JP2000186046A - 慢性関節リウマチ治療剤及び診断方法 - Google Patents

慢性関節リウマチ治療剤及び診断方法

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JP2000186046A
JP2000186046A JP11292644A JP29264499A JP2000186046A JP 2000186046 A JP2000186046 A JP 2000186046A JP 11292644 A JP11292644 A JP 11292644A JP 29264499 A JP29264499 A JP 29264499A JP 2000186046 A JP2000186046 A JP 2000186046A
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interleukin
ocif
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osteoclastogenesis
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Shigeru Kotake
茂 小竹
Nobuyuki Udagawa
信之 宇田川
Tatsuo Suda
立雄 須田
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Sankyo Co Ltd
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慢性関節リウマチ治療剤及び診断方法の提
供。 【解決手段】 生体中のインターロイキン-17(IL-17)
の活性を抑制または中和する物質及び/又はIL-17 によ
る破骨細胞の形成誘導シグナル伝達を阻害する物質を有
効成分とする慢性関節リウマチ(RA)治療剤。血液又は関
節液中のIL-17 含量を測定することによる慢性関節リウ
マチ診断方法。骨芽細胞又は骨芽細胞様ストローマ細胞
と骨髄細胞の共培養系において破骨細胞への分化抑制を
指標とするIL-17 活性の抑制または中和する物質及び/
又はIL-17 による破骨細胞の形成誘導シグナル伝達を阻
害する物質をスクリーニングする方法。 【効果】 RA等における関節骨破壊の予防及び治療に用
いる医薬として、RAの診断方法、または、RAの予防また
は治療に有効な物質を探索するためのスクリーニング方
法として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターロイキン
−17の活性を抑制する物質等を有効成分とする新規な慢
性関節リウマチ治療剤、血中又は関節液中のインターロ
イキン−17を測定する慢性関節リウマチ診断方法、及び
骨芽細胞等と骨髄細胞との共培養系を用いて前記有効成
分となる物質をスクリーニングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】慢性関節リウマチ(以下RA)は多関節に
おける滑膜の増殖を特徴とし、経時的に関節及び骨の変
形・破壊が起こる全身性の慢性炎症性疾患である。RAの
原因は未だに不明であるものの、その病態形成において
多くのサイトカインが関与しており、その中でもインタ
ーロイキン (IL-1) 、IL-6、tumor necrosis factor-α
(TNF-α)といった炎症性サイトカインが重要な役割を
果していることが知られている。抗リウマチ薬がRAの治
療に用いられており、その中には狭義の抗リウマチ薬と
免疫抑制薬がある。狭義の抗リウマチ薬としては、例え
ば、経口金剤、SH基を有するD-ペニシラミンとブシラミ
ン、ロベンザリット二ナトリウム、サラゾスルファピリ
ジン、アクタリット等が挙げられる。又、免疫抑制薬と
しては、例えば、メトトレキサートやミゾリビンがあ
り、これらは広義の抗リウマチ薬の範疇に入れられてい
る。これら抗リウマチ薬による治療目的は、RAの免疫異
常を是正し病気の進展を抑え、骨破壊、ひいては機能障
害を防ぐことである。このように臨床において多くの抗
リウマチ薬が使用されているが、いずれの薬剤も副作用
を有しており、間質性肺炎、造血、腎臓及び肝臓障害等
の多くの副作用が報告されている。又、これらの抗リウ
マチ薬は、痛みや関節炎を抑え、QOL(quality oflife)
の向上をはかることはできるものの、全身的炎症、関節
の機能障害(骨破壊)等をくい止めることは困難とされ
ている。副作用が少なく、真にRAの治療、特に関節機能
障害(関節骨破壊)の阻止並びに改善等に有効な抗リウ
マチ薬の開発が望まれている。さらには、RAの正確な診
断方法やRAの治療剤をスクリーニングする方法が望まれ
ている。
【0003】RAの病態形成には種々の炎症性サイトカイ
ン、その中でもIL-1、IL-6及びTNF-αといったサイトカ
インが重要な役割を果たしているが、特に代表的な炎症
性サイトカインであるIL-6については、IL-6によるシグ
ナル伝達阻害を介したRAの治療が試みられている。IL-6
のシグナル伝達を阻害する方法として、IL-6の産生を
抑制する、IL-6を中和する、IL-6とIL-6受容体との
結合を阻害する、IL-6/1L-6 受容体とgp130 との結合
を阻害する等の方法が考えられている。具体的にIL-6の
シグナル伝達を阻害する方法として、ヒト型化抗IL-6受
容体抗体によるRAの治療が試みられ、ヒト型化抗IL-6受
容体抗体によるRA治療の可能性が示唆されている。また
ヒト型化抗IL-6受容体抗体は、IL-6による破骨細胞形成
促進並びに活性化を阻害すると考えられることから、関
節病変の進行を抑えることが期待されている。
【0004】近年、インターロイキン−17(以下IL-17)
が発見されその機能が探索されている(臨床免疫、29,
678-682 (1997))。IL-17 は滑膜由来の線維芽細胞に対
してIL-6やIL-8、GCSFなどの炎症性サイトカインの産生
誘導をおこすとともに、成熟好中球の分化誘導を引き起
こす事が知られている。そして最近になり、炎症性の疾
患にIL-17 が関与しているのではないかとの推測がなさ
れている。しかしながら、IL-17 はT細胞由来の新規な
サイトカインであり、RAの病態形成におけるIL-17 の関
