子に接続さ
れてなり,該振動子は0.4〜4.0kHzの方形波電
気信号を発生する周波数発信部に接続されてなり,一
方,上記受信器は接触端を持つ受信側接触子を有し,該
受信側接触子は受信信号増幅器に接続されてなることが
好ましい。
【0014】発信側接触子は1〜10kHzの基本振動
を発生する振動子に接続されていることから,可聴音域
の強力な振動エネルギーが得られ,接触媒質を使わなく
とも,複合発泡体に対し,充分な振動エネルギーを伝え
ることができる。そして,振動子が0.4〜4.0kH
zの方形波電気信号を発生する周波数発信部に接続され
ていることから,振動子の基本振動を刺激して大きな振
動エネルギーを発生できることと,方形波電気信号でた
くさんの上音振動が含むことができる。また,受信器は
受信信号増幅器に接続されているため確実に伝搬波の状
態を知ることができる。
【0015】上記基本振動が1kHz未満である場合に
は,振動子の基本振動数以下のため,振動子の電気音響
変換効率が著しく低下するおそれがある。また,10k
Hzより大である場合には,振動子を上音高調波振動に
限定されるため,膜振動効率が低下するおそれがある。
【0016】また,上記方形波電気信号が0.4kHz
未満である場合には,方形波に含まれる上音部電気信号
の上限が減少し,共鳴程度が小さくなるおそれがある。
また,40kHzより大である場合には,超音波領域の
振動に限定されるため,共鳴が生じ難くなるおそれがあ
る。
【0017】上記接触子を介して発信器より横波が複合
発泡体に対し発信される。そして,上記接触端におい
て,上記接触子は複合発泡体と接するよう構成されてい
る。上記接触端と複合発泡体とは点接触することが好ま
しい。また,上記接触端は複合発泡体と対面する側の面
が曲面状(球面状等),鋭角状(円錐状,角錐状等)等
の形状を持つことが好ましい。
【0018】上記振動子は複合発泡体に発信する横波と
なる振動を生成する部分である。この振動子としては例
えばたわみ形振動子を用いることができる。なお,たわ
み形振動子とは,振動子自体が体積変動をせず,単に膜
振動の変形をするものである。また,上記振動子として
は,他に圧電素子,すべり形,ねじれ形,低周波厚み形
等を用いることができる。
【0019】また,上記振動子と上記発信側接触子との
間に振動子における電気信号を音波に変換する電気音響
変換素子を設け,音波を接触子に対し送り込むよう構成
することが好ましい。また,上記受信側接触子と上記受
信信号増幅器との間に,電気音響変換素子を設け,音波
として受信した伝搬波を電気信号に変換するよう構成す
ることが好ましい。
【0020】また,上記周波数発信部とは,所定の電気
信号を機械的に効率よく変換し,該発泡体に充分な振動
エネルギーを与える部分である。上記周波数発信部とし
ては,例えば,駅の発車ブザー,火災報知器用警報音等
各種の警報器ブザー類と同様の構造を持ったブザー音発
生部を用いることができる。
【0021】次に,請求項3の発明のように,上記周波
数発信部には,30〜100Hzの範囲において方形波
電気信号を間欠制御するよう構成された信号制御回路が
接続されてなることが好ましい。これにより,上記複合
発泡体に存在する内部欠陥で共鳴波が発生するとき,瞬
発力の作用で連続波共鳴よりも鋭い検出ができる。ま
た,周囲に対して耳ざわりな騒音放射を軽減することが
できる。
【0022】また,上記間欠制御される範囲が30Hz
未満である場合には,休止時間が長くなり,内部欠陥検
出が不充分となるおそれがある。一方,100Hzを越
えている場合には,反対に休止時間が短くなって,連続
波に近くなり,本請求項にかかる効果が得難くなるおそ
れがある。また,上記信号制御回路としては,C・MO
S.ICのような低電力消費のものを使用することがで
きる。
【0023】次に,請求項4の発明のように,上記受信
器において検出される伝搬波の状態に応じて異なる表示
ランプが点灯するよう構成してなることが好ましい。こ
れにより,検査結果を作業員に分かりやすく表示するこ
とができるため,検査工程の効率化をはかり,検査結果
の見落とし等を防止することができる。なお,上記表示
ランプ点灯の機構であるが,例えば伝搬波を電気信号に
変換し,この電気信号の電圧値に応じた表示ランプを点
灯するよう構成することができる。
【0024】また,伝搬波の状態をそのまま視認装置に
送って,この装置から検査結果を知ることもできる。こ
の視認装置の具体例としては,伝搬波の波形を表示する
