JPWO2017141357A1 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
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Abstract
系統連系インバータ装置3は、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dと、インバータ回路5と、出力リレー6と、複数の太陽電池ストリング1a,1b,1c,1dのそれぞれから出力される電力値または電圧値に基づき、系統連系インバータ装置3の起動制御を行う制御部200と、を備え、制御部200は、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dのそれぞれの起動を許可するか否かを判定し、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dのそれぞれの起動を許可するか否かの判定結果に基づいて、系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値である起動電力値を求め、起動が許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続された直流電源から出力される電力の合計値が起動電力値以上のときに系統連系インバータ装置3を起動させる。
Description
本発明は、商用電力系統に連系される系統連系インバータ装置に関する。
特許文献1の系統連系インバータ装置は、複数の太陽電池のそれぞれから出力される電圧を昇圧する複数の昇圧チョッパ部であるコンバータ回路と、複数のコンバータ回路のそれぞれにおいて昇圧された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ部とを備える。
また特許文献1に代表される一般的な系統連系インバータ装置は、系統連系インバータ装置を商用電力系統から切り離すための出力リレーを備える。
このように構成された系統連系インバータ装置は、朝または夕方といった太陽電池の発電電力が不安定なときに、系統連系インバータ装置が起動と待機とを頻繁に繰り返すことになる。従って出力リレーの開閉回数が多くなり、出力リレーの接点寿命が短くなるという問題が起こる。
このような問題を解決するため特許文献2の系統連系インバータ装置は、発電電力が系統連系に必要な電力を超えている場合には出力リレーを閉路させて系統連系インバータ装置を起動し、発電電力が連系に必要な電力を超えていない場合には発電電力不足として出力リレーを開路させて系統連系インバータ装置を待機状態にする起動制御が行われる。
しかし、系統連系インバータ装置内の昇圧回路を起動させるための起動電力は、太陽電池より供給されている。そのため特許文献1の回路構成に特許文献2の起動制御を適用した場合、複数の太陽電池ストリングのそれぞれに接続される昇圧回路を起動させるためには、複数の太陽電池ストリングのそれぞれの出力電力の合計値が、複数の昇圧回路の起動電力の合計値よりも高くなければ昇圧回路を起動できない。
従って特許文献1,2に示す従来技術では、複数の太陽電池ストリングのそれぞれの出力電力の合計値が、複数の昇圧回路の起動電力の合計値よりも高くなり、すべての昇圧回路が起動するまで系統連系インバータ装置を起動できない。
特に朝または夕方といった低日射の状況では、系統連系インバータ装置が起動を開始するまでの時間が長くなり、系統連系インバータ装置が起動を開始するまでに、複数の太陽電池ストリングのそれぞれの発電電力を有効利用することができないという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発電電力を有効利用できる系統連系インバータ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の系統連系インバータ装置は、複数の直流電源のそれぞれから出力される電力が入力される複数のコンバータ回路と、前記複数のコンバータ回路のそれぞれから出力される直流電圧を交流電圧へ変換するインバータ回路とを備えた系統連系インバータ装置であって、複数のコンバータ回路のそれぞれの起動を許可するか否かを判定し、複数のコンバータ回路のそれぞれの起動を許可するか否かの判定結果に基づいて、系統連系インバータ装置の起動に必要な電力値である起動電力値を求め、起動が許可されたコンバータ回路に接続された直流電源から出力される電力の合計値が前記起動電力値以上のときに系統連系インバータ装置を起動させる起動制御を行う制御部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、発電電力を有効利用できるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態に係る系統連系インバータ装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る系統連系インバータ装置を含む太陽光発電システムを示す図である。
図1は実施の形態1に係る系統連系インバータ装置を含む太陽光発電システムを示す図である。
太陽光発電システム100は、複数の直流電源である太陽電池ストリング1a,1b,1c,1dと、複数の太陽電池ストリング1a,1b,1c,1dが接続される系統連系インバータ装置3とを備える。以下では、複数の太陽電池ストリング1a,1b,1c,1dを「複数の太陽電池ストリング1」と省略する場合がある。複数の太陽電池ストリング1のそれぞれは、図示しない複数の太陽電池モジュールが直列に接続された構成であり、日射量に応じた直流電力を発生する。
系統連系インバータ装置3は起動許否判定部16を備える。起動許否判定部16は、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dのそれぞれを制御する複数のゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dのそれぞれを独立して起動させるか否かを判定する。また起動許否判定部16は、インバータ回路5を起動させるか否かを判定する。また起動許否判定部16は、出力リレー6を起動させて出力リレー6を開路状態から閉路状態にさせるかを判定する。
なお以下では複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dを「複数のコンバータ回路4」と省略する場合がある。また複数のゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dを「複数のゲートパルス発生器17」と省略する場合がある。
以下に、起動許否判定部16を中心として系統連系インバータ装置3を構成する機器の構成を具体的に説明する。
系統連系インバータ装置3は、複数の正極入力端子101a,101b,101c,101dと、複数の負極入力端子102a,102b,102c,102dと、系統出力端子103,104とを備える。
正極入力端子101aには太陽電池ストリング1aの正極出力端が接続され、負極入力端子102aには太陽電池ストリング1aの負極出力端が接続される。以下同様に、正極入力端子101b,101c,101dのそれぞれには、太陽電池ストリング1b,1c,1dの正極出力端が接続される。負極入力端子102b,102c,102dのそれぞれには、太陽電池ストリング1b,1c,1dの負極出力端が接続される。
系統出力端子103,104には、商用電力系統2に繋がる2つの系統接続線が接続される。
また系統連系インバータ装置3は、複数の平滑用コンデンサ7a,7b,7c,7dと、複数のコンバータ回路4と、平滑用コンデンサ8と、インバータ回路5と、出力リレー6とを備える。
平滑用コンデンサ7aは、太陽電池ストリング1aから出力されてコンバータ回路4aに入力される直流電圧を平滑する。平滑用コンデンサ7aの一端は、正極側の直流母線Pを介して、正極入力端子101aとコンバータ回路4aの正極入力端とに接続される。平滑用コンデンサ7aの他端は、負極側の直流母線Nを介して、負極入力端子102aとコンバータ回路4aの負極入力端とに接続される。
コンバータ回路4aは、リアクトル9a、スイッチング素子10aおよびダイオード11aを有する。
リアクトル9aの一端は、コンバータ回路4aの正極入力端である。リアクトル9aの一端は、正極入力端子101aと平滑用コンデンサ7aの一端とに接続される。リアクトル9aの他端は、ダイオード11aのアノードと、スイッチング素子10aのコレクタとに接続される。
ダイオード11aのカソードは、コンバータ回路4aの正極出力端である。ダイオード11aのカソードは、平滑用コンデンサ8の一端とインバータ回路5の正極入力端とに接続される。
スイッチング素子10aのエミッタは、平滑用コンデンサ7aの他端と平滑用コンデンサ8の他端とに接続される。スイッチング素子10aのゲートには、ゲートパルス発生器17aから出力されるゲートパルス信号が入力される。ゲートパルス信号は、太陽電池ストリング1aから出力された電圧を、インバータ回路5が交流電圧を生成するために必要な電圧に昇圧するための信号である。
ゲートパルス発生器17aは、起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されるまで停止状態または待機状態である。そして起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されたときにゲートパルス信号の出力を開始する。
なお、起動信号Bsは系統連系インバータ装置3に連系開始を指示するための信号である。
平滑用コンデンサ7bは、太陽電池ストリング1bから出力されてコンバータ回路4bに入力される直流電圧を平滑する。平滑用コンデンサ7bの一端は、正極側の直流母線Pを介して、正極入力端子101bとコンバータ回路4bの正極入力端とに接続される。平滑用コンデンサ7bの他端は、負極側の直流母線Nを介して、負極入力端子102bとコンバータ回路4bの負極入力端とに接続される。
コンバータ回路4bは、リアクトル9b、スイッチング素子10bおよびダイオード11bを有する。
リアクトル9bの一端は、コンバータ回路4bの正極入力端である。リアクトル9bの一端は、正極入力端子101bと平滑用コンデンサ7bの一端とに接続される。リアクトル9bの他端は、ダイオード11bのアノードと、スイッチング素子10bのコレクタとに接続される。
ダイオード11bのカソードは、コンバータ回路4bの正極出力端である。ダイオード11bのカソードは、平滑用コンデンサ8の一端とインバータ回路5の正極入力端とに接続される。
スイッチング素子10bのエミッタは、平滑用コンデンサ7bの他端と平滑用コンデンサ8の他端とに接続される。スイッチング素子10bのゲートには、ゲートパルス発生器17bから出力されるゲートパルス信号が入力される。ゲートパルス信号は、太陽電池ストリング1bから出力された電圧を、インバータ回路5が交流電圧を生成するために必要な電圧に昇圧するための信号である。
ゲートパルス発生器17bは、起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されるまで停止状態または待機状態である。そして起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されたときにゲートパルス信号の出力を開始する。
平滑用コンデンサ7cは、太陽電池ストリング1cから出力されてコンバータ回路4cに入力される直流電圧を平滑する。平滑用コンデンサ7cの一端は、正極側の直流母線Pを介して、正極入力端子101cとコンバータ回路4cの正極入力端とに接続される。平滑用コンデンサ7cの他端は、負極側の直流母線Nを介して、負極入力端子102cとコンバータ回路4cの負極入力端とに接続される。
コンバータ回路4cは、リアクトル9c、スイッチング素子10cおよびダイオード11cを有する。
リアクトル9cの一端は、コンバータ回路4cの正極入力端である。リアクトル9cの一端は、正極入力端子101cと平滑用コンデンサ7cの一端とに接続される。リアクトル9cの他端は、ダイオード11cのアノードと、スイッチング素子10cのコレクタとに接続される。
ダイオード11cのカソードは、コンバータ回路4cの正極出力端である。ダイオード11cのカソードは、平滑用コンデンサ8の一端とインバータ回路5の正極入力端とに接続される。
スイッチング素子10cのエミッタは、平滑用コンデンサ7cの他端と平滑用コンデンサ8の他端とに接続される。スイッチング素子10cのゲートには、ゲートパルス発生器17cから出力されるゲートパルス信号が入力される。ゲートパルス信号は、太陽電池ストリング1cから出力された電圧を、インバータ回路5が交流電圧を生成するために必要な電圧に昇圧するための信号である。
ゲートパルス発生器17cは、起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されるまで停止状態または待機状態である。そして起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されたときにゲートパルス信号の出力を開始する。
平滑用コンデンサ7dは、太陽電池ストリング1dから出力されてコンバータ回路4dに入力される直流電圧を平滑する。平滑用コンデンサ7dの一端は、正極側の直流母線Pを介して、正極入力端子101dとコンバータ回路4dの正極入力端とに接続される。平滑用コンデンサ7dの他端は、負極側の直流母線Nを介して、負極入力端子102dとコンバータ回路4dの負極入力端とに接続される。
