2018/12/19 16:18
先週12月13日(木)、LOUIS COLE(ルイス・コール)のJAPAN TOUR 2018東京公演が渋谷WWW Xにて行われた。
この日のWWW Xは寿司詰め状態。若者が多く熱気に満ちた会場は、冷え込んだ東京の街とはまったくの別空間だ。東京と京都両公演がソールド・アウトで、追加公演も完売。ここまで注目度が高いとは。
Kaz SkellingtonのDJに続いて、大仰なSEとともに主役が登場。「スペース・オデッセイ感(笑)」と周囲ではすでに笑いが。当の本人はというと、“When You’re Ugly”のビデオでも着ていた「筋肉タイツ」を着用。もちろんサングラスをかけて。「じゃあ、1曲目を」と弾き始めたのはチャルメラのメロディ。観客は爆笑。YouTubeで見るルイス・コールが、あのキャラクターのままでそこにいる。
「本当の曲はこれからなんだ(笑)」と言い、ブレインフィーダーからリリースした話題作『Time』から“Freaky Times”を演奏。肩を揺らしながら歌う独特のスタイルが、また笑いを誘う。ドラム・セットに腰掛けてスティックを手にすると歓声が上がり、怒涛のドラミングを披露するルイス。
続くは“Thinking”。シンセのリフでフロアが即座に反応し、シンガロングする者も。またもドラムを演奏し始め、唐突にスティックを放り投げたかと思うと……ステージ後方のシンバルに直撃!! 笑いと歓声が同時に巻き起こる。
シンコペーションを効かせまくったシンセ・プレイを聞かせる“Bank Account”から、謎めいた早口の朗読も挟みつつ、『Time』の楽曲を続けざまに演奏。突然トラックを止めるルイス。「この曲は、『誰も醜い人なんていないんだ』という曲なんだ。今日、ここにいるみんなは本当にセクシーだよ」。そして“When You’re Ugly”へ。沸き上がるフロア。
ラストはEDM……? いや、まるでハッピー・ハードコアやブロステップのような、ど派手な“Who Cares”。謎のダンスを交えて歌ったかと思うと、シンセ・ベースを弾き倒しながら「トーキョー!」とまくし立てる。アンコールは、性急でファンキーな“Mean It”で締め。
歌、シンセサイザーの演奏、ユーモラスなしぐさ、おそろしくパワフルなドラム・プレイ。一人で何役もこなすその様は、まさしくショーだ。稀代のエンターテイナー、ルイス・コールここにあり。ルイス・コールの真価は、彼のキャラクターの濃さとヒューマニティを強く感じるライブにこそあるのだと確信した一夜だった。
text by 天野 龍太郎
photo by Yosuke Torii
(内)