CRTを持ったオシロスコープや伝搬波の波形を印字す
るプリンタ,プロッタ等を挙げることができる。
【0025】次に,請求項5の発明のように,上記複合
発泡体における発泡体は樹脂よりなることが好ましい。
発泡体が樹脂よりなる場合,複合発泡体の製造時に樹脂
の充填不良及び加熱不足時の樹脂同士の非融着による樹
脂間の空洞,間隙の発生がともなうため,本発明にかか
る検査装置による効果を最大限に活用することができ
る。
【0026】また,樹脂よりなる複合発泡材料は物流関
連分野においては台車,コンテナ,パレット等,自動車
関連分野ではバンパー,スポイラー等,海洋水産分野で
はフロート,浮き桟橋等,家庭用品雑貨分野ではまな
板,クーラーボックス,バスタブ蓋等のように多くの分
野で幅広く利用されているため,本発明の検査装置はこ
れらの製造工程の効率化,低コスト化に大いに寄与する
ことができる。
【0027】また,上記複合発泡体の具体例としては,
上記表皮が熱可塑性ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレ
ン樹脂,ポリエチレン樹脂,ABS樹脂等)よりなり,
上記発泡体が同系統(相溶融性及び易リサイクルのた
め)の熱可塑性発泡ポリオレフィン樹脂(発泡ポリプロ
ピレン,発泡ポリエチレン,発泡ポリスチレン等)より
なるものが挙げられる。
【0028】他のものとしては,熱可塑性ポリオレフィ
ン樹脂ではポリカーボネート樹脂,ポリスチレン樹脂,
塩化ビニル樹脂,またこれらの樹脂を混合させた樹脂,
更に該樹脂に充填材,安定剤,核剤,顔料等を添加した
高性能樹脂等が挙げられる。一方,熱可塑性発泡ポリオ
レフィン樹脂としては発泡ポリスチレン共重合体樹脂,
またはこれらを混合させた樹脂等が挙げられる。
【0029】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる複合発泡体の非破壊検査装
置につき,図1〜図3を用いて説明する。図1に示すご
とく,本例の非破壊検査装置1(以降,検査装置1と省
略する。)は,発泡体52と該発泡体52の表面を被覆
する表皮51とよりなる複合発泡体5における空隙5
5,間隙56等の内部欠陥を検査するための非破壊検査
装置である。
【0030】上記検査装置1は上記複合発泡体5の外表
面510より該複合発泡体5の内部に対し検査用横波4
1を発信する発信器2と,上記検査用横波41が上記複
合発泡体の内部を伝搬することで形成された伝搬波42
を上記複合発泡体5の外表面510において検出する受
信器3とよりなる。
【0031】そして,上記発信器2は接触端215を持
つ発信側接触子21を有し,該発信側接触子21は1〜
10kHzの基本振動を発生する振動子22に接続され
てなり,該振動子22は0.4〜4.0kHzの方形波
電気信号を発生する周波数発信部23に接続されてな
る。また,上記周波数発信部23は方形波電気信号を3
0〜100Hzの範囲において間欠制御するよう構成さ
れた信号制御回路24に接続されている。一方,上記受
信器3は接触端315を持つ受信側接触子31を有し,
該受信側接触子31は受信信号増幅器32に接続されて
なる。
【0032】以下,詳細に説明する。図1に示すごと
く,検査装置1は発信器2,受信器3を有する。上記発
信器2は,接触端215を持つ発信側接触子21,電気
音響変換素子210,振動子22,周波数発信部23,
信号制御回路24とよりなる。また,上記受信器3は,
接触端315を持つ受信側接触子31,電気音響変換素
子310,受信信号増幅器32とよりなる。
【0033】また,検査装置1は,視認装置16及びこ
れに接続されたプリンタ160,上記視認装置16及び
上記信号制御回路24へ同期信号を送出する同期信号出
力部15を有する。
【0034】上記発信器2について説明する。上記信号
制御回路24は,上記周波数発信部23が30〜100
Hzの範囲において方形波電気信号を発信するようこれ
を間欠制御する。上記周波数発信部23から上記方形波
電気信号が振動子22に対して送信されるが,上記間欠
制御により方形波電気信号の発信が断続的に上記振動子
22に対し行われる。
【0035】なお,上記信号制御回路24はC・MO
S.IC−4011Bや4528Bを組み合わせた回路
より構成され,上記周波数発信部23は2SC−94
5,同2610のようなトランジスター組み合わせ回路
より構成されている。また,この振動子22は,たわみ
形振動子で基本振動数2.7〜9.0kHzであるもの
より構成されている。
