ドワンゴは7月4日、「ニコニコ動画」の新版となる「(夏)」(サマー)を5日に公開すると発表した。新たに、動画を特定のユーザーだけで共有できるPC向け機能を追加。動画素材などを共有するための仕組み「ニコニ・コモンズ」も発表した(作品利用ルール「ニコニ・コモンズ」、8月中旬から)。動画にさまざまな機能を付けられる「ニコスクリプト」(ニコス)も強化するほか、スペイン語・ドイツ語版も追加する。
ニコニコ動画に投稿した動画はこれまで、全ユーザーに公開されていたが、新たに、管理者がコミュニティーを作成し、限定したメンバーのみ閲覧・投稿・コメントできる「ニコニコミュニティ」を追加する。全ユーザーに公開された動画に対して、コミュニティー内だけでコメントを付けることもできる。
管理者は「閲覧はできるが投稿はできない」など、メンバーごとに権限を設定することが可能。友人同士や会社、親類などでの利用を想定しているほか、企業が公式コミュニティーを設置する、といった利用も検討する。
管理者になれるのはプレミアム会員のみ。メンバーは管理者がメールで招待するか、ユーザーからの申請を受けて承認する。コミュニティー内のプレミアム会員数に応じ、コミュニティー参加可能人数や投稿できる動画の数が変わる。
動画にさまざまな機能を付けられる「ニコスクリプト」(ニコス)も「夏ニコス」として強化。特定の動画を、自分の動画の背景に利用できる「@BGM」(BackGroundMenu)、指定した場面で動画を一時停止させる「@ポーズ」などを順次追加する。@BGM機能に対応し、動画に自由に利用できる楽曲も約500曲公開する予定だ。
全ユーザーに情報を同時配信する「ニコ割」を使ったアンケートも、7月中旬から行う。特定の時刻に動画の再生を一時停止してアンケートへの回答を求め、一定時間後に結果を公開する。「ネット空間で最大級・数万人への世論調査が同時にできる」としている。
昨年10月に公開した台湾版に続き、ドイツ語版、スペイン語版も7月中旬から順次公開する。ドイツ語は、ドイツ語圏のオーストリアで開かれているメディアアートの国際的な賞を受賞したことを記念して、スペイン語は話す人の数が多いため、それぞれ対応を決めたという。
静止画を組み合わせてスライドショーのような動画を作るツール「ニコニコムービーメーカー」もバージョンアップ。テキストを読み上げた音声を動画に挿入できる機能「ニコニコスピーチ」や、swfファイルの編集機能、「国際ニコニコ映画祭」への投稿機能などを追加する。現在、ニコニコ動画に投稿されている動画の約10%(月間約8万)が、ムービーメーカーで作られているという。
ムービーメーカーの有償版も9月に発売予定。H.264+AACの動画を作成する機能や、ニコニコスピーチで音声の抑揚を付けられる機能などが付く予定だ。
ニコニコ動画の7月1日時点の登録ユーザー数は790万人、携帯電話向け「ニコニコ動画モバイル」は191万人、有料の「プレミアム会員」数は20万4000人。
同日付けでドワンゴ顧問に就任し、発表会イベントに登場した元NTTドコモの夏野剛氏は「ニコニコ動画の面白さはまだまだ知られていない。多くの人に伝えていきたい」などと話した。
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