米ワーナー・ブラザーズが3日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年に公開する全ての新作映画を劇場公開と同時にインターネットで配信することを発表した。

コロナ禍で映画館の営業が制限されている状況での特別措置で、同時公開するのは来年だけで、22年以降は従来の公開方法に戻すとしている。ワーナー・ブラザーズは今月25日に公開されるDC映画「ワンダーウーマン 1984」を劇場公開と同時に動画配信サービスHBOマックスでも1か月間にわたって配信することをすでに決めている。

来年公開予定の作品には、キアヌ・リーブス主演で18年ぶりの新作となる「マトリックス」シリーズ第4弾や、今夏から公開がおよそ1年延期された俳優小栗旬も出演しているハリウッド版「ゴジラ」シリーズの最新作「ゴジラvsキングコング」、真田広之も出演する格闘ゲームを映画化した実写映画「モータル・コンバット」など17本。「私たちは創造的な解決策を必要とする前例のない時代に生きています。今後12カ月間にわたって同時公開することが最良の方法であるとの結論に達しました」とジェイソン・キラーCEOはコメントしている。

ハリウッドでは劇場公開から90日待ってインターネット配信されるのが常識だったが、ロサンゼルスやニューヨークでは3月中旬から映画館は閉鎖されたままで再開のめどは立っておらず、来年以降も当面は米国内の大半の劇場が収容人数の制限など営業縮小を強いられる可能性が高いことから、収益とのバランスを取る必要性があったものとみられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)