JPH11271430A - 自動車レーダ装置 - Google Patents
自動車レーダ装置Info
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- JPH11271430A JPH11271430A JP10077965A JP7796598A JPH11271430A JP H11271430 A JPH11271430 A JP H11271430A JP 10077965 A JP10077965 A JP 10077965A JP 7796598 A JP7796598 A JP 7796598A JP H11271430 A JPH11271430 A JP H11271430A
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- Japan
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- target
- peaks
- frequency
- distance
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車レーダ装置において、複数のターゲッ
ト等が存在する環境下での計測精度、信頼性を向上させ
る。 【解決手段】 ターゲットからの反射波は左右2チャネ
ルの受信アンテナ16a,16bで受信される。信号処
理装置20は、各チャネルの受信波の周波数分析を行
う。方位演算部26は、左右チャネルで周波数が一致す
るピークのペアを用いて位相モノパルス方式により方位
を決定する。ペアリング部28は、FMCW方式の上り
フェーズ期間におけるピークと下りフェーズ期間におけ
るピークとのペアリングを行う。ペアリング部28は、
多数存在するピークのうち、方位演算部26にて同じ方
位を与えられたピークを選択して、ピークペアを構成す
る。距離・速度演算部30は、ペアリング部28により
決定されたピークペアを用いてFMCW方式に基づいて
ターゲットの距離及び速度を決定する。
ト等が存在する環境下での計測精度、信頼性を向上させ
る。 【解決手段】 ターゲットからの反射波は左右2チャネ
ルの受信アンテナ16a,16bで受信される。信号処
理装置20は、各チャネルの受信波の周波数分析を行
う。方位演算部26は、左右チャネルで周波数が一致す
るピークのペアを用いて位相モノパルス方式により方位
を決定する。ペアリング部28は、FMCW方式の上り
フェーズ期間におけるピークと下りフェーズ期間におけ
るピークとのペアリングを行う。ペアリング部28は、
多数存在するピークのうち、方位演算部26にて同じ方
位を与えられたピークを選択して、ピークペアを構成す
る。距離・速度演算部30は、ペアリング部28により
決定されたピークペアを用いてFMCW方式に基づいて
ターゲットの距離及び速度を決定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM変調における
上りフェーズ期間と下りフェーズ期間のエコーのペアか
らターゲットとの相対速度及び相対距離を検出し、追尾
フィルタによってターゲットの挙動を監視する追尾レー
ダ装置に関する。
上りフェーズ期間と下りフェーズ期間のエコーのペアか
らターゲットとの相対速度及び相対距離を検出し、追尾
フィルタによってターゲットの挙動を監視する追尾レー
ダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車では、例えば先行車両
といったターゲットの自車に対する位置や速度を検出す
るために各種レーダが利用されている。例えば、ターゲ
ットまでの距離及びそれとの相対速度を検出するFMC
W(周波数変調連続波)方式のレーダ装置や、複数の受
信アンテナからの信号の位相差に基づいてターゲットの
方位を検出する位相モノパルス方式のレーダ装置が知ら
れている。
といったターゲットの自車に対する位置や速度を検出す
るために各種レーダが利用されている。例えば、ターゲ
ットまでの距離及びそれとの相対速度を検出するFMC
W(周波数変調連続波)方式のレーダ装置や、複数の受
信アンテナからの信号の位相差に基づいてターゲットの
方位を検出する位相モノパルス方式のレーダ装置が知ら
れている。
【0003】[位相モノパルスレーダ]位相モノパルス
レーダは、一つの送信アンテナから電波を放射すること
で得られるターゲットからの反射波を複数の受信アンテ
ナで受信する。複数の受信アンテナは空間的に位置が異
なるので、同一のターゲットからの反射波の位相が受信
アンテナ間で異なる。この位相ずれを検出することでタ
ーゲットの方位を検出することができる。この位相モノ
パルスレーダは、方位検出のために基本的に送信アンテ
ナ及び受信アンテナを機械的に動かす必要がないという
メリットがある。
レーダは、一つの送信アンテナから電波を放射すること
で得られるターゲットからの反射波を複数の受信アンテ
ナで受信する。複数の受信アンテナは空間的に位置が異
なるので、同一のターゲットからの反射波の位相が受信
アンテナ間で異なる。この位相ずれを検出することでタ
ーゲットの方位を検出することができる。この位相モノ
パルスレーダは、方位検出のために基本的に送信アンテ
ナ及び受信アンテナを機械的に動かす必要がないという
メリットがある。
【0004】図1を参照すると、ターゲットまでの距離
をR0、二つの受信アンテナの間隔をL、ターゲットの
方位をθとする。アンテナ1およびアンテナ2からター
ゲットまでの距離R1、R2は、
をR0、二つの受信アンテナの間隔をL、ターゲットの
方位をθとする。アンテナ1およびアンテナ2からター
ゲットまでの距離R1、R2は、
【数1】 R1=R0+(L/2)sinθ R2=R0−(L/2)sinθ である。二つの受信アンテナの受信信号(波長:λ)の
位相差Δφは、
位相差Δφは、
【数2】Δφ=(L/λ)sinθ であり、従って、ターゲットの方位θは、
【数3】θ=sin-1{Δφ(λ/L)} である。このようにして、受信信号の位相差からターゲ
ットの方位を求めることができる。
ットの方位を求めることができる。
【0005】[FMCWレーダ]FMCWレーダは、連