コンバータ回路4dは、リアクトル9d、スイッチング素子10dおよびダイオード11dを有する。
リアクトル9dの一端は、コンバータ回路4dの正極入力端である。リアクトル9dの一端は、正極入力端子101dと平滑用コンデンサ7dの一端とに接続される。リアクトル9dの他端は、ダイオード11dのアノードと、スイッチング素子10dのコレクタとに接続される。
ダイオード11dのカソードは、コンバータ回路4dの正極出力端である。ダイオード11dのカソードは、平滑用コンデンサ8の一端とインバータ回路5の正極入力端とに接続される。
スイッチング素子10dのエミッタは、平滑用コンデンサ7dの他端と平滑用コンデンサ8の他端とに接続される。スイッチング素子10dのゲートには、ゲートパルス発生器17dから出力されるゲートパルス信号が入力される。ゲートパルス信号は、太陽電池ストリング1dから出力された電圧を、インバータ回路5が交流電圧を生成するために必要な電圧に昇圧するための信号である。
ゲートパルス発生器17dは、起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されるまで停止状態または待機状態である。そして起動信号Bsが起動許否判定部16から出力されたときにゲートパルス信号の出力を開始する。
平滑用コンデンサ8の一端は、複数のダイオード11a,11b,11c,11dのそれぞれのカソードと、インバータ回路5の正極入力端とに接続される。平滑用コンデンサ8の他端は、複数のダイオード11a,11b,11c,11dのそれぞれのアノードと、インバータ回路5の負極入力端とに接続される。平滑用コンデンサ8は、複数のコンバータ回路4のそれぞれから出力されてインバータ回路5に入力される直流電圧を平滑する。
インバータ回路5は、起動許否判定部16から起動信号Bsが出力されるまでは平滑用コンデンサ8の充電電圧を交流電圧に変換する動作を停止する。インバータ回路5は、起動信号Bsが出力されると平滑用コンデンサ8の充電電圧を交流電圧に変換する動作を開始する。インバータ回路5の交流出力端は、出力リレー6を介して系統出力端子103,104に接続される。
出力リレー6は、インバータ回路5と、2つの系統出力端子103,104との間に配置される。出力リレー6はインバータ回路5と商用電力系統2との接続路を開閉する機能である。出力リレー6は、起動許否判定部16から出力される起動信号Bsにより開路状態または閉路状態に制御される。
また系統連系インバータ装置3は、複数の電流検出器12a,12b,12c,12dと、複数の電圧検出器13a,13b,13c,13dと、複数の電力演算器14a,14b,14c,14dと、起動許否判定部16とを備える。複数の電流検出器12a,12b,12c,12dと、複数の電圧検出器13a,13b,13c,13dと、複数の電力演算器14a,14b,14c,14dと、起動許否判定部16とは、系統連系インバータ装置3の制御部200を構成する。
制御部200は、系統連系インバータ装置3を商用電力系統2に連系させるか否かの起動制御を行うために用いられる。具体的には、出力リレー6は、起動信号Bsが出力されるまでは開路状態に制御され、起動信号Bsが出力されると閉路状態に制御されてインバータ回路5の交流出力端を商用電力系統2に接続する。
なお図1に示すスイッチング素子10a,10b,10c,10は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるが、IGBT以外のトランジスタでもよい。一例としてはMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である。
また系統連系インバータ装置3では4つのコンバータ回路4a,4b,4c,4dが用いられているが、コンバータ回路数は2つ以上であればよい。また実施の形態1ではコンバータ回路4a,4b,4c,4dの一例を示すが、コンバータ回路の構成は図示例に限定されず、直流電圧を所望の直流電圧値に変換する電力変換回路であれば他の電力変換回路でもよい。
また図1では4つの太陽電池ストリングが系統連系インバータ装置3に接続されているが、太陽電池ストリングの接続数は図示例に限定されるものではなく、2つ以上あればよい。コンバータ回路4は太陽電池ストリングに対応して設けられる。
以下、制御部200の構成を具体的に説明する。
負極入力端子102aとコンバータ回路4aとの間の負極側の直流母線Nには、電流検出素子30aが配置される。電流検出素子30aは、当該位置における電流値を検出する。電流検出素子30aには、カレントトランスまたはシャント抵抗が用いられる。
電流検出器12aは、増幅器またはレベルシフト回路で実現され、電流検出素子30aで検出された電流に正比例した電圧を、電力演算器14aが取り扱い可能な低圧範囲内の電流検出電圧に変換して出力する。この電流検出電圧は、太陽電池ストリング1aの出力電流の電流値Isaに相当する。電流検出器12aから出力された電流値Isaは、電力演算器14aに入力される。
電圧検出器13aの一端は、正極側の直流母線Pにおいて、正極入力端子101aとリアクトル9aの一端と平滑用コンデンサ7aの一端とに接続される。電圧検出器13aの他端は、負極側の直流母線Nにおいて、負極入力端子102aと平滑用コンデンサ7aの他端とに接続される。
電圧検出器13aは、太陽電池ストリング1aの出力電圧値である電圧値Vsaを検出する。電圧検出器13aから出力された電圧値Vsaは、電力演算器14aおよび起動許否判定部16に入力される。
電力演算器14aは、電流検出器12aで検出された電流値Isaと電圧検出器13aで検出された電圧値Vsaとに基づき、太陽電池ストリング1aの出力電力値である電力値Psaを演算する。電力演算器14aから出力された電力値Psaは、起動許否判定部16に入力される。
負極入力端子102bとコンバータ回路4bとの間の負極側の直流母線Nには、電流検出素子30bが配置される。電流検出素子30bは、当該位置における電流値を検出する。電流検出素子30bには、カレントトランスまたはシャント抵抗が用いられる。
電流検出器12bは、増幅器またはレベルシフト回路で実現され、電流検出素子30bで検出された電流に正比例した電圧を、電力演算器14bが取り扱い可能な低圧範囲内の電流検出電圧に変換して出力する。この電流検出電圧は、太陽電池ストリング1bの出力電流の電流値Isbに相当する。電流検出器12bから出力された電流値Isbは、電力演算器14bに入力される。
電圧検出器13bの一端は、正極側の直流母線Pにおいて、正極入力端子101bとリアクトル9bの一端と平滑用コンデンサ7bの一端とに接続される。電圧検出器13bの他端は、負極側の直流母線Nにおいて、負極入力端子102bと平滑用コンデンサ7bの他端とに接続される。電圧検出器13bは、太陽電池ストリング1bの出力電圧値である電圧値Vsbを検出する。電圧検出器13bから出力された電圧値Vsbは、電力演算器14bおよび起動許否判定部16に入力される。
電力演算器14bは、電流検出器12bで検出された電流値Isbと電圧検出器13bで検出された電圧値Vsbとに基づき、太陽電池ストリング1bの出力電力値である電力値Psbを演算する。電力演算器14bから出力された電力値Psbは、起動許否判定部16に入力される。
負極入力端子102cとコンバータ回路4cとの間の負極側の直流母線Nには、電流検出素子30cが配置される。電流検出素子30cは、当該位置における電流値を検出する。電流検出素子30cには、カレントトランスまたはシャント抵抗が用いられる。
電流検出器12cは、増幅器またはレベルシフト回路で実現され、電流検出素子30cで検出された電流に正比例した電圧を、電力演算器14cが取り扱い可能な低圧範囲内の電流検出電圧に変換して出力する。この電流検出電圧は、太陽電池ストリング1cの出力電流の電流値Iscに相当する。電流検出器12cから出力された電流値Iscは、電力演算器14cに入力される。
電圧検出器13cの一端は、正極側の直流母線Pにおいて、正極入力端子101cとリアクトル9cの一端と平滑用コンデンサ7cの一端とに接続される。電圧検出器13cの他端は、負極側の直流母線Nにおいて、負極入力端子102cと平滑用コンデンサ7cの他端とに接続される。電圧検出器13cは、太陽電池ストリング1cの出力電圧値である電圧値Vscを検出する。電圧検出器13cから出力された電圧値Vscは、電力演算器14cおよび起動許否判定部16に入力される。
電力演算器14cは、電流検出器12cで検出された電流値Iscと電圧検出器13cで検出された電圧値Vscとに基づき、太陽電池ストリング1cの出力電力値である電力値Pscを演算する。電力演算器14cから出力された電力値Pscは、起動許否判定部16に入力される。
負極入力端子102dとコンバータ回路4dとの間の負極側の直流母線Nには、電流検出素子30dが配置される。
電流検出素子30dは、当該位置における電流値を検出する。電流検出素子30dには、カレントトランスまたはシャント抵抗が用いられる。
電流検出器12dは、増幅器またはレベルシフト回路で実現され、電流検出素子30dで検出された電流に正比例した電圧を、電力演算器14dが取り扱い可能な低圧範囲内の電流検出電圧に変換して出力する。この電流検出電圧は、太陽電池ストリング1dの出力電流の電流値Isdに相当する。電流検出器12dから出力された電流値Isdは、電力演算器14dに入力される。
電圧検出器13dの一端は、正極側の直流母線Pにおいて、正極入力端子101dとリアクトル9dの一端と平滑用コンデンサ7dの一端とに接続される。電圧検出器13dの他端は、負極側の直流母線Nにおいて、負極入力端子102dと平滑用コンデンサ7dの他端とに接続される。電圧検出器13dは、太陽電池ストリング1dの出力電圧値である電圧値Vsdを検出する。電圧検出器13dから出力された電圧値Vsdは、電力演算器14dおよび起動許否判定部16に入力される。
電力演算器14dは、電流検出器12dで検出された電流値Isdと電圧検出器13dで検出された電圧値Vsdとに基づき、太陽電池ストリング1dの出力電力値である電力値Psdを演算する。電力演算器14dから出力された電力値Psdは、起動許否判定部16に入力される。
起動許否判定部16は、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、複数の電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdとに基づき、系統連系インバータ装置3を商用電力系統2に連系させるため、系統連系インバータ装置3を起動させるか否かの起動許否判定を行う。具体的には、起動許否判定部16は、複数のゲートパルス発生器17のそれぞれを起動させるか否かを判定し、インバータ回路5を起動させるか否かを判定し、出力リレー6を開路状態から閉路状態にするかを判定する。起動許否判定部16の判定結果は、起動信号Bsとして複数のゲートパルス発生器17のそれぞれと、インバータ回路5と、出力リレー6とに出力される。
次に起動許否判定部16の構成を詳細に説明する。
図2は図1に示す起動許否判定部の構成図である。図2に示す起動許否判定部16は、複数のコンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dと起動判定部19とを備える。以下では、複数のコンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dを「複数のコンバータ起動判定部15」と省略する場合がある。複数のコンバータ起動判定部15のそれぞれは、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdとに基づき、複数のコンバータ回路4のそれぞれを起動させることが可能か否か判定する。
コンバータ起動判定部15aは、電力演算器14aから出力された電力値Psaと電圧検出器13aから出力された電圧値Vsaとを入力する。コンバータ起動判定部15aは、電力値Psaがコンバータ回路4aを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17aを起動させることが可能な値の電力であるか否か判定し、または電圧値Vsaがコンバータ回路4aを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15aは、この判定結果Daを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15bは、電力演算器14bから出力された電力値Psbと電圧検出器13bから出力された電圧値Vsbとを入力する。コンバータ起動判定部15bは、電力値Psbがコンバータ回路4bを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17bを起動させることが可能な値の電力であるか否か判定し、または電圧値Vsbがコンバータ回路4bを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15bは、この判定結果Dbを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15cは、電力演算器14cから出力された電力値Pscと電圧検出器13cから出力された電圧値Vscとを入力する。コンバータ起動判定部15cは、電力値Pscがコンバータ回路4cを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17cを起動させることが可能な値の電力であるか否か判定し、または電圧値Vscがコンバータ回路4cを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15cは、この判定結果Dcを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15dは、電力演算器14dから出力された電力値Psdと電圧検出器13dから出力された電圧値Vsdとを入力する。コンバータ起動判定部15dは、電力値Psdがコンバータ回路4dを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17dを起動させることが可能な値の電力であるか否か判定し、または電圧値Vsdがコンバータ回路4dを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15dは、この判定結果Ddを起動判定部19へ出力する。
