ガザのモスクと学校に空爆、26人死亡とハマス当局 イスラエルは「指揮施設」攻撃と

抱き合う女性たち

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パレスチナ・ガザ地区中部で6日早朝、モスク(イスラム教礼拝所)や避難所になっている学校をイスラエルが空爆し、ガザ保健当局によると26人が殺害された。

ガザ保健当局は、中部デイル・アル・バラにあるイブン・ルシュド学校とアル・アクサ殉教者モスクが空爆され、けが人も数十人に上ったと発表した。

現地で撮影されたとBBCが確認した同モスクの映像では、がれきの中に遺体と血痕が映っている。同校の映像では、建物が炎上し、男性が担架で運び出される様子が見て取れる。

AFP通信は、ハマスが運営する民間防衛機組織の話として、同モスクへの攻撃で21人が殺害され、多数の負傷者が出たと伝えた。

ロイター通信は、ハマス運営のメディアオフィスのデータをもとに、今回の空爆で少なくとも93人が負傷したと報じた。

ハマスは、モスクへの攻撃に関して声明を発表。イスラエルを「市民の頭越しに家々を爆撃・破壊し、何十人もの死傷者を出した」と非難した。

イスラエル軍はこの攻撃について、ガザのイスラム組織ハマスの「指揮統制」センターで活動する戦闘員らを狙ったものだと説明した。

また、「民間人に危害を及ぼす可能性を減らすため、攻撃の前に多くの措置を取った。精密兵器の使用、空からの調査、追加機密情報の活用などだ」とした。

この日の空爆は、ハマスの武装集団による昨年10月7日のイスラエル急襲からちょうど1年になるタイミングで実施された。ハマスは急襲の際、約1200人を殺害し、251人を人質に取った。

それをきっかに起きたガザでの戦闘では、これまでにパレスチナの4万1870人が死亡し、9万7000人以上がけがを負っている(ガザ保健当局調べ。民間人と戦闘員は区別していない)。

国連によると、9月30日~10月4日だけでガザでは187人が殺害された。国連はガザ保健当局のデータは信頼できるとし、それを活用している。

被害を受けたモスク

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イスラエル軍は、ハマスが「テロ行為をするために、民間の施設や人々を人間の盾として利用している」と非難している。

同軍は6日、ガザ北部の別の学校も空爆したと発表。ハマスが「指揮統制施設」として使用していたと説明した。

一方、ハマスは、学校を含む民間施設を軍事目的で使用することはないとしている。

こうしたなか、ガザ北部では、イスラエル軍がジャバリア地区を包囲した。

同軍は、ハマスによる再構築の動きが見られると述べ、そのことへの対応だとしている。また、地上作戦の前と最中に「数十の軍事目標」を攻撃したとした。

イスラエル軍はさらに、ガザ北部が「依然として危険な戦闘地域とみなされる」と警告。北部の避難対象区域の候補を示す新たな地図を6日に公表した。

また、ガザ南部アル・マワシにある人道地区を拡大したと発表した。ただ、7月初めの時点よりは狭くなっている。

6日に攻撃されたモスクと学校は、ともに人道地区にある。イスラエル軍は、この地区にアクセスするための北部からの避難ルート二つを再開したと発表した。

イスラエルは、BBCを含む報道機関の外国人記者が独自にガザに入ることを認めていない。そのため、現地での事実確認が困難となっている。