JPH11349634A - プロピレン重合体 - Google Patents

プロピレン重合体

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JPH11349634A
JPH11349634A JP10157179A JP15717998A JPH11349634A JP H11349634 A JPH11349634 A JP H11349634A JP 10157179 A JP10157179 A JP 10157179A JP 15717998 A JP15717998 A JP 15717998A JP H11349634 A JPH11349634 A JP H11349634A
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JP
Japan
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hydrocarbon group
group
carbon atoms
containing hydrocarbon
component
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Application number
JP10157179A
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Teruo Mori
輝雄 森
Toshihiko Sugano
利彦 菅野
Masami Kashimoto
雅美 樫本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のオレフィン重合触媒で重合可能なよう
に、末端がビニル構造を有するプロピレン重合体であ
り、しかも剛性や耐熱性を保持する程度のアイソタクチ
ック規則性を有するプロピレン重合体の提供。 【解決手段】 下記の条件(A)、(B)、(C)およ
び(D)を充足することを特徴とする、プロピレン重合
体。 (A)13C−NMRで測定した、頭−尾結合からなるプ
ロピレン単位5連鎖部のメソ−ラセミ−ラセミ−メソ連
鎖の割合が9モル%以下であること、 (C)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した重量平均分子量Mwが1000〜100
0000の範囲であること、(D)2,1−および1,
3−の異種結合の合計が0.1モル%以下であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアイソタクチックト
リアッド分率が高く、特定量の末端構造を有する新規な
プロピレン重合体に関するものである。詳しくは、末端
にビニル基を有するアイソタクチックなプロピレン重合
体に関するものである。本発明の重合体は、チーグラー
ナッタ触媒で重合可能な立体規則性を有するマクロマー
として利用が可能である他、末端を変性することにより
相容化剤や接着性や塗装性等に優れた特殊機能を有する
ポリプロピレンとして利用が可能である。
【0002】
【従来の技術】プロピレン重合体は、剛性、耐熱性、成
形性、透明性、耐薬品性に優れるという特徴が注目され
て、各種工業用材料、各種容器、日用品、フィルムおよ
び繊維などの種々の用途で広く使用されている。従来の
プロピレン重合体は分子量を調節するために水素を用い
ることが多く末端は飽和炭化水素基となっている。一
方、メタロセン触媒の出現により低分子量の立体規則性
プロピレン重合体が得られるようになったが、その末端
はβ水素引き抜きによるイソブテニル構造を有するた
め、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒等のオレフ
ィン重合触媒に対するマクロマーとしての利用には適さ
ない。
【0003】一方、ビス(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリドを用いると、末端ビニ
ル基を有する低重合体の生成が報告されている。(特開
平8−109214公報)しかしながらこの触媒系で得
られる重合体は分子量が低い液状の低重合体であり、立
体規則性の無いアタクチックな構造のプロピレン重合体
であるため、剛性や耐熱性の低いポリマーにしか得られ
ず、汎用的に利用されているアイソタクチックな立体規
則性を有し、しかも末端ビニル基を有するプロピレン重
合体の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通常のオレ
フィン重合触媒で重合可能なように、末端がビニル構造
を有するプロピレン重合体であり、しかも剛性や耐熱性
を保持する程度のアイソタクチック規則性を有するプロ
ピレン重合体の創成を目的として検討した結果見いださ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような状
況に鑑みてなされたものであり、アイソタクチックトリ
アッド分率が高く、特定の末端構造を有する新規なプロ
ピレン重合体を提供することを目的とするものであっ
て、下記の条件(A)、(B)、(C)および(D)の
特徴を有するプロピレン重合体が剛性、耐熱性、成形
性、光沢に優れると共に、オレフィン触媒に対する重合
性が期待されるという知見に基づくものである。
【0006】したがって、本発明によるプロピレン重合
体は、下記の条件(A)、(B)、(C)および(D)
を充足することを特徴とするものである。(A)13C−
NMRで測定した、頭−尾結合からなるプロピレン単位
5連鎖部のメソ−ラセミ−ラセミ−メソ連鎖の割合が9
モル%以下であること、 −プロペニル基を含有すること、(C)ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平
均分子量Mwが1,000〜1,000,000の範囲
であること、(D)2,1−および1,3−の異種結合
の合計が0.1モル%以下であること。
【0007】
【発明の実施の形態】<プロピレン重合体>本発明によ
るプロピレン重合体は、13C−NMRで測定した、頭−
尾結合からなるプロピレン単位5連鎖部のメソ−ラセミ
−ラセミ−メソ連鎖の割合が9モル%以下、好ましくは
7.5モル%以下のものである。なお、メソ−ラセミ−
ラセミ−メソ連鎖を以下mrrmと表記する。
【0008】ここで、13C−NMRスペクトルの測定方
法は、次の通りである。13C−NMRスペクトルは10
mmΦNMR用測定用サンプル管の中で50〜500m
gの試料をo−ジクロロベンゼン約2.0mlにロック
溶媒である重水素化ベンゼン約0.5mlを加えた溶媒
中で完全に溶解させた後、130℃でプロトン完全デカ
ップリング法で測定した。デカップリングにはワルツ1
6を使った。測定条件は、フリップアングル65°、パ
ルス間隔5T1 以上(T1 はメチル基のスピン格子緩和
時間のうち最長の値)を選択した。プロピレン重合体に
おいてメチレン基およびメチン基のT1 はメチル基より
短いので、この測定条件では全ての炭素の磁化の回復は
99%以上である。観測周波数は124MHz以上を用
い、デジタル分解能は0.008ppm以下(すなわ
ち、観測周波数125MHにおいてはアクィジッション
時間が1秒以上)を用いた。
【0009】ケミカルシフトは頭−尾結合しメチル基の
分岐の方向が同一であるプロピレン単位5連鎖の第3単
位目のメチル基を21.8ppmとして設定し、他の炭
素シグナルのケミカルシフトはこれを基準とした。この
基準では、PPPPP(mmmm)およびPPPPP
(mmmr)で示されるプロピレン単位5連鎖中の第2
単位目のメチル基に基づくシグナルは21.44〜2
2.10ppmの範囲に、PPPPP(mmrr)で示
されるプロピレン単位5連鎖中の第2単位目のメチル基
に基づくシグナルは20.94〜21.14ppmの範
囲に、PPPPP(mrrm)で示されるプロピレン単
位5連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくシグナルは
19.70〜20.04ppmの範囲に現れる。ここ
で、プロピレン単位5連鎖部のPPPPP(mrrm)
の割合を示す[mrrm]の上限値は下記の式で示され
る。本発明の重合体は[mrrm]が9%以下、好まし
くは7.5%以下であることが発明の条件(A)であ
る。
【0010】
【数1】 [mrrm]=I(mrrm)/{I(mmmm)+I(mmmr)+I (mmrr)+I(mrrm)−I(2,1)} (式1) I(2,1)=(1/4){A+A+A+A} (式2)
【0011】この(式1)において、I(mmmm)、
I(mmmr)、I(mmrr)、I(mrrm)はそ
れぞれのプロピレン単位5連鎖中の第2単位目のメチル
基に基づくシグナルの積分値である。式(2)のA、
A、A、Aはそれぞれ、部分構造(I)に由来す
る42.3ppm、38.6ppm、36.0pp、3
5.9ppmのシグナルの積分値である。なお、mある
いはrの構造および部分構造は次式で示される。
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】プロピレン重合体はmm、mrの結合の他
に上記構造(I)、構造(II)として示すようにプロピ
レンの挿入が逆転した構造を有することがある。このよ
うな部分構造は、プロピレン重合体の重合時に発生する
位置不規則性が原因と考えられている。プロピレンモノ
マーは、通常、メチレン側が触媒中心金属側と結合する
1,2−挿入であるが、稀に2,1−挿入あるいは1,
3−挿入することがある。2,1−挿入で重合されたモ
ノマーはポリマー鎖中において(化4)の部分構造
(I)で表される位置不規則単位を形成する。また、
1,3−挿入で重合されたモノマーはポリマー鎖中にお
いて(化5)の部分構造(II)で表される位置不規則単
位を形成する。
【0015】本発明に係わるプロピレン重合体の全ポリ
マー連鎖中のmm分率は次の式で表される。ところで、
部分構造(II)では1,3−挿入の結果、メチル基が1
個相当分消失している。ところで、本発明のプロピレン
重合体はプロピレンの2,1−挿入および1,3−挿入
に基づく位置不規則単位を含む前記部分構造(I)およ
び(II)が0.1モル%以下であることという特徴が条
件(D)である。各種定義の数値は以下のように定量す
るものとする。
【0016】
【数2】
【0017】この式において、ΣICH3 は全メチル基
(19〜22ppm)の面積を示す。また、A、A
、A、A、A、A、A、AおよびA
は、それぞれ42.3ppm、35.9ppm、38.
