大学ポートレート Web-API https://api-portal.portraits.niad.ac.jp/ (ポートレート API)を Google Apps Script(GAS)で使うためのライブラリです。
GAS のスクリプトサンプルを交えながら、ライブラリの使い方をご紹介します。
- GAS スクリプトエディターの編集画面左側にある「ライブラリ」の「+」をクリック。
- スクリプト ID
1463IXI3rMb1b76Iwbm-jhuAiondvoDESz0FRPrOvi817HuKNnNJcfYhg
を入力して「検索」 - 最新のバージョンを選んで「追加」。ここでデフォルトで
Portraits
となっている ID が、スクリプト内でライブラリ呼び出しに使うものです。任意の文字列でいいですが、以下の説明はPortraits
としてあります。
API の仕様で定められた各エンドポイントが、そのままメソッドとして使えるようになっています。
// 大学IDが「0000」の大学について、2021年度の学生教員等状況票情報をsfとして取得する例
const sf = Portraits.getStudentFacultyStatus(accessKey, 2021, '0000');
使用できるメソッドの網羅的なリストはレファレンスをご覧ください。
API の公式ページから参照できる仕様書にあるとおり、API を通じて情報を参照するには呼び出しごとに組織 ID(大学 ID または学部・研究科等組織 ID)を指定する必要があります。
その組織 ID 自体は API からは直接参照できず、公式ページから Excel ファイルをダウンロードなどする必要がありますが、本ライブラリではその一覧を取得できるようになっています。
大学 ID は getAllUnivIds()
や getUnivIds(targetUnivNames)
で参照できます。
const targetUnivName = '○○大学';
const targetUnivId = Portraits.getUnivIds([targetUnivName])[0].UNIV_ID; // getUnivIds()が受け取るのは大学名の配列
console.log(
JSON.stringify(
Portraits.getStudentFacultyStatus(ACCESS_KEY, 2021, targetUnivId),
),
);
UNIV_ID
と UNIV_NAME
をキーとした、以下のようなオブジェクトの配列が返ってきます。2022 年 12 月 28 日に公開された API v1.1 以降は、さらに各大学における年度ごとの API 対応状況が「○」で表現されています:
[
{
"UNIV_ID": "0000", // 大学ID
"UNIV_NAME": "○○大学", // 大学名
"AY2021": "○", // ○がついていればこの大学のこの年度は対応している。
"AY2022": "○",
// ...
},
]
学部・研究科等組織 ID は getAllOrganizationIds()
や getOrganizationIdsbyUniv(targetYear, targetUnivNames)
で参照でき、学部・研究科ごとに取りまとめられているデータの取得に使います。
const oids = Portraits.getOrganizationIdsbyUniv(2021, ['○○大学', '▲▲大学']);
Object.keys(oids).forEach((univ) => {
oids[univ].forEach((org) => {
console.log(
JSON.stringify(
Portraits.getCollegeUndergraduateStudentsDetail(ACCESS_KEY, 2021, org.OID) // 学部学生内訳票の取得
)
);
});
}
学部・研究科等組織 ID は、学部新設などを考慮して年度ごとに定義されているようです。
{
"2021": {
"○○大学": [
{
"OID": "0100-01-01-1K08-00-1", // 学部・研究科等組織ID
"DEP": "○○学部", // 学部・研究科名
"LOC": "○○", // 所在地
"CTG": "", // 分類
"DN": "昼間", // 昼間 or 夜間
},
{
"OID": "0100-01-01-1Y68-01-1",
"DEP": "○○研究科",
"LOC": "○○",
"CTG": "修士課程",
"DN": "昼間",
},
// ...
],
// ...
},
// ...
}
getOrganizationIdsbyUniv(targetYear, targetUnivNames)
で個別に大学名を指定して取得する場合は、年度も合わせて指定します。戻り値は大学ごとに出力されます。
{
"○○大学": [
{
"OID": "0100-01-01-1K08-00-1",
"DEP": "○○学部",
"LOC": "○○",
"CTG": "",
"DN": "昼間",
},
// ...
],
// ...