起動判定部19は、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、判定結果Da,Db,Dc,Ddとに基づき、前述した起動許否判定を行う。起動判定部19は判定結果を起動信号Bsとして出力する。
次に起動許否判定部16の構成を詳細に説明する。
図3は図2に示す起動判定部の構成図である。図3に示す起動判定部19は起動電力演算部18と起動信号生成部20とを備える。起動電力演算部18は、複数の判定結果Da,Db,Dc,Ddに基づき、系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値である起動電力値Pを演算する。起動信号生成部20は、複数の判定結果Da,Db,Dc,Ddと複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと起動電力値Pとに基づき、起動信号Bsを生成する。
起動電力演算部18および起動信号生成部20における動作を具体的に説明する。
系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値である起動電力値Pは下記(1)式で求められる。
P=Pca+Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(1)
P=Pca+Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(1)
Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは、複数のコンバータ回路4のそれぞれを起動させるために必要な電力値である。複数のコンバータ回路4のそれぞれの起動に必要な電力値Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは予め起動判定部19に設定されているものとする。Piは、インバータ回路5を起動させるために必要な電力値である。Petcは、複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の図示しない機器であって、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器を起動させるために必要な電力値である。インバータ回路5の起動に必要な電力値Pi、および複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcも予め起動判定部19に設定されているものとする。
起動電力演算部18では上記(1)式により起動電力値Pが求められる。
起動信号生成部20では、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdの合計値である電力合計値Psと、起動電力値Pとが比較される。
下記(2)式に示すように複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdの電力合計値Psが起動電力値Pよりも大きいとき、起動信号生成部20は、系統連系インバータ装置3を起動可能であると判定する。
Ps≧P・・・(2)
Ps≧P・・・(2)
上記(2)式の関係が満たされれば系統連系インバータ装置3を起動可能である。
ところが特定のコンバータ回路に接続される太陽電池ストリングの出力電力が、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力未満である場合、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力が不足する。従って当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力の不足分は、他の太陽電池ストリングの出力電力より賄われることとなる。
すなわちPsa<Pca、Psb<Pcb、Psc<Pcc、およびPsd<Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力が不足している。
このとき、当該コンバータ回路を動かす電力は、他のコンバータ回路に接続される太陽電池ストリングの出力電力より賄う必要があるため、当該太陽電池ストリングの出力電力を有効利用できない。
一方、複数のコンバータ回路のそれぞれに入力される電圧、すなわちそれぞれの太陽電池ストリングの出力電圧が低い場合、太陽電池ストリングへの太陽からの日射が少なく、発電量が小さいと考えられる。
そのため、この場合には、複数のコンバータ回路を全て動作させるよりも、一部のコンバータ回路のみを動作させたほうが、コンバータ回路の動作による電力消費が抑えられる。そのため太陽電池ストリングの出力電力を有効利用できる。従って、太陽電池ストリングの出力電圧値である電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdを用いてもコンバータ回路の起動許否を判定することができる。
そこで実施の形態1の起動判定部19は、Psa<Pca、Psb<Pcb、Psc<Pcc、およびPsd<Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は起動させず、Psa≧Pca、Psb≧Pcb、Psc≧Pcc、およびPsd≧Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は起動させるように構成されている。
また実施の形態1の起動判定部19では、特定の太陽電池ストリングの出力電力が当該太陽電池ストリングに接続されるコンバータ回路を起動させるために必要な電力よりも小さいため、特定の太陽電池ストリングに接続されるコンバータ回路、例えばコンバータ回路4aが起動しない場合、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値は下記(3)式により求められる。
P=Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(3)
P=Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(3)
上記(3)式によれば、コンバータ回路4aを起動させるために必要な電力値分を除いて、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値が求められる。すなわち上記(3)式により求められる起動電力値Pは、上記(1)式により求められる起動電力値Pよりも小さな値となる。
従って、上記(1)式により求められる起動電力値Pよりも小さな発電電力値で系統連系インバータ装置3を起動させることができる。上記の例では、ゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dとインバータ回路5とが起動し、出力リレー6が閉路する。
以上の動作を図4から図6を用いて説明する。
図4は図1に示す系統連系インバータ装置の起動許否判定部16の起動判定動作に係るフローチャートである。
(S1)複数の電圧検出器13a,13b,13c,13dにより検出された太陽電池ストリング1のそれぞれの出力電圧の電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdが入力される。
また複数の電力演算器14a,14b,14c,14dにより演算された太陽電池ストリング1のそれぞれの出力電力の電力値Psa,Psb,Psc,Psdが入力される。
(S2)コンバータ起動判定部15aは下記(4)式および(5)式によりコンバータ回路4aが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsa≦Vsmax・・・(4)
Psa≧Pca・・・(5)
Vsmin≦Vsa≦Vsmax・・・(4)
Psa≧Pca・・・(5)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4aの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。Pcaはコンバータ回路4aを起動させるために必要な電力値である。
(S3)電圧値Vsaが上記(4)式の条件を満たし、かつ、電力値Psaが上記(5)式の条件を満たす場合(S2,Yes)、コンバータ起動判定部15aは、コンバータ回路4aを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Daを起動信号生成部20に出力する。
(S4)電圧値Vsaが上記(4)式の条件を満たさず、または電力値Psaが上記(5)式の条件を満たさない場合(S2,No)、コンバータ起動判定部15aは、コンバータ回路4aを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Daを起動信号生成部20に出力する。
(S5)コンバータ起動判定部15bは下記(6)式および(7)式によりコンバータ回路4bが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsb≦Vsmax・・・(6)
Psb≧Pcb・・・(7)
Vsmin≦Vsb≦Vsmax・・・(6)
Psb≧Pcb・・・(7)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4bの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。Pcbはコンバータ回路4bを起動させるために必要な電力値である。
(S6)電圧値Vsbが上記(6)式の条件を満たし、かつ、電力値Psbが上記(7)式の条件を満たす場合(S5,Yes)、コンバータ起動判定部15bは、コンバータ回路4bを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Dbを起動信号生成部20に出力する。
(S7)電圧値Vsbが上記(6)式の条件を満たさず、または電力値Psbが上記(7)式の条件を満たさない場合(S5,No)、コンバータ起動判定部15bは、コンバータ回路4bを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Dbを起動信号生成部20に出力する。
(S8)コンバータ起動判定部15cは下記(8)式および(9)式によりコンバータ回路4cが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsc≦Vsmax・・・(8)
Psc≧Pcc・・・(9)
Vsmin≦Vsc≦Vsmax・・・(8)
Psc≧Pcc・・・(9)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4cの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。Pccはコンバータ回路4cを起動させるために必要な電力値である。
(S9)電圧値Vscが上記(8)式の条件を満たし、かつ、電力値Pscが上記(9)式の条件を満たす場合(S8,Yes)、コンバータ起動判定部15cは、コンバータ回路4cを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Dcを起動信号生成部20に出力する。
(S10)電圧値Vscが上記(8)式の条件を満たさず、または電力値Pscが上記(9)式の条件を満たさない場合(S8,No)、コンバータ起動判定部15cは、コンバータ回路4cを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Dcを起動信号生成部20に出力する。
(S11)コンバータ起動判定部15dは下記(10)式および(11)式によりコンバータ回路4dが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsd≦Vsmax・・・(10)
Psd≧Pcd・・・(11)
Psd≧Pcd・・・(11)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4dの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。Pcdはコンバータ回路4dを起動させるために必要な電力値である。
(S12)電圧値Vsdが上記(10)式の条件を満たし、かつ、電力値Psdが上記(11)式の条件を満たす場合(S11,Yes)、コンバータ起動判定部15dは、コンバータ回路4dを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Ddを起動信号生成部20に出力する。