与は明らかにされていない。又、後述するようにIL-6を
始めとする炎症性サイトカインの多くは、gp130 を介す
るシグナル伝達により破骨細胞形成の促進活性を有し、
骨吸収亢進作用を有することが知られているが、IL-17
については破骨細胞形成におけるその役割については、
殆ど解明されていない。
【0005】一方、破骨細胞形成抑制因子(Osteoclasto
genesis Inhibitory Factor; OCIF)はヒト正常胎児肺由
来線維芽細胞IMR-90(ATCC CCL-186)の培養液中にin v
itro破骨細胞形成を特異的に抑制する因子として見い出
され、その培養液から精製、純化されたサイトカインで
ある(WO 96/26217 号; Tsuda et al.: Biochem. Bioph
ys. Res. Commun., 234, 137-142 (1997))。更に、純化
されたOCIF蛋白質の内部アミノ酸配列が決定され(Tsud
a et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun.,234, 137-
142 (1997)) 、そのアミノ酸配列を基に合成されたDNA
をプローブとして、IMR-90のcDNAライブラリーからヒト
OCIF cDNA がクローニングされた。このヒトOCIF cDNA
を動物細胞用発現ベクターに組み込み、この発現ベクタ
ーを動物細胞に形質導入して得られた形質転換細胞を培
養し、その培養液から遺伝子組み換えヒトOCIFが得られ
ている(WO 96/26217 号) 。遺伝子組み換えOCIF(rOCI
F)の投与は不動化ラットや卵巣摘出ラットにおいて、顕
著な骨密度並びに骨強度の改善(WO96/26217, Simonet
et al.: Cell 89, 309-319, 1997)を、また正常ラット
への投与においても、破骨細胞数の減少を伴い、顕著な
骨密度及び骨容量の増加をもたらすことが示されている
(Yasuda et al.:Endocrinology, 139, 1329-1337,(199
8)) 。OCIFは、単量体(モノマー型)及び二量体(ホモ
ダイマー型)として自然界に存在する。モノマー型OCIF
の分子量は、還元、非還元下でのSDS-ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で約60kDであり、ホモダイ
マー型OCIFの分子量は、非還元下でのSDS-PAGEで約 120
kD、また還元下でのSDS-PAGEでは約60kDである。ヒトOC
IF及びマウスOCIFとも380 個のアミノ酸からなり、両者
間のホモロジーは86%である。ホモダイマー型OCIFはC-
末端から2個目のシステイン残基による分子間ジスルフ
ィド結合により形成されている(Yamaguchi et al.: J.
Biol. Chem. 273, 5117-5123,(1998)) 。in vitroでの
破骨細胞形成抑制における比活性は、モノマー型とホモ
ダイマー型OCIF間には差異はなく同等である。OCIFはN-
末端領域に4つのシステインリッチなドメインが存在
し、その構造類似性からOCIFはTNF レセプター(TNFR)
ファミリーに属する膜貫通(トランスメンブラン、TM)
領域を持たない可溶性の新規なメンバーである。又、OC
IFのC-末端領域にはTNFRファミリーであるFas 、TNFR-1
に見られるアポトーシスを誘導する領域(デスドメイ
ン、DD)とホモロジーのある DD homologous region
(DHH)が2箇所存在する。さらにC-末端側には、ヘパリ
ン親和性を示す領域が存在する(Yamaguchi et al.: J.
Biol. Chem. 273, 5117-5123 (1998))。
【0006】RAは関節滑膜を主病変とする難治性の炎症
性疾患である。RAにおける骨障害は罹患関節に生じる
骨破壊、疾患活動初期より出現する罹患関節周囲の骨
粗鬆症、RAの病変の進行に伴い徐々に顕在化する全身
性骨粗鬆症に分類される。特に、罹患関節周囲の骨粗鬆
症は本疾患の早期から発症しはじめ、骨塩量も他の部位
よりも早く減少することが知られている。RAは全身性の
慢性炎症性疾患であり、その治療には抗炎症剤等を主体
とする多くの抗リウマチ薬が使用されている。これらの
抗リウマチ薬は前述したように多岐にわたる副作用を有
し、またRAにおける骨破壊をくい止めることは困難とさ
れている。RAの原因は未だに不明であるが、その病態形
成において多くの炎症性サイトカインが関与しており、
その中でもインターロイキン-1(IL-1)、IL-6、TNF-α
といった炎症性サイトカインが重要な役割を果たしてい
ることが示されている。このことは、関節液中のIL-6の
濃度はRAと類似の関節症状を呈する変形性関節症に比べ
高値を示す(Hirano, T. et al.: Eur. J. Immunol., 1
8, 1797-1801,(1988) )ことからも示唆されている。実
際に、より有効で副作用の少ない治療薬の開発に向け、
これら個々の炎症性サイトカインの作用を中和するヒト
型化抗体あるいはこれらの炎症性サイトカイン受容体に
対するヒト型化抗体によるサイトカインシグナル伝達阻
害を介したRAの治療が試みられている。
【0007】一方、骨代謝は、骨形成を担当する骨芽細
胞と骨吸収を担当する破骨細胞の総合された活性に依存
している。骨形成と骨吸収の均衡が崩れることにより骨
代謝異常が発生すると考えられている。骨代謝の異常を
伴う疾患として骨粗鬆症、高カルシュウム血症、骨ペー
ジェット病、腎性骨異栄養症、RA、及び変形性関節症等
が知られている。特に、RAにおける関節骨破壊は、異常
に亢進した骨吸収により起こるとされている。骨吸収の
亢進は、骨吸収を担当する破骨細胞の形成並びに骨吸収
活性の促進により起こると考えられる。従って、RAにお
ける関節骨破壊の阻止及び/又は治療には、この異常に
亢進した骨吸収を特異的に抑制すること、即ち破骨細胞
形成を阻害(抑制)すること、及び/又は破骨細胞の骨
吸収活性を阻害(抑制)することであり、そのような作
用を有する物質は副作用の少ない、またより有効な抗リ
ウマチ薬として期待される。
【0008】骨代謝を担当する細胞は骨芽細胞と破骨細
胞であり、これらの細胞は互いに密接に相互作用してお
