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【DEVELOPER'S TALK】『ドラッグ オン ドラグーン』のスタッフが再集結!PS3とXbox360で異なる主人公を描いた『ニーア レプリカント/ニーア ゲシュタルト』に迫る

スクウェア・エニックスから好評発売中のPS3『ニーア レプリカント』とXbox360『ニーア ゲシュタルト』は、「ニーア」という共通の世界観をベースに置きながら、異なる主人公の物語を描いた意欲作です。

ゲームビジネス 開発
ニーア レプリカント/ニーア ゲシュタルト
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スクウェア・エニックスから好評発売中のPS3『ニーア レプリカント』とXbox360『ニーア ゲシュタルト』は、「ニーア」という共通の世界観をベースに置きながら、異なる主人公の物語を描いた意欲作です。その開発は2003年にPS2で発売された『ドラッグ オン ドラグーン』のスタッフが再び集まり、スクウェア・エニックスとキャビアの共同開発という形で進められました。ゲームにおいても、開発においても、大きなチャレンジがあった本作について迫りました。

■参加者

・齊藤陽介 スクウェア・エニックス エグゼクティブ・プロデューサー
本作のプロデューサー。久々にプロデューサーとして現場の指揮を執る。過去には『ユーラシアエクスプレス殺人事件』『トゥームレイダー3日本語版』『アストロノーカ』『クロスゲート』など。スクウェア・エニックスのiモードの立ち上げにも携わる。

・横尾太郎 キャビア 
ディレクターとして"横尾ワールド"を今回も展開。過去には『ドラッグ オン ドラグーン』など。キャビア以前には、SCE、ナムコなどに在籍。

・古林雅俊 キャビア
作品の進行管理などを担当。過去には『ドラッグ オン ドラグーン』『バレットウィッチ』など。

・片山武史 キャビア
リードプログラマとして制作の中心で活躍。『ドラッグ オン ドラグーン』に関わった一人。

・北村元 キャビア
プログラマでCRIのミドルウェアの組み込みなどを担当。過去には『バレットウィッチ』『鬼武者2』『ポケモンコロシアム』などを開発。

・西村隆文 キャビア
サウンド関連のディレクションなど全般を担当。過去作品としては『頭文字D』(PS3)『ウインバック2』『ビートダウン』などを開発。



―――まずゲームの概要を教えていただけますか?

ニーアのキャラクター「実験兵器7号」のお面をかぶって登場の横尾氏
横尾: ジャンルとしてはアクションRPGです。プラットフォームによって主人公が違うというのが特徴で、PS3(レプリカント)は兄妹の話、Xbox360(ゲシュタルト)は親子の話を描いたものですが、基本的なストーリーは同じです。剣戟(けんげき:刀剣による戦い)と魔法の2つのアクションを融合させた遊びがゲームプレイの中核になります。簡単に言うと以上のようなゲームですが、細かい要素を沢山積み上げて、一言では言い表せないようなゲームにしようと作りました。ストーリーは『ドラッグ オン ドラグーン』が少し暗いと言われたので、ハッピーエンドになるように、"友情と努力と根性"の物語を沢山読んで参考にしながら書きました(笑)。

―――『ドラッグ オン ドラグーン』でのタッグが再びとなりました。スクウェア・エニックスとキャビアがもう一度タッグを組んだ経緯を聞かせてください

齊藤氏
齊藤: 実は『ドラッグ オン ドラグーン』というゲームで当時のエニックスとキャビアさんでタッグを組ませていただいた後に、あまり知られていないのですが、『少年ヤンガスと不思議のダンジョン』というゲームも一緒に作らせていただいたんです。その開発の終わり頃に、キャビアの岩崎さんというプロデューサーと「また何かやりたいね」という話がありまして、幾つか企画を考えていただいたんです。

スクウェア・エニックスには『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』という、ターン式の確立されたRPGがあるので、それとは異なるアクション性の強いもの、それでいて『キングダムハーツ』とは年齢層がかぶらないゲームが出来ないかと考えていました。

そうした中で、たまたま選んだのが横尾さんの書いた『ニーア』というゲームだったんです。もちろんそのままゲームになったわけではありませんが、スクウェア・エニックスの「弾」として持っておくべきと感じたものが、企画初期の段階からプロトタイプ、そして最終製品まで、テーマやコンセプトの面でブレることなく仕上げる事が出来たと思います。

―――横尾さんの企画書で特に惹かれた部分はどんなところだったのですか?

齊藤: 色々な遊びが詰まっているところでしょうか。最近流行りのゲームを批判するわけではありませんが、「見ているだけ」のゲームが多くなっている気がしています。横尾さんの企画書には、ゲーム本来の面白さである、プレイヤーのアクションに対してインタラクティブに反応が返ってくるという面白さを追求しつつ、固定概念に囚われないゲームデザインというものを感じたんです。世界が3Dから2Dになってみたり、古今東西のゲームの面白さをオマージュした要素が入っていたり、いわゆる横尾ワールド的なハチャメチャな面白さも最初の段階から見えました。

横尾: 変なゲームを作りたかったんですよ(笑)。仕事柄、最近のゲームって、1面を遊ぶと大体最後まで流れが想像できてしまう。そうじゃない、どんでん返しの連続みたいなゲームを作りたいなと。でも大変でした(笑)。先ほどの3Dと2Dの切り替わるカメラなんかも、実はかなり複雑な仕組みになっています。他にも驚きの仕掛けを盛り込んでいます。齊藤さんにもギリギリまで内緒にしておいたくらいです(笑)。

齊藤: 怖かったので、会社にはマスターアップしてから伝えましたよ(笑)。

横尾: 昔のゲームってもっと無茶苦茶だったと思うんです。何が起こるか分からないし、買ってみたら本当に心の底からクソゲーだったこともあります(笑)。そうした開拓時代を経て、今は規模も大きくなって、やらないといけないことや、できないことも増えてきました。でも、それでも原点に戻って色々と無茶な事をやらせてもらった作品でしたね。

■「レプリカント」と「ゲシュタルト」という2本立て

《土本学》
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