ナチス犠牲者数百人の遺骨、新たに埋葬 ポーランド
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【9月3日 AFP】ポーランド当局は2日、第2次世界大戦中にナチス・ドイツ(Nazi)によって集団処刑された700人以上の遺骨を埋葬した。
これらの遺骨は、ナチス支配下および共産主義時代の犯罪を訴追する「国民記録機関(IPN)」が、2021年から調査していた「死の谷(Death Valley)」と呼ばれる地域で発見した。
「死の谷」がある同国北部の街ホイニツェ(Chojnice)にある聖堂で埋葬に合わせてミサが行われ、IPN長官や大統領補佐官を含む数百人が参列した。
遺骨が入った木製のひつぎは、赤と白のポーランド国旗を表す帯で飾られ、ナチスの犯罪による犠牲者を埋葬するための墓地に運ばれた。
第2次世界大戦中の1939~45年、ナチス・ドイツの占領下で殺害されたポーランド人は約600万人に上る。その半数はユダヤ人だった。
IPNのアンジェイ・ポゾルスキ(Andrzej Pozorski)氏はAFPに対し、「われわれは5か所の集団墓地を発見し、700人以上の遺骨を発掘した。技術的に可能な限り、身元特定のために全力を尽くしたい」と語った。
IPNの声明によると、ナチスは「教師や聖職者、地主を含む地元の知識人ら、ポーランド市民の大量虐殺」を行い、精神科病院の患者218人も殺害した。
考古学者のダビド・コビアルカ(Dawid Kobialka)氏は、1939年に殺害された人々の遺骨、および1945年に殺害された犠牲者の遺骨の焼け残りを発見したと述べた。「焼けた遺骨は1~5センチの大きさだ。2021年には1トン近い遺骨を発掘した」
また「約7000点の物品も発見した。弾薬、弾丸の他、犠牲者が死亡時に身に着けていた個人の持ち物も含まれている」と付け加えた。 (c)AFP