り、この現象はカップリングと呼ばれている。骨芽細胞
/骨芽細胞様ストローマ細胞は、破骨細胞前駆細胞や成
熟破骨細胞との細胞間接着により、それぞれ破骨細胞の
分化、成熟や成熟破骨細胞による骨吸収活性を制御して
いることが知られている。骨芽細胞/骨芽細胞様ストロ
ーマ細胞は、各種骨吸収因子による3 つの異なるシグナ
ル伝達系、即ち活性型ビタミンD3は核内のD3レセプタ
ー、インターロイキン-1(IL-1)、副甲状腺ホルモン
(PTH)やプロスタグランジンE2(PGE2)等はprotein ki
nase A、及び炎症性サイトカインであるIL-6、可溶性IL
-6受容体、IL-11 、白血病阻害因子(LIF)及びオンコス
タチンM 等はgp130 を介したシグナルを受けることによ
り、破骨細胞分化誘導因子(osteoclastogenesis diffe
rentiation factor, ODF) を細胞膜上に発現するという
仮説が提唱されている(Suda et al.:Endocrine Rev. 1
3, 66-80 (1992); Suda et al.: Bone 17, 87S-91S (19
95))。上述したように、OCIFはTNF レセプターに属する
可溶性レセプターであり、活性ビタミンD3処理したマウ
ス骨芽細胞様ストローマ細胞株、ST2 細胞に特異的に結
合することが明らかにされた(Yasuda et al.: Endocri
nology, 139, 1329-1337 (1998))。
【0009】又、125I標識OCIFを用いた発現クローニン
グによりその膜上に発現するOCIF結合分子(OCIF bindi
ng molecule, OBM)のcDNAがクローニングされた( Yas
udaet al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 3597-360
2 (1998))。このOCIF結合分子、OBM は膜結合型蛋白質
であり、その生物活性試験の結果からOBM は破骨細胞分
化誘導因子(ODF)としての活性を有することが明らかに
されている。(Yasudaet al.: Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 95, 3597-3602 (1998) )。即ち、OBMは上述した
ように炎症性サイトカインを含む種々の骨吸収因子によ
る3 つの異なるシグナル伝達により骨芽細胞/骨芽細胞
様ストローマ細胞上に発現する破骨細胞分化誘導因子
(破骨細胞形成促進因子) であり、OCIFはこのOBM に結
合することにより破骨細胞形成抑制作用を発揮するとい
うOCIFの作用機序が明らかにされた(Yasuda et al.: E
ndocrinology, 139, 1329-1337 (1998); Yasuda et a
l.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 3597-3602 (199
8))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】IL-17 はT 細胞由来の
新規なサイトカインであるが、破骨細胞形成におけるそ
の役割は殆ど解明されていない。本発明者らは、IL-17
とRA病態に重大な関係があることを見いだした。本発明
者らはさらに検討を進めた結果、IL-17 の活性の抑制及
び/又はシグナル伝達の抑制がRAの治療につながる事、
及びOCIFの薬理効果の一つに、IL-17 活性の抑制又は中
和及び/又はIL-17 による破骨細胞形成誘導シグナル伝
達阻害にあることを見いだして本発明を完成するに至っ
た。そして、血液または関節液中のIL-17 の含量を測定
すると、その含量に応じてRAが変形性関節症、外傷ある
いは痛風等と峻別できることを見出した。さらに、骨芽
細胞等と骨髄細胞との共培養系において破骨細胞への分
化抑制を指標とするとIL-17の活性を抑制又は中和する
物質あるいはIL-17 の破骨細胞形成シグナル伝達を阻害
する物質をスクリーニングする方法を見出した。従って
本発明の課題は、生体中のIL-17 の活性を抑制または中
和する物質及び/又はIL-17 による破骨細胞形成誘導シ
グナル伝達を阻害する物質を有効成分とするRA治療剤を
提供することにある。また、本発明の課題は、血液又は
関節液中のIL-17 を測定してRAを診断する方法を提供す
ることにある。さらに本発明の課題は、ILー17活性を抑
制または中和する物質及び/又はIL-17 の破骨細胞形成
誘導シグナル伝達を阻害する物質をスクリーニングする
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、生体中のIL-1
7 の活性を抑制または中和する物質及び/又はIL-17の
破骨細胞形成誘導シグナル伝達を阻害する物質を有効成
分とする慢性関節リウマチ治療剤に関する。より具体的
には、このような物質としてはインターロイキン-17 の
活性を中和する物質としてインターロイキン-17 中和抗
体を挙げることができ、また、インターロイキン-17 の
破骨細胞形成シグナル伝達を阻害する物質として破骨細
胞形成抑制因子(Osteoclastogenesis Inhibitory Facto
r; OCIF)を挙げることができる。また、本発明は、採取
した血液又は関節液中のインターロイキン-17 の含量を
測定してその数値により慢性関節リウマチを診断する慢
性関節リウマチ診断方法に関する。さらに、本発明は、
骨芽細胞又は骨芽細胞様ストローマ細胞と骨髄細胞の共
培養系において破骨細胞への分化抑制を指標として、イ
ンターロイキン-17 活性を抑制または中和する物質及び
/又はIL-17 による破骨細胞の形成誘導シグナル伝達を
阻害する物質をスクリーニングする方法に関する。本発
明は、RA等、疾病における関節骨破壊の予防及び治療に
用いる医薬として、またRAの診断、あるいはRAに有効な
物質を探索するためのスクリーニングに用いることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らの研究によれば、下記
実施例に示すように、関節滑液中のIL-17 レベルが変形
関節症患者においてよりもRA患者において有意に(p<0.
