1912年の創業以来、多くの合併・統合・買収を経て、1997年に三井石油化学工業と三井東圧化学が合併し設立された三井化学は、その歴史から、多様な人材・事業の集合体となっている。
三井化学取締役専務執行役員CHROの安藤嘉規氏が、グループの歴史と多様な人材を包摂する企業文化、経営戦略と連動する人材戦略について講演で語った概要をお届けする。
幾多の合併と買収を経て多様な人材の宝庫に
三井化学の原点は、1912年に福岡県大牟田市にて石炭採掘から発生する副生ガスを利用し肥料原料の生産を開始したことにある。戦後1958年には日本で最初の石油化学コンビナートを山口県岩国市と広島県大竹市にまたがり建設、産業の発展に大きく貢献してきた。
1912年の創業以来、多くの合併・統合・買収を経てきており、現在の三井化学は1997年に三井石油化学工業と三井東圧化学が合併したことで誕生した会社だ。現在の社名になって以降も、武田薬品工業のウレタン事業、第一三共の農薬事業、旭化成のペリクル事業などさまざまな事業を買収している(下図)。
海外でも多くのM&Aを実施しており、2023年現在では海外在籍の人員が社員の約40%を占めるという。
合併・買収を繰り返す中、三井化学では多様性に富む人材を包摂する企業文化が形成されてきた。現在はその多様な個を包摂する企業文化を強みとして、さまざまなグローバル人材施策を行っている。