(S13)電圧値Vsdが上記(10)式の条件を満たさず、または電力値Psdが上記(11)式の条件を満たさない場合(S11,No)、コンバータ起動判定部15dは、コンバータ回路4dを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Ddを起動信号生成部20に出力する。
(S14)次に起動電力演算部18は、判定結果Da,Db,Dc,Ddに基づき、起動電力値Pを決定する。
図5は図3に示す起動電力演算部の演算に用いられる第1のテーブルを示す図である。図5に示す第1のテーブル40は、起動電力演算部18に設定されている。第1のテーブル40には、複数のコンバータ回路4の動作の判定結果Da,Db,Dc,Ddと起動電力値Pとが対応付けられている。
コンバータ回路の起動が許可されるとき、起動電力演算部18では、起動が許可されたコンバータ回路を起動させるために必要な電力値Pca,Pcb,Pcc,Pcdとインバータ回路5の起動に必要な電力値Piと複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcとが加算されることにより起動電力値Pが決定される。
一例として、コンバータ回路4aが起動許可であり、コンバータ回路4bが起動許可であり、コンバータ回路4cが起動許可であり、コンバータ回路4dが起動禁止である場合、起動電力値Pは下記(12)式により決定される。
P=Pca+Pcb+Pcc+Pi+Petc・・・(12)
P=Pca+Pcb+Pcc+Pi+Petc・・・(12)
(S15)次に起動信号生成部20は、起動が許可されたコンバータ回路に接続される複数の太陽電池ストリング1のそれぞれの電力の電力合計値Psを決定する。従って、電力合計値Psは、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと判定結果Da,Db,Dc,Ddとにより決定する。
図6は図3に示す起動信号生成部の演算に用いられる第2のテーブルを示す図である。図6に示す第2のテーブル41は、起動信号生成部20に設定されている。
第2のテーブル41には、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと判定結果Da,Db,Dc,Ddとが対応付けられている。電力合計値Psは、起動が許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続された太陽電池ストリングの電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、インバータ回路5の起動に必要な電力値Piと、複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcとの合計値である。
一例として、コンバータ回路4aが起動許可であり、コンバータ回路4bが起動許可であり、コンバータ回路4cが起動許可であり、コンバータ回路4dが起動禁止である場合、電力合計値Psは下記(13)式により決定される。
Ps=Psa+Psb+Psc・・・(13)
Ps=Psa+Psb+Psc・・・(13)
(S16)次に起動信号生成部20は、上記(12)式および(13)式で電力合計値Psと起動電力値Pとを比較する。
(S17)Ps<Pの場合(S16,No)、起動信号生成部20は、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6へ起動停止を指示する。そして一定時間待機後、系統連系インバータ装置3ではS1の処理を再開する。
Ps≧Pの場合(S16,Yes)、起動信号生成部20は、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6へ起動信号Bsを出力する。
(S18)起動信号生成部20から出力された起動信号Bsにより、複数のゲートパルス発生器17およびインバータ回路5が起動して動作を開始し、さらに出力リレー6が閉路する。
(S19)複数のゲートパルス発生器17が起動したことにより、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dが動作する。またインバータ回路5が動作し、出力リレー6が閉路することにより、商用電力系統2との連系が実行される。
ここで、起動されるゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dは、コンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dで起動を許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続されたものであって、コンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dで起動を禁止されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続されたゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dは起動されない。上述した例の場合、コンバータ回路4aが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4bが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4cが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4dが起動禁止の判定がなされている。そのため、S16の判定直後はゲートパルス発生器17a,17b,17cが起動許可され、ゲートパルス発生器17dが起動禁止となる。
さらにゲートパルス発生器17dについては一定時間待機後、起動信号生成部20は再度、S11、S12、S13の処理を実施し、ゲートパルス発生器17dの起動許否の判定を行う。このときS16の処理については既にインバータ回路5が動作中であるため実施不要となる。
以下では系統連系インバータ装置3の動作を具体的な数値を用いて説明する。なお以下で説明する数値は一例であり、系統連系インバータ装置3の動作で用いられる数値はこれらに限定されるものではない。
具体的な数値例は以下の通りである。
(1)Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは1Wである。
(2)Piは40W、Petcは20W、Vsminは60V、Vsmaxは450Vである。
(3)Psaは100W、Vsaは40Vである。
(4)Psbは0.5W、Vsbは70Vである。
(5)Pscは50W、Vscは70Vである。
(6)Psdは70W、Vsdは100Vである。
(1)Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは1Wである。
(2)Piは40W、Petcは20W、Vsminは60V、Vsmaxは450Vである。
(3)Psaは100W、Vsaは40Vである。
(4)Psbは0.5W、Vsbは70Vである。
(5)Pscは50W、Vscは70Vである。
(6)Psdは70W、Vsdは100Vである。
図4に示すフローチャートに従い説明する。
(S1)複数の電圧検出器13a,13b,13c,13dにより、上記の電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdが演算される。
また複数の電力演算器14a,14b,14c,14dにより、上記の電力値Psa,Psb,Psc,Psdが演算される。
(S2〜S4)Vsaは40Vであり、Vsminは60Vであるため、Vsa≦Vsminとなり、コンバータ回路4aは起動禁止となる。
(S5〜S7)Vsbは70Vであるが、Psbは0.5Wであり、Pcbは1Wであるため、Psb<Pcbとなり、コンバータ回路4bは起動禁止となる。
(S8〜S10)Vscは70Vであり、Pscは50Wであり、Pccは1Wであるため、Psc≧Pccとなり、コンバータ回路4cは起動許可となる。
(S11〜S13)Vsdは100Vであり、Psdは70Wであり、Pcdは1Wであるため、Psd≧Pcdとなり、コンバータ回路4dは起動許可となる。
(S14)起動電力演算部18は、S2からS13において、コンバータ回路4a起動禁止、コンバータ回路4b起動禁止、コンバータ回路4c起動許可、およびコンバータ回路4d起動許可という判定により、系統連系インバータ装置3の起動電力値Pを決定する。
起動電力値Pは、P=Pcc+Pcd+Pi+Petcで得られるため、62Wとなる。
(S15)次に起動信号生成部20は、S2からS13において、コンバータ回路4a起動禁止、コンバータ回路4b起動禁止、コンバータ回路4c起動許可、およびコンバータ回路4d起動許可という判定により、複数の太陽電池ストリング1の電力合計値Psを決定する。
電力合計値Psは、Ps=Psc+Psdで得られるため、120Wとなる。
(S16)次に起動信号生成部20は、S14およびS15で決定した起動電力値Pおよび電力合計値Psにより、系統連系インバータ装置3の起動判定を実施する。
起動電力値Pは62W、電力合計値Psは120WであるためPs>Pとなる。
(S18)S16の起動判定結果により、ゲートパルス発生器17c、ゲートパルス発生器17d、およびインバータ回路5が起動して動作を開始し、さらに出力リレー6が閉路する。
(S19)ゲートパルス発生器17c,17dが起動したことにより、コンバータ回路4c、コンバータ回路4dが動作する。またインバータ回路5が動作し、出力リレー6が閉路することにより、コンバータ回路4aおよびコンバータ回路4bが停止した状態でも商用電力系統2との連系が実行される。
図7は図2に示す起動許否判定部を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
起動許否判定部16は、プロセッサ51と、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)で構成されるメモリ52と、入出力インタフェース53とにより実現することが可能である。
プロセッサ51、メモリ52および入出力インタフェース53はバス50に接続され、バス50を介して、図1に示す複数の電圧検出器13a,13b,13c,13d、複数の電力演算器14a,14b,14c,14d、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6との間における情報または信号の受け渡しを、相互に行うことが可能である。
複数のコンバータ起動判定部15のそれぞれを実現する場合、複数のコンバータ起動判定部15用のプログラムをメモリ52に格納しておき、このプログラムをプロセッサ51が実行することにより、複数のコンバータ起動判定部15が実現される。
入出力インタフェース53は、複数のコンバータ起動判定部15が電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdおよび電力値Psa,Psb,Psc,Psdを入力する際に利用される。
起動判定部19を実現する場合、起動判定部19用のプログラムをメモリ52に格納しておき、このプログラムをプロセッサ51が実行することにより、起動判定部19の起動電力演算部18および起動信号生成部20が実現される。
入出力インタフェース53は、起動判定部19の起動信号Bsを伝送する際に利用される。
以上に説明したように実施の形態1の系統連系インバータ装置3は、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dのそれぞれの起動を許可するか否かを判定し、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dのそれぞれの起動を許可するか否かの判定結果に基づいて、系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値である起動電力値を求め、起動が許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続された直流電源から出力される電力の合計値が起動電力値以上のときに系統連系インバータ装置3を起動させる起動制御を行うように構成されている。この構成により電力合計値Psが系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値、すなわち系統連系インバータ装置3を構成する全ての機器を起動させるために必要な電力値よりも低い場合でも、電力合計値Psが系統連系インバータ装置3を構成する一部の機器を起動可能な電力よりも大きい場合には、当該機器を起動できる。
特許文献1,2に示す従来技術では電力合計値Psが全ての昇圧回路の起動電力の合計値よりも高くなるまで系統連系インバータ装置を起動できない。そのため低日射の状況では、系統連系インバータ装置が起動を開始する時間が長くなり、系統連系インバータ装置が起動を開始するまでに発電された電力を有効利用することができなかった。
実施の形態1の系統連系インバータ装置3によれば、低日射の状況における電力合計値Psが、一部の機器を起動可能な電力、例えばコンバータ回路4a、インバータ回路5、および出力リレー6といった機器を起動可能な電力よりも高い値であれば、当該機器を起動できる。そのため低日射においても特許文献1,2に示す従来技術よりも早く起動でき、より多くの発電電力を有効利用できる。
実施の形態2.