【0036】上記発信側接触子21に設けられた接触端
215は半球状で,検査すべき複合発泡体5に点で接触
した状態にある。(なお,接触子としては円錐状のもの
も使用できる。) 上記発信側接触子21は硬質樹脂や真鍮,銅等の金属材
料より構成されている。これは後述する受信側接触子3
1と同様である。上記方形波電気信号は電気音響変換素
子210において音波に変換され,発信側接触子21の
接触端215を通じて検査されるべき複合発泡体5に発
信される。
【0037】次に,上記受信器3について説明する。上
記受信側接触子31の接触端315は半球状で,検査す
べき複合発泡体に点で接触した状態にある。上記接触子
31は電気音響変換素子310を介して受信信号増幅器
32に接続されている。また,上記電気音響変換素子2
10,310は0.5〜1.0mmの厚さをもった真鍮
板よりなる摺動板と,これを覆う保護用金属ケースより
構成されている。なお,受信器3から上記視認装置16
に対して受信された信号が送られている。
【0038】また,上記検査装置1において,上記受信
側接触子31及び電気音響変換素子310,発信側接触
子21及び電気音響変換素子210は一体化されてセン
サ部11を構成しており,また,該センサ部11におい
て発信側接触子21,受信側接触子31との両者の中心
位置の距離は50ミリとなるよう構成されている。
【0039】次に,上記検査装置1による複合発泡体5
の内部欠陥の検出について説明する。上記発信器2より
発信された音波は横波の弾性波となって伝搬し,複合発
泡体5の表皮51に対し形状膜変動を生じせしめ,かつ
複合発泡体5内を伝播していく。空洞55や間隙部56
が複合発泡体5の内部に存在した場合には,これらの部
分から共振による共振波45,46が発生する。こうい
った波がすべて合わさることで伝搬波42が形成され,
受信側接触子31において受信信号として検出される。
【0040】上記受信信号は受信信号増幅器32におい
て増幅され,視認装置16に送られる。この視認装置1
6はオシロスコープである。また,視認装置16には共
鳴波振幅の大小に関係なく常に安定して振幅を映像とし
て観測できることから,同期信号出力部15からの同期
信号が送られいる。また,同期信号出力部15からの同
期信号は,間欠発振を安定させるために信号制御回路2
4に対しても送られている。以上により,視認装置16
において得られた波形から内部欠陥の有無が判明する。
また,視認装置16で得られた結果をプリンタ160か
ら出力することもできる。
【0041】次に,本例の検査装置1の具体的な使用例
について説明する。検査対象となる複合発泡体5とし
て,表皮51がポリプロピレン,発泡体52が発泡ポリ
プロピレンよりなるものを使用した。このものは袋状の
表皮51の内部にポリプロピレンよりなる発泡粒子を充
填し,これを表皮内部で発泡させることで製造すること
ができる。この複合発泡体5は,製造時の不具合により
図1に示すごとき空洞55,間隙56等の内部欠陥が生
じることがある。
【0042】本例において使用した発泡体52用のポリ
プロピレン発泡粒子は粒径が2〜6ミリである。また,
発泡後の密度は0.02〜0.10g/cm3である。
また,表皮51の厚みは1.5〜4ミリである。
【0043】また,上記検査装置1において,発信器2
から発信される横波の周波数は800Hz,発信の強さ
は30〜35V,受信増幅部の感度は30〜35dB,
また接触端215,315の複合発泡体5に対する押圧
強さは1〜2kg/cm2である。
【0044】上記条件で複数の複合発泡体を検査したと
ころ,図2,図3に示すごとき出力を図1にかかる視認
装置16やプリンタ160より得た。また,上記検査装
置1において検査を終えた各複合発泡体を切断し,内部
欠陥の状態について調べた。
【0045】その結果,図2は内部欠陥を持たない複合
発泡体5についての結果,図3は内部欠陥を持つ複合発
泡体についての結果であることが分かった。同図より知
れるごとく,図2にかかる波形の振幅は小さく,図3に
かかる振幅は非常に大きかった。以上のように本例の視
認装置1において,受信器3より得られた受信信号の波
形を視認装置16やプリンタ160で観察することで複
合発泡体5の内部欠陥の有無を確認することができた。
【0046】次に,本例の作用効果について説明する。
本例の検査装置1は,複合発泡体5に検査用横波41を
与え,該横波41が複合発泡体5内部を伝播することで
形成された伝搬波42を受信するよう構成されている。
複合発泡体5に対し検査用横波を発信することで表皮5
