錫とは以下の意味である。
漢字として
金属の一種の錫、杖の一種の錫杖、賜物、錫蘭(セイロン、スリランカ)の略称などの意味を持つ。
元素として
概要
- 加工のしやすさから古来から人類に用いられた金属であったが、地域によって産出量の偏りが大きかったことが歴史の流れにも影響を与えたと言われている
- Snはラテン語で錫を意味するstannumに由来する。
- 232℃という比較的低温で融解する。
- 銀白色のβスズが極寒の環境で灰色のαスズに変化することによって錫製品が劣化するという現象が存在し、スズペストなどと呼ばれる。
- 低温で融解する性質を利用して金属同士を継ぎ合わせるために用いられる錫と鉛などとの合金である"はんだ"や、銅に少量の錫を混ぜた合金である青銅、錫にアンチモンなどを混ぜたピューターなど様々な合金の原料となる。
- 現在はアルミニウムが用いられるような場所にもかつては錫が使われていた。
- 鉄板に錫の鍍金をしたブリキも広く用いられている。
- 熱に弱く柔らかいという錫の性質は加工に向いている一方で貨幣材料としては不向きなものであるが、戦時中の日本では大半の金属資源が不足する一方で占領地の東南アジアにおいては錫が大量に産出したことから、1944年(昭和19年)以降は錫を主な材料とした一銭・五銭・十銭の硬貨が発行された。なお、最終的には東南アジアからの輸送も困難になったため、陶器でできた貨幣(陶貨)の製造も計画されたがこれは未発行に終わった。
- 一円電車で知られる明神電車は錫などを産出していた明延鉱山の鉱山鉄道であった。
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関連項目
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