JP2000024660A - 水処理方法およびその装置 - Google Patents

水処理方法およびその装置

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JP2000024660A
JP2000024660A JP10194667A JP19466798A JP2000024660A JP 2000024660 A JP2000024660 A JP 2000024660A JP 10194667 A JP10194667 A JP 10194667A JP 19466798 A JP19466798 A JP 19466798A JP 2000024660 A JP2000024660 A JP 2000024660A
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Japan
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water
ozone
treated
membrane
filtration
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JP10194667A
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Yoshihiko Mori
吉彦 森
Susumu Ota
享 太田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、浄水の高度処理や、下水、排水の
再利用のための高度処理を行うにあたり、十分な処理水
質を得ることができ、かつ低いオゾン注入量で高い濾過
流束を維持できる経済的な高度水処理方法を提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】 原水をオゾン処理したのち濾過膜で処理
する方法において、濾過膜へ供給する被処理水を一旦貯
留し、その貯留した被処理水を、常に一部抜き出してオ
ゾン処理を行い、もとの被処理水へ循環させることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浄水の高度処理や、
し尿や家庭用排水等の下水や工場排水等の高度な処理を
行うための、オゾンを併用して膜濾過を行う水処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の浄水処理の代表的な処理方法とし
ては、凝集沈殿ー砂濾過ー塩素消毒、凝集沈殿ー砂濾過
ー活性炭ー塩素消毒あるいは凝集沈殿ー砂濾過ーオゾン
ー活性炭ー塩素消毒などが行われている。又、し尿や家
庭用排水などの下水あるいは工場排水などの放流や再利
用のための代表的な処理方法として最初沈殿池ー曝気ー
最終沈殿池ー塩素消毒や最初沈殿池ー曝気ー最終沈殿池
ー凝集沈殿ー砂濾過ー塩素消毒などが行われてきた。
【0003】一方、生活用水の需要増大や無秩序な森林
伐採、異常気象等による渇水の対応策として貯水ダム等
の水源開発が行われているが、近年水源水質の悪化が進
行し、前述のような従来の方法では必ずしも良好な飲料
水が得られなくなってきており深刻な問題になってきて
いる。又し尿や家庭用排水などの下水あるいは工場から
の有機性排水などは含有される種々の懸濁物質や有機性
成分を前述のような方法で取り除いて放流されている。
しかし、近年環境問題が注目されこの様な放流水におい
ても、より高度に水質を向上した処理が要求されるよう
になってきている。さらには、水の有効利用のため、下
水や排水を水資源として再利用することが提案されてお
り、例えば公園の噴水や修景、親水用水、雑用水、工業
用水等として多種の用途が考えられており、特に修景、
親水用水としては実際に利用され始めている。
【0004】この様な高度の浄水処理、下排水処理を目
的として、限外濾過膜や精密濾過膜による膜濾過処理が
種々提案されているが、このような膜による濾過処理
は、膜の目詰まりによる濾過流束の低下が問題であり、
膜の目詰まり防止が大きな課題である。その為膜濾過法
では、膜の目詰まり防止を目的としてクロスフロー濾過
法(タンジェント濾過法)を用いることが提案されてい
る。さらには、特開平4−108518号公報には、膜
の目詰まり防止のため、膜の上方のループ内にオゾンな
どの酸化ガスを添加しタンジェント濾過を行うことが提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにオゾンな
どの酸化ガスを併用することにより、膜濾過時の透過流
束がオゾンを併用しない場合に比べ数倍大きくなり、濾
過膜の設置面積が小さくなるとともに、水処理のための
経済性も向上する。しかしながらオゾンを用いる場合、
オゾンの発生には多大の電力が必要になることから、発
生したオゾンを如何に有効に利用するかが経済性の観点
から重要である。
【0006】従来オゾンを用いて水処理を行う場合、水
へのオゾンの吸収効率を向上させるため、通常は高さ数
メートルのオゾン接触塔の中で散気管等を用いて、オゾ
ンガスを原水に注入し、後段の処理装置へ送る方式が採
用されてきた。しかし、通常膜濾過法においては、目詰
まりした膜の洗浄のため逆流洗浄や空気などによるエア
ーバブリング洗浄を一定時間毎に行い、この洗浄操作の
間は濾過を行わないため原水の膜への供給は停止する。
上記のようなオゾン接触塔を用いる場合、膜濾過が停止
している間も、オゾン注入の条件を一定にする目的で原
水は一定流量で供給され続け、後段の膜濾過装置との水
量バランスをとる必要から、オゾン注入した水を捨て
る、あるいは元に戻すなど、無駄な操作が必要になり、
経済的でなかった。
【0007】この様な課題に対し、膜濾過が停止する
間、原水供給を停止し、同時にオゾン発生も停止する方
法も考えられるが、オゾン発生装置は一度オゾンの発生
を停止した後再度オゾンを発生させる場合、必要な発生
量が得られるまでに少なくとも数秒間が必要で、この間
膜濾過が行えない。さらに、空気からPSA方式(圧力
スイング方式)で酸素を得、これをオゾンガス原料とす
るオゾン発生装置においては、一度オゾンの発生を停止
すると、再びオゾンを発生するまでに数分間必要にな
り、さらに経済的でない。
【0008】本発明は、このような課題を解決するもの
であり、その目的とするところは、浄水の高度処理や下
排水の高度処理を行うにあたり、十分な処理水質を得る
ことができ、かつオゾンが有効に利用できることから低
いオゾン注入量で高い濾過流束を維持でき、経済的な水
処理方法を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはオゾンの注
入方式について鋭意検討した結果、膜濾過の前段で常に
原水にオゾンを注入し続けることにより、実質的に少な
いオゾン量で高い濾過流束が得られることを見いだし、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は浄水処理や
下排水処理に適した、(1)原水をオゾン処理したのち
濾過膜で処理する方法において、濾過膜へ供給する被処
理水を一旦貯留し、その貯留した被処理水を、常に一部
抜き出してオゾン処理を行い、もとの被処理水へ循環さ
せることを特徴とする水処理方法、(2)原水をオゾン
処理したのち濾過膜で処理する方法において、原水にオ
ゾンを注入したのち濾過膜へ供給する前に一旦貯留し、
さらにその貯留したオゾン処理水を、常に一部抜き出し
て原水と混合し、オゾン処理してもとのオゾン処理水へ
循環させることを特徴とする水処理方法、(3)オゾン
処理水タンク6と、タンク6へ原水を供給する手段12
と、タンク6からオゾン処理水の一部を取り出したのち
タンク6へ戻す循環手段7と、前記の一部取り出された
オゾン処理水へオゾンを注入する手段5と、タンク6か
らオゾン処理水を取り出して膜モジュール9へ供給する
手段8を有することを特徴とする水処理装置、に関す
る。
【0010】以下に本発明の詳細を述べる。本発明に係
る浄水、下水、排水の高度処理方法の具体的なプロセス
の一例は、図1に示すように、先ず、河川水、伏流水、
湖沼水、貯水あるいは下水二次処理水または工場排水か
らなる原水1中にオゾン(O3 )を添加して該原水1中
の懸濁物質や有機物をオゾン分解するオゾン処理2を行
った後、オゾン耐性を有する膜を用いて濾過するもので
ある。
【0011】従来、河川水、伏流水、湖沼水、貯水ある
いは下水二次処理水または工場排水からなる原水を単に
膜で濾過すると、該原水中に含まれる懸濁物質や使用す
る膜の孔径以上の大きさの有機物は膜で阻止され、いわ
ゆる濃度分極やケーキ相が発生すると同時に該原水中の
有機物は膜を目詰まりさせたり、或いは、膜内部の網状
組織に吸着を起こす結果、得られる膜の濾過流束は清澄
水の濾過流束に比べて数分の1から数十分の1にまで低
下し、膜濾過コストが高くなって経済的な実用性が低下
するものであった。
