5回
2023/10 訪問
毎回、感動する料理と焼きのパフォーマンス。
何度か予約が取れなく、結局今年初の鳥嵩さん。食事が終わると常連さんはその場で次回の予約を入れて帰るほど、人気店は得てしてそういうもので、思い立って予約をしようとしてもなかなか席は押さえられない。
さて、こちらの食事は17:30と19:00の2ラウンド制で、今回は人気の19:00。店に着くと入り口の引き戸に新料金の告知がされてあり、「値上げ」の波は頻繁に身近で遭遇するもんだと改めて思った。
本日のメニューは下記の通り。
・銀杏〜銀杏が青い内は提供するそう。
・焼き茄子、椎茸、カマンベールの味噌焼き〜カマンベールは焼きで溶けないように2日冷蔵庫で寝かして表面を乾燥させてある。この探究心が鳥嵩の真骨頂。ここで一気にギヤが上がる。
・ムネ肉〜大葉の上に梅と生姜が添えられてあり、一口で。口中調味した時にどうなるかを想像してこうなったのだろう。
・ふりそで〜きのこと鬼おろしと。鬼おろしもみじん切りに近い食感の粗い仕上がりで、肉と一緒に咀嚼すると抜群の相性だと気付かされる。
・レバー〜この焼き具合は鳥嵩さんならでは。柔らかで溶けるほどのレバー。例えようのない食感。美味です。
・オニオンスライス〜定番の一拍。これでもか、と言わんばかりにしっかりと水にさらして苦味も臭みも全くないシャキシャキの玉ねぎスライスに鰹節とぽん酢系のタレが効いている。
・手羽先〜肉汁が出るいい状態を研究して今年の焼き方で焼いてくださる。焼いては下ろし、馴染ませてまた焼く。たまに下げて温度を手で確かめながらまた火に当てる。この数回の手間が肉の焼き加減を最高峰に押し上げる。
・ブロッコリー〜自家製のマヨネーズソースを添えて。ほんの数十秒茹でて冷水で締める。そこに併せ汁をかけて落ち着かせる。
・うずらの卵〜焼きが入ってるのに半熟なうずらの玉子。この状態のうずらの玉子を私はかつて見たことも食したこともない。うずらの玉子が大嫌いだった店主がここに行き着くとは驚きである。
・つくね〜野沢菜、茗荷、韮の入った餃子の餡の様な味わいの食べ応えのある一品。
・ふくらはぎ〜いわゆるモモ肉の一部なのだそうだが、脂こくなくさっぱりした味わいで、生姜とスプラウトと一緒にいただく。
・ささみ〜パサパサした部位と誤解されてる方にはこのササミを一度食べていただきたい。こんなしっとりとした品のいい鶏肉はなかなか拝めるものではない。絶品です。
・焼きおにぎり出汁茶漬け〜香ばしい焼きおにぎりが鶏出汁に浸ってさらに芳しくなる。スダチの香りがこれらをまとめて秀逸な一品に。
・柚子のプリン〜今まで無かったデザート。先輩レビューアーな方も欲してらしたので声が届いたのかな。杏仁豆腐の様なパンナコッタの様な卵不使用のプリンはさすがです。
・(追加)ハツ〜一つ一つにちょうど良い擦りたて山葵の薬味が効いて、噛みごたえと香りが楽しめる。
・(追加)卵かけご飯〜オススめだったので一度は食べてみたかったTKG。小さめの黄身に適量の醤油で、ご飯の量も絶妙。
美味しかった〜。
食べ過ぎかと思える流れだったが、食欲が罪悪感に優ってしまった。
こちらの店は何度もうかがっているが、日々研究を重ねられているから毎回進化していると感じる。
年明けから更に進化をするために大幅な改装をされるとか。3月には楽しみな再訪を果たしたい。
2023/10/22 更新
2022/06 訪問
もう、離れられません。
◾️3度目の訪問(2022年6月)
予想通り予約困難店になってしまったため、ここ何ヶ月かなかなかタイングが合わず、待望の再訪。
