システマティック・レビュー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 02:14 UTC 版)
「アロマテラピー」の記事における「システマティック・レビュー」の解説
システマティック・レビューは、医学的根拠を報告する質の高い研究が存在するかどうか、結果はどうかということを包括的に評価することである。 健康な大人のストレス緩和では、5つのランダム化比較試験 (RCT) があり、そのメタアナリシス(データ結合分析)では、アロマの吸入がストレス管理に影響を示しているが、研究規模が小さいため結論は強固ではない。不安症状がある人々に対して、16のRCTが見つかり、有効であるため治療として利用するのに推奨できる。うつ病に対して、12のRCTがあり、手法は香りの吸入、あるいはアロママッサージであり、証拠の質が低いものも含まれるが、概して抑うつ症状の緩和に有効である可能性が示されており、吸入よりマッサージの方が効果が高そうである。12のRCTがあり、睡眠の質を改善するようである。 2018年のシステマティックレビューは、月経困難症に有効であった。2018年のシステマティックレビュー、閉経後の女性の性的欲求の低下に対して、ラベンダー、ネロリほかがこれを高めていた。同じく有効とする2017年のレビューがある。 疼痛の管理に対するアロマテラピーのメタアナリシスは、アロマテラピーが、術後疼痛と産婦人科における疼痛に最も効果的であり、疼痛の軽減に利用できるとした。別のシステマティックレビューは、術後の疼痛に関して、9つのRCTがあり、5つが有効、残りは無効であり十分な証拠があるとは判断できないと結論した(これでは20人の試験と120人の試験が同等となってしまうため、メタアナリシスの方が合理的である)。がんの疼痛は緩和しないようである。2017年のシステマティックレビューは、熱傷(やけど)の付属症状に対するアロマテラピーの使用の4つのRCTがあり、痛みと不安を軽減する2つ、疼痛のみ軽減する1つなどだが、被験者が少なく結論には不十分とした。術後の吐き気嘔吐に対して、全体的に偽薬と同じ程度であり、また証拠の質が限られておりこれは不確実な結論である(効果はなさそうで十分な証拠でもない)。 2009年、高血圧に有効だという証拠はランダム化されていない研究であり、適切な設計を行った試験が求められる(つまり証拠不十分)。
※この「システマティック・レビュー」の解説は、「アロマテラピー」の解説の一部です。
「システマティック・レビュー」を含む「アロマテラピー」の記事については、「アロマテラピー」の概要を参照ください。
システマティック・レビュー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 14:50 UTC 版)
「コクラン (組織)」の記事における「システマティック・レビュー」の解説
コクランにより、システマティック・レビュー (系統的レビュー)と呼ばれる手法が確立された。システマティック・レビューとは、ある課題に関して行われた研究を数多くある文献データベースなどを基に網羅的に検索し、その文献の情報の質(研究の質)を系統的に評価し、一定の情報の質をもつものだけ残しそれぞれの研究結果を可能な範囲で統計学的に統合したものである。 「システマティック・レビュー」も参照 1993年7月にイギリスのコクランセンターが『イギリス医師会雑誌』(BMJ)と共同で会議を開き、1994年に論文となったものが、『システマティック・レビュー』(Systematic Reviews) として出版されている。システマティック・レビューとメタアナリシスに関する章で構成されており、システマティック・レビューに関しては、バイアス(偏り)とエラーを最小にする方法が議論されている。
※この「システマティック・レビュー」の解説は、「コクラン (組織)」の解説の一部です。
「システマティック・レビュー」を含む「コクラン (組織)」の記事については、「コクラン (組織)」の概要を参照ください。
システマティックレビュー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 03:15 UTC 版)
2018年レビューではニキビの瘢痕について、レーザーや高周波治療など多くの研究によって有効性が確認されているが質の高い証拠は欠けており、フラクショナルレーザー、フラクショナル高周波、マイクロニードリングはリスクが低く、通常は治療法が併用された方が結果は良くなる。2017年のレビューではニキビの瘢痕に対する電力を使わない手法では、ケミカルピーリングにてトリクロロ酢酸で約73%の人々が改善しグリコール酸では25%の人であり、マイクロニードリングでは全ての患者は31-62%の広さで改善しており、マイクロダーマブレーション(英語版)は最も結果が良くなく、9.1%の人が良好な結果であった。 2019年のレビューは、ニキビによる瘢痕に対してマイクロニードリング後に多血小板血漿 (PRP)を使った研究4件を発見し、利用可能な証拠は限られているが効果的そうだと結論し、またさらなる研究が必要であるとした。90名のランダム化比較試験 (RCT) でマイクロニードリング単独よりもPRP併用の方が有効であった。50人の半顔比較試験で同じ結果。27名の半顔比較で15%濃度ビタミンC併用よりもPRP併用が有効であった。24名のRCT半顔比較でPRPの併用よりも15%濃度のトリクロロ酢酸併用のほうが有効であった。2017年のレビューは重複する2研究と、2011年の半顔比較試験を発見しており、比較した治療法と結果は最初に挙げた試験 (Ibrahim, 2017) と同じ。 2017年のレビューで、熱傷による肥厚性瘢痕ではレーザー治療の有効性を判断するには、ランダム化比較試験が必要である。2018年のレビューで熱傷による肥厚性瘢痕へのマッサージは、厚みや柔軟性、痛み、痒みなどを減少させる限定的な証拠があるが、証拠の質は低く厳格な試験が必要である。 研究 同じ人の肥厚性瘢痕の半分をシリコンゲル(ケロイドを圧迫する)のみかマイクロニードリングのみ、あるいはその併用の治療にランダムで割り当て、それぞれ47%、52%、63-68%の改善を示し、また安全であることが確認された。
※この「システマティックレビュー」の解説は、「瘢痕」の解説の一部です。
「システマティックレビュー」を含む「瘢痕」の記事については、「瘢痕」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からシステマティック・レビューを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からシステマティック・レビュー を検索
- システマティック・レビューのページへのリンク