JPS6214742B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒートポンプ装置の熱交換用熱源とし
てサンルーム内気を利用し、これによつてサンル
ーム、居室等の空調と蓄熱タンクへの蓄熱を行う
ことを可能とした熱エネルギーの有効利用をはか
り得る熱利用装置に係り、更に詳しくは室内側熱
交換器、室外側熱交換器、コンプレツサ、四方
弁、膨張弁、ダンパ等を夫々一体的に内蔵したヒ
ートポンプ装置ユニツトの熱源にサンルーム内気
を利用し、更に熱交換器を具備した蓄熱タンクと
前記ヒートポンプ装置ユニツトとを循環パイプ等
を介して相互に連結して構成したことを特徴とし
た熱利用装置に関するものである。

従来可逆式冷凍サイクルである所謂ヒートポン
プ装置は一方の熱交を室内に他方の熱交を室外に
配置して室外空気或はソーラコレクタによる温水
等と熱交換せしめ、室内を冷暖房出来るようにし
ている。又比較的大容量の給湯或は温水暖房に於
ては貯湯式温水ボイラとかソーラコレクタによる
温水貯湯により行なうようにしているが、温水ボ
イラに於ては加熱能力が大きく大容量の温水を得
ることはたやすいが、反面省エネルギー性に劣る
欠点があり、ソーラコレクタによる場合は省エネ
ルギー性に優れるものの供給熱量の変化が大きい
ので大容量のタンクを準備しても特に冬期とか寒
冷地では使用量に不充分な事態の生じることが起
きやすい欠点があつた。従つてこれ等の問題点を
解消する為には夫々の装置を設備すれば良いが、
設備コスト的に不経済である欠点があつた。

本発明に係る装置は従来の之等の欠点に鑑み開
発された全く新規な技術であつて、特に本発明は
ヒートポンプ装置ユニツトをサンルームのサツシ
枠の一部に取付固定し、又は屋外に設置してヒー
トポンプの熱源媒体を外気よりもはるかに温度の
高いサンルーム内空気に求め、50℃程度の凝縮温
度を得て成績係数を高水準に維持し、かつサンル
ーム、居室の冷暖房と蓄熱タンクの蓄熱との両方
を行うことを可能とした全く新規な熱利用装置に
関するものである。

図により本発明に係る装置の一実施例を具体的
に説明すると、第１図及び第２図に於て、１はサ
ンルームであつて、その南面にはガラス戸１ａが
設けられかつ床面には鋼製床基盤１ｂが設けられ
ている。次に２は本発明の装置の要部を構成する
ヒートポンプ装置ユニツトであつて、前記サンル
ーム１のサツシ枠の一部にサンルーム壁と略一体
的に取付固定されている。このユニツト２には特
に室内側熱交換器３、室外側熱交換器４、コンプ
レツサ５、四方弁６、膨張弁７、切替ダンパ８が
夫々一体的に内蔵され、かつこれ等は相互に周知
の冷凍サイクルを営むように接続配管されてい
る。ユニツト２には第１図に明らかな如く、サン
ルーム内気を導入する吸気口２ａ、熱交換空気を
サンルーム内（居室内を含む）に吹出す室内側吹
出口２ｂ、室内側空気を室外に吹出す室外側吹出
口２ｃ、室外気を導入する吸気口２ｄ、熱交換空
気を室外に吹出す吹出口２ｅが夫々設けられてい
る。室内側熱交換器３の上方には前記吸気口２ａ
に隣接して送風フアン３ａが設けられており、室
外側熱交換器４の上方にも前記吹出口２ｅに隣接
して送風フアン４ａが設けられている。又前記切
替ダンパ８は吹出口２ｂと吹出口２ｃとの間に設
けられて、何れか一方の吹出口２ｂ，２ｃをサン
ルーム内の冷房、暖房の要、不要に応じて選択的
に開口せしめ得る如く作動し、更に該室内側吹出
口２ｂからのサンルーム内吹出しと居室内吹出し
の切替えは該吹出口部に分岐ダクトやダンパ（図
示せず）を設けることによつて行つている。

次に９は熱交換器であつてサンルーム１の床基
盤１ｂ或は居室床下等に設けられた蓄熱タンク１
０内に配設され、循環パイプ９ａを介して前記コ
ンプレツサ５、四方弁６、等に連結され室外側熱
交換器４と並列に切替バルブ９ｂを介して接続さ
れて該熱交換器と同様の機能を呈している。１１
は基礎、１２，１３は夫々タンク１０に取付けら
れた給水或は出湯用のパイプ、１２ａは開閉バル
ブ、１３ａはポンプ、１４は必要に応じて前記サ
ンルーム１の床基盤１ｂに配設した床暖房用の温
水パイプであり循環ポンプ１４ａによりタンク１
０内の温水を循環出来るように構成されている。

本願装置の作動を第２図に示すヒートポンプ冷
凍サイクルで説明すると、前記四方弁６が黒線位
置の時は(A)室外側熱交換器４又はタンク１０内の
熱交換器９が凝縮器（放熱作用）として働き、(B)
室内側熱交換器３が蒸発器（吸熱作用）として機
能し、次に四方弁６が点線位置の時は(A)室内側熱
交換器３が凝縮器として機能し、(B)室外側熱交換
器４又は熱交換器９が蒸発器として働く。

