◆伝説のゲーム機と遭遇◆名古屋から京都府宇治市まで車で約2時間半。
土地勘がまったくない私は「京都=オーバーツーリズムのまち」という先入観があったので渋滞を覚悟していたのですが意外とそうでもなかったです。どうやら京都の市街地とは離れているようですね。
すると偶然、道中で任天堂宇治工場サービスセンターを目撃しました。
ご存知、ニンテンドーミュージアムはもともと宇治小倉工場として利用されていた建物がリニューアルされた施設なので、
宇治工場サービスセンターとセットで見ておくべきなんですよね。ただし、こちらのほうは一般公開されているわけじゃないので迷惑にならないよう遠くから写真をとるだけにしておきました。
え、どういうこと!?と思ったひとはミュージアムの公式サイトに載っている以下の経緯を読んでみてください。興味ないひとは飛ばしてもOK。笑。
1969年 京都府宇治市小倉町に宇治工場(後の宇治小倉工場)建設。
主に玩具生産の主力工場として稼働。
1983年 「ファミリーコンピュータ」発売。京都府宇治市槙島町に宇治工場建設。
宇治小倉工場は分工場、倉庫としての役割を担う。
1988年 宇治小倉工場増築。商品の検査と入出荷業務を担う。
1993年 宇治大久保工場が竣工し、宇治小倉工場の役割は宇治大久保工場へ移管される。
1996年 本社工場が宇治小倉工場に移転統合。トランプ・かるた等を生産。
2003年 サービスセンターを併設。
各支店営業所の修理部門が宇治小倉工場に集約され、お客様サポート業務を担う。
2004年 工場の生産部門全体が宇治工場(槙島町)に移転統合。
2016年 サービスセンターが宇治工場に移転。以後、宇治小倉工場は倉庫として利用。
2024年 「ニンテンドーミュージアム」オープン。
※出典:https://museum.nintendo.com/"
一応言っておくとニンテンドーミュージアムへのアクセスは公共交通機関のみが推奨されており
「タクシー・自家用車・バイク・自転車でのご来館は固くお断りいたします」とのこと。これはミュージアム自体に駐車場やロータリーがないための処置なので(身障者用はのぞく)、近隣のパーキングを利用するのは問題ないと思います。
ただし、それとは別問題として京都の道は大変風情があって(せまい)、かつ、地元のひとや観光客など歩行者さんがたくさん行き来してますので、少しでも運転に不安のあるかたはどうぞ公共交通機関でお越しくださいませ。笑。
とりあえずミュージアムの場所を確認したあと、入館予定時間まで少し時間があったのですぐ近くのブックオフへ寄りました。
そしたらあの伝説のゲーム機が売っているではないですか!
・
現代の小学2年生に「バーチャルボーイ」やらせてみたら反応が自由過ぎた件 | ファミコンのネタ!!しばしば任天堂の失敗ハードとしていじられがちなバーチャルボーイですが、個人的には大好きなハードなのでこれは幸先が良いスタートです。まるで何が飛び出すかわからない旅になることを暗示しているかのようですね。
◆いざミュージアムへ!◆さっそく近くの前払い制500円のパーキングに停めて、ミュージアムまで歩いて向かいました。本当にすぐ近くなのですでに看板が見えております。
門の前まで到着するとさすがに人だかりができてました。聞いた話によると一番乗りのひとはまだ辺りが暗い早朝の時間帯から並んでいたそうです。乗るしかない。このBIG WAVEに!。笑。
ちなみに、オープニングセレモニーみたいなものはありませんでした。
客層についてですが海外の方が非常に多いです。
平日ということもあるのでしょう。割合としては5:5ぐらいですね。そこかしこにお大きなスーツケースをもった海外の方々がおられました。さすがワールドワイドな企業。世界中から任天堂ファンがあつまってきています。
門前の係のひとに「チケットがある」と言ったら待機場みたいところへ通されます。
そして、時間になったらゲートまで案内してくれました。
館内へはスーツケースなど大きな荷物、また、飲食物などが持ち込めませんのでゲート前のコインロッカーへ預けることになります。
ちなみに一部のロッカーがゲームボーイのカートリッジの形になってました。
まずは電子チケットを物理的な入館証へ変換します。
入館証は入館時や退館時、またさまざまな体験アトラクション利用時に使用するので出し入れしやすい状態で持ち歩くことになります。
まるで空港のような厳重なゲートをパスするといよいよ館内へ。
まずは中庭へ出ます。
そこにあったのはマリオシリーズでおなじみ緑色の土管に入って写真がとれるスポット。
係員のひとがいるのでまったく知らない第三者さんへ「すみません、写真とってもらっていいですか」とビクビクしんがら聞く必要はありません。
ゴールポールもありました。
うーん。この高さだと2000点くらいか、、、
中庭を通り抜けるとミュージアムのある第1・2展示棟と、HATENAバーガーのある第3展示棟の入口があるのですが、その間にあった傘立ての留め具がゲームボーイになっていました。
芸が細かい!
