2016/08/31 18:30
サクライケンタ主宰の音楽制作会社・ekomsによるライヴ・イベント〈ekoms presents “夜明けの月と煙 vol.1”〉が、2016年8月30日(火)、東京・青山 月見ル君想フにて開催された。
出演者はsora tob sakana、カオティック・スピードキング、Maison book girlの3組。イベント開催前にMaison book girlが重大発表を行うことが告知されていたこともあり、開演の19時に会場は満員のお客さんで埋め尽くされた。
1番手に登場したのはsora tob sakana。ポスト・ロック調の楽曲に笑顔いっぱいでダンスをしながら歌いあげ満員のフロアを盛り上げた。2番手に登場したカオティック・スピードキングは、一流プレイヤーたちの圧倒的なアンサンブルによって音の洪水で会場を埋め尽くしていった。途中でMaison book girlの4人が登場し生演奏に乗せて「bath room」「bed」といった自分たちの楽曲を披露すると、会場の熱は一層高くなった。
バンドセットをステージから撤収し少し時間をおいてトリにMaison book girlが登場。おなじみの「bath room」のイントロとともにお客さんが手拍子でリズムをとるなかメンバーが登場し、「bath room」でライブがスタートした。3曲目には特にアナウンスがないまま新曲「karma」を披露してみせた。
そのあとすぐのMCで「今日ギリギリまで練習していたんです」と井上が語り、〈ekoms presents “夜明けの月と煙 vol.2”〉を9月28日に開催すること、それでも世界が続くなら、せのしすたあが出演することを発表した。
そのまま休憩することなく「last scene」「Remove」「film noir」「my cut」と立て続けに披露し終わると、コショージメグミが「重大発表の前にまずコショージの話聞きたい?」と前置きをした上でMCをはじめた。
「コショージは、BiSが終わってさみしくてMaison book girlを組んだんですけど、2年前の11月24日の初ライヴでライヴ中に泣いてしまったんですよ。泣いちゃった理由をいろいろ聞かれたんですけどあまり詳しく言ってなくて。いま思い返してみてみると「もうBiSには戻れないんだな」って気持ちが1番大きくて。そのあと和田が入って4人体制になって1年以上経つんですけど、最近までコショージの中の1番はBiSなんだと思っていて。でも新曲の練習をみんなでしたり、今日に向けてすごくがんばってやってきて、いつの間にかコショージのなかでBiSが1番大切じゃないなってなっていました。(BiSを)大切に思うことをやめようっていうか、思ってないなって(ことがわかった)。Maison book girlが1番大切になっていました。そう思わせてくれたのは、メンバーとここにいるみんなだと思います」
途中言葉に詰まるくらい涙を流しながら話し終えると、一息ついてから「今日の発表は… Maison book girlは11月30日にメジャー・デビューが決定しました」と語り、その瞬間、客席からは大きな歓声と拍手がおこった。その余韻はなかなか収まらない。その合間をぬうように矢川葵が2ndワンマンライヴを11月6日(日)、渋谷WWW Xで開催することを発表し、泣きながらMCをはじめた。
「泣かないと思っていたけどコショが泣くから… もらい泣きしちゃった。最初、コショはBiSのほうが好きなんじゃないかなと思っていて。ブクガでいてくれているけど、タイミングがあったらどこかに行ってしまうんじゃないかと思っていて。でも去年のワンマン・ライヴをしたときに、コショが出だしから泣いていて。あとで聞いてみたら「ブクガのためにこんなに人が集まってくれてよかった」って言っていて。それを聞いてちょっと安心したし、練習のときに「和田ちゃんが入ってきてくれてよかったね」って話をして。私は東京に友達がいないから、毎日会うのがこの3人で、一緒に3人といれてよかった。この3人とメジャー・デビューできるのが嬉しいです。ありがとうございます」とくしゃくしゃな笑顔で語った。
続いて、和田輪がバトンを受けて話をはじめる。
「私は、基本的に自分のことをゴミ屑だと思っていて。ゴミ屑なりにポテンション(客席からポテンシャルじゃないかとざわざわと声がかかる)… ポテンシャルを保って2年間やってきて、自分の伸びしろの余白がどんどん広がっていってメジャー・デビューまでこぎつけてしまったということは、これからもっと予想していないようなところまで行けちゃうんじゃないかと思っていて。私、練習のとき、みんなに強く言っちゃうんですけど、この間のレッスンのとき「和田が入ってくれてよかったね」って言ってくれて、めちゃめちゃ嬉しかったんだ。2年間やってきて薄々感じていたけど、この4人でがんばっていけるなという確信を持てたので、これからもがんばっていきます。よろしくおねがいします」