001)高値を示すことを見出した。又、RA患者由来の滑液
組織中のCD4 + 、CD45RO+ T 細胞にIL-17 陽性細胞が存
在することも明らかになった。このようにIL-17 は、RA
の病態形成に深く関与していることが示唆された。そこ
で、本発明者らはIL-17 の骨吸収亢進の関与を明らかに
すべく、IL-17 による破骨細胞形成促進作用について鋭
意検討したところ、IL-17 がマウス骨髄細胞と初代培養
の骨芽細胞との共培養系において、骨髄細胞から多核の
破骨細胞形成を顕著に誘導することを見出し、RAの病態
形成、特に関節骨破壊に深く関与していることを確認し
た。以上の結果からIL-17 は本病態の診断マーカーとし
て有用であり、またRA治療薬としてその産生抑制物質あ
るいはシグナル伝達阻害物質のスクリーニングにおいて
も有用な指標であることが判明した。さらにまた、以上
のことからIL-17 の活性を抑制または中和する物質又は
IL-17 による破骨細胞形成シグナル伝達を阻害する物質
は抗リウマチ薬として有望であることが推定された。こ
のような物質である抗IL-17中和抗体又はOCIFが破骨細
胞の形成を抑制することが確認できた。とくにOCIFがこ
のIL-17 による顕著な破骨細胞形成誘導を顕著に阻害す
ることを見出した。即ち、これまで知られているRAの病
態形成に関与することが知られている上記炎症性サイト
カインだけでなく、本発明において見出されたIL-17 に
よる破骨細胞形成もOCIFは完全に阻害することが明らか
になった。本発明者らは、上記のようにRA患者に顕著に
IL-17 が増加し、そして増加に伴って破骨細胞の形成が
促進されて、骨破壊が促進すること、そしてこのような
骨破壊は破骨細胞形成抑制因子(OCIF)によって選択的
に抑制されることを初めて見出したのである。
【0013】本発明者らは、上記したようにRA患者の関
節滑液中のIL-17 レベルは変形性関節症患者のそれより
も有意に(p<0.001)高値を示し、またIL-17 は顕著な破
骨細胞形成誘導活性を通して、骨吸収作用を発揮するこ
とからRAにおける関節骨吸収等の病変に深く関与するサ
イトカインであることを見出した。さらにこの結果か
ら、生体中のIL-17 の活性を抑制するかあるいは又、中
和すること及び/又はIL-17 による破骨細胞の形成誘導
シグナル伝達を阻害することができれば、RAを治療する
ことが可能であることを見出した。従って、IL-17 の活
性抑制又は中和活性を有する物質及び/又はIL-17 によ
る破骨細胞の形成誘導シグナル伝達を阻害する物質を有
効成分として含有する薬剤をRA治療剤とすればRAの治療
が可能となる。このような物質としては、上記のプロス
タグランジンE2(PGE2)の産生を抑制する物質、PGE2
よるシグナルの阻害物質、IL-17 を中和する抗体、ある
いはIL-17 による破骨細胞の形成誘導シグナル伝達を阻
害する破骨細胞形成抑制因子(OCIF)のような物質を例
示することができ、特に好ましくは、IL-17 中和抗体又
はOCIFが用いられる。
【0014】本発明のIL-17 活性を中和する抗体を有効
成分とするRA治療剤において、有効成分であるIL-17 中
和抗体は、モノクローナル、ポリクローナル抗体のいず
れでも使用可能である。またヒト型、マウス型のいずれ
でも使用可能であるが、好ましくはヒト型化抗ヒトIL-1
7 モノクローナル抗体が用いられる。抗体の作製は、以
下の方法により実施することができる。即ち、IL-17 に
対するポリクローナル抗体は、精製IL-17 をウサギやヤ
ギ等に常法により免疫し、得られた抗血清からプロテイ
ンAカラム(ファルマシア社)を用いて精製することに
より得られる。IL-17 の中和抗体は、滑膜線維芽細胞に
対してIL-17 を作用させた時のIL-6の生産抑制を指標と
して選定することができる。または市販されている中和
抗体を使用することができる(R&D System Inc. 製等)
【0015】又、IL-17 に対するモノクローナル抗体
は、以下のようにして作製することができる。即ち、精
製IL-17 の投与によりBalb/cマウスを免疫し、マウス脾
臓細胞とマウスミエローマとを常法により細胞融合させ
ることによりハイブリドーマを作製し、IL-17 に対する
抗体産生ハイブリドーマを選択する。尚、免疫抗原であ
る精製IL-17 は市販のものを使用しても良いし、すでに
公知のIL-17 遺伝子を用いて遺伝子組み換え法によって
生産しても良い。得られた抗体産生ハイブリドーマを数
回(通常3回程度)クローニングすることにより純化さ
れた安定なハイブリドーマを樹立することができる。こ
のようにして樹立された抗体産生ハイブリドーマを培養
し、その培養上清からIL-17 に対するモノクローナル抗
体をプロテインAカラム(ファルマシア社)により精製
することができる。又、ヒト型化抗体は、上述の方法に
より得られたマウス抗モノクローナル抗体の中からヒト
IL-17 活性を中和する抗体で、しかもヒトIL-17 に対し
て高い親和性(出来るだけ低い解離定数、例えば10-10
M 以下)を有するモノクローナル抗体を選別する。
【0016】次いで、得られたマウス抗ヒトIL-17 モノ
クローナル抗体の抗原認識部位である可変領域(CDR)す
べてを、ヒトIgG の可変領域に移植する方法(CDR-graf
ting)によりヒト型化が可能である。又、ヒトの免疫シ
ステムをすべてマウスに移植したトランスジェニックマ
ウスに精製ヒトIL-17 を投与し、免疫する。免疫された
同マウスの脾臓細胞とマウスミエローマとを上記したよ
うに、常法により細胞融合させ、ハイブリドーマを作製
する。抗体産生ハイブドーマの培養液をプロテインA カ
ラムにより精製することにより、完全なヒト型抗ヒトIL
-17 モノクローナル抗体を得ることができる。得られた
ヒト型モノクローナル抗体の中から、ヒトIL-17 活性を
中和し、またヒトIL-17 に高親和性を示す抗体を選択す
ることにより、本発明の目的とするヒト型抗ヒトIL-17
モノクローナル抗体を得ることができる。このようにし
て得られたヒトIL-17 の活性を中和するヒト型抗ヒトIL
-17 モノクローナル抗体は、RA治療剤として用いること