大将も他のスタッフも全く驕らず忙しくても変わらずのカスタマーファーストの接客で、着席と共に鳥嵩ワールドに引き込まれる。
本日は19:00からの回で、メニューはお任せコース(7,700円)で以下の通り。
・ポテサラ/カマンベールの味噌漬け焼き
と夏野菜
・焼きとうもろこし
・手羽先
・新生姜
・ブロッコリーとスナップえんどう
・甲斐路軍鶏のふりそで 鬼おろしと共に
ハツ
・オニオンスライス(絶品)
・つくね
・甲斐路軍鶏のもも
・ささみ
・焼きおにぎりの茶漬け
追加オーダー
・レバー
・皮
まずは手羽先、皮目がこんがりパリパリで、身は歯応えがあるのに柔らかくてジューシー、一つ一つ丁寧にていねいに指で直接触診する様に確認しながら火入をしていく。大将のこの所作を見られるだけで全ての料理を安心して食す事ができる。
他の焼き鳥も見事なものだが、口直しで出てくるオニオンスライスも侮れない。これがあるから全体のコースが飽きずに楽しめるものと感じられる。
東京にも名店は沢山あって比べるものでもないが、私の中では突出したお店になってる。
2022/06/25 更新
2021/05 訪問
軽井沢に焼鳥の名店現る。
◾️2回目の訪問(2021年12月)
来たくて楽しみにしていた2回目の訪問です。
5月に訪れてから2度ほど予約を取ろうとしたが満席で、ようやく今回再訪がかなった。
全てにおいてパワーアップしていたので画像の追加と投稿しておくことにした。
今回のメニューは下記の通り。
・白湯のスープ
・手羽先
・山芋野沢菜といぶりがっこ
・ハツ
・カブの冷製スープ
・信州黄金シャモのもも肉
・黄金シャモの煮凝り 春菊と玉ねぎ
・椎茸とカマンベールの味噌漬け
・野沢菜の醤油漬け
・信州黄金シャモの振り袖(肩肉のよう)
・ささみ
・焼きおにぎり茶漬け(せりと柚子)
(追加注文)
・皮
・ぼんじり
総じて満足度120%である。
大将のお人柄、いらしてる他のお客様の品の良さ、何よりも一切の妥協がない、その料理に向き合う大将の姿勢に脱帽である。
今から次回訪れることが楽しみで仕方ない。
◾️1回目の訪問(2021年5月)
よく銘店と名店を使い分けされる事があるが、老舗的な歴史を有したり上質だったり様々な解釈があるからだと。結局のところきちっとした定義は無いようだが、まさに名店と呼ぶに相応しいお店に出会えた。
言わずもがな軽井沢周辺はフレンチやイタリアン、そして蕎麦屋などそれこそ名店が多く集まる別荘地であり観光地だ。和食や寿司屋に関してなかなか名店と呼べるお店にで会えなかったことは不思議に思ってた。軽井沢の歴史を辿ると理由は明確なんだろうけど、兼ねてから残念に感じてはいた。
さて、こちらのお店。『鳥嵩』は国道18号沿いのドラマ「カルテット」で舞台になった『軽井沢いぶる』の目の前、焼肉屋と蕎麦屋の間。しかも蕎麦屋さんと同じ建物の一部で、正直2度も通り過ぎてしまうほど分かりづらい。店名はかろうじて入り口脇の壁にあるだけ。
引き戸を開けて店内に入るとジャズが流れる大人の雰囲気。カウンターには既に先客がいらっしゃていたが、全9席の端から着席していく。
満面の笑顔で迎えてくれる大将は40越えの好青年。和食、寿司屋などを経験されて、逆境のコロナ禍に開店されたそう。
食事は6,700円のおまかせのコースのみ。事前にオーダーしてあったので飲み物を注文してから順に提供される。
・しじみの出汁
・炭焼カマンベールとポテサラ
・手羽先 (開いて骨を外して)
・カリフラワーのポタージュ
・黄金しゃものモモ肉、ムネ肉
・せせり
・晒し新玉ねぎスライスとおかかのサラダ