ミュージアムに入ると色とりどりのキノピオたちがお出迎えしてくれます。
あたまを叩くと音声が流れるギミック付き。笑。
この巨大壁画の前に本館2F展示スペースへ入るゲートがあり再び行列で待機となります。ゲートを通るには入館証がひつようです。
なお、再入場は自由なので行列とはべつのゲートからいつでも2F展示スペースへ入りなおすことができます。ただし、ミュージアムの敷地外へ出たら二度と戻れませんのでご注意ください。
さて、いよいよ2F展示スペースへ。胸が高鳴ります。
◆2F展示スペースについて◆しかし私の目の間に現れたのは無情にも「撮影禁止」の看板でした。
残念ながらここから先は写真をとることができないようです、、、
おそらく著作権などの問題で撮影されるのはNGなのでしょう。
したがって、ここからはイメージ画像でお送ります。
ひとまずエスカレーターに乗り2Fへ向かいます。すると夢の展示スペースが現れました。これ↓がざっくりした配置図となります。(あくまでイメージです)
ショーケースはハードごとにわかれており、中心に据置型、周囲がハンドヘルド型、そして壁際がファミコン以前の古い玩具や実用品。いわゆるオールド任天堂が展示され、また「つくる」や「体を動かす」などテーマ別・ポケモンやゼルダなど人気シリーズ別の展示となっております。
ショーケースは表側が任天堂が発売したタイトルを発売順に展示。タイトルごとに国内版と米大陸版、ユーロ版などバージョン違いが並べられており、未発売の地域には「未発売」という札が立っています。ただし地域限定のもの(ファミコンでいえば『麻雀』とか)はあとでまとめて展示されるスタイルなので
「抜けがあるぞ!」と早とちりしないようにしましょう。
棚の端っこには周辺機器やコントローラ類。正面に背の低い棚にハードのバリエーションがディスプレイされています。
↑これが各ハード共通のディスプレイ棚のイメージ図です。
ちなみに一番上には当時のテレビCMが流れているのですが、そこにはaudfly mini(たぶん)という超指向性スピーカーが埋め込まれているため正面のひとにしか音が聴こえないようになっています。これはこれで面白い体験なので味わってみてください。
ディスプレイ棚の裏側はそのハードの特徴を捉えた展示となっており、こんなサービスやってましたとか、こんな挑戦してましたみたいな感じになっています。ファミコンでいえば、通信カートリッジとか、ディスクシステムとか、他のメーカーのタイトルなんかも展示されていました。
ただし、あえて残念な点を上げるとしたら、
棚の奥が鏡になっていないのでパッケージの裏側を見ることができないことですね。バーコード違いや住所違いを確認したりとか、パッケージの裏側にはけっこう重要な情報が記載されているので見られたら良かったです。(まあ、これはあくまでもマニアの要望なので聞き流してください)
◆注目の展示品◆さて、この2F展示スペースの中で注目なのが角にある開発機・アーケードコーナーなんですね。なんと、あのスーファミ試作機があったんですよ!
(
出典:Yahoo!オークション )
いっしょに行った妻にドン引きされながら無理やり這いつくばって裏側を見てみたところ開発用見本シールが貼ってあり、番号は「15」でした。オークションに出てたやつが「8」だったのでこの試作機は少なくとも15台は存在した可能性がありますね。
スーパーファミコン試作機の歴史 | ファミコンのネタ!!そしてその横にはウルトラ64と名乗っていた初期64のプロトタイプやWiiリモコンのプロトタイプ、バーチャルボーイの試作機などが展示されていました。開発者側からするとこういう途中経過のものは
「見せるべきものではない」という考え方がつよいので、このコーナーは異色中の異色。おそらく担当者様がそうとうご苦労なさったことでしょう。本当に「よく展示してくれました!」という感謝しかありません。笑
そしてその橫にはVS筐体、テーブル筐体、そしてなんと世界に1台しか現存してないという「ディスクライター」と「ディスクファクス」が仲良く並んでいるじゃないですか!