1に形状膜変動が発生するが,複合発泡体5が内部欠陥
を持つ場合,空洞部55や間隙部56が内部に存在する
ため,上記伝搬波41は共振波45,46の影響により
非常に大きな振幅となる。本例の検査装置1は,この伝
搬波41を受信器3において受信することで,複合発泡
体5の内部欠陥の有無を検査することができる。
【0047】そして,本例に検査装置1は複合発泡体5
を損なうことがなく,高価な複合発泡体5を無駄にする
ことなく検査ができる。よって,検査コストを安価とす
ることができる。また,本例は複合発泡体5に電気信号
から変換された音波を使用しているため,装置構造が単
純で,操作法も容易である。更に,人体に安全である。
【0048】以上,本例によれば,複合発泡体の内部欠
陥を効率的に検出できると共に,検査作業が容易で,検
査コストが安価である,複合発泡体の非破壊検査装置を
提供することができる。
【0049】実施形態例2 本例の検査装置は,図4に示すごとく,発信器と受信器
とよりなり,該受信器に接続された判断回路と表示部等
を備えている。図4に示すごとく,上記発信器2は接触
端215を持つ発信側接触子21を有し,該発信側接触
子21は1〜10kHzの基本振動を発生する振動子2
2に接続されてなり,該振動子22は0.4〜4.0k
Hzの方形波電気信号を発生する周波数発信部23に接
続されてなる。また,上記周波数発信部23は方形波電
気信号を30〜100Hzの範囲において間欠制御する
よう構成された信号制御回路24に接続されている。
【0050】一方,上記受信器3は接触端315を持つ
受信側接触子31を有し,該受信側接触子31は受信信
号増幅器32に接続されてなる。上記判断回路61内に
は受信信号増幅器32より送られた信号の電圧を測定
し,その電圧値に応じて表示部63における3色の表示
ランプ631,632,633を点灯させる電気回路が
設けてある。また,上記判断回路61において測定した
受信信号増幅器32より送られた信号の周波数を測定,
表示する周波数表示部62が設けてある。その他の構成
は実施形態例1と同様である。
【0051】実施形態例1と同様に,本例の検査装置1
においても,発信器2より発信された検査用横波41が
複合発泡体5を伝播して,受信器3の接触子31に到達
する。接触子31に接続された電気音響変換素子310
により伝搬波42は電気信号に変換され,更にこの電気
信号は受信信号増幅器32によって増幅される。
【0052】上記受信信号増幅器32で増幅された電気
信号は判断回路61においてその電圧を測定される。電
圧が高い場合,それは伝搬波42の振幅が大きいことを
意味する。
【0053】従って,上記判断回路31は,電圧の高,
中,低に応じて,上記表示部63の表示ランプ631,
632,633を点灯させる。この対応は以下の通りで
ある。表示ランプ631,赤色...高い電圧。すなわ
ち,空洞部(目安:タテ,ヨコ,高さが10mm以上)
や間隙部(目安:1.0mm以上)が著しく大きいこと
を意味する。
【0054】表示ランプ632,黄色...中程度の電
圧。空洞部(目安:タテ,ヨコ,高さが10mm未満)
や間隙部(目安:1.0mm未満)の大きさが中位であ
ることを意味する。表示ランプ633,緑色...低電
圧。空洞部や間隙部がない。つまり,良品の複合発泡体
である。従って,この検査装置1を観察する作業員は表
示部63を観察し,どの表示ランプ631〜633が点
灯するかによって,複合発泡体5の良否を知ることがで
きる。
【0055】また,上記周波数表示部62の周波数の表
示を利用して,発泡体と該発泡体の表面を被覆する表皮
との接合状態の良否を判断することができる。その他は
実施形態例1と同様である。
【0056】本例にかかる検査装置1では,複合発泡体
5の良否が3つの表示ランプ631,632,633に
おいて非常に分かりやすく示される。従って,検査結果
を作業員に分かりやすく提示することができるため,検
査工程の効率化をはかり,検査結果の見落とし等を防止
することができる。
【0057】実施形態例3 本例では,図5に示すごとく,本発明にかかる検査装置
を用いた複合発泡体における発泡粒子融着度合いの検査
について説明する。本例において用いた検査装置1は実
施形態例2と同様の構成である。
【0058】ところで,前述したごとく,表皮内に発泡
粒子を充填し,これらを加熱等して発泡粒子を発泡さ
せ,表皮内を発泡体で賦形することにより複合発泡体を
製造することができる。しかしながら,何かの不具合に
