ココヤシ (
Cocos nucifera L.), ソテツジュロ (
Phoenixhumilis ROYLE
var. hanceana BECC.) およびサトウナツメヤシ (P.
sylvestris ROXB.) について発芽機構および最適発芽条件を知るため, 1968~1971年実験を行なつた.
1. ココヤシ果実は厚い繊維質の中果皮に囲まれた堅い内果皮をもつが, 発芽孔付近の内果皮はやや薄くなつている. 子葉の吸収体は種子内に残つて養分を吸収しながら肥大し, やがて内部のくぼみを満たす. 一方外に出た子葉しよう, 根しようは内果皮に接した状態で, 幼芽, 幼根を発達させる. 発芽型は中節短縮型である.
ソテツジュロ種子およびサトウナツメヤシ種子の性状および発芽過程はカナリーヤシ (第1報) に類似し, 発芽型は中節が管状に伸びる中節発達型である.
2. 発芽率の最高はココヤシでは35°Cで80%, 30°Cで60%で, ソテツジュロ, サトウナツメヤシは, いずれも30°Cで92%, 80%であつた.
3. 発芽適温はココヤシおよびサトウナツメヤシは30~35°C, ソテツジュロは30°C付近であつた.
4. 適温での発芽日数はもつとも短いものがココヤシ107日, ソテツジュロ25日, サトウナツメヤシ15日であつた.
5. は種用土はソテツジュロではバーミキュライトまたは川砂がよく, サトウナツメヤシではいずれの用土でも大差なかつた.
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