ができる。免疫原として使用するヒトIL-17 は、公知の
遺伝子(Rouvier,E.et.al,J.Immunol.,150,5445 (199
3))から遺伝子組み換え法によって生産してもよいし、
市販されている精製IL-17 を使用することもできる。
【0017】本発明のOCIFを有効成分とするRA治療剤に
おいて、OCIFは医薬として使用できる程度に精製された
ものであれば、種々の方法で調製されたものを用いるこ
とができる。OCIFの調製方法としては、例えばOCIFを産
生する初代培養細胞や株化細胞を培養し、培養上清から
分離精製してOCIFを得る方法(WO96/26217号; Tsudaet
al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 234, 137-142
(1997))、遺伝子工学的手法によりOCIFをコードする遺
伝子を適当なベクターに組み込み、これを適当な宿主に
導入して形質転換細胞株を構築し、その形質転換細胞株
の培養上清から目的とする組み換えOCIFを得る方法(WO
96/26217号; WO96/20621号; Simonet etal.: Cell 89,
309-319, 1997)などが挙げられる。OCIFを初代培養細
胞あるいは株化細胞の培養上清から精製する具体的方法
としては、例えば、S-セファロースやヘパリンセファロ
ースを用いたクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグ
ラフィー、逆相カラムを用いたHPLCなど、通常の蛋白質
精製法にて精製することができる(Tsuda et al.: Bioch
em. Biophys. Res. Commun. 234, 137-142 (1997))。
【0018】又、遺伝子組み換え法を用い、ヒトOCIFの
アミノ酸配列をコードする遺伝子をSR- αやCMV プロモ
ーターを含む動物細胞用発現ベクターに挿入し、これを
従来から遺伝子工学的手法で用いられている各種の宿主
細胞、例えば大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌、植物又は
動物細胞など、好ましくは動物細胞、例えばチャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞、ナマルバ細胞、マウスC1
27細胞、サルCOS 細胞などに導入し、得られた形質転換
細胞の培養液から同様にして精製することができる。こ
のようにして得られたOCIFは、そのアミノ酸配列の一部
が欠失又は他のアミノ酸により置換されたり、他のアミ
ノ酸配列が一部挿入された変異体や活性に必須のN-末端
領域に存在する4つのシステインに富むドメインが保存
され、C-末端領域全てが他の蛋白質分子、例えばイムノ
グロブリンのFcなどで置換された変異体であってもよ
い。このようにして得られたOCIFなどを含有する薬剤、
即ち本発明の薬剤は、慢性リウマチにおける関節骨破壊
の予防及び/又は治療剤として用いることができる。と
くにOCIFはIL-17 による関節骨の破壊の抑制以外にIL-
1、IL-6、TNF-αによる破骨細胞形成分化誘導シグナル
伝達を抑制することから、より広範囲な炎症性のRAに有
効である。
【0019】本発明のRA治療剤は、医薬としてヒトある
いは動物に対し安全に、経口的あるいは非経口的に投与
される。非経口的に投与する場合、例えば注射剤は常法
により調製することができる。ヒトIL-17 中和抗体ある
いはOCIFを注射剤とする場合には、滅菌水、緩衝液、生
理食塩水などの適当な溶媒に溶解した後、フィルターな
どで濾過して滅菌し、次いで無菌容器に充填することに
より調製することができる。注射剤中の抗体含量として
は、通常 0.001〜20 w/v%程度、一方OCIF含量として
は、通常0.0001〜 5 w/v%程度、好ましくは 0.001〜 1
w/v%程度に調製される。有効成分としてOCIFまたは抗
体を用いる場合には、製剤中の抗体あるいはOCIF含量
は、剤形あるいは適用疾患などに応じ、適宜調整するこ
とができる。製剤化に際して、好ましくは安定剤及び吸
着防止剤が添加される。安定剤としては、例えばアルブ
ミン、ゼラチン、マンニトール及びソルビトールなどの
糖アルコール、グリシン及びアラニン等のアミノ酸、グ
ルコース、デキストラン、ポリエチレングリコールなど
が用いられる。又、吸着防止剤としては、アルブミン、
ゼラチンやポリソルベート20及び80などの非イオン界面
活性剤などが用いられる。液状製剤は、凍結保存するか
又は凍結乾燥などにより、水分を除去して保存するのが
望ましい。凍結乾燥製剤は、用時に注射用蒸留水などを
加え、再溶解して使用される。本発明のRA治療剤は、そ
の適用疾患の病態に応じた剤形により、適当な投与経路
により投与される。例えば、注射剤は静脈、皮下、筋肉
内、また本剤適用症の特徴である関節骨破壊の予防及び
/又は治療においては、関節腔内に投与することができ
る。その際の投与量は、患者の症状、年齢、体重などに
より適宜調整されるが、通常ヒト型化抗体は半減期が極
めて長い(20日前後)ので、0.05〜500 mgを30日間に1
〜2回程度投与すればよい。一方、OCIFに関してはその
投与量として0.01〜100 mgを1日1回ないし数回に分け
て投与するか、あるいは徐放化製剤として7 〜15日間に
1又は2回程度投与すればよい。又、本発明の治療剤を
経口的に投与する場合には、例えば錠剤、顆粒剤、細粒
剤、散剤、軟又は硬カプセル剤、液剤、乳剤、シロップ
剤などに製剤化され、これらの製剤は常法に従って調製
することができる。
【0020】本発明において、採取した血液又は関節液
中のIL-17 含量を測定することによってRAの診断を行う
ことができる。通常 2ng/ml 以上であれば評価上陽性と
判断できる。IL-17 含量を測定するためには、IL-17 の
抗体を使用した酵素免疫測定キット(ELISA)やラジオイ
ムノアッセイキット(RIA)を用いることができる。IL-1
7 測定試薬に用いるIL-17 抗体は、ポリクローナル抗体
あるいはモノクローナル抗体のいずれも使用することが
できる。抗体は前述の方法により作製することができ、
