「これからは団地の存在が見直されると思う」――そんな話を、今から7~8年ほど前に聞きました。東京の郊外には、1000世帯以上が暮らす“マンモス団地”がいくつもあります。 昨今は、団地の部屋をリノベーションして新たな団地住まいを楽しむ人たちが増えているそうです。果たして、団地の「今」はどうなっているのでしょうか。消費トレンドを追いかけ、小売り・サービス業のコンサルティングを30年以上にわたり続けているムガマエ代表の経営コンサルタント、岩崎剛幸が分析していきます。 課題山積の団地 かつては「タワマン」のような存在 そもそも団地とは、一般的に住宅の集合体を指します。住宅を計画的に1カ所に集めて建設した地区全体のことを団地と呼ぶことが多いようです。語源は、都市再生機構(UR都市機構)の前身に当たる「日本住宅公団」のさらに前身である「住宅営団」までさかのぼります。住宅営団が1940年代に進めていたプ