サクラメガワンダー
サクラメガワンダー | |
---|---|
2006年10月29日 東京競馬場 | |
欧字表記 | Sakura Mega Wonder |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛 |
生誕 | 2003年3月25日(21歳) |
抹消日 | 2012年1月4日[1] |
父 | グラスワンダー |
母 | サクラメガ |
母の父 | サンデーサイレンス |
生国 | 日本(北海道静内町) |
生産者 | 新和牧場 |
馬主 | (株)さくらコマース |
調教師 | 友道康夫(栗東) |
競走成績 | |
生涯成績 | 29戦7勝 |
獲得賞金 | 4億2009万4000円 |
サクラメガワンダーは日本の競走馬。近親には天皇賞・秋優勝馬サクラチトセオー、エリザベス女王杯優勝馬サクラキャンドルがいる。おもな勝ち鞍はラジオたんぱ杯2歳ステークス、鳴尾記念2回、金鯱賞。馬名の由来は冠名サクラに母の名前の一部「メガ」と父グラスワンダーの名前の一部「ワンダー」を組み合わせたもの。
7勝すべてを地元関西で挙げている。
戦績
[編集]2歳
[編集]2005年7月の2歳新馬でデビューし、4着。8月の未勝利戦では上がり3F32秒9の末脚を見せるも、サイレントプライドに敗れ2着。11月の未勝利戦で3戦目にして初勝利を挙げると、次走エリカ賞ではタマモサポート、アドマイヤメインという後の重賞勝利馬2頭を下し連勝。重賞初挑戦となったラジオたんぱ杯2歳ステークスでは1番人気のアドマイヤムーンを差しきって優勝、3連勝で初重賞制覇を飾った。
3歳
[編集]2006年はクラシックを目指し東上する。だが、弥生賞ではアドマイヤムーンの雪辱を許し4着。その後も皐月賞6着、東京優駿(日本ダービー)では10着と春シーズンは不本意な成績に終わる。秋には菊花賞ではなく天皇賞(秋)を目指し毎日王冠から始動するが9着、本番の天皇賞でも9着と古馬の壁に跳ね返された。次走は約1年ぶりに関西でのレースとなる鳴尾記念に出走。マルカシェンクを半馬身抑えて復活の優勝を飾った。
4歳
[編集]2007年は京都金杯から始動。先行抜け出しでマイネルスケルツィに並びかけるかと思われたが、追いつくどころか、エイシンドーバーに逆に交わされ3着に敗れた。休養後のマイラーズカップでは、同じような競馬で5着、さらに安田記念では13着に敗れた。続く函館記念では2番人気に推されるも3着に敗れ、同じく北海道で開催される札幌記念に出走を予定していたが、馬インフルエンザ騒動によりレース開催が中止となり、9月2日に延期された。レースでは、中団から進み、最後の直線では外から伸びてきたものの、前を行くフサイチパンドラなどを捕らえられず3着に敗れた。札幌記念後のカシオペアステークスでは、単勝1.4倍の圧倒的1番人気の支持に応え快勝した。カシオペアステークス後は第24回マイルチャンピオンシップに出走登録を行ったが除外され、11月25日のアンドロメダステークスに出走し、単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に支持されるが、トップハンデ57.5キロの影響もあり3着だった。11月29日に発表された重賞・オープン特別競走レーティングでは、カシオペアステークスを制したことにより105ポンドの評価を得た。
5歳
[編集]2008年の初戦も京都金杯となるが、4着に敗れた。3ヶ月休養後のオーストラリアトロフィーではオーシャンエイプスとの叩き合いとなり2着となった。続く金鯱賞では4着で、次の宝塚記念では12番人気ながら4着となり、宝塚記念後は天栄ホースパークへ放牧に出され、9月13日に帰厩した。
帰厩後は、秋の始動戦となる毎日王冠に向けて調整され、予定通り第59回毎日王冠に出走。直線で脚を伸ばしたが、追いつけずに4着だった。その後出走した、本番の天皇賞(秋)では6着だった。続いて2年前に制した鳴尾記念に出走。中団からレースを進め、4コーナーでまくると、最後は鋭く伸びてナムラマースに3馬身差をつける快勝で重賞3勝目を飾った。
6歳
[編集]2009年は京都記念から始動、1番人気に支持されたが、クビ差でアサクサキングスの2着に敗れた。その後、5月30日の金鯱賞に1番人気で出走。好位から最後の直線で先頭に立ち、一気に後続を引き離して快勝、重賞4勝目を挙げた。続く宝塚記念では好位集団でレースを進め、最後の直線でドリームジャーニーの追い込みに屈したもののディープスカイをかわして2着に入った。夏場の休養を挟み、ぶっつけで天皇賞(秋)に出走したが見せ場がなく13着に敗れた。11月12日、左前浅屈腱炎を発症していることが発覚[2]、全治までは約9か月の見込みとなっていたが[2]、2年以上の休養の末、復帰はかなわず競走馬を引退した。
引退後
[編集]2012年からレックススタッドで種牡馬入りする[3]。初年度の種付料は30万円(受胎条件)または50万円(出生条件)。初年度は19頭に種付けしたものの7頭の受胎にとどまり、翌年からはひと桁の種付け頭数に減少。2014年7月2日付で用途変更され、種牡馬を引退した。種牡馬引退後は功労馬繋養展示事業の助成を受け、功労馬として余生を送る[4]。
競走成績
[編集]年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 [kg] |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
時計 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2005 | 7. | 10 | 阪神 | 2歳新馬 | 16 | 4 | 8 | 25.8 | (6人) | 4着 | 岩田康誠 | 54 | 芝1600m(稍) | 1:39.4 (35.3) | 0.6 | ダイアモンドヘッド | |