6ppm、30.6ppm、36.0ppm、31.5
ppm、31.0ppm、37.2ppm、27.4p
pmの面積であり、部分構造(I)および(II)中で示
した炭素の存在比を示す。また、全プロピレン挿入に対
する2,1−挿入したプロピレンの割合、1,3−挿入
したプロピレンの割合は下記の式で計算される。
【0018】
【数3】
【0019】本発明によるプロピレン重合体は、実質的
にプロピレンのホモポリマーであるが、プロピレン挿入
形態に関する条件(A)および(B)が充足されるかぎ
り、少量のプロピレン以外のα−オレフィン(エチレン
を包含する)、例えばプロピレンに対して6.0モル%
までの量のα−オレフィンとの共重合体であってもよ
い。
【0020】末端構造は、13C−NMRおよび 1H−N
MRで決定する。プロピレンのホモポリマーには(化
1)〜(化13)の構造が含まれうるが、1−プロペニ
ル末端(化11)は特徴的な13C−NMR信号、δ11
5.5(1位)、δ137.5(2位)、δ41.5
(3位)により存否を判定できる。各末端の構造は以下
のように定義する。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】この際13C−NMRスペクトルによる各種
末端の信号の帰属は、1−プロペニル末端(化11)に
特徴的な信号が、δ115.5(1位)、δ137.5
(2位)、δ41.5(3位)、δ30.9(4位)で
あり、イソブテニル末端(化10)に特徴的な信号が、
δ111.5(1位)、δ144.7(2位)、δ2
2.5(2位メチル)であり、プロピル末端(化8)に
特徴的な信号が、δ14.4(1位)、δ20.2(2
位)、δ39.8(3位)、δ30.7(4位)であ
り、ジメチル末端(化6)に特徴的な信号が、δ22.
6(1位)、δ23.7(1位)、δ25.9(2位)
である。イソブテニル末端(化10)に特徴的な信号の
帰属は文献5から、プロピル末端(化8)に特徴的な信
号の帰属は文献5から、ジメチル末端(化6)に特徴的
な信号の帰属は文献6から行った。1−プロペニル末端
(化11)に特徴的な信号の帰属は、文献1で帰属され
ている類似構造化合物4−メチル−1−ヘキセンの末端
信号δ115.4(1位)、δ137.8(2位)、δ
41.3(3位)との比較から行った。(化11)と類
似構造の1−ブテニル末端(化12)および長鎖ビニル
末端(化14)との区別は、(化12)および(化1
4)に特徴的な信号の化学シフトを文献1で帰属されて
いる類似構造化合物の化学シフトから推定することによ
り行った。(化12)に特徴的な信号はδ114.1
(1位)、δ139.3(2位)、δ31.9(3位)
と推定し、および長鎖ビニル末端(化14)に特徴的な
信号δ114.2(1位)、δ139.1(2位)、δ
34.0(3位)と推定した。
【0031】一方 1H−NMRスペクトルでは、1−プ
ロペニル末端(化11)の二重結合水素信号(δ5.8
4〜5.74、δ5.02〜4.96)およびイソブテ
ニル末端(化10)の二重結合水素信号(δ4.78〜
4.66)が、その他の飽和水素信号(δ2.60〜
0.40)から分離して観測される。二重結合水素信号
の帰属は文献7で帰属されている類似化合物1−デセン
および2−メチル−1−のスペクトルから行った。
【0032】1−プロペニル末端(化11)およびイソ
ブテニル末端(化10)のプロピレン単位中のモル%、
[1−Pr−Δ]および[i−Bu−Δ]は 1H−NM
R積分値に基づき下記の式から求めた。
【0033】
【数4】 [1−Pr−Δ]=B/{(1/6)(B+B+B+B)} (式6)
【0034】
【数5】 [i−Bu−Δ]=(1/2)B/ {(1/6)(B+B+B+B)} (式7)
【0035】この式において、Bは飽和水素に由来す
る2.60〜0.40ppmの信号の積分値であり、B
は5.84〜5.74ppmの信号の積分値であり、
Bは5.02〜4.96ppmの信号の積分値であ
り、Bは4.78〜4.66ppmの信号の積分値で
ある。オレフィン構造単位中の1−プロペニル末端(化
11)およびイソブテニル末端(化10)のモル%、
[1−Pr−Δ]dbおよび[i−Bu−Δ]db 1H−
NMR積分値に基づき下記の式から求めた。
【0036】
【数6】 [1−Pr−Δ]db=B/{B+(1/2)(B+B)} (式8)
【0037】
【数7】 [i−Bu−Δ]db=(1/2)B/{B+(1/2)(B+B)} (式9)
【0038】尚、本発明は、片側の末端が1−プロペニ
ル末端(アリル末端)(化11)である重合体がイソブ
テニル末端に対して少なくとも35モル%以上存在する
ことが好ましい。NMR帰属に関連する文献を以下に列
記する。 1)Lindeman,L.P.;Adams,J.Q.Anal.Chem .43(1971)1245 2)Couperus,P.A.;Clague,A.D.H.;Van D ongen,J.P.C.M.Org.Magn.Reson.8(1976) 426 3)Zambelli,A.;Locatgelli,P.;et al.M acromol.13(1980)267−270 (2,1) 4)Grassi,A.;Zambelli,A.Macromol.21( 1988)617−622 (1,3) 5)Zambelli,A.Macromol.12(1979)154 n−propyl,2−methylene−propenyl(vi nylidene) 6)Zambelli,A.etal.Macromol.15(1982) 211−212 dimethyl(i−propyl) 7)Aldrich NMRデータ集
【0039】本発明のプロピレン重合体の分子量はGP
Cの重量平均で1,000〜1,000,000であ
る。好ましくは1,000〜400,000、さらに好
ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは
1,000〜50,000である。用途により好ましい
分子量は異なるが、マクロマーとして利用する場合は5
0,000以下が取り扱い上も分岐の役割としても望ま
しい。
【0040】<プロピレン重合体の製造>本発明による
プロピレン重合体を製造する方法は、上記の物性を満足
するプロピレン単独重合体、あるいは6モル%以下のエ
チレンあるいはプロピレン以外のαオレフィン重合体と
の共重合体を与えるものであれば、特に限定されない。
その中でも、本発明の重合体を製造するのに好適な触媒
系は、メタロセン触媒であり、例えば、下記に示すよう
な触媒成分(A):後述する遷移金属化合物から選ばれ
る少なくとも1種のメタロセン化合物と、触媒成分
(B):[(B)−1]アルミニウムオキシ化合物、
[(B)−2]触媒成分(A)と反応して触媒成分
(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合
物またはルイス酸、[(B)−3]:珪酸塩を除くイオ
ン交換性層状化合物または無機珪酸塩、と任意成分
(C):微粒子担体、および/または任意成分(D):
有機アルミニウム化合物からなる触媒系である。
【0041】本発明による重合体は、好ましくは前記触
媒の存在下にプロピレンを重合あるいはプロピレンとエ
チレンあるいはプロピレン以外のαオレフィンとを共重
合させることによって得られる。
【0042】〈触媒成分(A)〉まず、本発明の重合体
を提供可能な触媒成分(A)の遷移金属化合物の例につ
いて説明する。尚、本発明の重合体が得られる限り、触
媒成分(A)はこの例示に限定されず任意であることは
言うまでもない。触媒成分(A)は、下記一般式[I]
で表される遷移金属化合物が代表例である。
【0043】
【化13】
【0044】(式中、R1 、R2 、R4 、R5 はそれぞ
れ独立に、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基
または炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基であり、
3 、R6 はそれぞれ独立に、それが結合する五員環に
対して縮合環を形成する2価の炭素数3〜10の飽和ま
たは不飽和炭化水素基を示す。好ましくはR3 およびR
6 少なくとも一方は、炭素数5〜10である。このう
ち、R1 、R4 の基は分岐を有する炭化水素が好まし
く、さらに好ましくはイソプロピル基である。R7 、R
8 はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基または
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化
水素、窒素含有炭化水素、燐含有炭化水素、を示す。
m、nはそれぞれ独立に0〜20の整数を示す。Qは二
つの五員環を結合する、少なくとも一つの炭素数1〜2
0の炭化水素基、炭素数1〜20ののハロゲン化炭化水
素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、燐含
有炭化水素基を有するアルキレン基、または少なくとも
一つの炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の
のハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含
有炭化水素基、燐含有炭化水素基を有するシリレン基ま
たは少なくとも一つの炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20ののハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化
水素基、窒素含有炭化水素基、燐含有炭化水素基を有す
るゲルミレン基を示す。XおよびYはそれぞれ独立に水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜2
0の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の
窒素含有炭化水素基を示し、Mは周期律表3〜6族遷移
金属を示す。)
【0045】本発明に係わる一般式[I]で表される遷
移金属化合物は、置換基R1 、R2、およびR3 を有す
る五員環配位子と、置換基R4 、R5 、およびR6 を有
する五員環配位子が基Qを介して相対位置の観点におい
てM、X、およびYを含む平面に関して非対称である化
合物、および対称である化合物を含む。ただし高活性、
高分子量、かつ高融点のα−オレフィン重合体の製造を
行うためには、置換基R1 、R2 、およびR3 を有する
五員環配位子と、置換基R4 、R5 、およびR 6 を有す
る五員環配位子が基Qを介して相対位置の観点において
M、X、およびYを含む平面に関して非対称である、換
言すればM、X及びY含む平面を挟んで対向する二個の
五員環配位子が該平面に関して実体と鏡像の関係にない
化合物を使用する。
【0046】R1 、R2 、R4 、R5 は上記したよう
に、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の
炭化水素基または炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素
基である。さらに詳しくは、R1 、R2 、R4 、R
5 は、それぞれ独立に、(イ)水素原子、(ロ)炭素数
1〜10の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s