【0012】しかしながら、オゾン(O3 )等の酸化剤
の存在下で上記原水を膜濾過法で濾過すると、膜に付着
または目詰まりしている有機物をオゾン(O3 )等の酸
化剤により分解しながら濾過でき、極めて高い濾過流束
を得ることが出来る。即ち、オゾン(O3 )存在下での
濾過膜は、膜を通過するオゾン(O3 )によって膜に付
着した有機物を繰り返して攻撃するため、常時自己洗浄
しながら濾過を行うことになり、その結果、高い濾過流
束を得ることが出来る濾過方法となる。
【0013】また、オゾン(O3 )の添加により原水1
中に棲息する微生物類、例えばウイルス類、バクテリア
類、カビ類、原虫類を殺菌除去することが出来る。この
様な、高度な水処理を行うための、本発明に係わる水処
理装置は、オゾン処理水タンク6と、タンク6へ原水を
供給する手段12と、タンク6からオゾン処理水の一部
を取り出したのちタンク6へ戻す循環手段7と、前記の
一部取り出されたオゾン処理水へオゾンを注入する手段
5と、タンク6からオゾン処理水を取り出して膜モジュ
ール9へ供給する手段8を有することを特徴とする。
【0014】オゾン処理水タンク6は、濾過膜へ供給さ
れるオゾン処理された被処理液を貯留するためのタンク
である。原水供給手段12は、原水1をタンク6に供給
するものであり、送液ポンプ等から構成される。循環手
段7はタンク6中の液を一部取り出して再度タンク6へ
戻す作用を有し、循環手段7を含む循環経路には、オゾ
ン注入手段5が設けられる。オゾン注入手段としてはエ
ゼクター、散気管等が使用される。また、タンク6と、
濾過膜を内蔵した膜モジュール9との間には、被処理液
を膜モジュール9へ送る供給手段8が設置される。膜で
濾過されなかった液をタンク6へ戻すための手段をさら
に設けても良い。また、エアバブリングのためのコンプ
レッサー等のガス加圧手段を膜モジュール9の下部に設
置することができる。さらに、逆流洗浄のための、膜濾
過水を膜モジュール9へ供給する手段を設けることがで
きる。
【0015】膜モジュール9としては、オゾン耐性のあ
る膜をケーシングに納めたものが用いられる。オゾン耐
性膜としては、オゾン(O3 )により劣化しない濾過膜
なら特に限定されないが、例えば、オゾン耐性を有する
セラミック等の無機膜、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)膜、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)膜、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜、
四フッ化エチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合樹脂(PFA)膜等のフッ素系樹脂膜等の有機
膜を適用することが出来る。特にポリフッ化ビニリデン
(PVDF)膜を使用すれば好ましい。
【0016】また、オゾン耐性膜の形状としては、中空
糸膜が好ましい。このようなオゾン耐性膜中に設けられ
る孔径としては、限外濾過(UF)膜から精密濾過(M
F)膜の孔径域を使用し得るが、膜の濾過流量が基本的
に高い点から精密濾過(MF)膜を使用するのが好まし
い。例えば、膜の孔径は0.001〜1μmが好まし
く、更に好ましくは0.05〜1μmが良い。
【0017】濾過はクロスフロー濾過法でも、デッドエ
ンド濾過法でもよいが、高い濾過流束を得るためには、
濾過水中にオゾンを0.05ppm以上残留させるのが
好ましい。エアーバブリングは、一定時間の濾過の後、
濾過を中止して膜面に気体を送り込み、膜面を振動させ
ることにより膜の洗浄を行うものである。本来膜面に吸
着する有機物は、オゾンにより分解され非吸着性にかわ
る為、オゾン存在下では膜の孔を閉塞する非吸着性の物
質(有機物、無機物)がエアーバブリングにより有効に
ふるい落とされ、大きな洗浄効果が得られる。
【0018】エアーバブリングは、逆流洗浄と併用して
もよく、濾過ーエアーバブリングー逆流洗浄の順でもよ
いし、濾過ー逆流洗浄ーエアーバブリング、濾過ー(エ
アーバブリング同時逆流洗浄)の順で行っても良い。エ
アーバブリングは1秒以上6分以内が好ましい。1秒以
下ではその効果が少なく、エアーバブリング中は濾過を
行わないため6分以上では濾過水量が少なくなり好まし
くない。
【0019】本発明の水処理方法の具体的な一例を図2
を用いて説明する。原水1はオゾン処理水タンク6に供
給される。オゾン処理水タンク6からは原水の一部が循