これらのIL-17 に対するポリクローナル抗体−ポリクロ
ーナル抗体、ポリクローナル抗体−モノクローナル抗
体、モノクローナル抗体−モノクローナル抗体の組み合
わせにより、ELISA あるいはRIA を構築することによ
り、ヒト血清及び関節滑液中のIL-17 含量を高感度で測
定することができる。RA患者は特異的に血清及び関節滑
液中のIL-17 が増加しており、RA患者と診断上区別しが
たい変形関節症の患者を明確に区別可能である。
【0021】上記のように、IL-17 による破骨細胞形成
は、IL-17 が骨芽細胞/骨芽細胞様ストローマ細胞に作
用し、プロスタグランジンE2(PGE2) を産生し、このPG
E2によるシグナルをprotein kinase Aを介して再び骨芽
細胞/骨芽細胞様ストローマ細胞が受け取り、その細胞
表面に破骨細胞形成分化誘導因子、OBM を発現し、破骨
細胞形成を促進させる。従って、骨芽細胞又は骨芽細胞
様ストローマ細胞と骨髄細胞の共培養系において、破骨
細胞への分化抑制を指標として、IL- 17活性の抑制また
は中和する物質及び又はIL-17 による破骨細胞形成誘導
シグナル伝達を阻害する物質をスクリーニングすること
が可能である。具体的には、新生児マウスの頭骸骨由来
の初代培養骨芽細胞とマウス骨髄細胞、あるいはマウス
脾臓細胞とマウス骨芽細胞様ストローマ細胞株、ST2 と
の共培養系におけるIL-17 による破骨細胞形成誘導活性
(酒石酸耐性酸性フォスファターゼ活性: TRAP活性、又
はカルシトニン受容体の発現)を指標とし、この培養系
に被検物質を添加して培養を行い、上記のTRAP活性、又
はカルシトニン受容体の発現を測定するか、より直接的
には破骨細胞の形成を観察して、目的のIL-17 活性を中
和または、抑制する物質、及び又はIL-17 による破骨細
胞形成誘導シグナル伝達を阻害する物質をスクリーニン
グすることができる。尚、TRAP活性及びカルシトニン受
容体の発現は、いずれも市販のイムノアッセイキット並
びに125I標識サケカルシトニン(Amersham製)を用いて
容易に高感度測定が可能である。このスクリーニング系
で陽性を示す物質は、IL-17 活性を阻害、IL-17 による
骨芽細胞/骨芽細胞様ストローマ細胞株への破骨細胞形
成促進活性シグナルを阻害する物質、あるいはPGE2産生
を阻害する物質が検出される。
【0022】
【実施例】以下の実施例をもって本発明をより詳細に説
明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明は
これらによって何ら限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】IL-17 の活性を中和するポリクローナル抗
体による破骨細胞形成抑制 IL-17の活性を中和するポリクローナル抗体のIL-17 に
よるin vitro破骨細胞形成誘導活性に及ぼす効果を、実
施例5と同様の方法により調べた。即ち、骨芽細胞と骨
髄細胞との共培養系において、破骨細胞形成誘導因子と
してIL-17 (1ng/ml 、遺伝子組み換え品、PeproTech
EC社製)、活性ビタミンD3(1 α,25(OH)2D3、10-8M 、
和光純薬社製)、PTH (200ng/ml、旭化成社製)、ある
いはIL-1β(10 ng/ml、Genzyme 社製)を添加し、IL-1
7 添加培養系には、IL-17(遺伝子組換え品 Pepro Tech
EC社製) によって免疫したヤギ血清より得たIL-17 に対
するポリクローナル中和抗体を2.5 μg/ml、また活性ビ
タミンD3、PTH 、あるいはPGE2の添加培養系には5μg/
mlのIL-17 に対するポリクローナル中和抗体を添加し
た。破骨細胞形成は、6日間培養後に各well中の接着細
胞を固定後、TRAP染色しTRAP陽性破骨細胞数を計測する
ことにより評価した。TRAP染色に際しては、接着細胞を
10%ホルムアルデヒドで3分間固定し、各wellの表面を
風乾させ、次いで基質として0.01% AS-MSリン酸塩(Sig
ma社) 及び50mMの酒石酸ナトリウム存在中での反応生成
物に対する色素として0.03% red violet LB塩を含む酢
酸バッファー中、室温で10分間インキュベートした。TR
AP細胞は黒っぽい赤色として出現する。3つ以上の核を
含むTRAP陽性多核細胞を破骨細胞として計数した。個々
の実験を4回繰り返し実施し、得られた結果を図1に示
す。又、これらの細胞が破骨細胞であることを確認する
ために、カルシトニン受容体の発現を125I標識したサケ
カルシトニン (Amersham社製) を用いて、Udagawa らの
方法(Udagawa et al.:Proc.Natl.Acad. Sci. USA.87, 7
260-7264(1990)) によるオートラジオグラフィーで確認
したところ、破骨細胞であることが確認された。この結
果、IL-17 に対するポリクローナル中和抗体はIL-17 に
よる破骨細胞形成誘導活性を特異的に阻害することが明
らかになった。この結果から明らかなように、IL-17 に
対するポリクローナル中和抗体は、RAの関節滑液中に高
値に存在するIL-17 による関節骨吸収を抑制し、RA治療
薬として有用である。
【0024】
【実施例2】OCIFによる破骨細胞形成抑制 OCIFのIL-17 によるin vitro破骨細胞形成誘導活性に及
ぼす効果を、実施例1と同様の方法により調べた。即
ち、骨芽細胞と骨髄細胞との共培養系において、破骨細
胞形成誘導因子としてIL-17(1ng/ml)存在下で、OCIFを
1.5〜50 ng/ml濃度になるように添加し6日間培養し
た。培養終了後、TRAP陽性多核細胞(破骨細胞)数を計
測した。各実験を4回繰り返し実施し得られた結果を、
図2に示す。この結果、 IL-17による破骨細胞形成をOC
IFは用量依存的に抑制し、25 ng/mlの濃度でほぼ完全に
破骨細胞形成を阻害することが明らかになった。
【0025】IL-1β、IL-6及びIL-11 等の炎症性サイト
カインや活性ビタミンD3、PTH 、PGE2等を含む既知の骨
吸収因子は3 つの異なるシグナル伝達系を介して、骨芽
細胞/骨芽細胞様ストローマ細胞にそれらのシグナルが