図8は実施の形態2に係る系統連系インバータ装置を含む太陽光発電システムを示す図である。以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図8は実施の形態2に係る系統連系インバータ装置を含む太陽光発電システムを示す図である。以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
起動許否判定部16は、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdに基づき、系統連系インバータ装置3を商用電力系統2に連系させるため、系統連系インバータ装置3を起動させるか否かの起動許否判定を行う。具体的には、起動許否判定部16は、複数のゲートパルス発生器17のそれぞれを起動させるか否かを判定し、インバータ回路5を起動させるか否かを判定し、出力リレー6を開路状態から閉路状態にするかを判定する。起動許否判定部16の判定結果は、起動信号Bsとして複数のゲートパルス発生器17のそれぞれと、インバータ回路5と、出力リレー6とに出力される。
次に起動許否判定部16の構成を詳細に説明する。
図9は図8に示す起動許否判定部の構成図である。図9に示す起動許否判定部16は、複数のコンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dと起動判定部19とを備える。以下では、複数のコンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dを「複数のコンバータ起動判定部15」と省略する場合がある。複数のコンバータ起動判定部15のそれぞれは、電力値Psa,Psb,Psc,Psdに基づき、複数のコンバータ回路4のそれぞれを起動させることが可能か否か判定する。
コンバータ起動判定部15aは、電力演算器14aから出力された電力値Psaを入力する。コンバータ起動判定部15aは、電力値Psaがコンバータ回路4aを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17aを起動させることが可能な値の電力であるか否かを判定する。コンバータ起動判定部15aは、この判定結果Daを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15bは、電力演算器14bから出力された電力値Psbを入力する。コンバータ起動判定部15bは、電力値Psbがコンバータ回路4bを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17bを起動させることが可能な値の電力であるか否かを判定する。コンバータ起動判定部15bは、この判定結果Dbを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15cは、電力演算器14cから出力された電力値Pscを入力する。コンバータ起動判定部15cは、電力値Pscがコンバータ回路4cを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17cを起動させることが可能な値の電力であるか否かを判定する。コンバータ起動判定部15cは、この判定結果Dcを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15dは、電力演算器14dから出力された電力値Psdを入力する。コンバータ起動判定部15dは、電力値Psdがコンバータ回路4dを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17dを起動させることが可能な値の電力であるか否かを判定する。コンバータ起動判定部15dは、この判定結果Ddを起動判定部19へ出力する。
起動判定部19は、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、判定結果Da,Db,Dc,Ddとに基づき、前述した起動許否判定を行う。起動判定部19は判定結果を起動信号Bsとして出力する。
次に起動許否判定部16の構成を詳細に説明する。
図10は図9に示す起動判定部の構成図である。図10に示す起動判定部19は起動電力演算部18と起動信号生成部20とを備える。起動電力演算部18は、複数の判定結果Da,Db,Dc,Ddに基づき、系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値である起動電力値Pを演算する。起動信号生成部20は、複数の判定結果Da,Db,Dc,Ddと複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと起動電力値Pとに基づき、起動信号Bsを生成する。
起動電力演算部18および起動信号生成部20における動作を具体的に説明する。
系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値である起動電力値Pは下記(14)式で求められる。
P=Pca+Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(14)
P=Pca+Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(14)
Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは、複数のコンバータ回路4のそれぞれを起動させるために必要な電力値である。複数のコンバータ回路4のそれぞれの起動に必要な電力値Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは予め起動判定部19に設定されているものとする。Piは、インバータ回路5を起動させるために必要な電力値である。Petcは、複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の図示しない機器であって、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器を起動させるために必要な電力値である。インバータ回路5の起動に必要な電力値Pi、および複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcも予め起動判定部19に設定されているものとする。
起動電力演算部18では上記(14)式により起動電力値Pが求められる。
起動信号生成部20では、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdの合計値である電力合計値Psと、起動電力値Pとが比較される。
下記(15)式に示すように複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdの電力合計値Psが起動電力値Pよりも大きいとき、起動信号生成部20は、系統連系インバータ装置3を起動可能であると判定する。
Ps≧P・・・(15)
Ps≧P・・・(15)
上記(15)式の関係が満たされれば系統連系インバータ装置3を起動可能である。
ところが特定のコンバータ回路に接続される太陽電池ストリングの出力電力が、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力未満である場合、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力が不足する。従って当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力の不足分は、他の太陽電池ストリングの出力電力より賄われることとなる。
すなわちPsa<Pca、Psb<Pcb、Psc<Pcc、およびPsd<Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力が不足している。
このとき、当該コンバータ回路を動かす電力は、他のコンバータ回路に接続される太陽電池ストリングの出力電力より賄う必要があるため、当該太陽電池ストリングの出力電力を有効利用できない。そのため、この場合には、複数のコンバータ回路を全て動作させるよりも、一部のコンバータ回路のみを動作させたほうが、コンバータ回路の動作による電力消費が抑えられる。そのため太陽電池ストリングの出力電力を有効利用できる。
そこで実施の形態2の起動判定部19は、Psa<Pca、Psb<Pcb、Psc<Pcc、およびPsd<Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は起動させず、Psa≧Pca、Psb≧Pcb、Psc≧Pcc、およびPsd≧Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は起動させるように構成されている。
また実施の形態2の起動判定部19では、特定の太陽電池ストリングの出力電力が当該太陽電池ストリングに接続されるコンバータ回路を起動させるために必要な電力よりも小さいため、特定の太陽電池ストリングに接続されるコンバータ回路、例えばコンバータ回路4aが起動しない場合、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値は下記(16)式により求められる。
P=Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(16)
P=Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(16)
上記(16)式によれば、コンバータ回路4aを起動させるために必要な電力値分を除いて、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値が求められる。すなわち上記(16)式により求められる起動電力値Pは、上記(14)式により求められる起動電力値Pよりも小さな値となる。
従って、上記(14)式により求められる起動電力値Pよりも小さな発電電力値で系統連系インバータ装置3を起動させることができる。上記の例では、ゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dとインバータ回路5とが起動し、出力リレー6が閉路する。
以上の動作を図11から図13を用いて説明する。
図11は図8に示す系統連系インバータ装置の起動許否判定部16の起動判定動作に係るフローチャートである。
(S1)複数の電力演算器14a,14b,14c,14dにより演算された太陽電池ストリング1のそれぞれの出力電力の電力値Psa,Psb,Psc,Psdが入力される。
(S2)コンバータ起動判定部15aは下記(17)式によりコンバータ回路4aが起動可能か否かを判断する。
Psa≧Pca・・・(17)
Psa≧Pca・・・(17)
Pcaはコンバータ回路4aを起動させるために必要な電力値である。
(S3)電力値Psaが上記(17)式の条件を満たす場合(S2,Yes)、コンバータ起動判定部15aは、コンバータ回路4aを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Daを起動信号生成部20に出力する。
(S4)電力値Psaが上記(17)式の条件を満たさない場合(S2,No)、コンバータ起動判定部15aは、コンバータ回路4aを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Daを起動信号生成部20に出力する。
(S5)コンバータ起動判定部15bは下記(18)式によりコンバータ回路4bが起動可能か否かを判断する。
Psb≧Pcb・・・(18)
Psb≧Pcb・・・(18)
Pcbはコンバータ回路4bを起動させるために必要な電力値である。
(S6)電力値Psbが上記(18)式の条件を満たす場合(S5,Yes)、コンバータ起動判定部15bは、コンバータ回路4bを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Dbを起動信号生成部20に出力する。
(S7)電力値Psbが上記(14)式の条件を満たさない場合(S5,No)、コンバータ起動判定部15bは、コンバータ回路4bを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Dbを起動信号生成部20に出力する。
(S8)コンバータ起動判定部15cは下記(19)式によりコンバータ回路4cが起動可能か否かを判断する。
Psc≧Pcc・・・(19)
Psc≧Pcc・・・(19)
Pccはコンバータ回路4cを起動させるために必要な電力値である。
(S9)電力値Pscが上記(19)式の条件を満たす場合(S8,Yes)、コンバータ起動判定部15cは、コンバータ回路4cを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Dcを起動信号生成部20に出力する。
(S10)電力値Pscが上記(19)式の条件を満たさない場合(S8,No)、コンバータ起動判定部15cは、コンバータ回路4cを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Dcを起動信号生成部20に出力する。
(S11)コンバータ起動判定部15dは下記(20)式によりコンバータ回路4dが起動可能か否かを判断する。
Psd≧Pcd・・・(20)
Pcdはコンバータ回路4dを起動させるために必要な電力値である。
(S12)電力値Psdが上記(20)式の条件を満たす場合(S11,Yes)、コンバータ起動判定部15dは、コンバータ回路4dを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Ddを起動信号生成部20に出力する。
(S13)電力値Psdが上記(20)式の条件を満たさない場合(S11,No)、コンバータ起動判定部15dは、コンバータ回路4dを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Ddを起動信号生成部20に出力する。
(S14)次に起動電力演算部18は、判定結果Da,Db,Dc,Ddに基づき、起動電力値Pを決定する。
図12は図10に示す起動電力演算部の演算に用いられる第1のテーブルを示す図である。図12に示す第1のテーブル40は、起動電力演算部18に設定されている。第1のテーブル40には、複数のコンバータ回路4の動作の判定結果Da,Db,Dc,Ddと起動電力値Pとが対応付けられている。