環手段(以下、供給ポンプ)7により抜き出され、オゾ
ン発生機4で発生したオゾン化空気がオゾン注入手段
(以下、エゼクター)5により注入され、再びオゾン処
理水タンク6に戻される。こうしてオゾン処理された原
水は、供給手段(以下、循環ポンプ)8により、タンク
6から膜モジュール9に供給され、膜濾過水10が得ら
れる。濾過に際し、クロスフロー濾過の場合は、図2中
破線で示したように、膜モジュール9に供給されたオゾ
ン処理水は一部オゾン処理水タンク6に戻される。デッ
ドエンド濾過の場合は、膜モジュール9に供給された原
水はオゾン処理水タンク6には戻されず、すべて膜濾過
水10になる。逆流洗浄やエアーバブリングなどの洗浄
操作で膜濾過が停止している間は、循環槽内の水量に連
動した自動弁11により原水供給は停止するが、供給ポ
ンプ7は常に稼働し、オゾン処理水タンク6の原水にオ
ゾンを注入し続ける。
【0020】本発明に係わる水処理方法の具体的なさら
に別の一例を図3に示す。原水1には、オゾン発生機4
で発生したオゾン化空気がエゼクター5により注入さ
れ、オゾン処理水タンク6に供給される。オゾン処理水
タンク6中のオゾン処理水の一部は供給ポンプ7により
抜き出され、原水1と混合された後、再びオゾン発生機
4及びエゼクター5により、オゾン化空気が注入され、
処理される。オゾン処理水タンク6中のオゾン処理水
は、循環ポンプ8により膜モジュール9に供給され、膜
濾過水10が得られる。濾過に際し、クロスフロー濾過
の場合は、図3中破線で示したように、膜モジュール9
に供給されたオゾン処理水の一部はオゾン処理水タンク
6に戻される。デッドエンド濾過の場合は、膜モジュー
ル9に供給されたオゾン処理水はすべて膜濾過水10と
して取り出される。逆流洗浄やエアーバブリングなどの
洗浄操作で膜濾過が停止している間は、循環槽内の水量
に連動した自動弁12により原水供給は停止するが、供
給ポンプ7は常に稼働し、オゾン処理水と原水の混合液
へオゾンを注入し続ける。
【0021】タンク6中のオゾン処理水の一部を抜き出
し、オゾン処理した後再びオゾン処理水タンク6に戻す
供給ポンプ7の循環水量は、大きいほどオゾン化空気と
の接触が多くなるので好ましいが、あまりに大きいとエ
ネルギーロスとなるので好ましくない。通常原水1の供
給量の0.2倍から10倍が好ましい。前記オゾン処理
2において、添加するオゾン(O3 )はオゾン単体でも
オゾン化空気でも良く、オゾン(O3 )の導入は、エゼ
クターやラインミキシング法あるいは散気管等を介して
行えば良い。
【0022】オゾン(O3 )存在下での濾過膜は、膜を
通過するオゾン(O3 )によって膜に付着した有機物を
繰り返して攻撃するため、常時自己洗浄しながら濾過を
行うことになり、その結果、高い濾過流束を得ることが
できる。濾過速度の上昇を図るために濾過水に残留する
オゾン濃度は一般に0.05ppm以上が好ましい。一
方、微生物類を殺菌し、臭気物質を除去するための原水
へのオゾン添加濃度は、原水水質にもよるが一般に0.
5ppm以上である。
【0023】また、オゾン濃度が高すぎると経済性が低
下することになるので、オゾン添加濃度は0.05〜5
0ppm 程度が好ましく、更に好ましくは0.1〜30p
pmの濃度のオゾン(O3 )を添加するのが良い。被処
理水とオゾン(O3 )との接触時間は、膜構造の表面に
付着する有機物とオゾン水が連続的に供給されれば、特
に接触時間に留意する必要はない。通常、1秒〜30分
の接触時間が一般的である。
【0024】オゾン処理に加えて、より酸化力を強め、
促進酸化を行う目的で、過酸化水素の添加や紫外線照
射、あるいは酸化チタン等の促進酸化触媒を併用しても
よい。膜濾過に際し、膜の孔径が精密濾過(MF)領域
となると孔径が大きくなるため、原水1中の懸濁物質
(SS)やバクテリア等が膜内に侵入する。従って、懸
濁物質やバクテリアが多い原水の場合には、高い濾過流
束を得るには多くのオゾン注入が必要になる。このオゾ
ン添加量を低減する目的で、オゾン添加に先立ちポリ塩
化アルミニウム(PAC)、硫酸バン土、塩化第一鉄、
塩化第二鉄等の凝集剤を使用してもよい。
【0025】凝集剤の添加は、オゾン処理水タンク6に
添加しても良いし、あるいは、原水1をオゾン添加場所
に誘導する管の途中にスタティックミキサー等を用いて
ラインミキシング方式で添加しても良い。凝集剤の添加
量は、原水1中に含まれる懸濁物質を凝集できる量であ
る必要があり、一般的に原水1の1リットル中に1〜1