伝わり、その細胞表面に破骨細胞形成分化誘導活性を有
するOCIF結合分子(OCIF binding molecule, OBM)を発
現することがすでに明らかにされている(Yasuda et a
l.: Endocrinology, 139, 1329-1337 (1998))。本発明
において新たに明らかになった、IL-17 による破骨細胞
形成もOCIFにより完全に抑制されることから、本発明者
らはIL-17 刺激によっても骨芽細胞上にOBM が発現誘導
されるかどうか調べた。又、OCIFの発現誘導の有無及び
対照としてのβ-Actinの誘導の有無を確認した。種々の
濃度のIL-7、NS398(10-8M)、IL-1β(1ng/ml)、TNF-α(1
0ng/ml) あるいは活性ビタミンD3 (10-8M)の存在下ある
いは非存在下でマウス骨芽細胞を3 日間培養した。培養
後、同細胞からのtotal RNA 20μg 及びプローブとして
OBM cDNAを用いてNorthern blot 解析を行った。結果を
図3に示す。OBM のみ特異的に誘導された。この結果、
すでに明らかにされている骨吸収因子であるIL-1β、TN
F-α及び活性型ビタミンD3と同様に、IL-17 は骨芽細胞
に作用し、濃度依存的にOBM の遺伝子発現を促進するこ
とが明らかになった。又、OCIFの誘導は、これらの骨吸
収因子の存在とは無関係であった。この結果、OCIFによ
るIL-17 誘導破骨細胞形成の阻害は、IL-17 により骨芽
細胞上に発現誘導されるOBM にOCIFが結合することによ
り、OBMによる破骨細胞形成シグナルをブロックするこ
とによるものであることが明らかになった。以上の結果
から、OCIFはIL-17 をはじめRAの病態形成に深く関与す
ることが知られているすべてのサイトカインによる破骨
細胞形成促進作用、即ち骨吸収作用を完全に抑制するこ
とが明らかになった。特にOCIFはRAの関節滑液中に高値
に存在するIL-17 に対する破骨細胞形成を抑制すること
からRA治療に有用である。さらに、OCIFは破骨細胞形成
抑制因子として高い特異性を有するサイトカインである
ことが認められており、極めて低毒性であるから(Yasu
da et al.: Endocrinology, 139, 1329-1337 (1998); M
izuno et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun. 247,
610-615 (1998))、極めて安全でかつ有効性の高いRAの
治療薬、特に関節における骨吸収抑制薬として有望であ
る。
【0026】
【実施例3】OCIF含有製剤の製造 本発明薬剤には、IL-17 活性を中和する抗体及びOCIFの
2つがあるが、一般的に治療目的のための抗体の投与量
はホルモンやサイトカインの投与量に比べ比較的に高
く、また蛋白質としての安定性も優れている。このた
め、公知の製剤方法を採用しても何ら問題が生じない。
従って、製剤の製造における実施例についてはOCIF製剤
化を主として例示する。勿論、抗体を有効成分とする製
剤についても本実施例のOCIFの製剤化に準じて同様に実
施することができる。OCIFの製剤化に用いた物質は遺伝
子組み換え品を使用した。製剤例1 生理食塩水100ml 中にOCIF1mg、ソルビトール1g 及び
ポリソルベート80 10mgを含む溶液を滅菌濾過し、1ml
ずつ滅菌バイアルに分注した後、凍結乾燥して密封する
ことにより凍結乾燥製剤を得た。
【0027】製剤例2 10mM リン酸緩衝液(pH 7.4)に食塩876.6 mg、OCIF1m
g及び低分子ゼラチン100mg を溶解した後、同緩衝液で1
00 mlに調整する。滅菌濾過後、1mlずつ滅菌バイアル
に分注した後、凍結乾燥して密封することにより凍結乾
燥製剤を得た。
【0028】製剤例3 注射用生理食塩水100ml 中にOCIF1mg、マンニトール2
g 、ポリソルベート8010 mgを含む溶液を滅菌濾過し、
1mlずつ滅菌バイアルに分注した後、凍結乾燥すること
により凍結乾燥製剤を得た。
【0029】製剤例4 生理食塩水100 ml中にOCIF1mg、グリシン2g 、ポリソ
ルベート80 10 mgを含む溶液を滅菌濾過し、1mlずつ滅
菌バイアルに分注した後、凍結乾燥することにより凍結
乾燥製剤を得た。
【0030】
【実施例4】RA患者、変形性関節症患者、外傷患者及び
痛風患者の関節滑液中のIL-17 の測定 RA患者 43 名(男女合わせて)、対照患者として9名の
変形性関節症(OA)患者、4名の外傷(Tr)患者、及び7名
の痛風(G) 患者からの関節滑液中のIL-17 濃度を測定し
た。関節滑液中のIL-17 量はELISA キット(Boisource
International社)を用い、添付されているプロトコー
ルに従い測定した。結果を図4 に示す。この結果、関節
滑液中のIL-17 レベルは、RAで高値の患者が多く、RAと
OAの患者間に有意な(p<0.001)差異が認められた。
【0031】
【実施例5】IL-17 のin vitro破骨細胞形成誘導活性 新生児マウスから得られた頭骸骨(20から30個)を0.1%
コラーゲナーゼ及び0.2%ディスパーゼを用い、順序よく
5回消化することにより初代培養骨芽細胞を調製した。
一方、マウス骨髄細胞は成熟マウスから得た。骨芽細胞
と骨髄細胞との共培養はUdagawa らの方法(Udagawa et
al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 7260-7264(19
90))により実施した。即ち、48-well プレートを用い、
初代培養骨芽細胞(2×104 cells/well)と骨髄細胞
(5×105 cells/well) とを10%牛血清(FBS, JRH Bio
science 社製)及び被験物質を含むα-MEM(GIBCO BRAL
社製) 0.3 ml 中で共培養した。IL-17 を含む各被験物
質について4 つの培養ウェルを用い、また培養は3日目
に新鮮培地で培地交換した。破骨細胞形成は、6〜7日
間培養後に各well中の接着細胞を固定後、TRAP染色しTR