}
外国人用組織 ID は <大学ID>
-<所属課程分類ID>
という文字列となっていて、ハイフン以降の後半部分である所属課程分類 ID を getAllIntlIdSuffixes()
でまとめて取得したり、 getIntlIds(targetUnivIds)
で、指定した大学 ID についての<大学ID>
-<所属課程分類ID>
の組み合わせ一式を配列として取得できます。外国人学生調査票の取得に使います。
[
{
"INTL_ID_SUFFIX": "-1Z11",
"INTL_CATEGORY": "大学学部、短期大学本科(外国人学生調査票用)",
},
{
"INTL_ID_SUFFIX": "-1Z33",
"INTL_CATEGORY": "修士課程、博士前期課程、一貫制博士課程の1~2年次(外国人学生調査票用)",
},
{
"INTL_ID_SUFFIX": "-1Z44",
"INTL_CATEGORY": "博士後期課程、一貫制博士課程の3~5年次、\n医歯学・薬学・獣医学関係の一貫制博士課程(外国人学生調査票用)",
},
{
"INTL_ID_SUFFIX": "-1Z55",
"INTL_CATEGORY": "専門職学位課程(外国人学生調査票用)",
},
]
getIntlIds(targetUnivIds)
は大学 ID の配列を受け取り、その配列の順序を保持したまま、大学ごとの外国人用組織 ID 一式を返します:
Portraits.getIntlIds(['0000', '1111']);
の出力は
[
["0000-1Z11", "0000-1Z33", "0000-1Z44", "0000-1Z55"], // 大学ID「0000」の外国人用組織ID一式
["1111-1Z11", "1111-1Z33", "1111-1Z44", "1111-1Z55"], // 大学ID「1111」の外国人用組織ID一式
]
全ての種類の組織 ID を一度に取得する場合は getAllIds()
を使います:
Portraits.getAllIds();
出力は、全ての組織 ID のオブジェクトです:
{
"univIds": [
{ "UNIV_ID": "0000", "UNIV_NAME": "○○大学" },
// ...
],
"intlIdSuffixes": [
{
"INTL_ID_SUFFIX": "-1Z11",
"INTL_CATEGORY": "大学学部、短期大学本科(外国人学生調査票用)",
},
// ...
],
"organizationIds": {
"2021": {
"○○大学": [
{
"OID": "0100-01-01-1K08-00-1", // 学部・研究科等組織ID
"DEP": "○○学部", // 学部・研究科名
"LOC": "○○", // 所在地
"CTG": "", // 分類
"DN": "昼間", // 昼間 or 夜間
},
{
"OID": "0100-01-01-1Y68-01-1",
"DEP": "○○研究科",
"LOC": "○○",
"CTG": "修士課程",
"DN": "昼間",
},
// ...
],
// ...
},
// ...
},
}
公式ドキュメントでは明記されていませんが、API に対してリクエストを送ったときに、そのリクエストに該当するデータが存在しない場合、戻り値は次のようになります。
{
"GET_STATUS_LIST": {
"RESULT": {
"STATUS": "1", // 該当データがあった場合は"0"
"ERROR_MSG": "正常に終了しましたが、該当データはありませんでした。", // 該当データがあった場合は"正常に終了しました。"
"DATE": "2022/09/04 14:40:20",
},
"PARAMETER": {
"YEAR": "2019年度",
"QUE_NAME": "学生教職員等状況票",
"ORG_ID": "0000",
},
"DATALIST_INF": {
"NUMBER": "0",
"DATA_INF": [{ "UPDATE_DATE": "", "CONTENT": null }],
},
},
}
該当データがない、というのは具体的には
- 年度が API でリクエスト可能な範囲外(API では 2021 年度以降のデータのみが利用可能)
- 組織 ID(大学 ID など)が不正
といったケースが想定されます。GET_STATUS_LIST.RESULT.STATUS
の値に注目することで条件分岐を作ることもできます:
const targetYears = [2019, 2020, 2021, 2022];
const univId = '0000';
targetYears.forEach((year) => {
const response = Portraits.getStudentFacultyStatus(ACCESS_KEY, year, univId);
if (response.GET_STATUS_LIST.RESULT.STATUS === '0') {
// 該当データが存在する場合の処理
} else {
// 該当データが存在しない場合の処理
}
});
この GAS ライブラリは、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(NIAD)が運用する大学ポートレートの Web-API 機能を使用していますが、本ライブラリの開発は、NIAD と関係のないTaro Tsukagoshiによって管理・更新されています。大学ポートレートの Web-API 機能利用規約および本ライブラリのライセンスに同意した上で利用してください。