8. | 6 | 新潟 | 2歳未勝利 | 11 | 3 | 3 | 4.8 | (3人) | 2着 | 柴田善臣 | 54 | 芝1600m(良) | 1:36.3 (32.9) | 0.1 | サイレントプライド | ||
11. | 12 | 京都 | 2歳未勝利 | 14 | 5 | 7 | 3.2 | (1人) | 1着 | O.ペリエ | 55 | 芝1800m(重) | 1:49.0 (34.7) | -0.2 | (ヴィクトリーラン) | ||
12. | 10 | 阪神 | エリカ賞 | 500万下 | 10 | 8 | 10 | 3.2 | (2人) | 1着 | 安藤勝己 | 55 | 芝2000m(良) | 2:03.4 (35.0) | -0.2 | (タマモサポート) | |
12. | 24 | 阪神 | ラジオたんぱ杯2歳S | GIII | 12 | 5 | 7 | 3.7 | (2人) | 1着 | 安藤勝己 | 55 | 芝2000m(良) | 2:01.9 (34.6) | 0.0 | (アドマイヤムーン) | |
2006 | 3. | 5 | 中山 | 弥生賞 | GII | 10 | 1 | 1 | 2.9 | (2人) | 4着 | 安藤勝己 | 56 | 芝2000m(良) | 2:02.1 (35.0) | 0.6 | アドマイヤムーン |
4. | 16 | 中山 | 皐月賞 | GI | 18 | 6 | 12 | 8.7 | (4人) | 6着 | 内田博幸 | 57 | 芝2000m(良) | 2:00.5 (34.6) | 0.6 | メイショウサムソン | |
5. | 28 | 東京 | 東京優駿 | GI | 18 | 5 | 9 | 12.5 | (6人) | 10着 | 内田博幸 | 57 | 芝2400m(稍) | 2:29.2 (36.0) | 1.3 | メイショウサムソン | |
10. | 8 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 16 | 7 | 14 | 36.8 | (13人) | 9着 | 後藤浩輝 | 55 | 芝1800m(良) | 1:45.9 (34.0) | 0.4 | ダイワメジャー | |
10. | 29 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 16 | 2 | 3 | 41.0 | (12人) | 9着 | 内田博幸 | 56 | 芝2000m(良) | 1:59.9 (36.0) | 1.1 | ダイワメジャー | |
12. | 9 | 阪神 | 鳴尾記念 | GIII | 17 | 2 | 3 | 3.7 | (1人) | 1着 | O.ペリエ | 55 | 芝1800m(良) | 1:46.9 (33.4) | -0.1 | (マルカシェンク) | |
2007 | 1. | 6 | 京都 | 京都金杯 | GIII | 16 | 5 | 9 | 4.9 | (2人) | 3着 | 岩田康誠 | 56.5 | 芝1600m(稍) | 1:34.1 (34.9) | 0.2 | マイネルスケルツィ |
4. | 14 | 阪神 | マイラーズC | GII | 15 | 1 | 1 | 7.2 | (3人) | 5着 | 岩田康誠 | 57 | 芝1600m(良) | 1:33.1 (34.0) | 0.9 | コンゴウリキシオー | |
6. | 3 | 東京 | 安田記念 | GI | 18 | 1 | 1 | 39.4 | (14人) | 13着 | 鮫島良太 | 58 | 芝1600m(良) | 1:33.2 (35.1) | 0.9 | ダイワメジャー | |
7. | 22 | 函館 | 函館記念 | JpnIII | 11 | 6 | 6 | 4.4 | (2人) | 3着 | 岩田康誠 | 57 | 芝2000m(良) | 2:03.0 (35.1) | 0.2 | エリモハリアー | |
9. | 2 | 札幌 | 札幌記念 | JpnII | 16 | 5 | 9 | 5.5 | (3人) | 3着 | 岩田康誠 | 57 | 芝2000m(良) | 2:00.3 (33.9) | 0.2 | フサイチパンドラ | |
11. | 3 | 京都 | カシオペアS | OP | 17 | 2 | 3 | 1.4 | (1人) | 1着 | O.ペリエ | 56 | 芝1800m(良) | 1:45.3 (34.2) | -0.2 | (ブラックカフェ) | |
11. | 25 | 京都 | アンドロメダS | OP | 11 | 1 | 1 | 1.5 | (1人) | 3着 | M.デムーロ | 57.5 | 芝2000m(良) | 1:58.8 (35.2) | 0.1 | アサカディフィート | |
2008 | 1. | 5 | 京都 | 京都金杯 | GIII | 16 | 6 | 12 | 7.5 | (4人) | 4着 | 福永祐一 | 57.5 | 芝2000m(良) | 1:34.0 (34.6) | 0.3 | エイシンデピュティ |
4. | 26 | 京都 | オーストラリアT | OP | 15 | 8 | 14 | 3.1 | (2人) | 2着 | 福永祐一 | 57 | 芝1800m(良) | 1:47.4 (33.5) | 0.0 | オーシャンエイプス | |