・ハツ
・新生姜の甘辛煮
・ささみ
・つくね+ポン酢風鬼おろし
・焼きおにぎり茶漬け(黄金しゃもの出汁)
焼鳥の食レポに関する語彙が乏しいのでまとめさせてもらうと、総じて食べて感動する表現がほぼ当てはまる料理の数々だった。
何よりも、大将の丁寧で真摯に料理に向き合ってる姿を感じられたのが一番でした。
また、必ず寄らせていただきます。
2022/01/07 更新
今年の2月に改装をされてから2〜3度予約を試みたがみごとに予約が取れなく、11月の終盤にして結局今年初の鳥嵩さん。舌の肥えた常連客でいつもいっぱい、思い立って予約をしようとしても簡単には席を押さえるのは至難の業になってきた。
さて、こちらの食事は17:00と19:00の2回転だが、今回は直前の予約だったので17:00の回となった。
改装されてから初めてだが、入り口からして2ランクは格上げになった佇まい。まさに高級日本料理の店のそれだ。
中に入ると、以前のレイアウトを踏襲しつつも新しいアップライトや新しいカウンターなどで心機一転、何よりも店主の顔が一段とレベルが上がった感がうかがえる。
さて本日のメニューは下記の通り。
・つくねの温かいお出汁〜つくねも美味いが生姜の効かせ方がまた絶妙。胃が覚める。
・ムネ肉〜大葉の上に梅と生姜が添えられてあり、一口で。パサつきなんて皆無。それどころかこれほどジューシーに胸肉を仕上げられる店主は天才だと思う。
・手羽先〜焼き方は常に進化しているそうだ。焼いて下ろして、馴染ませて、そしてまた焼く。必ず指先で確かめながらまた火に当てる。この手間が肉の焼き加減を最高な状態に。
・皮〜腰回りの皮だそう。しかも皮なのに肉が少し付いた状態。こんな皮は食べたことがない。コラーゲンもたっぷりで甘みすら感じる。
・肩肉〜よく動く部位だから引き締まっていて歯応えもある。が、店主が考案のトマトソースが一見イタリアンぽい料理がみごとに和風に仕上がっている。
・レバー〜この焼き具合は鳥嵩さんならでは。柔らかで溶けるほどのレバー。例えようのない食感。まるでフォアグラ。
(お願いして少しだけれど白レバーもいただいたが品のいいレバーは白子の様。絶品である)
・白菜と春菊のサラダ〜白菜を生でいただくのが新鮮。
・鳥のそぼろご飯+うずらの玉子〜もう、絶品。とりのそぼろの上には舞茸が。丼一杯食べたい。うずらの半熟など食べたことないが臭みがなくこれもいくつでもイケそうだ。
・ふくらはぎのパテとカマンベール、椎茸と銀杏〜凄い組み合わせ、食べ合わせが本当に絶妙。こんな経験は2度と無い。
・軍鶏のもも肉〜辛みを効かせた生姜といただく。クセのある軍鶏の肉を省くのではなく活かして食べさせてもらえる。
・股関節〜鬼おろしと一緒にいただく。ここまで来るともはや焼き鳥ではなく上質な一品料理の一口である。
・焼きおにぎり出汁茶漬け〜香ばしい焼きおにぎりが鶏出汁に浸ってさらに芳しくなる。今回は茗荷が全体をうまくまとめてくれる脇役となり秀逸な一品に。
・柚子のプリン〜杏仁豆腐の様なパンナコッタの様な卵不使用のプリンなので白い。
焼き鳥の味付けの基本はタレか塩というのが定石だが、鳥嵩さんは塩に特製の生姜醤油。一二行では説明し切れないが奥の深いこの万能醤油をほんの少し塗ったり漬けたりと、変幻自在に操るそうだ。
また食べ過ぎたかと思ったが時計を見るとまだ19:00前。問題ない。
こちらの店は毎回進化しているのはもちろんだが、店主の研究熱心が過ぎて体を壊さぬ事を願うばかりである。
年が明けたら友人を誘ってまた楽しませてもらおう。
本当にご馳走様でした。