レガシィ
レガシィとは、英語で大いなる伝承物の意味。初代は1989年2月に発売した。ボディタイプは4ドア6ライトのセダンと、テールゲート付き2段ルーフのワゴンの2種。エンジンは新設計で1.8L自然吸気のSOHC・110ps、2Lは自然吸気のDOHC・150psとDOHCインタークーラーターボの220psで、いずれもガソリン仕様。もちろん、スバル伝統の水平対向エンジンである。駆動方式はセダンがFFと4WD、ワゴンはフルタイム4WDだけだった。4WDシステムは、5速MT車がビスカスLSD付きセンターデフ方式、AT車は電子制御アクティブ・トルクスプリット方式を採用。
89年10月、セダンとワゴンにGT追加。2L・DOHCターボを200psにデチューンして搭載した4WD車で、セダンはATだけ。11月、モータースポーツ向けのRSタイプRをベースとしたRSタイプRAを追加した。エンジンは220ps仕様だが、鍛造ピストンなどでハイレベルチューンを施し、足まわりも強化していた。
このあと数度のマイナーチェンジと車種追加があった。92年6月には2.2L自然吸気の135psエンジンをワゴン車に追加、ブライトン220の名で発売した。ツーリングワゴン初の2WDモデルも、ブライトンFFと名付けてリリースした。ブライトンとは、英国南部の保養地の名前からきており、落ち着いたリゾートの、しゃれたイメージのクルマという意味のネーミング。
93年10月、フルモデルチェンジ、2代目となった。開発の途中までは3ナンバー車として推進したが、結局、5ナンバー車として発売。ホイールベースは2630mmに延び、旧型より丸みがかった外形となった。ボディタイプは旧型と同様、4ドアのセダンとワゴン。旧型セダンのリヤクォーターウインドウにあった特徴的なキックアップは、新型では消え、スッキリした。エンジンは旧型にあった1.8Lがなくなり、2Lと2.2Lの2種、125ps、135ps、150ps、250psの4チューンをそろえた。高性能車は、リヤブレーキもベンチレーテッドディスクになった。4WD方式は複数あって、GTとRSのAT車はVTD-4WD(不等&可変トルク配分電子制御4WD)で、ほかにトルクスプリット方式、ビスカスLSD付きセンターデフ方式があった。FFタイプもあった。ワゴン・ブライトンの一部に電子制御エアサスペンションを採用した。
94年5月、最高出力115psの1.8Lエンジンが復活、セダンとワゴンに搭載した。10月には2.5Lエンジンが加わった。水平対向4気筒DOHC・2Lをベースにスケールアップしたエンジンで、自然吸気、160psを発生した。セダンとワゴンの4速AT・4WD車だけに搭載。内・外装にも独自パーツを採用し、250Tというモデル名を付けた。
95年8月、2.5Lエンジンでフルタイム4WD方式のグランドワゴンを追加した。多少のラフロードならば走れるよう、200mmの最低地上高があった。
96年6月、ワゴンをマイナーチェンジ。エンジン関係が主力で、新開発のSOHC・16バルブ・2Lのリーンバーン・125psを採用。TX-Sグレードの4WD+MT車に搭載した。新しいGT-B用DOHC・16バルブ・ツインターボは280psにアップした(AT用は260ps)。自然吸気ユニットでは、SOHC・16バルブの1.8Lが120ps、同2Lは135ps、DOHC・16バルブ・2Lが155ps、DOHC・16バルブ・2.5Lは175psとなった。静粛性も向上した。外観上の変化はフロントグリルとバンパーの開口部が大きくなったくらい。運転席SRSエアバッグが全車に標準装備となった。半月後、セダンも同様の改良を行ったが、リーンバーン・エンジンの採用はなかった。
97年8月、グランドワゴンのグリルやインテリアを改良したランカスターというモデルが誕生した。エンジンは2.5Lの自然吸気タイプ、ミッションはデュアルレンジ付き5速MT、駆動方式はフルタイム4WDという組み合わせだった。ちなみに、LANCASTERのLANは活動的な、CASTERは砦を表すケルト語。アクティブライフなスタイルに、最適なパートナーの意を込めてのネーミングだった。
98年6月、ワゴンをフルモデルチェンジした。3代目。設計段階からワゴン専用車としてスタートしたモデルだった。ホイールベースは延びたが、全長・全幅は従来型と変わらず5ナンバーに収まるサイズ。ランカスターはバンパーやサイドプロテクターの大型化で3ナンバーサイズボディに。シリーズのエンジンは5種類。2L・SOHC・16バルブ・リーンバーンの137ps、2L・DOHC・16バルブの155ps、2.5L・DOHC・16バルブの167ps。2L・D0HC・16バルブ+2ステージ・ツインターボが280ps(5速MT用)、同エンジンのAT用は260psで旧モデルと同じ。駆動方式は4WDだけで(リーンバーンも)、VTD-4WD(不等L可変トルク配分)、アクティブ・トルクスプリット、ビスカスLSD付きセンターデフ方式などをトランスミッションにより使い分けた。
98年12月、セダンをフルモデルチェンジし、B4のサブネームを付けた。B4とは、ボクサー(水平対向エンジン)・4WDを表現する。同時に優美さと快適さを兼ね備えた高性能車を意味するBerlinetta(イタリア語)および4DOORの意味も含む。駆動方式はフルタイム4WDだけ。
2000年5月、シリーズのマイナーチェンジを行い、同時にランカスターに水平対向6気筒・自然吸気の新エンジンを搭載した。EZ30と呼ぶ新ユニットのボア・ストロークは89.2mm×80.0mmとオーバースクエア・タイプだが、エンジンの全長は4気筒型に対して約20凹長いだけに抑えた。最高出力は162kW(220ps)/6000rpm、最大トルクは289Nm(29.5kg-m)/4400rpmで、ガソリンはプレミアム指定。スバル乗用車で6気筒エンジンは、アルシオーネ用3.3LのEG33を生産停止した1996年12月以来だった。
2001年5月、外観、性能、質感を進化させる改良を行った。外観では、ツーリングワゴン、B4、ランカスターそれぞれのキャラクターを表現した顔を付けて独自性を強めた。性能面では、ターボチャージャーや吸気システムなどの改良で、中低速トルクをアップした。全車にサイドパフォーマンスアーム、一部車種にクロスパフォーマンスロットを採用し、サスペンション取付け部分の剛性を高め、操安性向上策をはかった。そのほか、B4にRS25、ランカスターにADA装着車、ツーリングワゴンに250Sというモデルを追加。2002年1月にはさらに、B4・RS30、ワゴン・GT30というスポーツモデルを設定。2月にB4とワゴンのBLITZEN2002 modeを追加。5月にB4のSモデル発売とバリエーションの拡大が続<。ちなみに、BLITZENとはドイツ語で、稲妻が輝くの意味で、稲妻のように走りすぎる光景をイメージしたネーミング。
2002年12月、B4のRSKをベースにSTIが手を入れたBLITZEN2003 model発売。
2003年5月、4代目デビュー。ボディ幅が35mm拡大、3ナンバー専用車に生まれ変わった。セダンB4とワゴンに2L・3タイプのエンジンを積む。駆動方式はAWDのみ。ミッションは4/5速E-ATと5速MTを設定。9月には3L搭載車も発売した。
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