コンバータ回路の起動が許可されるとき、起動電力演算部18では、起動が許可されたコンバータ回路を起動させるために必要な電力値Pca,Pcb,Pcc,Pcdとインバータ回路5の起動に必要な電力値Piと複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcとが加算されることにより起動電力値Pが決定される。
一例として、コンバータ回路4aが起動許可であり、コンバータ回路4bが起動許可であり、コンバータ回路4cが起動許可であり、コンバータ回路4dが起動禁止である場合、起動電力値Pは下記(21)式により決定される。
P=Pca+Pcb+Pcc+Pi+Petc・・・(21)
P=Pca+Pcb+Pcc+Pi+Petc・・・(21)
(S15)次に起動信号生成部20は、起動が許可されたコンバータ回路に接続される複数の太陽電池ストリング1のそれぞれの電力の電力合計値Psを決定する。従って、電力合計値Psは、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと判定結果Da,Db,Dc,Ddとにより決定する。
図13は図10に示す起動信号生成部の演算に用いられる第2のテーブルを示す図である。図13に示す第2のテーブル41は、起動信号生成部20に設定されている。
第2のテーブル41には、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと判定結果Da,Db,Dc,Ddとが対応付けられている。電力合計値Psは、起動が許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続された太陽電池ストリングの電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、インバータ回路5の起動に必要な電力値Piと、複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcの合計値である。
一例として、コンバータ回路4aが起動許可であり、コンバータ回路4bが起動許可であり、コンバータ回路4cが起動許可であり、コンバータ回路4dが起動禁止である場合、電力合計値Psは下記(22)式により決定される。
Ps=Psa+Psb+Psc・・・(22)
Ps=Psa+Psb+Psc・・・(22)
(S16)次に起動信号生成部20は、上記(21)式および(22)式で電力合計値Psと起動電力値Pとを比較する。
(S17)Ps<Pの場合(S16,No)、起動信号生成部20は、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6へ起動停止を指示する。そして一定時間待機後、系統連系インバータ装置3ではS1の処理を再開する。
Ps≧Pの場合(S16,Yes)、起動信号生成部20は、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6へ起動信号Bsを出力する。
(S18)起動信号生成部20から出力された起動信号Bsにより、複数のゲートパルス発生器17およびインバータ回路5が起動して動作を開始し、さらに出力リレー6が閉路する。
(S19)複数のゲートパルス発生器17が起動したことにより、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dが動作する。またインバータ回路5が動作し、出力リレー6が閉路することにより、商用電力系統2との連系が実行される。
ここで、起動されるゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dは、コンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dで起動を許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続されたものであって、コンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dで起動を禁止されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続されたゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dは起動されない。上述した例の場合、コンバータ回路4aが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4bが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4cが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4dが起動禁止の判定がなされている。そのため、S16の判定直後はゲートパルス発生器17a,17b,17cが起動許可され、ゲートパルス発生器17dが起動禁止となる。
さらにゲートパルス発生器17dについては一定時間待機後、起動信号生成部20は再度、S11、S12、S13の処理を実施し、ゲートパルス発生器17dの起動許否の判定を行う。このときS16の処理については既にインバータ回路5が動作中であるため実施不要となる。
以下では系統連系インバータ装置3の動作を具体的な数値を用いて説明する。なお以下で説明する数値は一例であり、系統連系インバータ装置3の動作で用いられる数値はこれらに限定されるものではない。
具体的な数値例は以下の通りである。
(1)Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは1Wである。
(2)Piは40W、Petcは20Wである。
(3)Psaは100Wである。
(4)Psbは0.5Wである。
(5)Pscは50Wである。
(6)Psdは70Wである。
(1)Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは1Wである。
(2)Piは40W、Petcは20Wである。
(3)Psaは100Wである。
(4)Psbは0.5Wである。
(5)Pscは50Wである。
(6)Psdは70Wである。
図11に示すフローチャートに従い説明する。
(S1)複数の電力演算器14a,14b,14c,14dにより、上記の電力値Psa,Psb,Psc,Psdが演算される。
(S2〜S4)Psaは100Wであり、Pcaは1Wであるため、Psa≧Pcaとなり、コンバータ回路4aは起動許可となる。
(S5〜S7)Psbは0.5Wであり、Pcbは1Wであるため、Psb<Pcbとなり、コンバータ回路4bは起動禁止となる。
(S8〜S10)Pscは50Wであり、Pccは1Wであるため、Psc≧Pccとなり、コンバータ回路4cは起動許可となる。
(S11〜S13)Psdは70Wであり、Pcdは1Wであるため、Psd≧Pcdとなり、コンバータ回路4dは起動許可となる。
(S14)起動電力演算部18は、S2からS13において、コンバータ回路4a起動禁止、コンバータ回路4b起動禁止、コンバータ回路4c起動許可、およびコンバータ回路4d起動許可という判定により、系統連系インバータ装置3の起動電力値Pを決定する。
起動電力値Pは、P=Pca+Pcc+Pcd+Pi+Petcで得られるため、63Wとなる。
(S15)次に起動信号生成部20は、S2からS13において、コンバータ回路4a起動許可、コンバータ回路4b起動禁止、コンバータ回路4c起動許可、およびコンバータ回路4d起動許可という判定により、複数の太陽電池ストリング1の電力合計値Psを決定する。
電力合計値Psは、Ps=Psa+Psc+Psdで得られるため、120Wとなる。
(S16)次に起動信号生成部20は、S14およびS15で決定した起動電力値Pおよび電力合計値Psにより、系統連系インバータ装置3の起動判定を実施する。
起動電力値Pは63W、電力合計値Psは120WであるためPs>Pとなる。
(S18)S16の起動判定結果により、ゲートパルス発生器17a、ゲートパルス発生器17c、ゲートパルス発生器17d、およびインバータ回路5が起動して動作を開始し、さらに出力リレー6が閉路する。
(S19)ゲートパルス発生器17a,17c,17dが起動したことにより、コンバータ回路4a、コンバータ回路4c、コンバータ回路4dが動作する。またインバータ回路5が動作し、出力リレー6が閉路することにより、コンバータ回路4bが停止した状態でも商用電力系統2との連系が実行される。
図14は図9に示す起動許否判定部を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
起動許否判定部16は、プロセッサ51と、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)で構成されるメモリ52と、入出力インタフェース53とにより実現することが可能である。
プロセッサ51、メモリ52および入出力インタフェース53はバス50に接続され、バス50を介して、図8に示す複数の電圧検出器13a,13b,13c,13d、複数の電力演算器14a,14b,14c,14d、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6との間における情報または信号の受け渡しを、相互に行うことが可能である。
複数のコンバータ起動判定部15のそれぞれを実現する場合、複数のコンバータ起動判定部15用のプログラムをメモリ52に格納しておき、このプログラムをプロセッサ51が実行することにより、複数のコンバータ起動判定部15が実現される。
入出力インタフェース53は、複数のコンバータ起動判定部15が電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdおよび電力値Psa,Psb,Psc,Psdを入力する際に利用される。
起動判定部19を実現する場合、起動判定部19用のプログラムをメモリ52に格納しておき、このプログラムをプロセッサ51が実行することにより、起動判定部19の起動電力演算部18および起動信号生成部20が実現される。
入出力インタフェース53は、起動判定部19の起動信号Bsを伝送する際に利用される。
以上に説明したように実施の形態2の系統連系インバータ装置3によれば、電力合計値Psが系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値、すなわち系統連系インバータ装置3を構成する全ての機器を起動させるために必要な電力値よりも低い場合でも、電力合計値Psが系統連系インバータ装置3を構成する一部の機器を起動可能な電力よりも大きい場合には、当該機器を起動できる。
特許文献1,2に示す従来技術では電力合計値Psが全ての昇圧回路の起動電力の合計値よりも高くなるまで系統連系インバータ装置を起動できない。そのため低日射の状況では、系統連系インバータ装置が起動を開始する時間が長くなり、系統連系インバータ装置が起動を開始するまでに発電された電力を有効利用することができなかった。
実施の形態2の系統連系インバータ装置3によれば、低日射の状況における電力合計値Psが、一部の機器を起動可能な電力、例えばコンバータ回路4a、インバータ回路5、および出力リレー6といった機器を起動可能な電力よりも高い値であれば、当該機器を起動できる。そのため低日射においても特許文献1,2に示す従来技術よりも早く起動でき、より多くの発電電力を有効利用できる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る系統連系インバータ装置は図1に示す系統連系インバータ装置と同様の構成であり、以下では、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
実施の形態3に係る系統連系インバータ装置は図1に示す系統連系インバータ装置と同様の構成であり、以下では、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
実施の形態3の起動許否判定部16は、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、複数の電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdとに基づき、系統連系インバータ装置3を商用電力系統2に連系させるため、系統連系インバータ装置3を起動させるか否かの起動許否判定を行う。具体的には、起動許否判定部16は、複数のゲートパルス発生器17のそれぞれを起動させるか否かを判定し、インバータ回路5を起動させるか否かを判定し、出力リレー6を開路状態から閉路状態にするかを判定する。起動許否判定部16の判定結果は、起動信号Bsとして複数のゲートパルス発生器17のそれぞれと、インバータ回路5と、出力リレー6とに出力される。
次に実施の形態3の起動許否判定部16の構成を詳細に説明する。
図15は実施の形態3に係る起動許否判定部の構成図である。図15に示す起動許否判定部16は、複数のコンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dと起動判定部19とを備える。以下では、複数のコンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dを「複数のコンバータ起動判定部15」と省略する場合がある。複数のコンバータ起動判定部15のそれぞれは、電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdに基づき、複数のコンバータ回路4のそれぞれを起動させることが可能か否か判定する。
コンバータ起動判定部15aは、電圧検出器13aから出力された電圧値Vsaを入力する。コンバータ起動判定部15aは、電圧値Vsaがコンバータ回路4aを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17aを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15aは、この判定結果Daを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15bは、電圧検出器13bから出力された電圧値Vsbを入力する。コンバータ起動判定部15bは、電圧値Vsbがコンバータ回路4bを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17bを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15bは、この判定結果Dbを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15cは、電圧検出器13cから出力された電圧値Vscを入力する。コンバータ起動判定部15cは、電圧値Vscがコンバータ回路4cを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17cを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15cは、この判定結果Dcを起動判定部19へ出力する。
