定義とは、あるモノについての意味を決めたものである。
概要
まさに上に書いた文章が定義である。
「AとはBである」という形でBという物体や概念をAという一言で説明できるようにしている。
簡単な定義の例
自動車:原動機(エンジンやモーター)によって車輪を回転させ、レールを使わず、電線等の外部から動力を取らなくても独立して陸上を自由に走る乗り物である。
もちろん、上の説明が絶対的に正解というわけではない。
説明の仕方やセンス、好み・主観によって個々の単語は微妙に異なったり、水陸両用車、線路を走る軌陸車・架線作業車、トロリーバスなどの例外もあるため一概には言えない部分もある。
もちろん「自動車は乗り物の一種です」といえばそうだし、簡易的な説明であればそれで十分。
…ただし、それはあくまで分類であって定義ではない。
- 特に会話・会議や動画などで、難しい事象などを説明する際に必要になる
- 素人や子供に説明する場合などはさらに噛み砕いた分かりやすい説明を行うセンスも必要になる
- 説明が不十分であれば誤解されたり、置いてけぼりで話を進める事になる
もしも定義がない、不完全だった場合
- 定義が無ければリンゴを指差して「これは自動車です」と言えてしまう
- 「自動車とはバナナの形で空を飛び、食べられる液体である」といった意味不明な説明もOKになる
- 定義が不足していれば、タイヤだけが置いてある状態を指差して「これは自動車です」と言えてしまう
逆にあえて定義の不完全性を利用した、言葉遊びやクイズ問題といった用法もある。
定義の分類
哲学的な分類
哲学的には「内包的定義」と「外延的定義」の2つに分けることができる。
内包とはその概念の共通項のことを指し、外延とはその概念に含まれる全ての事を指す。
-5 -3 -1 1 3 5
内包的に言うと「絶対値5以下の奇数からなる集合」になる。
外延的に言うと「-5,-3,-1,1,3,5からなる集合」になる。
観光バスに「ニコニコ中学校3年1組様」と書いてあるのは内包的定義で、出欠確認のためのクラス名簿が外延的定義になる。
外延的定義の中でも直示的定義というのは言葉で説明せずに具体例を指し示すことで、上記のクラス一同が揃っているところで「あれがニコニコ中学校3年1組です」というのが直示的定義になる。言葉がほぼ必要ないため、言葉の理解が難しい相手や言葉で伝えにくいことを伝えるときの有効な手段となる。
上記の内包的定義は「クラス名」と「その構成員」という定義語と被定義語からなる明示的定義であるが、操作によって定義する操作的定義も存在する。例えば「速さ」は「単位時間当たりに進む距離」のことである。これは単位時間当たりに進む距離を計算した結果の定義となる。
哲学的分類から派生した分類
「AとはBである」という定義があった場合に定義は以下のように分類できる。
Bが物体であれば実質定義という。例:橋とは川を歩いて渡れるようにした建造物である
物体でなければ名目定義という。例:建設とは建造物を作ることである。
BよりもAの記述が短い場合は短縮定義という。上に書いた例文は全て当てはまる。
意味を述語づける場合は意味論的定義という。例:電気自動車とは電気を動力とした車である
Bを分析し、その本質的属性を説明する場合は分析的定義という。例:水とは酸素と水素の化合物である
Bの発生の仕方や成立条件を説明する場合は発生的定義という。例:江戸時代とは江戸幕府が統治した時代である
関連動画
関連項目
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