00mg添加すればよく、さらに好ましくは原水1の1
リットル中に2〜50mg添加すればよい。
【0026】
【発明の実施の形態】図により本発明に関わる高度水処
理方法の一実施形態を具体的に説明する。本発明に係る
浄水、下水、排水の高度処理方法のプロセスの一例は、
図1に示すように、原水1中にオゾンを添加して該原水
1中の懸濁物質や有機物をオゾン分解するオゾン処理2
を行った後、オゾン耐性膜による膜濾過処理3を行う。
図1には基本的なプロセスのみを示しており、必要に応
じてオゾン耐性膜による膜濾過処理の後段に活性炭処理
や逆浸透膜処理などの処理を行ってもよい。
【0027】以下、本発明の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0028】
【実施例1】原水1として、濁度が3〜4度、COD
(化学的酸素要求量)値が2mg/L、水温が12℃の
河川表流水を用い、図2に示す装置を用いて、原水1→
オゾン処理2→オゾン耐性膜による濾過処理3を順次実
施し、さらに後段に活性炭処理を行った。
【0029】オゾン耐性膜による濾過処理3においてオ
ゾン耐性膜として、特開平3−215535号公報に基
づいて作製した0.1μm孔径のPVDF(ポリフッ化
ビニリデン)製精密濾過(MF)膜を使用した。この
0.1μm孔径のPVDF製中空糸モジュールは、内径
が0.7mmφ、外径が1.25mmφの糸を1800
本束ねて3インチ径のPVC(ポリ塩化ビニル)ケーシ
ングに納めた外圧型モジュールであって、膜面積が7.
0m2 、清澄水流束が毎時1.8m3 の時、モジュール
濾過圧が0.5Kgf/cm2 である。
【0030】濾過はクロスフロー方式の定流量濾過を行
った。上記原水1をオゾン処理水タンク6へ毎時1.5
3 の量で供給するとともに、オゾン処理水タンク6か
ら毎時4.5m3 の原水を供給ポンプ7で抜き出し、オ
ゾン発生機4から、エゼクター5を介して、オゾン化空
気をオゾン量として毎時2g注入した。
【0031】一方、オゾン処理水を、タンク6から循環
ポンプ8を介して、前記PVDF製中空糸モジュールに
毎時2.5m3 の量で供給し、濾過水を濾過流束毎時
1.5m3 で取り出すとともに、非透過液を毎時1m3
でオゾン処理水タンク6に戻した。この時の濾過水中の
残留オゾン濃度は0.2ppmであった。活性炭処理槽
はLV(線速度)が250m/日、SV(空間速度)が
10/Hrになるよう設計したものを用いた。
【0032】運転条件は濾過を10分行った後逆流洗浄
を15秒間行うという操作を繰り返し、12時間毎に毎
時2Nm3 の空気をモジュール下部から供給してエアー
バブリングを120秒間行った。逆流洗浄及びエアーバ
ブリングの間は、循環ポンプ8は停止するとともに自動
弁12を閉じて、原水の供給を停止したが、供給ポン
プ、オゾン発生機は常時稼働させ、オゾンの注入を続け
た。
【0033】その結果、濾過流束のレベルが初期値の毎
時1.5m3 で12ヶ月間に亘って維持でき、その間の
圧力上昇は0.03Kg/cm2であった。活性炭処理
槽出の水の分析を行った結果、COD(化学的酸素要求
量)値は0.4mg/L、濁度は0.02度、大腸菌、
一般細菌は検出されず、その他の項目も飲料水としての
基準を十分に満たしていた。
【0034】
【実施例2】原水1として濁度が10度、COD(化学
的酸素要求量)値が13〜20mg/リットル、BOD
(生物的酸素要求量)値が20〜30mg/リットル、
水温が25℃の下水二次処理水を用い、図3に示す装置
を用いて原水1→オゾン処理2→オゾン耐性膜による濾
過処理3を順次実施した。
【0035】濾過はクロスフロー方式の定流量濾過を行
った。上記原水1に、オゾン発生機4から、エゼクター
5を介してオゾン化空気をオゾン量として毎時10g注
入した後、オゾン処理水タンク6へ毎時2.0m3 の量
で供給するとともに、オゾン処理水タンク6から毎時
4.0m3 のオゾン処理水を供給ポンプ7で抜き出し、
原水1の供給ラインで原水と混合した後、エゼクター5
を介してオゾンを注入し、再びタンク6へ戻した。
【0036】一方、オゾン処理水タンク6から循環ポン
プ8を介して、前記PVDF製中空糸モジュールに毎時
2.0m3 の量で供給し、濾過水を濾過流束毎時1.0
3で取り出すとともに、非透過液を毎時1m3 でオゾ
ン処理水タンク6に戻した。この時の濾過水中の残留オ
ゾン濃度は0.1ppmであった。運転条件は濾過を1
0分行った後、毎時2Nm3 の空気をモジュール下部か