コンバータ起動判定部15dは、電圧検出器13dから出力された電圧値Vsdを入力する。コンバータ起動判定部15dは、電圧値Vsdがコンバータ回路4dを起動させること、すなわちゲートパルス発生器17dを起動させることが可能な値の電圧であるかを判定する。コンバータ起動判定部15dは、この判定結果Ddを起動判定部19へ出力する。
起動判定部19は、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、判定結果Da,Db,Dc,Ddとに基づき、前述した起動許否判定を行う。起動判定部19は判定結果を起動信号Bsとして出力する。
次に実施の形態3の起動許否判定部16の構成を詳細に説明する。
図16は図15に示す起動判定部の構成図である。図16に示す起動判定部19は起動電力演算部18と起動信号生成部20とを備える。起動電力演算部18は、複数の判定結果Da,Db,Dc,Ddに基づき、系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値である起動電力値Pを演算する。起動信号生成部20は、複数の判定結果Da,Db,Dc,Ddと複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdと起動電力値Pとに基づき、起動信号Bsを生成する。
起動電力演算部18および起動信号生成部20における動作を具体的に説明する。
系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値である起動電力値Pは下記(23)式で求められる。
P=Pca+Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(23)
P=Pca+Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(23)
Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは、複数のコンバータ回路4のそれぞれを起動させるために必要な電力値である。複数のコンバータ回路4のそれぞれの起動に必要な電力値Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは予め起動判定部19に設定されているものとする。Piは、インバータ回路5を起動させるために必要な電力値である。Petcは、複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の図示しない機器であって、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器を起動させるために必要な電力値である。インバータ回路5の起動に必要な電力値Pi、および複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcも予め起動判定部19に設定されているものとする。
起動電力演算部18では上記(23)式により起動電力値Pが求められる。
起動信号生成部20では、複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdの合計値である電力合計値Psと、起動電力値Pとが比較される。
下記(24)式に示すように複数の電力値Psa,Psb,Psc,Psdの電力合計値Psが起動電力値Pよりも大きいとき、起動信号生成部20は、系統連系インバータ装置3を起動可能であると判定する。
Ps≧P・・・(24)
Ps≧P・・・(24)
上記(24)式の関係が満たされれば系統連系インバータ装置3を起動可能である。
ところが特定のコンバータ回路に接続される太陽電池ストリングの出力電力が、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力未満である場合、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力が不足する。従って当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力の不足分は、他の太陽電池ストリングの出力電力より賄われることとなる。
すなわちPsa<Pca、Psb<Pcb、Psc<Pcc、およびPsd<Pcdの何れかの条件を満たすコンバータ回路は、当該コンバータ回路を起動させるために必要な電力が不足している。
このとき、当該コンバータ回路を動かす電力は、他のコンバータ回路に接続される太陽電池ストリングの出力電力より賄う必要があるため、当該太陽電池ストリングの出力電力を有効利用できない。
また、複数のコンバータ回路のそれぞれに入力される電圧、すなわちそれぞれの太陽電池ストリングの出力電圧が低い場合、太陽電池ストリングへの太陽からの日射が少なく、発電量が小さいと考えられる。
そのため、この場合には、複数のコンバータ回路を全て動作させるよりも、一部のコンバータ回路のみを動作させたほうが、コンバータ回路の動作による電力消費が抑えられる。そのため太陽電池ストリングの出力電力を有効利用できる。従って、太陽電池ストリングの出力電圧値である電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdを用いてもコンバータ回路の起動許否を判定することができる。
そこで実施の形態3の起動判定部19は、Vsmin>Vsa,Vsa>Vsmax、Vsmin>Vsb,Vsb>Vsmax、Vsmin>Vsc,Vsc>Vsmax、およびVsmin>Vsd,Vsd>Vsmaxの何れかの条件を満たすコンバータ回路は起動させず、Vsmin≦Vsa≦Vsmax、Vsmin≦Vsb≦Vsmax、Vsmin≦Vsc≦Vsmax、およびVsmin≦Vsd≦Vsmaxの何れかの条件を満たすコンバータ回路は起動させるように構成されている。
また実施の形態3の起動判定部19では、特定の太陽電池ストリングの出力電力が当該太陽電池ストリングに接続されるコンバータ回路を起動させるために必要な電力よりも小さいため、特定の太陽電池ストリングに接続されるコンバータ回路、例えばコンバータ回路4aが起動しない場合、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値は下記(25)式により求められる。
P=Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(25)
P=Pcb+Pcc+Pcd+Pi+Petc・・・(25)
上記(25)式によれば、コンバータ回路4aを起動させるために必要な電力値分を除いて、系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な電力値が求められる。すなわち上記(25)式により求められる起動電力値Pは、上記(23)式により求められる起動電力値Pよりも小さな値となる。
従って、上記(23)式により求められる起動電力値Pよりも小さな発電電力値で系統連系インバータ装置3を起動させることができる。上記の例では、ゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dとインバータ回路5とが起動し、出力リレー6が閉路する。
以上の動作を図17から図19を用いて説明する。
図17は実施の形態3の系統連系インバータ装置の起動許否判定部16の起動判定動作に係るフローチャートである。
(S1)複数の電圧検出器13a,13b,13c,13dにより検出された太陽電池ストリング1のそれぞれの出力電圧の電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdが入力される。
(S2)コンバータ起動判定部15aは下記(26)式によりコンバータ回路4aが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsa≦Vsmax・・・(26)
Vsmin≦Vsa≦Vsmax・・・(26)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4aの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。
(S3)電圧値Vsaが上記(26)式の条件を満たす場合(S2,Yes)、コンバータ起動判定部15aは、コンバータ回路4aを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Daを起動信号生成部20に出力する。
(S4)電圧値Vsaが上記(26)式の条件を満たさない場合(S2,No)、コンバータ起動判定部15aは、コンバータ回路4aを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Daを起動信号生成部20に出力する。
(S5)コンバータ起動判定部15bは下記(27)式によりコンバータ回路4bが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsb≦Vsmax・・・(27)
Vsmin≦Vsb≦Vsmax・・・(27)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4bの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。
(S6)電圧値Vsbが上記(27)式の条件を満たす場合(S5,Yes)、コンバータ起動判定部15bは、コンバータ回路4bを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Dbを起動信号生成部20に出力する。
(S7)電圧値Vsbが上記(27)式の条件を満たさない場合(S5,No)、コンバータ起動判定部15bは、コンバータ回路4bを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Dbを起動信号生成部20に出力する。
(S8)コンバータ起動判定部15cは下記(28)式によりコンバータ回路4cが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsc≦Vsmax・・・(28)
Vsmin≦Vsc≦Vsmax・・・(28)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4cの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。
(S9)電圧値Vscが上記(28)式の条件を満たす場合(S8,Yes)、コンバータ起動判定部15cは、コンバータ回路4cを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Dcを起動信号生成部20に出力する。
(S10)電圧値Vscが上記(28)式の条件を満たさない場合(S8,No)、コンバータ起動判定部15cは、コンバータ回路4cを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Dcを起動信号生成部20に出力する。
(S11)コンバータ起動判定部15dは下記(29)式によりコンバータ回路4dが起動可能か否かを判断する。
Vsmin≦Vsd≦Vsmax・・・(29)
VsminとVsmaxはコンバータ回路4dの動作を許可する電圧範囲の下限値と上限値である。
(S12)電圧値Vsdが上記(29)式の条件を満たす場合(S11,Yes)、コンバータ起動判定部15dは、コンバータ回路4dを起動許可と判定し、起動許可を示す判定結果Ddを起動信号生成部20に出力する。
(S13)電圧値Vsdが上記(29)式の条件を満たさない場合(S11,No)、コンバータ起動判定部15dは、コンバータ回路4dを起動禁止と判定し、起動禁止を示す判定結果Ddを起動信号生成部20に出力する。
(S14)次に起動電力演算部18は、判定結果Da,Db,Dc,Ddに基づき、起動電力値Pを決定する。
図18は図16に示す起動電力演算部の演算に用いられる第1のテーブルを示す図である。図18に示す第1のテーブル40は、起動電力演算部18に設定されている。第1のテーブル40には、複数のコンバータ回路4の動作の判定結果Da,Db,Dc,Ddと起動電力値Pとが対応付けられている。
コンバータ回路の起動が許可されるとき、起動電力演算部18では、起動が許可されたコンバータ回路を起動させるために必要な電力値Pca,Pcb,Pcc,Pcdとインバータ回路5の起動に必要な電力値Piと複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcとが加算されることにより起動電力値Pが決定される。
一例として、コンバータ回路4aが起動許可であり、コンバータ回路4bが起動許可であり、コンバータ回路4cが起動許可であり、コンバータ回路4dが起動禁止である場合、起動電力値Pは下記(30)式により決定される。
P=Pca+Pcb+Pcc+Pi+Petc・・・(30)
P=Pca+Pcb+Pcc+Pi+Petc・・・(30)
(S15)次に起動信号生成部20は、起動が許可されたコンバータ回路に接続される複数の太陽電池ストリング1のそれぞれの電力の電力合計値Psを決定する。従って、電力合計値Psは、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと判定結果Da,Db,Dc,Ddとにより決定する。
図19は図16に示す起動信号生成部の演算に用いられる第2のテーブルを示す図である。図19に示す第2のテーブル41は、起動信号生成部20に設定されている。
第2のテーブル41には、電力値Psa,Psb,Psc,Psdと判定結果Da,Db,Dc,Ddとが対応付けられている。電力合計値Psは、起動が許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続された太陽電池ストリングの電力値Psa,Psb,Psc,Psdと、インバータ回路5の起動に必要な電力値Piと、複数のコンバータ回路4およびインバータ回路5以外の系統連系インバータ装置3を起動させるために必要な制御器の起動に必要な電力値Petcとの合計値である。