そして最後は井上唯が話しはじめた。
「最初、私は本当になにもないど素人で…(泣)、なにかの間違いかわからないけど(オーディションに)受かっちゃって、入ってみたらグダグダで。今思えばダメダメなライヴしかしていなかったし、この先自分はどうなるんだろうと思いながら、気づけば2年くらい経っていて。最近までブクガってよくわかんないなと思っていて、どこにいきたいんだとずっと思っていたんですけど、最近いろんな人と関わったり、話を聞くようになって、自分の中で決心が固まったというか頑張ろうと思えて。最近になって、すごくブクガを好きになったんですよ。そう思っていたらメジャー・デビューが決定してしまって、これはがんばるしかない、やるしかない、と。どうしようもないところからここまでこれたのは、オタクたちと、関わってくれた大人の人ーー私も大人だけど(笑)、のおかげです。がんばります」
1年前、4人にインタヴューした際、発言が控えめだと感じたが、自分たちの想いをしっかりお客さんに伝えた堂々としたメジャー・デビュー発表だった。最後にコショージメグミがこう語り新曲を披露した。
「メジャー・デビューは決定しましたけど、この先なにが起こるかわからないし、これから頑張っていかないといけないので、みなさん一緒に「river」(メジャー・デビュー・シングルのタイトル)ーー川を渡っていこうや!!」
メジャー・デビュー・シングルのリード曲である「cloudy irony」、そして「snow irony」を歌い〈ekoms presents “夜明けの月と煙 vol.1”〉は幕を閉じた。
Maison book girlは、2016年11月30日(水)リリースのシングル『river(cloudy irony)』にて、徳間ジャパンコミュニケーションズよりメジャー・デビューする。果たしてどのような未来を紡いでいくのか。今日のライヴとMCを見て、未来はこの4人が描いていくんだという意思を感じることができた。Maison book girlは、まだはじまったばかりだ。(西澤裕郎)
〈ekoms presents “夜明けの月と煙 vol.1”〉
2016年8月30日(水)青山月見ル君想フ
Maison book girl セットリスト
1. bath room
2. faithlessness
3. karma
4. last scene
5. Remove
6. film noir
7. my cut
8. cloudy irony
9. snow irony
メジャー・デビュー・シングル
Maison book girl / river(cloudy irony)
発売日 : 2016年11月30日(水)
■初回限定盤 CD+DVD 1,800円(税込) / TKCA-74435
■通常盤CD 1,300円(税込) / TKCA-74436
収録曲 :
1. cloudy irony ※シングル曲
2. karma
3. タイトル未定
4. cloudy irony (instrumental)
5. karma (instrumental)
6. タイトル未定 (instrumental)
〈限定盤付属DVD〉
・cloudy irony (music video)
・snow irony (live on Aug.9, 2016)
・film noir (live on Aug.9, 2016)
・bed (live on Aug.9, 2016)
・blue light (live on Aug.9, 2016)
ライヴ情報
Maison book girl 2ndワンマン・ライブ
〈Solitude HOTEL 2F〉
2016年11月6日(日)渋谷WWW X
チケットは、9月10日午前10:00よりイープラスにて発売開始
・Maison book girl インタヴュー(OTOTOY)
https://ototoy.jp/feature/20150923
・Maison book girl オフィシャルサイト
https://www.maisonbookgirl.com
・徳間ジャパンコミュニケーションズ
https://www.tkma.co.jp/jpop_top/maisonbookgirl.html