従つて、本願の装置を夏期、冬期、中間期、厳
寒期の空調或はタンク１０の蓄熱装置として使用
する場合は次の通りである。

(イ) 夏期又は中間期の居室等を冷房する空調及び
タンク内の蓄熱を行う場合には四方弁６を前述
の如く黒線位置にし、切換バルブ９ａを熱交換
器９側に切替えダンパ８は点線位置、フアン３
ａをオンさせると、サンルーム１内の暖気は吸
気口２ａからフアン３ａにより熱交換器３を通
り冷却されて吹出口２ｂから再びサンルーム１
又は居室内に吹出して冷房をし、一方で熱交換
器９が凝縮器として放熱作用を呈し、熱交換器
９によつてタンク１０内の水を昇温させ、かつ
この熱交換器９の凝縮温度が50℃程度迄上昇す
ると、切替バルブ９ａにより熱交換器４が凝縮
機能をフル発揮させることが出来る。

(ロ) 又夏期又は中間期にタンク内の蓄熱のみをす
る場合は四方弁６を黒線位置にし、切替バルブ
９ａを熱交換器９側に切替えダンパ８を実線位
置にし、フアン３ａをオンにすると、サンルー
ム１の内気は熱交換器３で熱交換をし冷却され
て吹出口２ｃより屋外に排出され、かつ熱交換
器９によつて放熱によつてタンク１０内の水温
を上昇せしめることが出来る。

(ハ) 冬期又は中間期に居室等を暖房して空調する
場合は四方弁６を点線位置にし、ダンパ８を点
線位置、切替バルブ９ａを熱交換器４側に切
替、フアン３ａをオン、フアン４ａをオンする
と熱交換器３は凝縮器として働き加温した空気
をサンルーム等に吹出して暖房することが出来
る。この場合にフアン３ａのみの運転が出来る
ようにすればサンルーム内温度が比較的高い場
合にはこれをそのまゝ居室に導入して暖房し、
エネルギーを有効に利用することが出来る。
又、昼間の日照を得てサンルーム内気温が高い
時に蓄熱運転を行ない、夜間暖房が必要なとき
に前記蓄熱分を熱源にしてヒートポンプ運転を
行うか或は直接床暖房を行つて部屋内を暖房す
ることが出来る。

(ニ) 厳寒期に暖房して空調する場合は四方弁６は
点線位置、ダンパ８は点線位置、切替バルブ９
ａの切替えによつて熱交換器９を蒸発器として
運転すれば、熱交換器３から温風が得られる
が、その熱源はタンク１０内の温水であり、熱
交換器９が吸熱し、これによつて厳寒期でも快
適な暖房を得ることが出来る。

(ホ) 冬期或は厳寒期にタンク内に蓄熱する場合に
は四方弁は黒線位置、切替バルブ９ａは熱交換
器９側に切替え、ダンパ８を実線位置、フアン
３ａをオンにすると、外気よりも暖かいサンル
ーム１内の熱を熱交換器３が吸収し、タンク内
の熱交換器９が放熱して温水を昇温せしめ、熱
交換器３で冷却された空気はダンパ８により排
出されるので、居室等を冷房する不案は全くな
く、これによつてタンク１０内に蓄熱をするこ
とが出来る。

(ヘ) タンク１０内の温水を給湯したり、床暖房に
使用する場合はポンプ１３ａ，１４ａによつて
タンク１０内の温水をパイプ１３，１４に流
し、給湯したり、床暖房に使用することが出来
る。

本発明に係る装置は上述の構造を有するので、
(1)サンルーム内の内気は外気に比べ太陽熱で温暖
になつているので、ヒートポンプの熱源として年
間を通じ非常に好適なものであり、蓄熱タンクへ
の蓄熱が極めて効率良く有効に行うことが出来、
(2)サンルーム内は冬期に於ても日射時には相当の
温度に上昇するからフアンを送風機として利用し
て居室内に導入するようにすることが出来、省エ
ネルギー効果を上げることが出来る、(3)タンク内
温水を暖房用熱源として利用出来るから冬期に於
ても居室暖房を中断する必要がなく、極めて実用
的である、(4)サンルーム内の空調が出来るので、
観葉植物等の裁培が可能である、(5)ヒートポンプ
装置はユニツト式であり、サンルーム内気を利用
するものであるからサツシ枠に直接取付けること
が出来る等の多大な特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本願装置の簡略説明図であ
る。 １はサンルーム、２はヒートポンプ装置ユニツ
ト、２ａ，２ｂは吸気口、２ｂ，２ｃ，２ｅは吹
出口、３，４，９は熱交換器、６は四方弁、７は
膨張弁、８はダンパ、１０はタンクである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 室内側熱交換器、室外側熱交換器、コンプレ
   ツサ、四方弁、膨張弁、ダンパ等を夫々一体的に
   内蔵したヒートポンプ装置ユニツトの熱源にサン
   ルーム内気を利用し、更に熱交換器を具備した蓄
   熱タンクと前記ヒートポンプ装置ユニツトとを循
   環パイプ等を介して相互に連結して構成したこと
   を特徴とした熱利用装置。