韓国総選挙で与党セヌリ党が惨敗したことなどを受け、来年末の大統領選に、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長を擁立する動きが加速しそうだ。こうしたなか、米国のコーカー上院外交委員長(共和党)が、国連平和維持活動(PKO)の要員らによる性的暴力を放置している潘氏を「無能だ」と痛烈に批判した。
総選挙を終え、韓国大統領候補としては、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表や、第2野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)共同代表が浮上しているが、セヌリ党は人材枯渇が著しい。
朴槿恵(パク・クネ)大統領と距離を置く「非朴派」のリーダー、金武星(キム・ムソン)代表は14日、党惨敗を受けて辞任を表明。朴氏に近い「親朴派」が期待していた呉世勲(オ・セフン)前ソウル市長も、ソウルの選挙区で敗北した。
有力候補がいないなか、朴氏とも関係良好な潘氏への待望論が熱を帯びる気配だ。潘氏は韓国国内で「世界の大統領」に上りつめた人物として国民的な人気がある。
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏も「今後、潘氏を担ぐ動きが出てくるはずだ。セヌリ党の『親朴派』と、野党『共に民主党』の保守派が連携する可能性もある。潘氏は年末までの任期中は黙っていて、国内で待望ムードが盛り上がれば帰国するだろう」と語った。
ただ、潘氏には問題が多々ありそうだ。