「お楽しみは、これからだ!!」
榊遊矢(さかき ゆうや)とは遊☆戯☆王アーク・ファイブの主人公である。CVは小野賢章。
概要
本作の主人公。人を楽しませることが大好きな14歳の中学2年生。
ライディングデュエルとは似て非なる「アクションデュエル」が発達した世界で、「舞網市」に住んでいる。
優しく良識的な人間だが、それ故に癖の強い面々に振り回され、苦労人になっていることも多い。
決め台詞は「お楽しみはこれからだ!」。彼の父親は「エンターテインメントデュエル」で人々を湧かせたプロデュエリスト・榊遊勝。現在のアクションデュエルを形作った偉大なデュエリストであったが、とあるデュエルに出場せず棄権負けとなったために、父が「デュエルから逃げ出した」と人々から名指しされた[1]事により笑うことでつらい現実から逃げていた。しかし、デュエルをきっかけに困難に立ち向かう決意をする。
その後はかつて父のような、人々を笑顔にする「エンターテインメント・デュエリスト」になる事を夢見て幼馴染の柊柚子らと共に「舞網市」のデュエル塾「遊勝塾」に通いデュエルの腕を磨いていた。
しかし、大会「舞網チャンピオンシップ」の期間中、彼と同じ顔つきのデュエリストと出会ったことで彼の運命は大きく動き出す。
遊勝塾に弟子入りしてきた紫雲院素良が他の次元に侵略を行っている融合次元・アカデミアの人間だったり、同じ顔つきのデュエリスト「ユート」が自身と一体化した結果、自身に後述の異変が起きるようになったり、挙句アカデミアの勢力がスタンダード次元に侵攻、その中で柚子が行方不明になってしまう。
それらを背負い込みすぎて切羽詰った状態になってしまったが、母親・榊洋子の激励により自分を取り戻した遊矢はランサーズに参加し、柚子を救出し、素良らも本当の意味で笑顔にするべくシンクロ次元に旅立つ。
シンクロ次元で笑顔が通用しない格差社会の洗礼を浴び、フレンドシップカップでさらに追い込まれ、迷いの果てに、「自分のデュエルで向き合い、デュエルで語り合う」という結論を見出したが、肝心要の柚子を助け出すことが出来ず、それどころかランサーズの仲間のセレナまでアカデミアの手で連れ去られ、挙句ジャン・ミシェル・ロジェの引き起こした暴走に巻き込まれ一部の仲間と共にエクシーズ次元へと飛ばされてしまう。
そこで遊矢を待ち受けていたのは、対話を拒絶しアカデミアを始めとした他次元の人間を続々とカードにする黒咲やユートのライバルだった男、榊遊勝の名に過敏に反応するアカデミアの侵攻軍総司令官。そして、ここでも榊遊勝の痕跡があり、ここでも彼が罵倒されている事実……。
エクシーズ次元では「人々とデュエルで解り合う」「遊勝の手掛かりを追う」の2つの指針で行動しているようだ。
そして融合次元にたどり着いた際、ついに父親とニアミスするまでに近づいたが……。
グリーンとオレンジの2色で構成された独特の髪色に加え、武藤遊戯、遊城十代、不動遊星、九十九遊馬など歴代主人公と同じく重力を無視した奇抜な髪形デザインになっている。しかし今作は海産物ではなくトマト。
これに額のゴーグルやシャツ、ズボン(ハーフパンツ)に至るまで2色で纏められているので、よく印象に残る。
主な使用カード
使用カードは主に「EM(エンタメイト)」と「魔術師」、そして「オッドアイズ」の三本柱。時読み&星読みを使ったペンデュラム召喚からの大量展開からの、EMたちのサポートによる強化を受けたオッドアイズ派生モンスターによる高威力の攻撃がバトルの基本戦術。Dホイール代わりのモンスターに跨りアクションカードの回収もお手の物。放送前のPVでもピンク色のカバ(EMディスカバー・ヒッポ)に乗って走り回っている様子が放映された。
第2話での1シーンで勝率5割と語られたが、アクションデュエル現役チャンピオン・ストロング石島に対して一歩も引かないデュエルを展開し、遂にはペンデュラム召喚で逆転勝利を飾った。その後も重要なデュエルでは頻繁に勝利を収めるなど、遊戯王歴代主人公の勝負強さを見せ始めている。
《スマイル・ワールド》を母から託されてから、シンクロ次元終盤以降その使用頻度が高くなっており、デッキもそれを前提としたものに変化している。詳細は単語記事参照。
プレイングではなく作劇上の問題だが、自分の勝利が見えた瞬間カード演出を用いたエンターテインメントに踏み切ることが多い。これに関しては当初から「勝ち確」「煽り」などという意見も目立つが、逆に「遊矢vs沢渡(2戦目)」など、自身が危うい状況で放つエンターテインメント描写に関しては評価を受けている。
作中、様々な人物との出会いで異世界の召喚法を会得することで段階を経て強くなっていっている。
- 融合召喚はスタンダード次元のフォーチュンカップ出場を目指す時点で開眼。魔法カード《融合》はとある事情により柚子のカードが紛れ込んでいただけだが、「榊遊矢vs方中ミエル」戦で発覚したその事故が、融合召喚に遊矢を目覚めさせるという事態に好転した。現在は融合魔法を元の持ち主である柚子に返還し、自身は融合内蔵モンスターで融合を行っている。