よりこの発泡が充分発生しなかった場合,融着度の低い
複合発泡体が得られてしまうことがある。融着度の低い
複合発泡体は,充填された発泡粒子が互いに融着してお
らず,また充分発泡しきってないため,発泡粒子間に空
洞部や間隙部が発生しており,強度の低下及び表皮に
「ひけ」をもたらすような不良品である。
【0059】ところで,上記融着度が低い程,複合発泡
体の内部に大きな空洞部や間隙部が発生することが知ら
れている。従って,図5に示すごとく,融着度と伝搬波
を変換した電気信号の電圧との間に相関性があると考え
られる。従って,この相関図を利用することで,本発明
にかかる検査装置を利用して,複合発泡体内部の融着度
を測定することができる。
【0060】
【発明の効果】以上,本発明によれば,複合発泡体の内
部欠陥を効率的に検出できると共に,検査作業が容易
で,検査コストが安価である,複合発泡体の非破壊検査
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,検査装置のブロック
図。
【図2】実施形態例1における,内部欠陥を持たない複
合発泡体の検査結果を示す線図。
【図3】実施形態例1における,内部欠陥を持つ複合発
泡体の検査結果を示す線図。
【図4】実施形態例2における,検査装置のブロック
図。
【図5】実施形態例3における,検査装置における電気
信号の電圧と融着度との関係を示す線図。
【符号の説明】
1...検査装置, 2...発信器, 21...発信側接触子, 215,315...接触端, 22...振動子, 23...周波数発信部, 24...信号制御回路, 3...受信器, 31...受信側振動子, 32...受信信号増幅器, 41...検査用横波, 42...伝搬波, 5...複合発泡体, 51...表皮, 52...発泡体, 61...判断回路, 63...表示器, 631〜633...表示ランプ,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋鹿 爲之 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町4384番地2号 有限会社戸塚電子計測研究所内 Fターム(参考) 2G047 AA08 AB05 BC03 BC04 BC09 CB02 GB11 GF06 GF11 GH01 GH13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡体と該発泡体の表面を被覆する表皮
    とよりなる複合発泡体における内部欠陥を検査するため
    の非破壊検査装置であって,上記複合発泡体の外表面よ
    り該複合発泡体の内部に対し検査用横波を発信する発信
    器と,上記検査用横波が上記複合発泡体内部を伝搬する
    ことで形成された伝搬波を上記複合発泡体の外表面にお
    いて検出する受信器とよりなることを特徴とする複合発
    泡体の非破壊検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記発信器は接触端
    を持つ発信側接触子を有し,該発信側接触子は1〜10
    kHzの基本振動を発生する振動子に接続されてなり,
    該振動子は0.4〜4.0kHzの方形波電気信号を発
    生する周波数発信部に接続されてなり,一方,上記受信
    器は接触端を持つ受信側接触子を有し,該受信側接触子
    は受信信号増幅器に接続されてなることを特徴とする複
    合発泡体の非破壊検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記周波数発信部に
    は,30〜100Hzの範囲において方形波電気信号を
    間欠制御するよう構成された信号制御回路が接続されて
    なることを特徴とする複合発泡体の非破壊検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記受信器において検出される伝搬波の状態に応じて異
    なる表示ランプが点灯するよう構成してなることを特徴
    とする複合発泡体の非破壊検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記複合発泡体における発泡体は樹脂よりなることを特
    徴とする複合発泡体の非破壊検査装置。
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