一例として、コンバータ回路4aが起動許可であり、コンバータ回路4bが起動許可であり、コンバータ回路4cが起動許可であり、コンバータ回路4dが起動禁止である場合、電力合計値Psは下記(31)により決定される。
Ps=Psa+Psb+Psc・・・(31)
Ps=Psa+Psb+Psc・・・(31)
(S16)次に起動信号生成部20は、上記(30)式および(31)式で電力合計値Psと起動電力値Pとを比較する。
(S17)Ps<Pの場合(S16,No)、起動信号生成部20は、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6へ起動停止を指示する。そして一定時間待機後、系統連系インバータ装置3ではS1の処理を再開する。
Ps≧Pの場合(S16,Yes)、起動信号生成部20は、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6へ起動信号Bsを出力する。
(S18)起動信号生成部20から出力された起動信号Bsにより、複数のゲートパルス発生器17およびインバータ回路5が起動して動作を開始し、さらに出力リレー6が閉路する。
(S19)複数のゲートパルス発生器17が起動したことにより、複数のコンバータ回路4a,4b,4c,4dが動作する。またインバータ回路5が動作し、出力リレー6が閉路することにより、商用電力系統2との連系が実行される。
ここで、起動されるゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dは、コンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dで起動を許可されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続されたものであって、コンバータ起動判定部15a,15b,15c,15dで起動を禁止されたコンバータ回路4a,4b,4c,4dに接続されたゲートパルス発生器17a,17b,17c,17dは起動されない。上述した例の場合、コンバータ回路4aが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4bが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4cが起動許可の判定がなされ、コンバータ回路4dが起動禁止の判定がなされている。そのため、S16の判定直後はゲートパルス発生器17a,17b,17cが起動許可され、ゲートパルス発生器17dが起動禁止となる。
さらにゲートパルス発生器17dについては一定時間待機後、起動信号生成部20は再度、S11、S12、S13の処理を実施し、ゲートパルス発生器17dの起動許否の判定を行う。このときS16の処理については既にインバータ回路5が動作中であるため実施不要となる。
以下では系統連系インバータ装置3の動作を具体的な数値を用いて説明する。なお以下で説明する数値は一例であり、系統連系インバータ装置3の動作で用いられる数値はこれらに限定されるものではない。
具体的な数値例は以下の通りである。
(1)Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは1Wである。
(2)Piは40W、Petcは20W、Vsminは60V、Vsmaxは450Vである。
(3)Psaは100W、Vsaは40Vである。
(4)Psbは0.5W、Vsbは460Vである。
(5)Pscは50W、Vscは70Vである。
(6)Psdは70W、Vsdは100Vである。
(1)Pca,Pcb,Pcc,Pcdのそれぞれは1Wである。
(2)Piは40W、Petcは20W、Vsminは60V、Vsmaxは450Vである。
(3)Psaは100W、Vsaは40Vである。
(4)Psbは0.5W、Vsbは460Vである。
(5)Pscは50W、Vscは70Vである。
(6)Psdは70W、Vsdは100Vである。
図17に示すフローチャートに従い説明する。
(S1)複数の電圧検出器13a,13b,13c,13dにより、上記の電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdが演算される。
また複数の電力演算器14a,14b,14c,14dにより、上記の電力値Psa,Psb,Psc,Psdが演算される。
(S2〜S4)Vsaは40Vであり、Vsminは60Vであるため、Vsa≦Vsminとなり、コンバータ回路4aは起動禁止となる。
(S5〜S7)Vsbは460Vであり、Vsmaxは450Vであるため、Vsb>Vsmaxとなり、コンバータ回路4bは起動禁止となる。
(S8〜S10)Vscは70Vであるため、Vsmin≦Vsc≦Vsmaxとなり、コンバータ回路4cは起動許可となる。
(S11〜S13)Vsdは100Vであるため、Vsmin≦Vsd≦Vsmaxとなり、コンバータ回路4dは起動許可となる。
(S14)起動電力演算部18は、S2からS13において、コンバータ回路4a起動禁止、コンバータ回路4b起動禁止、コンバータ回路4c起動許可、およびコンバータ回路4d起動許可という判定により、系統連系インバータ装置3の起動電力値Pを決定する。
起動電力値Pは、P=Pcc+Pcd+Pi+Petcで得られるため、62Wとなる。
(S15)次に起動信号生成部20は、S2からS13において、コンバータ回路4a起動禁止、コンバータ回路4b起動禁止、コンバータ回路4c起動許可、およびコンバータ回路4d起動許可という判定により、複数の太陽電池ストリング1の電力合計値Psを決定する。
電力合計値Psは、Ps=Psc+Psdで得られるため、120Wとなる。
(S16)次に起動信号生成部20は、S14およびS15で決定した起動電力値Pおよび電力合計値Psにより、系統連系インバータ装置3の起動判定を実施する。
起動電力値Pは62W、電力合計値Psは120WであるためPs>Pとなる。
(S18)S16の起動判定結果により、ゲートパルス発生器17c、ゲートパルス発生器17d、およびインバータ回路5が起動して動作を開始し、さらに出力リレー6が閉路する。
(S19)ゲートパルス発生器17c,17dが起動したことにより、コンバータ回路4c、コンバータ回路4dが動作する。またインバータ回路5が動作し、出力リレー6が閉路することにより、コンバータ回路4aおよびコンバータ回路4bが停止した状態でも商用電力系統2との連系が実行される。
図20は図15に示す起動許否判定部を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
起動許否判定部16は、プロセッサ51と、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)で構成されるメモリ52と、入出力インタフェース53とにより実現することが可能である。
プロセッサ51、メモリ52および入出力インタフェース53はバス50に接続され、バス50を介して、図1に示す複数の電圧検出器13a,13b,13c,13d、複数の電力演算器14a,14b,14c,14d、複数のゲートパルス発生器17、インバータ回路5、および出力リレー6との間における情報または信号の受け渡しを、相互に行うことが可能である。
複数のコンバータ起動判定部15のそれぞれを実現する場合、複数のコンバータ起動判定部15用のプログラムをメモリ52に格納しておき、このプログラムをプロセッサ51が実行することにより、複数のコンバータ起動判定部15が実現される。
入出力インタフェース53は、複数のコンバータ起動判定部15が電圧値Vsa,Vsb,Vsc,Vsdおよび電力値Psa,Psb,Psc,Psdを入力する際に利用される。
起動判定部19を実現する場合、起動判定部19用のプログラムをメモリ52に格納しておき、このプログラムをプロセッサ51が実行することにより、起動判定部19の起動電力演算部18および起動信号生成部20が実現される。
入出力インタフェース53は、起動判定部19の起動信号Bsを伝送する際に利用される。
以上に説明したように実施の形態3の系統連系インバータ装置3によれば、電力合計値Psが系統連系インバータ装置3の起動に必要な電力値、すなわち系統連系インバータ装置3を構成する全ての機器を起動させるために必要な電力値よりも低い場合でも、電力合計値Psが系統連系インバータ装置3を構成する一部の機器を起動可能な電力よりも大きい場合には、当該機器を起動できる。
特許文献1,2に示す従来技術では電力合計値Psが全ての昇圧回路の起動電力の合計値よりも高くなるまで系統連系インバータ装置を起動できない。そのため低日射の状況では、系統連系インバータ装置が起動を開始する時間が長くなり、系統連系インバータ装置が起動を開始するまでに発電された電力を有効利用することができなかった。
実施の形態3の系統連系インバータ装置3によれば、低日射の状況における電力合計値Psが、一部の機器を起動可能な電力、例えばコンバータ回路4a、インバータ回路5、および出力リレー6といった機器を起動可能な電力よりも高い値であれば、当該機器を起動できる。そのため低日射においても特許文献1,2に示す従来技術よりも早く起動でき、より多くの発電電力を有効利用できる。
また、複数のコンバータ回路4の運転、停止を判断するための電力は1W程度の微少な電力であり、この電力を検出するためには高精度な検出器が必要となる。なお、複数のコンバータ回路以外の系統連系インバータ回路全体の運転可能な電力は数十W程度のため、起動許否を判断するための電力の検出精度が低くてもインバータ回路の起動許否を判定可能である。そのため、各昇圧回路の運転、停止を電圧で判断することで、各回路に接続される電流検出器の精度を低くできるコストを安価にすることもできる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1a,1b,1c,1d 太陽電池ストリング、2 商用電力系統、3 系統連系インバータ装置、4a,4b,4c,4d コンバータ回路、5 インバータ回路、6 出力リレー、7a,7b,7c,7d,8 平滑用コンデンサ、9a,9b,9c,9d リアクトル、10a,10b,10c,10d スイッチング素子、11a,11b,11c,11d ダイオード、12a,12b,12c,12d 電流検出器、13a,13b,13c,13d 電圧検出器、14a,14b,14c,14d 電力演算器、15a,15b,15c,15d コンバータ起動判定部、16 起動許否判定部、17a,17b,17c,17d ゲートパルス発生器、18 起動電力演算部、19 起動判定部、20 起動信号生成部、30a,30b,30c,30d 電流検出素子、40 第1のテーブル、41 第2のテーブル、100 太陽光発電システム、101a,101b,101c,101d 正極入力端子、102a,102b,102c,102d 負極入力端子、103,104 系統出力端子、200 制御部。
Claims (5)
- 複数の直流電源のそれぞれから出力される電力が入力される複数のコンバータ回路と、前記複数のコンバータ回路のそれぞれから出力される電圧を交流電圧へ変換するインバータ回路とを備えた系統連系インバータ装置であって、
複数のコンバータ回路のそれぞれの起動を許可するか否かを判定し、複数のコンバータ回路のそれぞれの起動を許可するか否かの判定結果に基づいて、系統連系インバータ装置の起動に必要な電力値である起動電力値を求め、起動が許可されたコンバータ回路に接続された直流電源から出力される電力の合計値が前記起動電力値以上のときに系統連系インバータ装置を起動させる起動制御を行う制御部を備えることを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 前記制御部は、
前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電力値が前記複数のコンバータ回路のそれぞれを起動させることが可能な値であるか否か判定するコンバータ起動判定部と、
前記コンバータ起動判定部の判定結果と、前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電力値とに基づき、前記系統連系インバータ装置を起動させるか否かを判定する起動判定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の系統連系インバータ装置。 - 前記制御部は、
前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電圧値が前記複数のコンバータ回路のそれぞれを起動させることが可能な値であるか否か判定するコンバータ起動判定部と、
前記コンバータ起動判定部の判定結果と、前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電力値とに基づき、前記系統連系インバータ装置を起動させるか否かを判定する起動判定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の系統連系インバータ装置。 - 前記制御部は、
前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電力値と前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電圧値とに基づき、前記複数のコンバータ回路のそれぞれを起動させることが可能か否か判定するコンバータ起動判定部と、
前記コンバータ起動判定部の判定結果と、前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電力値とに基づき、前記系統連系インバータ装置を起動させるか否かを判定する起動判定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の系統連系インバータ装置。 - 前記起動判定部は、
前記起動判定部の判定結果に基づき、前記起動電力値を演算する起動電力演算部と
前記複数の直流電源のそれぞれから出力される電力値が前記起動電力値以上のときに、前記系統連系インバータ装置を起動させる起動信号を生成する起動信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の系統連系インバータ装置。
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