5. | 31 | 中京 | 金鯱賞 | GII | 17 | 3 | 5 | 7.4 | (3人) | 4着 | 福永祐一 | 57 | 芝2000m(稍) | 1:59.5 (35.2) | 0.4 | エイシンデピュティ | |
6. | 29 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 14 | 4 | 5 | 40.3 | (12人) | 4着 | 福永祐一 | 58 | 芝2200m(重) | 2:15.6 (37.0) | 0.3 | エイシンデピュティ | |
10. | 12 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 16 | 1 | 1 | 23.7 | (7人) | 4着 | 福永祐一 | 57 | 芝1800m(良) | 1:45.1 (33.4) | 0.5 | スーパーホーネット | |
11. | 2 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 17 | 3 | 5 | 32.1 | (7人) | 6着 | 福永祐一 | 58 | 芝2000m(良) | 1:57.5 (34.5) | 0.3 | ウオッカ | |
12. | 6 | 阪神 | 鳴尾記念 | GIII | 17 | 8 | 16 | 1.8 | (1人) | 1着 | 福永祐一 | 56 | 芝1800m(良) | 1:46.0 (35.6) | -0.5 | (ナムラマース) | |
2009 | 2. | 21 | 京都 | 京都記念 | GII | 12 | 7 | 11 | 1.8 | (1人) | 2着 | 福永祐一 | 57 | 芝2200m(良) | 2:14.6 (35.4) | 0.0 | アサクサキングス |
5. | 30 | 中京 | 金鯱賞 | GII | 18 | 8 | 17 | 2.1 | (1人) | 1着 | 福永祐一 | 57 | 芝2000m(良) | 1:58.4 (34.0) | -0.2 | (シャドウゲイト) | |
6. | 28 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 14 | 5 | 8 | 8.3 | (3人) | 2着 | 福永祐一 | 58 | 芝2200m(良) | 2:11.6 (35.0) | 0.3 | ドリームジャーニー | |
11. | 1 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 18 | 7 | 14 | 39.6 | (9人) | 13着 | 福永祐一 | 58 | 芝2000m(良) | 1:58.5 (34.4) | 1.3 | カンパニー |
血統表
[編集]サクラメガワンダーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ロベルト系 |
[§ 2] | ||
父 *グラスワンダー 1995 栗毛 |
父の父 Silver Hawk1979 鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason | |
Bramalea | ||||
Gris Vitesse | Amerigo | |||
Matchiche | ||||
父の母 Ameriflora1989 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer | ||
Pas de Nom | ||||
Graceful Touch | His Majesty | |||
Pi Phi Gal | ||||
母 サクラメガ 1998 栗毛 |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
母の母 サクラクレアー1982 鹿毛 |
*ノーザンテースト Northern Taste |
Northern Dancer | ||
Lady Victoria | ||||
*クレアーブリッジ Clare Bridge |
Quadrangle | |||
Abeyance Lass | ||||
母系(F-No.) | 13号族(FN:13-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Hail to Reason 4×4=12.50%、Northern Dancer 4×4=12.50% | [§ 4] | ||
出典 |
|
- 6代母Vagrancyは1942年のCCAオークス勝ち馬。
- 半弟に2017年の札幌記念を優勝したサクラアンプルール(父キングカメハメハ)がいる。
- 伯父に天皇賞(秋)勝ち馬のサクラチトセオー、伯母にエリザベス女王杯勝ち馬のサクラキャンドルがいる。
- 祖母サクラクレアーの全妹ダイナクレアーの曾孫にスワンステークスなど重賞3勝のロードクエストがいる。
脚注
[編集]- ^ “サクラメガワンダー引退、種牡馬生活へ”. ラジオNIKKEI. 2022年4月29日閲覧。
- ^ a b “サクラメガワンダーが屈腱炎発症”. netkeiba (2009年11月12日). 2009年11月12日閲覧。
- ^ サクラメガワンダー競走馬登録を抹消
- ^ 2014年の供用停止種雄馬一覧
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- サクラメガワンダー - 競走馬のふるさと案内所
- サクラメガワンダー - 引退名馬(名馬.jp)