−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、
シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メ
チルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニ
ル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、フ
ェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキ
ル、trans−スチリル等のアリールアルケニル基、
フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニ
ル、トリメチルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル
等のアリール基、(ハ)炭素数1〜18のケイ素含有炭
化水素基、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリ
ル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル
基、トリフェニルシリル等のトリアリールシリル基、ジ
メチルフェニルシリル等の(アルキル)(アリール)シ
リル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキル
シリルアルキル基である。これらのうち、R1 、R4
してはイソプロピル、tertブチル、シクロプロピ
ル、フェニル、シクロペンチル、等の炭素数1〜10ま
での炭化水素基であることが好ましく、R2 、R5 とし
ては水素原子が好ましい。
【0047】R3 、R6 はそれぞれ独立に、それが結合
する五員環に対して縮合環を形成する2価の炭素数3〜
10の飽和または不飽和炭化水素基を示す。従って、当
該縮合環は5〜12員環である。好ましくはR3 および
6 の少なくとも一方は、7〜12員環からなる縮合環
を形成する。この際、当該縮合環の少なくとも一つが7
〜10員環であることが好ましく、当該縮合環の両方が
7〜10員環であることがさらに好ましい。
【0048】このようなR3 、およびR6 の具体例を例
示すれば下記の通りである。トリメチレン、テトラメチ
レン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレ
ン等の2価の飽和炭化水素基、プロペニレン、2−ブテ
ニレン、1,3−ブタジエニレン、1−ペンテニレン、
2−ペンテニレン、1,3−ペンタジエニレン、1,4
−ペンタジエニレン、1−ヘキサニレン、2−ヘキサニ
レン、3−ヘキサニレン、1,3−ヘキサジエニレン、
1,4−ヘキサジエニレン、1,5−ヘキサジエニレ
ン、2,4−ヘキサジエニレン、2,5−ヘキサジエニ
レン、1,3,5−ヘキサトリニレン等の2価の不飽和
炭化水素基が挙げられる。これらのうちペンタメチレ
ン、1,3−ペンタジエニレン、1,4−ペンタジエニ
レン、1,3,5−ヘキサトリニレンが好ましく、1,
3−ペンタジエニレン、1,4−ペンタジエニレンが特
に好ましい。
【0049】R7 、R8 はそれぞれ独立に炭素数1〜2
0の炭化水素基または、炭素数1〜20ののハロゲン化
炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素
基、燐含有炭化水素基を示す。さらに詳しくは(イ)炭
素数1〜20の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチ
ル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキ
シル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プ
ロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールア
ルキル、trans−スチリル等のアリールアルケニル
基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェ
ニル、トリメチルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチ
ル、アセナフチレニル、フェナントレニル、アントラセ
ニル、等のアリール基を挙げることができる。これらの
うち、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、
n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シ
クロプロピル等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリ
メチルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル等の炭素
数6〜20のアリール基が好ましい。
【0050】R7 ,R8 の別の基としては、(ロ)炭素
数1〜20ののハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水
素基、窒素含有炭化水素基、燐含有炭化水素基があげら
れる。ハロゲン化炭化水素基を構成するハロゲン原子と
してはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を
挙げることができる。炭素数1〜20のハロゲン化炭化
水素基としては例えば、ハロゲン原子としてフッ素原子
を例にすると、フッ素原子が上記の炭素数1〜20の炭
化水素基の任意の位置に置換した化合物である。具体的
にはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロ
メチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメ
チル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチ
ル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、
2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオ
ロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピ
ル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、1,1
−ジフルオロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオ
ロフェニルエチル、o−または、m−またはp−フルオ
ロフェニル、o−または、m−またはp−クロロフェニ
ル、o−または、m−またはp−ブロモフェニル、2,
4−または、3,5−または、2,6−または2,5−
ジフルオロフェニル、2,4−または、3,5−また
は、2,6−または2,5−ジクロロフェニル、2,
4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロ
ロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフ
ェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、
2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−α−ナ
フチル、ヘプタクロロ−α−ナフチル、o−または、m
−またはp−トリフルオロメチルフェニル、o−また
は、m−またはp−トリクロロメチルフェニル、2,4
−または、3,5−または、2,6−または2,5−ジ
−トリフルオロメチルフェニル、2,4−または、3,
5−または、2,6−または2,5−ジ−トリクロロメ
チルフェニル、2,4,6−トリ−トリフルオロメチル
フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリ
クロロメチルナフチル、2,4−ジ−トリフルオロメチ
ルナフチル基等が挙げられる。これらのうちフッ素化炭
化水素基、または塩素化炭化水素基が好ましく、o−ま
たは、m−またはp−フルオロフェニル基、あるいはo
−または、m−またはp−クロロフェニル基、あるいは
o−または、m−またはp−トリフルオロメチルフェニ
ル基が特に好ましい。酸素含有炭化水素基としてはメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシ、エトキシエ
チル、フリル、メトキシフェニル、メチルセロソルブ基
等が例示される。また、窒素含有炭化水素基としては、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピリジル、インドリ
ル、カルバゾリル、ジメチルアミノフェニル、キノリル
基等が例示される。また燐含有炭化水素基としては、ジ
メチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノ、ジメチ
ルフォスフィノエチル基等が例示される。
【0051】m、nはそれぞれ独立に0〜20の整数を
示す。好ましくは、m,nが0〜5である。ここでmま
たはnが、またはmとn両方が2〜20の整数であると
きは、複数の基R7 (R8 )は互いに同一でも異なって
いても構わない。また、m,n,が2以上の時、これら
の基が連結して新たな環構造を作っていても良い。Qは
二つの五員環を結合する、少なくとも一つの炭素数1〜
20の炭化水素基、炭素数1〜20ののハロゲン化炭化
水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、燐
含有炭化水素基を有するアルキレン基、または少なくと
も一つの炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20
ののハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基、燐含有炭化水素基を有するシリレン基
または少なくとも一つの炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20ののハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭
化水素基、窒素含有炭化水素基、燐含有炭化水素基を有
するゲルミレン基を示す。炭化水素基を含有する架橋基
としては、Qの具体例としては、メチレン、メチルメチ
レン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1,3−
トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,2−シク
ロへキシレン、1,4−シクロへキシレン等のアルキレ
ン基;(メチル)(フェニル)メチレン、ジフェニルメ
チレン等のアリールアルキレン基;シリレン基;メチル
シリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ
(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレ
ン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレ
ン基、メチル(フェニル)シリレン、メチル(トリル)
シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジ
フェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチ
ルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基;ゲルミレ
ン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有す
るシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキ
ルゲルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン
基;アリールゲルミレン基などを挙げることが出来る。
これらの中では、炭素数1〜20の炭化水素基を有する
シリレン基、または、炭素数1〜20の炭化水素基を有
するゲルミレン基が好ましく、アルキルシリレン基、
(アルキル)(アリール)シリレン基またはアリールシ
リレン基が特に好ましい。ハロゲン化炭化水素基を構成
するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子が挙げられる。具体的には、(フル
オロメチル)メチルメチレン、(ジフルオロメチル)メ
チルメチレン、(トリフルオロメチル)メチルメチレ
ン、(4−フルオロフェニル)メチルメチレン、ジトリ
フルオロメチルメチレン、1,2−ジトリフルオロメチ
ルエチレン、(フルオロメチル)メチルシリレン、(ク
ロロメチル)メチルシリレン、ジ(クロロメチル)シリ
レン、ジ(トリフルオロメチル)シリレン、(1,1,
1−トリフルオロプロピル)メチルシリレン、(2−フ
ルオロフェニル)メチルシリレン、(3−フルオロフェ
ニル)メチルシリレン、(4−フルオロフェニル)メチ
ルシリレン、(2−クロロフェニル)メチルシリレン、
(3−クロロフェニル)メチルシリレン、(4−クロロ
フェニル)メチルシリレン、(2−トリフルオロメチル
フェニル)メチルシリレン、(3−トリフルオロメチル
フェニル)メチルシリレン、(3−トリフルオロメチル
フェニル)メチルシリレン、(4−トリフルオロメチル
フェニル)メチルシリレン、(3,5−ジフルオロフェ
ニル)メチルシリレン、(2,4,6−トリフルオロフ
ェニル)メチルシリレン、(4−フルオロフェニル)エ
チルシリレン、(4−クロロフェニル)エチルシリレ
ン、(4−フルオロフェニル)(クロロメチル)シリレ
ン、ジ(4−フルオロフェニル)シリレン、ジ(4−ク
ロロフェニル)シリレン、および上記シリレン基のケイ
素をゲルマニウムに代わったゲルミレン基等を挙げるこ
とができる。
【0052】酸素含有炭化水素基を有する架橋基として
は、フェノキシメチルシリレン、メトキシフェニルメチ
ルシリレン、エトキシエチルメチルシリレン、ジメトキ
シフェニルシリレン、ジエトキシエチルシリレン基や、
各種置換ゲルミレン基が例示される。窒素含有炭化水素
基含有架橋基としては、ジエチルアミノエチルメチルシ
リレン、ジメチルアミノフェニルメチルシリレン、ジピ
リジルシリレン、等が例示される。燐含有炭化水素基含
有架橋基としては、ジフェニルフォスフィノエチルメチ
ルシリレン、ビス(ジメチルフォスフィノメチル)シリ
レン基等が例示される。
【0053】XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含
有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭
化水素基を示し、具体的には水素原子;フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;前記
7 、R8 と同様の炭素数1〜20の炭化水素基あるい
はハロゲン化炭化水素基;メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、シクロプロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、
フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、
ナフトキシ等のアリロキシ基、フェニルメトキシ、ナフ
チルメトキシ等のアリールアルコキシ基などの炭素数1
〜20の酸素含有炭化水素基;アミノ基;メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ等
のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミ
ノ等のアリールアミノ基、(メチル)(フェニル)アミ
ノ等の(アルキル)(アリール)アミノ基などの炭素数
1〜20の窒素含有炭化水素基を挙げることができる。
これらのうち、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜2
0の炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基
が好ましく、さらにはハロゲン原子、炭素数1〜20の
炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基が好
ましく、特に塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェ
ニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が好まし
い。
【0054】Mは周期律表3〜6族遷移金属を示し、好
ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムの4族遷移
金属、さらに好ましくはジルコニウム、ハフニウムであ
る。本発明に係わる一般式[I]で表される遷移金属化
合物は、置換基ないし結合の形成に関して合目的的な任
意の方法によって合成することができる。代表的な合成
経路は下記の通りである。なお、H2 Ra,H2 Rbは
それぞれ下記のような構造を示す。
【0055】
【化14】 (R1 〜R8 、nおよびmは先述と同じ)
【0056】 H2 Ra+n−C4 9 Li→HRaLi+C4 102 Rb+n−C4 9 Li→HRbLi+C4 10 HRaLi+HRbLi+QCl2 →HRa−Q−HR
b+2LiCl HRa−Q−HRb+2n−C4 9 Li→LiRa−
Q−LiRb+2C4 10 LiRa−Q−LiRb+ZrCl4 →(Ra−Q−R
b)ZrCl2 +2LiCl2
【0057】また、上記HRaLi、HRbLiの如き
シクロペンタジエニル化合物の金属塩の生成は、例え
ば、ヨーロッパ特許第697418号公報に記載のよう
に、アルキル基やアリール基などの付加反応を伴うよう
な方法で合成しても構わない。具体的には、不活性溶媒
中で、アルキルリチウム化合物、アリールリチウム化合
物とアズレン化合物を反応させてジヒドロアズレニル化
合物のリチウム塩を生成させる。アルキルリチウム化物
としては、メチルリチウム,i−プロピルリチウム、n
−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等が使用され、
アリールリチウム化物としてはフェニルリチウム、p−
クロロフェニルリチウム、p−フルオロフェニルリチウ
ム、p−トリフルオロメチルフェニルリチウム、ナフチ
ルリチウム等が使用される。また、不活性溶媒として
は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合溶媒などが使
用される。
【0058】本発明に係わる上記一般式[I]で表され
る遷移金属化合物の非限定的な例として下記のものを挙
げることができる。なお、これらの化合物は単に化学的
名称のみで指称されているが、その立体構造は本発明で
いう非対称性を持つ化合物と対称性を持つ化合物の双方
を意味する。 (1)ジクロロジメチルシリレンビス(2−イソプロピ
ル−4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (2)ジクロロフェニルメチルシリレンビス(2−イソ
プロピル−4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (3)ジクロロ(4−クロロフェニル)メチルシリレン
ビス(2−イソプルピル−4−フェニル4Hアズレニ
ル)ジルコニウム (4)ジクロロジ(クロロメチル)シリレンビス(2−
イソプロピル−4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニ
ウムジクロリド (5)ジクロロジメチルシリレンビス(2−シクロペン
チル−4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (6)(4−フルオロフェニル)メチルシリレンビス
(2−シクロペンチル−4−フェニル4Hアズレニル)
ジルコニウム (7)ジクロロジメチルシリレンビス(2−イソプロピ
ル−4−ナフチル4Hアズレニル)ジルコニウム (8)ジクロロ(クロロメチル)メチルシリレンビス
(2−イソプロピル−4−ナフチル4Hアズレニル)ジ
ルコニウム (9)ジクロロ(4−フルオロフェニル)メチルシリレ
ンビス(2−イソプロピル−4−ナフチル4Hアズレニ
ル)ジルコニウム (10)ジクロロ(4−クロロフェニル)メチルシリレ
ンビス(2,イソプロピル,8−メチル−4−フェニル
4Hアズレニル)ジルコニウム (11)ジクロロジメチルシリレンビス(2−シクロプ
ロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (12)ジクロロジメチルシリレンビス(2−シクロブ
チル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (13)ジクロロジメチルシリレンビス(2−イソプロ
ピル、4−ナフチル、4Hアズレニル)ジルコニウム (14)ジクロロジメチルシリレンビス(2−イソプロ
ピル、4−アントラセニル4Hアズレニル)ジルコニウ
ム (15)ジクロロジエチルシリレンビス(2−イソプロ
ピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (16)ジクロロフェニルメチルシリレンビス(2−イ
ソプロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウ
ム (17)ジクロロ、1,2−エチレンビス(2−イソプ
ロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (18)ジクロロ、2、3−ブチレンビス(2−イソプ
ロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (19)ジクロロ、イソプロピリデンビス(2−イソプ
ロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (20)ジメチル、ジメチルシリレンビス(2−シクロ
プロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウム (21)ジベンジル、ジメチルシリレンビス(2−シク
ロプロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ジルコニウ
