【8月7日 AFP】1900万年前の地球に生息していた超巨大オウムの化石が、ニュージーランドで発見されていたことが分かった。立つと人間の背丈の半分以上もあり、今まで発見されているオウムの仲間の中で最大だという。

 古生物学者の国際チームが英国王立協会(Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)最新号に発表した論文によると、見つかっている足の骨から推測されるこのオウムの大きさは、体高約1メートル、体重は最高7キロ程度。

 クライストチャーチ(Christchurch)にあるカンタベリー博物館(Canterbury Museum)のポール・スコフィールド(Paul Scofield)上級学芸員は7日、この巨鳥について「飛べたかもしれないけど、われわれは飛べなかった方にかけている」とAFPの取材に話した。

 2008年にニュージーランド南島(South Island)でこの鳥の骨が発見されたときには誰も何の骨か分からず、今年初めに研究チームが調べるまで11年も放置されていたという。

 スコフィールド氏は当初、「巨大なオウムの骨だなんて考えもしなかった」といい、「再調査するまではワシの一種かもしれないと考えていた」と話した。

 このオウムは、ギリシャ神話の英雄ヘラクレス(Heracles)のような体格と今回の発見の意外性から、「ヘラクレス・イネクスペクタトゥス(Heracles inexpectatus、予想外のヘラクレスの意)」と名付けられた。巨大なくちばしの力は非常に強くて何でも容易に砕き、通常のオウムのえさ以上のえさを食べることができ、他のオウムを食べてさえいたかもしれないという。

 ニュージーランドは、巨大な鳥類が生息することで知られる。今は絶滅してしまった飛べない巨鳥モアは、首を伸ばすと体高が最大3.6メートルあった。

「しかし今日まで、世界中で誰も絶滅種の巨大オウムを見つけたことはなかった」と豪フリンダース大学(Flinders University)のトレバー・ワージー(Trevor Worthy)准教授(古生物学)は話した。

 ワージー氏によると研究者らは20年にわたり、このオウムの骨が出土した、化石が豊富な堆積層で発掘調査をしており「毎年、未発見の鳥や動物」が出てくるという。「この興味の尽きない堆積層には、もっとたくさんの未発見の想定外の種が眠っているに違いない」と話した。(c)AFP