※イメージ図
電源こそ入ってませんでしたが(ディスクライターの映像に関しては別のコーナーで流れてます)感無量ですね。まさかこんなところで再会できるとは。500円玉を握りしめて玩具屋へはしった小学生時代の記憶がよみがえるひともおられることでしょう。しかもディスクライターのほうはちょくちょく色んな媒体で露出してましたがディスクファクスのほうは超レアです。しっかり目に焼き付けたいですね。
また、奥にはアーケード筐体が立ち並んでいるのですがその中で特筆すべきは知る人ぞ知る幻のゲームと呼ばれた『Sky Skipper』ですね。この筐体は奇跡的にNOAに1台だけ現存していたものらしいですよ。
さらに、奥の方には丸福の看板やファミコン以前の古い玩具のダンボールなどが収められた閉架書庫がチラリと見えるのですが、そこに任天堂エンターテイメントショップの看板などもあってマニアにはたまらない空間となっています。製品はもってるからダンボールを見せてほしい!と心のなかで叫びまくっておりました。
(出典:wikipedia)あと個人的には64展示コーナーに「iQue Player」があったのがグッときましたね。これは2003年に中国で発売された任天堂の正規品で、日本ではめったにお目にかかれない超マイナーハードとなっております。
3DSコーナーにはあの『ルーブル美術館公式 音声・映像ガイド』もありましたよ。
こちらのソフトはフランスにあるルーブル美術館内のショップでしか販売されなかった3DS屈指の激レアソフトです。ミュージアムには本体とソフト全種類が展示されていました。詳しくは
こちらの記事を御覧ください。
ちなみにCD-i『
HOTEL MARIO』など任天堂製品ではないマリオシリーズの展示は確認できませんでした。
◆ファミコンの展示について◆ファミコンのディスプレイ棚で展示されているタイトルは任天堂製品のほかに売上上位のタイトルが展示されていました。また、一見、「なんでこれ展示されてるんだ?」と疑問になるようなものも一部ありましたが、これについては、まあ、いろいろ事情があるのでしょう。そんなことよりも衝撃的だったのはスパルタンXのところに『KUNG FU』が展示されていたことですね。
非売品コレクターのじろのすけさんも興奮されています。このソフトは長い間、出処不明で「たぶんスパルタンXの版権が切れたあとに出荷されたバージョン」というのが定説でしたが、今まで任天堂の公式アナウンスでその存在が認められたことがなかったため「謎のソフト」となっておりました。
今回、ニンテンドーミュージアムに『スパルタンX』と並んで展示されているということは
任天堂が公式ソフトだと認めたことになります。実はこれ、通常版とは型番も違うので別タイトルとして数えなければならない可能性が出てきました。もしかしたらファミコン総数が1本増えるかもしれないということです。ただし発売時期についてはあいかわらず不明とのこと。
そしてこれはファミコン棚ではなかったのですが、ファミコンフィットネスが展示されていたのも衝撃的でした。
※1990年のファミマガより これはブリヂストンが開発したファミコンと自転車をつなぐ健康管理マシーンであり、こちらの
サイトで当時のカタログを見ることができます。
任天堂の製品ではないのですが、よく見るとここだけ壁がくり抜かれていたんですよね。ミュージアムの展示物のなかでわざわざ壁をくり抜いてまでディスプレイされていたのは唯一これだけだったので、それだけ気合が入った展示品だということです。これから行く皆さんには是非、この
くり抜かれた壁を見てほしいですね。(そっちかい)
ちなみに、ファミコンディスプレイ棚の裏にはロックマンシリーズとそれぞれのNES版が展示されていたのですが、残念ながら元祖NES版「MEGA MAN」の展示だけはありませんでした。この処遇には明らかに何らかの意思を感じます!笑
あと、これは個人的に度肝抜かれたのですがファミコンの棚に『中山美穂のトキメキハイスクール』の非売品ビデオが飾られてたんですよね。
実はマリオはかつて同ソフトのチラシに掲載されていた4コマ漫画においてミポリングッズが当たって喜ぶ姿を見せたことがあるんですよ。したがって、私は今ビデオ、マリオの私物なんじゃないかと睨んでいるわけです。笑。
◆他の見どころ◆ミュージアムに併設されている第3展示棟にはHATENAバーガーというカフェが入っています。そこには工場時代に使用されていた青いコンテナボックスが積まれていました。店員さんによるとこれは工場だった当時に実際に使われていたものなんだとか。