【0059】また、上記のような化合物の、上記一般式
[I]におけるX、Y部分をなすジクロリドの一方ある
いは両方が水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル
基、フェニル基、フルオロフェニル基、ベンジル基、メ
トキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基に代わ
った化合物も例示することができる。また先に例示した
化合物の中心金属がジルコニウムの代わりに、イットリ
ウム、ランタン、スカンジウム、チタン、ハフニウム、
タンタル、ニオブ、バナジウム、タングステン、モリブ
デンに変わった化合物も例示することができる。
【0060】触媒成分(B) 触媒成分(B)は、[(B)−1]アルミニウムオキシ
化合物、[(B)−2]触媒成分(A)と反応して触媒
成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性
化合物またはルイス酸、[(B)−3]珪酸塩を除くイ
オン交換性層状化合物または無機珪酸塩である。ルイス
酸のあるものは、「触媒成分(A)と反応して触媒成分
(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合
物」として捉えることもできる。従って、「ルイス酸」
および「触媒成分(A)と反応して触媒成分(A)をカ
チオンに変換することが可能なイオン性化合物」の両者
に属する化合物は、いずれか一方に属するものと解する
こととする。成分[(B)−1]アルミニウムオキシ化
合物としては、具体的には下記の一般式[II]、[III
]または[IV]であらわされる化合物が挙げられる。
【0061】
【化15】
【0062】上記の各一般式中、R11、R12は水素原
子、炭化水素残基またはハロゲン化炭化水素基、好まし
くは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6の炭
化水素残基を示す。また複数あるR11は各々、同一でも
異なってもよい。pは0〜40、好ましくは2〜30の
整数を示す。一般式[II]および[III ]の化合物は、
アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、一種類のト
リアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアル
キルアルミニウムと水との反応により得られる。具体的
には、(a)一種類のトリアルキルアルミニウムと水か
ら得られるメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、
プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチ
ルアルモキサン、(b)二種類のトリアルキルアルミニ
ウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチ
ルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン
等が例示される。これらの中では、メチルアルモキサン
およびメチルイソブチルアルモキサンが好ましい。
【0063】上記のアルモキサンは、各群内および各群
間で複数種併用することも可能である。上記のアルモキ
サンは公知の様々な条件下に調製することができる。具
体的には以下の様な方法が例示できる。 (a) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼ
ン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応
させる方法 (b) トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩
水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反
応させる方法 (c) トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含
浸させた水分とを反応させる方法 (d) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアル
ミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の
適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法 (e) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアル
ミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫
酸銅、硫酸アルミニウムと水和物、と加熱反応させる方
法 (f) シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチ
ルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウム
で追加処理する方法 (g) メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキ
サンを公知の方法で合成し、これら二成分を所定量混合
し、加熱反応させる方法 (h) ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に
硫酸銅5水塩などの結晶水を有する塩を入れ、−40〜
40℃位の温度条件下トリメチルアルミニウムと反応さ
せる方法
【0064】反応に使用される水の量は、トリメチルア
ルミニウムに対してモル比で通常0.5〜1.5であ
る。上記の方法で得られたメチルアルモキサンは、線状
または環状の有機アルミニウムの重合体である。一般式
[IV]であらわされる化合物は、一種類のトリアルキル
アルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミ
ニウムと、下記一般式[V]であらわされる(アルキ
ル)ボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応に
より得ることができる。一般式[V]中、R12は水素原
子炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素
残基またはハロゲン化炭化水素基を示す。
【0065】
【化16】 R12B−(OH)2 [V]
【0066】具体的には以下のような反応生成物が例示
できる。 (a)トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:
1の反応物 (b)トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の
2:1反応物 (c)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物 (d)トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:
1反応物 (e)トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:
1反応物 また、成分[(B)−2]の成分(A)と反応して成分
(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合
物としては、一般式〔VI〕であらわされる化合物が挙げ
られる。
【0067】
【化17】 〔K〕e+〔Z〕e- [VI]
【0068】一般式[VI]中、Kはイオン性のカチオン
成分であって、例えばカルボニウムカチオン、トロピリ
ウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカ
チオン、スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオ
ン等が挙げられる。また、それ自身が還元されやすい金
属の陽イオンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。上
記のカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニ
ウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニ
ウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプ
ロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N
−ジメチルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジ
シクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウ
ム、トリメチルホスホニウム、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウ
ム、トリフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニ
ウム、トリエチルオキソニウム、ピリリウム、および銀
イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジウム
イオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等が挙げら
れる。
【0069】上記の一般式[VI]におけるZはイオン性
のアニオン成分であり、成分(A)が変換されたカチオ
ン種に対して対アニオンとなる成分(一般には非配位の
成分)である。Zとしては、例えば、有機ホウ素化合物
アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリ
ウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ひ
素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオンなど
が挙げられ、具体的には次の化合物が挙げられる。
【0070】(a)テトラフェニルホウ素、テトラキス
(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラ
キス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホ
ウ素、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニ
ル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホ
ウ素など (b)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,
4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラ
キス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ア
ルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フ
ェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)アルミニウムなど (c)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウ
ム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)
ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリ
ウムなど (d)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リンなど(e)テトラフェニルヒ素、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素など(f)テト
ラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)アンチモンなど (g)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等
【0071】また、ルイス酸、特に触媒成分(A)をカ
チオンに変換可能なルイス酸、としては、種々の有機ホ
ウ素化合物、金属ハロゲン化合物、固体酸、あるいはイ
オン交換性層状珪酸塩等が例示され、その具体例として
は次の化合物が挙げられる。 (a)トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオ
ロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素等の有機ホウ素化合物 (b)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化ア
ルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨ
ウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化
マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシ
ウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシ
ド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシ
ウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の
金属ハロゲン化合物 (c)シリカ−アルミナ、アルミナ等の固体酸、 成分[(B)−3]イオン交換性層状化合物としては、
六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、
CdI2 型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化
合物が挙げられ、その具体例としては、α−Zr(HA
sO4 2 ・H 2 O、α−Zr(HPO4 2 、α−Z
r(KPO4 2 ・3H2 O、α−Ti(HP
4 2 、α−Ti(HAsO4 2 ・H2 O、α−S
n(HPO4 2・H2 O、γ−Zr(HPO4 2
γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti(NH 4 PO4 2
・H2 O等の多価金属の結晶性酸性塩があげられる。
【0072】上記のイオン性交換性層状化合物は、必要
に応じて塩類処理および/または酸処理を行って使用し
てもよい。塩類処理も酸処理も施されていない状態の、
珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合等
によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み
重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオン
が交換可能である。
【0073】無機珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼ
オライト、珪藻土等が挙げられる。これらは、合成品を
使用してもよいし、天然に産出する鉱物を使用してもよ
い。粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等の
アロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイ
ト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイ
ト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、
リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリ
ロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイ
ト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バー
ミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セ
リサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セ
ピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘
土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、
リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成
していてもよい。また、人工合成物としては、合成雲
母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオラ
イト等が挙げられる。
【0074】上記の無機珪酸塩の中では、デイッカイ
ト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカ
オリン族、メタハロサイト、ハロサイト等のハロサイト
族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の
蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等の
スメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト
鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合
成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニ
オライトが好ましく、モンモリロナイト、ザウコナイ
ト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘク
トライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバー
ミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成
サポナイト、合成テニオライトが更に好ましい。これら
は特に処理を行うことなくそのまま使用してもよいし、
ボールミル、ふるいわけ、等の処理を行った後に使用し
てもよい。また単独で用いても、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0075】上記のイオン交換性層状化合物および無機
珪酸塩は、塩類処理および/または酸処理によって、固
体の酸強度を変えることができる。また塩類処理は、イ
オン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成すること
により、表面積や層間距離を変えることができる。即
ち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の
大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大
した状態の層状物質を得ることができる。
【0076】上記の前処理を行っていない化合物におい
て含有される交換可能な金属の陽イオン40%以上、好
ましくは60%以上を、次に示す塩類および/または酸
より解離した陽イオンとイオン交換することが好まし
い。上記のイオン交換に使用する塩類は、1〜14族原
子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む
陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは1〜14
族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を
含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸か
らなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから
なる化合物であり、更に好ましくは2〜14族原子から
なる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオ
ンと、Cl、Br、I、F、PO4 、SO4 、NO3
CO3 、C2 4 、ClO4 、OOCCH3 、CH3
OCHCOCH3 、OCl2 、O(NO3 2 、O(C
lO4 2 、O(SO4 )、OH、O2 Cl2 、OCl
3 、OOCH、OOCCH2 CH3 、C2 4 4 およ
びC6 5 7 からなる群より選ばれた少なくとも一種
の陰イオンとからなる化合物である。また、これら塩類
は2種以上、同時に使用してもよい。
【0077】上記のイオン交換に使用する酸は、好まし
くは塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、
2種以上、同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を
組み合わせる方法としては、塩類処理を行った後に酸処
理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方
法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。なお、
酸処理は表面の不純物を取り除く他、結晶構造のAl、
Fe、Mg、Li等の陽イオンの一部を溶出させる効果
がある。
【0078】塩類および酸による処理条件は、特に制限
されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜30
重量%、処理温度は室温〜使用溶媒の沸点、処理時間は
5分〜24時間の条件を選択し、被処理化合物の少なく
とも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、
塩類および酸は一般的には水溶液で用い使用される。上
記の塩類処理および/または酸処理を行う場合、処理
前、処理間、処理後に粉砕や造粒等で形状制御を行って
もよい。また、アルカリ処理や有機物処理等の他の化学
処理を併用してもよい。このようにして得られる成分
としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔
容積が0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/g
のものが好ましい。斯かる成分[(B)−3]は、通
常、吸着水および層間水をが含まれむ。ここで、吸着水
とは、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物または無機
珪酸塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水で、層間
水は結晶の層間に存在する水である。
【0079】本発明において、成分[(B)−3]は、
上記のような吸着水および層間水を除去してから用いる
ことが好ましい。脱水方法は特に制限されないが、加熱
脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および
有機溶媒との共沸脱水等の方法が使用される。加熱温度
は、層間水が残存しない様な温度範囲とされ、通常10
0℃以上、好ましくは150℃以上とされるが、構造破
壊を生じるような高温条件は好ましくない。加熱時間は
0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その
際、脱水乾燥した後の成分〔(B)−3]の水分含有量
は、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱
水した場合の水分含有量を0重量%としたとき、3重量
%以下であることが好ましい。本発明においては、脱水
されて水分含有率が3重量%以下に調整された成分
〔(B)−3]を用いる場合は、必須成分(A)および
後述する任意成分(D)と接触する際にも、同様の水分
含有率を保つように取り扱われることが重要である。
【0080】任意成分(C) 任意成分(C)としての微粒子担体は、無機または有機
の化合物から成り、通常5μから5mm、好ましくは1
0μ〜2mmの粒径を有する顆粒状ないしは微粒子状の
担体である。上記の無機担体としては、例えば、SiO
2 、Al2 3 、MgO、ZrO、TiO2 、B
2 3 、ZnO、等の酸化物、SiO2 −MgO、Si
2 −Al 2 3 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −C
2 3 、SiO2 −Al2 3 −MgO等の複合酸化
物等が挙げられる。
【0081】上記の有機担体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、等の炭素数2〜14のα−オレフィンの(共)重合
体、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和炭化
水素の(共)重合体等から成る多孔質ポリマーの微粒子
担体が挙げられる。これらの比表面積は20〜1000
2 /g、好ましくは50〜700m2 /gであり、細
孔容積は0.1cm2 /g以上、好ましくは0.3cm
2 /g、さらに好ましくは0.8cm2 /g以上であ
る。
【0082】成分(D) 任意成分(D)としての、有機アルミニウム化合物の一
例は、次の一般式[VII]で表される。
【0083】
【化18】 AlR13 a 3-a [VII]
【0084】一般式[VII ]中、R13は炭素数1から2
0の炭化水素基、Pは水素、ハロゲン、アルコキシ基を
示し、aは0より大きく3以下の整数を示す。一般式
[VII]で表される有機アルミニウム化合物の具体例と
しては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメ
トキシド等のハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアル
ミニウムが挙げられる。これらの中ではトリアルキルア
ルミニウムが好ましい。また本発明における触媒におい
ては、成分(D)としてメチルアルミノキサン等のアル
ミノキサン類等も使用できる。
【0085】本発明におけるオレフィン重合用触媒は、
微粒子担体以外の任意成分として、例えば、H2 O、メ
タノール、エタノール、ブタノール等の活性水素含有化
合物、エーテル、エステル、アミン等の電子供与性化合
物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキシアルミニウム、
亜リン酸フェニル、テトラエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン等のアルコキシ含有化合物を含むこと
が出来る。
【0086】本発明におけるオレフィン重合用触媒にお
いて、アルミニウムオキシ化合物、触媒成分(A)と反
応して触媒成分(A)をカチオンに変換することが可能
なイオン性化合物またはルイス酸、珪酸塩を除くイオン
交換性層状化合物または無機珪酸塩は触媒成分(B)と
してそれぞれ単独に使用される他、これら3成分を適宜
組み合わせて使用することが出来る。また、上記の低級
アルキルアルミニウム、ハロゲン含有アルキルアルミニ
ウム、アルキルアルミニウムヒドリド、アルコキシ含有
アルキルアルミニウム、アリールオキシ含有アルキルア
ルミニウムの1種または2種以上は、任意成分ではある
が、アルミニウムオキシ化合物、イオン性化合物または
ルイス酸と併用してオレフィン重合用触媒中に含有させ
ることが好ましい。
【0087】本発明におけるオレフィン重合触媒は、重
合槽の内外において、重合させるべきモノマーの存在下
あるいは非存在下、上記の成分(A)および成分(B)
を、接触させることにより調製することができる。すな
わち、成分(A)および成分(B)と必要に応じて成分
(D)等を重合槽に別々に導入してもよいし、成分
(A)および成分(B)を予め接触させた後に重合槽に
導入してもよい。また、成分(A)および成分(B)の
混合物を成分(C)に含浸させた後に重合槽に導入して
もよい。また、成分(A)、成分(B)、成分(D)を
同時に接触させてから用いても良いし、各成分を逐次的
に反応させても良い。
【0088】上記の各成分の接触は、窒素等の不活性ガ
ス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシ
レン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温
度は、−20℃から溶媒の沸点の間で行い、特に0℃か
ら溶媒の沸点の間で行うのが好ましい。この様にして調
製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、
また洗浄した後に用いてもよい。更には、調製後に必要
に応じて新たな成分を組み合わせて用いてもよい。
【0089】また、成分(A)、成分(B)および成分
(C)あるいは成分(D)を予め接触させる際、重合さ
せるべきモノマーを存在させてα−オレフィンの一部を
重合させる、いわゆる予備重合を行うことも出来る。す
なわち、重合前に、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカ
ン、スチレン等のオレフィンを予備的に重合し、必要に
応じて洗浄した予備重合生成物をを触媒として用いるこ
ともできる。
【0090】この予備的な重合は不活性溶媒中で穏和な
条件で行うことが好ましく、固体触媒1gあたり、0.
01〜1000g、好ましくは0.1〜100gの重合
体が生成するように行うことが望ましい。成分(A)お
よび成分(B)の使用量は任意である。例えば溶媒重合
の場合、成分(A)の使用量は遷移金属原子として10
-7〜102ミリモル/リットル、さらには10-4〜1ミ
リモル/リットル、の範囲内が好ましい。アルミニウム
オキシ化合物の場合Al/遷移金属のモル比は通常10
〜100,000、好ましくは100〜20,000、
更に好ましくは100〜10,000の範囲とされる。
一方、成分(B)としてイオン性化合物あるいはルイス
酸を用いた場合は、遷移金属に対するこれらのモル比は
通常0.1〜1,000、好ましくは0.5〜100、
さらに好ましくは1〜50の範囲とされる。
【0091】また、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合
物または無機珪酸塩と、任意成分(D)の有機アルミニ
ウム化合物を使用する場合も、他の成分(B)と同様に
扱うことが出来る。接触方法は、特に限定されないが、
次のような方法を例示することができる。 a)成分(A)と成分[(B)−3]を接触させる。 b)成分(A)と成分[(B)−3]を接触させた後に
成分(D)を添加する。 c)成分(A)と成分(D)を接触させた後に成分
[(B)−3]を添加する。 d)成分[(B)−3]と成分(D)を接触させた後に
成分(A)を添加する。 そのほか、三成分を同時に接触させてもよい。
【0092】上記の各成分の接触に際に、任意成分
(C)である微粒子担体を共存させてもよく、上記の各
成分の接触の後に微粒子担体と接触させてもよい。上記
の各成分の使用量は、成分[(B)−3]1gあたり成
分(A)は、通常0.0001〜10mmol、好まし
くは0.001〜5mmolであり、成分(D)が0.
01〜10,000mmol、好ましくは0.1〜10
0mmolである。また、成分(A)中の遷移金属と成
分(D)中のアルミニウムの原子比は、通常1:0.0
1〜1,000,000、好ましくは1:0.1〜10
0,000である。このようにして調製された触媒は、
調製後に洗浄せずに使用してもよく、また洗浄した後に
用いてもよい。また、必要に応じて新たに成分(D)を
組み合わせて使用してもよい。この際に用いられる成分
(D)の量は、成分(A)中の遷移金属に対する成分
(D)中のアルミニウムの原子比で1:0〜10,00
0になるように選ばれる。
【0093】重合の前に、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロア
ルカン、スチレン等のオレフィンを予備的に重合し、必
要に応じて洗浄したものを触媒として用いることもでき
る。この予備的な重合は不活性溶媒中で穏和な条件で行
うことが好ましく、固体触媒1gあたり、0.01〜
1,000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が
生成するように行うことが望ましい。
【0094】次に、本発明に係わるプロピレン重合体の
製造方法について説明する。本発明においては、前述の
触媒とα−オレフィンとを接触させて重合または共重合
を行う。本発明における触媒は、溶媒を使用する溶媒重
合に適用される他、実質的に溶媒を使用しない液相無溶
媒重合、気相重合、溶融重合にも適用される。また、重
合方式は、連続重合および回分式重合のいずれであって
もよい。
【0095】溶媒重合における溶媒としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の不活性な飽和脂肪酸または芳香族炭化水素
の単独あるいは混合物が使用される。重合温度は、通常
−78〜250℃、好ましくは−20〜100℃とされ
る。本発明の特徴を有する重合体が得られる限りに置い
ては重合法に制限はない。反応系のオレフィン圧は、特
に制限されないが、好ましくは常圧から2000kg・
f/cm2 、更に好ましくは常圧から50kg/cm2
・Gの範囲とされる。また、例えば、温度や圧力の選定