柚子の融合召喚は紫雲院素良から習ったものであり、柚子と素良の二人との縁が融合召喚を生み出したといえる。 - シンクロ召喚はシンクロ次元のフレンドシップカップにおいて開眼。身分の低い少年サムと出会い、チューナーモンスター《調律の魔術師》をサムの想いとともに託される。遊矢はこの《調律の魔術師》をデッキに投入し、それが二回戦「榊遊矢vsシンジ・ウェーバー」において事態をさらに悪化させてしまうことになるが、遊矢はそのカードの声からシンクロ召喚に開眼し、作中初めてのシンクロ召喚を敢行。新たな切り札《覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン)》に目覚めたことで《調律の魔術師》がもたらした状況を逆に利用する手を遊矢に与え、逆転勝利を決めた。
他の勝ち筋があったといえど、これは《調律の魔術師》を使えないカードとののしったシンジ・ウェーバーやコモンズの人間に対しての遊矢の答えであり、この一件で遂にジャック・アトラスも彼を認め始めた模様。
これにより遊矢は、赤馬零児と並び「融合」「シンクロ」「エクシーズ」「ペンデュラム」という当時ではアニメ史上最多の召喚法を行使するデュエリストと相成った。 - エクシーズ召喚はユートに託された《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》をそのまま使用。それ以外には、ペンデュラムの特性を持つ《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》が暴走時に出現した程度だった。
しかしエクシーズ次元にてユートの意思に支配された際《RUM-幻影騎士団ラウンチ》を起動して《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》のランクアップ体《ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン》を披露した[2]。
ニコニコ動画において
キャラデザインが発表当初、これまでの海産物歴代主人公とは異なり緑と赤の奇抜な髪形をしており、まるでトマトのようと評されるが、これまでのシリーズで訓練された視聴者には髪形が地味に見えるという。
PVではカバに乗ってデュエルする事を仄めかすシーンにより「どうしてカバと合体しないんだ。」と少々ネタにされた。
ニコニコ動画でも、本編同様癖の強い仲間たちに振り回される常識人ポジションが多い。
一方で後述の人が変わったかのような状態がネタにされる他、舞網チャンピオンシップ2回戦での「榊遊矢vs勝鬨勇雄」での迷言「何?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」の一件から、勝鬨の会話相手として起用されることも多い。
多重人格と覚醒遊矢
現在の遊矢は、方中ミエル曰く「『二つの心』と『それらを覆い尽くすような恐ろしい存在』を擁している」状態らしく、遊矢は前者のもう1つの心をユートだと考えている。ユートはいわば「エクシーズ次元の遊矢」とも言うべき存在であり、自身のエース「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」を遊矢に託して消滅しており、それが何らかの力で遊矢に宿ったものと見られている。現在は、遊矢の言動にユートが重なる場面も散見されるが、武藤遊戯とアテムのように明確に人格が入れ替わったり異なる人格同士で意思疎通をとったりはできない模様。また、ユート以外にも遊矢そっくりの異次元の住人(下記関連項目の「よく似た誰か」)がおり、彼らもそのうち遊矢と一体化するのでは、と見られている。
後者の「恐ろしい存在」は、いわば遊矢の闇堕ちを引き起こす存在。この状態の遊矢は、上記イラストのように目が赤く光り、髪も逆立つ。対戦相手が怯えれば冷たい笑みをこぼす等冷徹かつ攻撃的になっており、エンターテイナーとして、観客はもちろん対戦相手も楽しませようという普段の遊矢からは想像がつかない一面となっている。
この状態の遊矢は、「闇遊矢」だとか、初登場回のサブタイトルから「逆鱗遊矢」、彼の愛称である「トマト」を遊戯王風にかけて「キラー・トマト」だとか作画監督の1人である蛯名秀和氏からは「眉間ゴリゴリ遊矢」と呼ばれている。
しかし公式の煽り文ではよりにもよって「覚醒遊矢」という名称が使用されている。
何がきっかけでこの状態になるのか詳しくは不明だが、いずれも遊矢が怒りのような負の感情を抱く事が引き金となることが多い。初登場時は、対戦相手の勝鬨勇雄が追いつめられた遊矢に対し「闇に堕ちるがいい」と語っており、これが引き金になったものと思われる。ジュニアユース3回戦でこの状態に陥る直前に、ユートの故郷・ハートランドの惨劇がフラッシュバックしたことから、遊矢は当初ユートの意識によるものだと考えたが、争いを好まないユートの性格とかけ離れていたことからその考えには半信半疑だった。
