「AIと友達にはなりたくない」 マイクロソフト技術トップの真意
聞き手・和気真也
幅広い仕事を自律的にこなし、人と気さくにやりとりする。そんな「職場の相棒」となるAI(人工知能)開発に、IT大手が注力している。「ドラえもん」のような友達感覚でつきあえる存在となりうるのか、あくまで面倒な仕事を押しつける存在か。米マイクロソフトのケビン・スコット最高技術責任者(CTO)に疑問をぶつけてみた。
――人が面倒だと感じる事務作業なども、簡単な指示でこなしてくれる「AIエージェント」を普及させています。とても便利ですが、人を甘やかしませんか?
「初めてされる質問です。わからないけど、そうならないことを願う。でも、良い視点。例えば、ソフトウェア開発の現場は、コードを書く煩雑な仕事をAIに任せて楽になった。だが、面倒な仕事の押しつけが技術革新の成果ではない。大事なのは、出来なかったことを人が出来るようになることで、今後、増えていくだろう」
――日本は鉄腕アトムやドラえもんの母国。「AIの相棒」というと、友達のような存在を期待するのですが……。
「私も大のアニメファン。で…