嬉しいじゃないですか。
マニアとしてはむしろこの青いコンテナボックスをお土産で売って欲しいところです。それが無理なら、せめてミニチュア化してキーホルダーにしてほしい。笑。
この木製パレットもいい味出してますねえ。
どうやら90年代から2000年代にかけて製造されたもののようです。(ついつい文字を確認してしまう)
そして見逃せないのは壁に無造作に貼られていたこの「サービスセンター」の標識なんですよね。これは冒頭で歴史を紹介したとおり、宇治小倉工場にサービスセンターがあったころの名残なんですよ。はたしてこの標識を見た何人がそれに気づいてるかって話。笑。
あと、これも地味ですがお土産コーナーの前に休憩コーナーがあって、そこにはたくさんの攻略本が飾られていました。ほとんどの展示されている書籍は、天部分に「任天堂蔵書」という蔵書印が押され、図書館みたいなラベルで管理されているらしいところがポイント高いです。
その中で注目は
任天堂に関する屈指の一級資料である「ファミコンゲームの主役たち」なんですね。
こちらの本には当時の任天堂の社内や工場の様子などの写真がふんだんに掲載されています。現に、ミュージアムに展示されていた写真のなかでこちらの本で使用されていた写真とまったく同じものがいくつかありました。
ちなみに、滅多に市場に出回ることのない激レア本なのですが、
とある方法をつかうことで気軽にゲットすることができます。
それから展示スペースを出た場所にある各種ハードのマグカップの箱が詰め込まれたディスプレイ棚に注目。よく見るとSWITCHの横が空いてますねえ。これはきたるSWITCH後継機のためのスペースなんじゃないかと任天堂マニアの間で囁かれています。
万が一そうだとして「SWITCH後継機で任天堂ハードは終わりなのか」と思っちゃうひともいるかもしれませんが安心してください。もう一個、ディスプレイ棚を用意すればいいだけです。そして16台埋まったらまた新しいディスプレイ棚だ出すだけです。(以下無限ループ)
◆魅力的なお土産◆お土産コーナーで驚いたのは敬愛する横井軍平さんが考案した伝説のおもちゃ。ウルトラハンドが売られていたことなんですよね。
まあまあなお値段しますけど、けっこう買っていくひとがいました。オールド任天堂ファンとしては、この調子でウルトラマシンとかラブテスターとか復刻してもらいたいですね。
そして注目はこの歴代ハードをモチーフとしたリングノートです。
よく見るとノートのサイズがそれぞれのハードの元箱と同じ比率なんですよね。こんなことされたら全部買わざるを得ないじゃないですか。。。
なお、私が行った時点ですでにゲームハードキーホルダーコレクション1983-1999(全6種)は売り切れだったんですよ。どうやら一人で何点も買っていったひとがいたようです。残念なことにメルカリなどでさっそく転売されていますね。おかげでオープン2日目から
購入制限がかかるようになってしまいました。
※レジの前の大行列の様子(17時頃)
また、時間が遅くなるのに比例してレジの行列がものすごいことになっていくので、お土産は展示物を見る前に購入したほうが無難かもしれません。
あと写真をバンバンとる予定のひとは注意が必要。併設カフェの「HATENAバーガー」はスマホ注文システムを採用しているので充電がないとカフェすら利用できなくなってしまいます。したがって
モバイルバッテリーを持っていったほうがいいですね。
私は12時半に入って閉館時刻の18時までいたのですが展示コーナーの気になるところなんかをスマホにメモっていたので途中でバッテリーが切れかけてしまいました。
なので、購入していたリングノートとペンを容赦なくおろしましたよ。こちとら別に転売屋じゃなし、コレクションとして買ったわけでもないのでね。もしかしたら
このノートとペンを普通につかった最速の一般人かもしれません。笑。
ちなみに17時以降になると2F展示スペースはガラガラになり係員さんのほうが数が多いくらいでした。それはそれでけっこう面白かったです。
というわけで駆け足となりましたが、他の記事ではさんざん紹介されているようなものは、あえて省いたつもりでいろいろとマニアならではの見所を紹介させていただきました。
現場からは以上です。
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