ら供給してエアーバブリングを60秒間行い、逆流洗浄
を20秒間行うという操作を繰り返した。逆流洗浄及び
エアーバブリングの間は、循環ポンプ8は停止するとと
もに自動弁12を閉じて、原水の供給を停止したが、供
給ポンプ、オゾン発生機は常時稼働させ、オゾンの注入
を続けた。この場合、オゾン処理水タンク6から毎時
6.0m3 のオゾン処理水を供給ポンプで抜き出し、エ
ゼクター5を介してオゾン処理した。
【0037】その結果、濾過流束のレベルが初期値の毎
時1.0m3 で8ヶ月間に亘って維持でき、この間の圧
力上昇は0.04Kg/cm2であった。得られた濾水
の水質は、濁度が0.05度、COD値が12mg/リ
ットル、BOD値が1mg/リットルと修景用水、親水
用水として十分な水質であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、オゾンを用いた高度な
浄水処理や下排水処理を、効率的・経済的に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浄水、下水、排水の高度処理方法
の一実施態様を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る浄水、下水、排水の高度処理方法
の一実施態様を示す装置図である。
【図3】本発明に係る浄水、下水、排水の高度処理方法
の一実施態様を示す装置図である。
【符号の説明】 1・・・原水 2・・・オゾン処理 3・・・オゾン耐性膜による濾過処理 4・・・オゾン発生機 5・・・オゾン注入手段 6・・・オゾン処理水タンク 7・・・循環手段 8・・・供給手段 9・・・膜モジュール 10・・・膜濾過水 11・・・自動弁 12・・・原水供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 560 C02F 1/50 560E 1/78 1/78 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA03 HA04 JA25C KA01 KA02 KA43 KA63 KA64 KB12 KC03 KC13 KC14 KD19 KD21 KE02Q MA01 MA22 MB11 MC29 MC30 MC45 PA01 PB04 PB08 PB24 PC51 PC61 4D050 AA02 AA03 AA13 AA15 AB06 AB07 BB02 BD03 BD06 CA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水をオゾン処理したのち濾過膜で処理
    する方法において、濾過膜へ供給する被処理水を一旦貯
    留し、その貯留した被処理水を、常に一部抜き出してオ
    ゾン処理を行い、もとの被処理水へ循環させることを特
    徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】 原水をオゾン処理したのち濾過膜で処理
    する方法において、原水にオゾンを注入したのち濾過膜
    へ供給する前に一旦貯留し、さらにその貯留したオゾン
    処理水を、常に一部抜き出して原水と混合し、オゾン処
    理してもとのオゾン処理水へ循環させることを特徴とす
    る水処理方法。
  3. 【請求項3】 オゾン処理水タンク6と、タンク6へ原
    水を供給する手段12と、タンク6からオゾン処理水の
    一部を取り出したのちタンク6へ戻す循環手段7と、前
    記の一部取り出されたオゾン処理水へオゾンを注入する
    手段5と、タンク6からオゾン処理水を取り出して膜モ
    ジュール9へ供給する手段8を有することを特徴とする
    水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009020071A1 (ja) * 2007-08-07 2009-02-12 Sanyo Electric Co., Ltd. 水質浄化システム
CN102745832A (zh) * 2011-04-19 2012-10-24 中国科学院生态环境研究中心 一种将城镇污水处理为生态景观用水的水处理方法
JP2021122798A (ja) * 2020-02-06 2021-08-30 株式会社荏原製作所 ガス溶解液製造装置

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