または水素の導入などの公知の手段により分子量調節で
きる。
【0096】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例
において、触媒合成工程および重合工程は、全て精製窒
素雰囲気下で行い、溶媒は、MS−4Aで脱水した後に
精製窒素でバブリングして脱気して使用した。 (1)MFRの測定:ポリマー6gに熱安定剤(BH
T)のアセトン溶液(0.6重量%)6gを添加した。
次いで上記ポリマーを乾燥した後、メルトインデクサー
(230℃)に充填し、2.16Kg荷重の条件下に5
分間放置した。その後、ポリマーの押し出し量を測定
し、10分間当たりの量に換算し、MFRの値とした。 (2)分子量分布の測定:GPCにより得られた重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)(何れもポリ
プロピレン換算値)の比(Q値)により決定した。GP
C装置は、Waters社製「150CV型」を使用し
た。溶媒はオルトジクロロベンゼンを使用し、測定温度
は135℃とした。
【0097】(3)融点の測定:DSC(デュポン社製
「TA2000型」)を使用し、10℃/分で20〜2
00℃までの昇降温を1回行った後の2回目の昇温時の
測定により求めた。 (4)ポリマーの13C−NMR、 1H−NMRの測定 ポリマー(MK−3−93)の13C−NMRスペクトル
は10mmΦNMR用測定用サンプル管の中で100m
gの試料をo−ジクロロベンゼン約2.0mlにロック
溶媒である重水素化ベンゼン約0.5mlを加えた溶媒
中で完全に溶解させた後、130℃でプロトン完全デカ
ップリング法で測定した。測定条件は、フリップアング
ル65°、パルス間隔5T1 以上(T1 はメチル基のス
ピン格子緩和時間のうち最長の値)を選択した。プロピ
レン重合体においてメチレン基およびメチン基のT1
メチル基より短いので、この測定条件では全ての炭素の
磁化の回復は99%以上である。 1H−NMRも同じよ
うに調製した試料を使い測定した。
【0098】13C−NMR化学シフトは頭−尾結合しメ
チル基の分岐の方向が同一であるプロピレン単位5連鎖
の第3単位目のメチル基を21.8ppmとして設定
し、他の炭素ピークの化学シフトはこれを基準とした。
この基準による化学シフトはテトラメチルシランの信号
を0.0ppmとした基準による値、およびヘキサメチ
ルジシロキサンを2.0ppmとした基準による値にほ
ぼ一致する。 1H−NMR化学シフトはo−ジクロロベ
ンゼンの高磁場側の信号を6.94ppmとして設定
し、他の水素ピークの化学シフトはこれを基準とした。
【0099】実施例−1 Hf/粘土の重合データ (1)粘土鉱物の化学処理 硫酸10gと脱塩水90mlから成る希硫酸に10gの
モンモリロナイト(クニミネ工業社製「クニピアF」)
を分散させ、沸点まで昇温した後に6時間攪拌処理し
た。その後、回収したモンモリロナイトを脱塩水で十分
洗浄し、予備乾燥した後に200℃で2時間乾燥し、化
学処理された粘土鉱物が得られた。この化学処理された
モンモリロナイト200mgに、濃度が0.4mol/
mlのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液0.8m
lを加え、室温で1時間攪拌した。その後トルエンで洗
浄し、33mg粘土鉱物/mlトルエンのスラリーとし
た。
【0100】(2)プロピレンの重合 内容積1Lの攪拌式オートクレーブ中にトリイソブチル
アルミニウム(東ソー・アクゾ社製)0.25mmol
(Al原子換算)を導入した。一方、破裂板付き触媒フ
ィーダーにジクロロジメチルシランジイルビス(2−イ
ソプロピル、4−フェニル4Hアズレニル)ハフニウム
1.4mgをトルエンで希釈して導入し、更に実施例
1(1)で得られたトリエチルアルミニウム処理したモ
ンモリロナイトを50mg及びトリイソブチルアルミニ
ウム0.015mmmol(Al原子換算)を導入し
た。その後、オートクレーブにプロピレン700mlを
導入し、室温で破裂板をカットし、80℃に昇温した
後、1時間重合を行った。その結果、16.5gのポリ
マーが得られた。錯体活性は1.4×104 g−ポリマ
ー/g−錯体、触媒活性は、0.3×103 g−ポリマ
ー/g−触媒、ポリマーのMFRは312(g/10
分)、融点は156.6℃、Mwは0.93×105
Qは2.6であった。ポリマーの[mrrm]は6.5
モル%、2,1−結合は検出されず、1,3−結合が
0.05モル%であった。末端は、 [1−Pr−Δ]=0.014モル% [i−Bu−Δ]=0.024モル% [1−Pr−Δ]db=17.7モル% [i−Bu−Δ]db=31.0モル% [1−Pr−Δ]/[i−Bu−Δ]=36.4/6
3.6
【0101】実施例−2 Hf/MAO低圧の重合データ 内容積1Lの攪拌式オートクレーブ中に、トルエン20
0mlを導入し、40℃に昇温、メチルアルモキサン
(東ソー・アクゾ社製、MMAO)38mmol(Al
原子換算)続けてプロピレンを導入した後50℃に昇温
し、プロピレン圧を1Kg/cm2 に保つ。一方破裂板
付き触媒フィーダーに、ジクロロジメチルシランジイル
ビス(2−イソプロピル、4−フェニル4Hアズレニ
ル)ハフニウム 6mgをトルエンで希釈して導入し、
破裂板をカットし、圧を保ちながら4時間の重合操作を
行った。この結果、9.2gのポリマーが得られた。錯
体活性は1.0×102 g−ポリマー/g−錯体、融点
は114.2℃、Mwは<5.6×103 であった。
[mrrm]=7.0モル%。2,1−結合および1,
3−結合は検出されなかった。 [1−Pr−Δ]=0.52モル% [i−Bu−Δ]=0.89モル% [1−Pr−Δ]db=24.5モル% [i−Bu−Δ]db=42.2モル% [1−Pr−Δ]/[i−Bu−Δ]=36.7/6
3.3
【0102】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、アイソタ
クチックトリアッド分率が高く、特定の構造の末端ビニ
ルを有する重合体を提供するものである。斯かる特徴を
有するプロピレン重合体は剛性、耐熱性、成形性、光沢
に優れるにもかかわらず、オレフィン触媒に対する重合
性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の理解を助けるためのフローチャート図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の条件(A)、(B)、(C)およ
    び(D)を充足することを特徴とする、プロピレン重合
    体。(A)13C−NMRで測定した、頭−尾結合からな
    るプロピレン単位5連鎖部のメソ−ラセミ−ラセミ−メ
    ソ連鎖の割合が9モル%以下であること、 −プロペニル基を含有すること、(C)ゲルパーミエー
    ションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平
    均分子量Mwが1,000〜1,000,000の範囲
    であること、(D)2,1−および1,3−の異種結合
    の合計が0.1モル%以下であること。
  2. 【請求項2】 下記の条件(A)、(B)、(C)およ
    び(D)を充足し、末端プロペニル基を有するプロピレ
    ンポリマーが、末端イソブテニル基を有するプロピレン
    ポリマーに対して35%以上含有されてなることを特徴
    とするプロピレン重合体。(A)13C−NMRで測定し
    た、頭−尾結合からなるプロピレン単位5連鎖部のメソ
    −ラセミ−ラセミ−メソ連鎖の割合が9モル%以下であ
    ること、 −プロペニル基を含有すること、(C)ゲルパーミエー
    ションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平
    均分子量Mwが1,000〜1,000,000の範囲
    であること、(D)2,1−および1,3−の異種結合
    の合計が0.1モル%以下であること。
  3. 【請求項3】 下記の必須触媒成分(A)および(B)
    と、必要に応じて任意成分(C)および/または任意成
    分(D)を含有するα−オレフィン重合用触媒でえられ
    た請求項1記載のプロピレン重合体 触媒成分(A)下記一般式[I]で表される遷移金属化
    合物 触媒成分(B)アルミニウムオキシ化合物、成分(A)
    と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能
    なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換
    性層状化合物、および無機珪酸塩、からなる群より選ば
    れる一種以上の物質 任意成分(C)微粒子担体 任意成分(D)有機アルミニウム化合物 【化1】 (一般式[I]中、R1 、R2 、R4 、R5 はそれぞれ
    独立に、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基ま
    たは炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基であり、R
    3 、R6 はそれぞれ独立に、それが結合する五員環に対
    して縮合環を形成する2価の炭素数3〜10の飽和また
    は不飽和炭化水素基を示す。R7 、R8 はそれぞれ独立
    に炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20の
    ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素、窒素含有炭
    化水素、燐含有炭化水素、を示す。m、nはそれぞれ独
    立に0〜20の整数を示す。Qは二つの五員環を結合す
    る、少なくとも一つの炭素数1〜20の炭化水素基、炭
    素数1〜20ののハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化
    水素基、窒素含有炭化水素基、燐含有炭化水素基を有す
    るアルキレン基、または少なくとも一つの炭素数1〜2
    0の炭化水素基、炭素数1〜20ののハロゲン化炭化水
    素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、燐含
    有炭化水素基を有するシリレン基または少なくとも一つ
    の炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20ののハ
    ロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭
    化水素基、燐含有炭化水素基を有するゲルミレン基を示
    す。XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハ
    ロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水
    素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基
    を示し、Mは周期律表3〜6族遷移金属を示す。)
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