現在も遊矢が強烈な怒りを覚える事で度々発現しかけているが、舞網チャンピオンシップ3回戦でのオベリスクフォースとのデュエル以降は、ある程度抑え込めるようになっている。
シンクロ次元のフレンドシップカップ1回戦最終カードの頃には、湧き上がる感情をユートの怒りとはっきりと認識できるまでに至っている。
一方で「ユーゴvs沢渡シンゴ」ならびに「ユーゴvsセレナ」戦においては、遊矢とユーゴがシンクロしたとでも言えるような状況があった。
そして、「榊遊矢vsクロウ・ホーガン(2戦目)」の最中のジャン・ミシェル・ロジェの横槍で、細工を施されたヘルメットから受けた外圧により無理矢理暴走させられた遊矢は、再び「恐ろしい存在」を前面に引きずり出されてしまう。これによりユーゴ、そしてシンクロ次元に突入していたユーリ、果ては遊矢の中に在ったユートまでもが暴走に巻き込まれ、遂に4人の意識が遊矢の中の「何か」に引き込まれてしまう。
この状態のユーゴ達は意識を完全に「何か」に奪われているのか、外に居たユーゴやユーリは対峙する相手がいないにも関わらず遊矢のプレイングに合わせて同じ動作をしてしまう。唐突なエアプレイ・エアドローは不謹慎ながらどこかシュール。また、ユーリの普段の一人称は「僕」だが、この状態では「俺」に変化している。
暴走直前に遊矢の瞳に移ったのはどこかの街並みが破滅する光景。一体その光景は何だったのか、そして果たして遊矢の真相は・・・?
ネタバレ注意→[その正体は、4つの次元に分裂する前の1つの次元を滅ぼす元凶となった「覇王龍ズァーク」、もっと言えばその母体となった「ズァーク」の分体。世界を救うためにズァークの前に立ちはだかった「レイ」の手により、ズァークと合体した4体のドラゴンとともにズァークが分裂し、次元それぞれに新たな生を受けた中の一人が榊遊矢であり、同じ分体として4つの次元に自分と同じ境遇で生を受けた=ズァークと同じ顔を持つデュエリストが他に3人存在したのが真実である。
そのため、同じズァークの分体であったユートは、もともと同じ存在であった遊矢と融合してしまった他、同じく「レイ」の分体の一人であった柊柚子が分裂するきっかけになった力によりズァークの分体同士は引き離されていたというのが真相である。
遊矢の中に潜む闇はズァークのものであり、《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》などのカードが生まれたのもおそらくズァークの力によるもの。]
シンクロ次元で4人が一堂に会し、暴走しかけた影響か、ユートとの結びつきが強くなり、エクシーズ次元に飛ばされた時点ではユートの意思を感じ取り対話ができるようになっていた。
アカデミアに対するユートの怒りに人格を支配されるケースも多くなっている他、ユートの記憶がフラッシュバックし、ユートの言葉を自らの意思から離れて喋るケースもある。
闇堕ちというより初代における「人格交代」という面が強く、そこに関してはどことなくリスペクトしている。
漫画版
MAIAMI市に現れた神出鬼没のエンタメデュエリストかつ指名手配犯「ファントム」の一人として登場。
ユートと共に目的を持ってレオ・コーポレーションのリアル・ソリッド・ビジョン・システムにハッキングを仕掛けており、同システムを自在に使いこなす事が出来る。
アニメ版に比べ、登場当初からノリが良く大胆な性格になっており、その事について度々ユートから説教を受けている。なお、曲芸のような演出よりも奇術師のような手品による演出を好む様はアニメのデニス・マックフィールドに近い。
ちなみにアニメ版とは異なり、非デュエル時とエンタメデュエル時における口調の変化する事は無い。特に、一人称は「オレ」で固定されており、どんな状況でも常にエンタメ口調を崩さず、エンタメ描写は一定の評価を受けている。
ユートとは魂の統合が済んでいるのか、どちらかが精神状態でアドバイスを送ったり、精神体で出現する等の現象を可能としており、更にユートと体を入れ替える事も可能である。その姿は歴代主人公における人格交代や精神体または精霊体の相棒がいる状態をリスペクトしていると言っても良いくらい。
なお、柊親子からユートの事を二重人格と判断された際に「俺の場合、四重人格かな?」と返している。そして予想通り、ユーゴとユーリも遊矢の中に存在することが明らかになり、その姿にも変化している。また、遊矢以外の3人が遊矢の中で会話している場面もある。
実は幼少期からユーゴと共に過ごしていた記憶が存在する。ユーゴはそれを涙ながらに消していたが、彼の真相は果たして……。
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関連項目
一般項目 |
使用するカード |
|
借り物 |
脚注
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