AP陽性破骨細胞数を計測することにより評価した。TRAP
染色に際しては、接着細胞を10%ホルムアルデヒドで3
分間固定し、各wellの表面を風乾させ、次いで基質とし
て0.01% AS-MSリン酸塩(Sigma 社)及び50 mM の酒石
酸ナトリウム存在中での反応生成物に対する染色色素と
して0.03% red violet LB塩を含む酢酸バッファー中、
室温で10分間インキュベートした。TRAP陽性細胞は黒っ
ぽい赤色として出現する。3つ以上の核を含むTRAP陽性
多核細胞を破骨細胞として計数した。結果を図5に示
す。この結果、IL-17 は破骨細胞前駆細胞(造血細胞)
から用量依存的に破骨細胞形成を誘導する活性を有し、
0.01〜10 ng/mlという低濃度でその活性を発揮すること
が明らかになった。又、IL-17 により誘導される破骨細
胞は象牙切片上で無数の骨吸収穿 (ピット) を形成する
ことから、骨吸収活性を有する成熟破骨細胞であること
が認められた。 実施例4におけるRA患者関節滑液中の
IL-17 の有意な高値並びに本実施例におけるIL-17 によ
る顕著な破骨細胞形成誘導活性、即ち骨吸収亢進活性か
ら明らかなように、IL-17 はRAの病態形成に深く関与し
ていることが示唆された。従って、IL-17 の測定試薬は
RAの診断薬として有用である。
【0032】
【実施例6】IL-17によるin vitro破骨細胞形成誘導活
性を阻害する物質のスクリーニング 実施例5と同様の方法において、骨芽細胞と骨髄細胞と
の共培養系に、破骨細胞形成促進因子としてIL-17 、活
性型ビタミンD3あるいはPGE2を加え、更に抗炎症薬とし
てインドメタシン、あるいはシクロオキシゲナーゼ-2
(Cox-2)の特異的阻害剤であるNS398 を加えて、6日培
養した。 IL-17は1ng/ml となるように、また活性型ビ
タミンD3及びPGE2はそれぞれ10-8M 及び10-6M 添加し
た。又、インドメタシン及びNS398 は両者ともそれぞれ
10-8M 添加した。培養6日後、TRAP陽性多核細胞を計数
した。各試験は4回実施し、細胞数を平均±SEM として
表した。結果を図6に示す。この結果、IL-17 による破
骨細胞形成促進作用は、インドメタシンやCox-2 阻害剤
で特異的に抑制されることが明らかになった。非ステロ
イド抗炎症薬はRAの治療に欠かせない存在であり、特に
Cox-2 の特異的阻害剤は副作用の少ないRA治療薬として
期待されている。このように、IL-17 によるin vitro破
骨細胞形成の抑制を指標としてスクリーニングを行った
ところ、従来RAの治療薬として知られている化合物、あ
るいは有望と期待されている化合物を容易に、しかも正
しくスクリーニングすることができた。従って本発明
は、RA治療薬のスクリーニングシステムとして有用であ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の実施により、生体中のIL-17 の
活性を抑制または中和する物質、及び/又はIL-17 によ
る破骨細胞形成誘導シグナル伝達を阻害する物質を有効
成分とするRA治療剤、血中又は関節液中のIL-17 を測定
することを特徴とするRA診断方法、ILー17により形成さ
れる破骨細胞形成系を抑制する物質をスクリーニングす
る方法が提供される。IL-17 はRA診断マーカーとして、
またIL-17 による破骨細胞形成系を利用したスクリーニ
ング法はRA薬のスクリーニング法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のIL-17 の活性を中和するポリクロー
ナル抗体による破骨細胞形成抑制効果を示す。
【図2】実施例2のOCIFによる濃度依存的破骨細胞形成
抑制効果を示す。
【図3】実施例2の各種破骨細胞形成誘導因子及びIL-1
7 がOBM を発現させることを確認したノーザンブロット
解析の結果を示す。
【図4】実施例4のリウマチ患者(RA)、変形性関節症患
者(OA)、外傷患者(Tr)、痛風患者(G) の関節液中のIL-1
7 含量をELISA 法で測定した結果を表す箱髭図を示す。
【図5】実施例5の骨芽細胞と骨髄細胞の共培養系にお
いて、IL-17 により濃度依存的に破骨細胞形成が促進さ
れることを示す。
【図6】実施例6の IL-17によって誘導される破骨細胞
形成がNS398 及びインドメタシンによって抑制されるこ
とを示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インターロイキン−17の活性を抑制また
    は中和する物質及び/又はインターロイキン−17の破骨
    細胞形成シグナル伝達を阻害する物質を有効成分とする
    ことを特徴とする慢性関節リウマチ治療剤。
  2. 【請求項2】 インターロイキン−17の活性を中和する
    物質としてインターロイキン−17中和抗体を用いる請求
    項1記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 インターロイキン−17の破骨細胞形成シ
    グナル伝達を阻害する物質として破骨細胞形成抑制因子
    (Osteoclastogenesis Inhibitory Factor; OCIF)を用い
    る請求項1記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 採取した血液または関節液中のインター
    ロイキン−17の含量を測定してその数値により慢性関節
    リウマチ疾病を診断することを特徴とする慢性関節リウ
    マチの診断方法。
  5. 【請求項5】 骨芽細胞又は骨芽細胞様ストローマ細胞
    と骨髄細胞との共培養系において破骨細胞への分化抑制
    を指標として、インターロイキン−17活性を抑制または
    中和する物質及び/又はインターロイキン−17の破骨細
    胞形成シグナル伝達を阻害する物質をスクリーニングす
    ることを特徴とするインターロイキン-17 の破骨細胞形
    成シグナル伝達を阻害する物質のスクリーニング方法。
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