続波を用いてターゲットの距離および速度を検出するも
のである。FMCWレーダと位相モノパルスレーダを組
み合わせれば、ターゲットの距離、速度および方位を求
めることができる。
続波を用いてターゲットの距離および速度を検出するも
のである。FMCWレーダと位相モノパルスレーダを組
み合わせれば、ターゲットの距離、速度および方位を求
めることができる。
【0006】FMCWレーダは、連続波の送信信号にF
M変調を施している。図2は、FMCWレーダによる相
対距離及び相対速度検出の原理を示すものである。例え
ば、送信波を三角波で周波数変調する。これによって、
送信波の周波数は増加減少を順次繰り返す。この送信波
がレーダから放射され、ターゲットで反射して受信され
ると、送信波と受信波の周波数は、図2(上)に示すよ
うな関係をもつ。ただし、ターゲットの相対速度が0の
場合である。そして、参照波(送信波)で受信波を検波
することにより、送信周波数と受信周波数の差の周波数
成分を持つビート信号(図2(下))が得られる。
M変調を施している。図2は、FMCWレーダによる相
対距離及び相対速度検出の原理を示すものである。例え
ば、送信波を三角波で周波数変調する。これによって、
送信波の周波数は増加減少を順次繰り返す。この送信波
がレーダから放射され、ターゲットで反射して受信され
ると、送信波と受信波の周波数は、図2(上)に示すよ
うな関係をもつ。ただし、ターゲットの相対速度が0の
場合である。そして、参照波(送信波)で受信波を検波
することにより、送信周波数と受信周波数の差の周波数
成分を持つビート信号(図2(下))が得られる。
【0007】伝搬遅延時間τは、送信波が受信されるま
での時間である。ターゲットまでの相対距離をR、光速
をcとするとτ=2R/cである。さらに、FMの繰り
返し周波数(図2における三角波の周波数)をfm、F
Mの周波数偏移幅(参照波の周波数の変化幅)をΔfと
すると、ビート周波数frは、
での時間である。ターゲットまでの相対距離をR、光速
をcとするとτ=2R/cである。さらに、FMの繰り
返し周波数(図2における三角波の周波数)をfm、F
Mの周波数偏移幅(参照波の周波数の変化幅)をΔfと
すると、ビート周波数frは、
【数4】fr=4R・fm・Δf/c で表される。従って、ビート信号からビート周波数fr
を求めれば、相対距離Rが決定される。
を求めれば、相対距離Rが決定される。
【0008】図3(上)は、ターゲットの相対速度が0
でない場合における、送信波と受信波の周波数の関係を
示している。ターゲットがレーダに対して相対速度を有
すると、ドップラ周波数fdだけ受信波の周波数が上ま
たは下にシフトする。図3(下)にはビート信号が示さ
れている。このビート信号は、送信波の周波数が増加し
ている上りフェーズ期間においては、相対速度0のター
ゲットのビート周波数frにドップラ周波数fdだけ加
算されたものになる。一方、送信波の周波数が減少して
いる下りフェーズ期間においては、ビート周波数frか
らドップラ周波数fdだけ減算されたものがビート信号
になる。従って、このビート信号の上りフェーズ期間及
び下りフェーズ期間の周波数からドップラシフトが求め
られ、これからターゲットの相対速度が求められる。
でない場合における、送信波と受信波の周波数の関係を
示している。ターゲットがレーダに対して相対速度を有
すると、ドップラ周波数fdだけ受信波の周波数が上ま
たは下にシフトする。図3(下)にはビート信号が示さ
れている。このビート信号は、送信波の周波数が増加し
ている上りフェーズ期間においては、相対速度0のター
ゲットのビート周波数frにドップラ周波数fdだけ加
算されたものになる。一方、送信波の周波数が減少して
いる下りフェーズ期間においては、ビート周波数frか
らドップラ周波数fdだけ減算されたものがビート信号
になる。従って、このビート信号の上りフェーズ期間及
び下りフェーズ期間の周波数からドップラシフトが求め
られ、これからターゲットの相対速度が求められる。
【0009】すなわち、上りフェーズ期間及び下りフェ
ーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、
ーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、
【数5】fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。そこで、ビート信号から周波数fbu、fbd
を個別に求めれば、相対距離を表すビート周波数fr、
相対速度を表すドップラ周波数fdが求められる。
を個別に求めれば、相対距離を表すビート周波数fr、
相対速度を表すドップラ周波数fdが求められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】単一のターゲットだけ
が存在するような極めて理想的な環境では、上記位相モ
ノパルス方式のレーダ装置は、ターゲットの方位を正確
に検出することができ、また上記FMCW方式のレーダ
装置は、ターゲットの距離及び速度を正確に検出するこ
とができる。よって、そのような単純な環境では、両方
式を組み合わせて用いることにより、方位、距離及び速
度を正確に決定することができる。
が存在するような極めて理想的な環境では、上記位相モ
ノパルス方式のレーダ装置は、ターゲットの方位を正確
に検出することができ、また上記FMCW方式のレーダ
装置は、ターゲットの距離及び速度を正確に検出するこ
とができる。よって、そのような単純な環境では、両方
式を組み合わせて用いることにより、方位、距離及び速
度を正確に決定することができる。
【0011】しかしながら、自動車レーダ装置が使用さ
れる環境では、様々な物体(例えばターゲットたる複数
の先行車両、その他ターゲット以外の樹木やガードレー
ル等)からの反射波が重なり合って受信される。FMC
W方式では上述したように、相対速度を有するターゲッ
トに対しては、受信信号スペクトルのピークが2つに分
かれ、それらを正しく組み合わせない限り、正しい距
離、速度を検出することができない。このような組み合
わせ(ペアリング)を正しく決定することは、様々な物
体からの反射波により受信信号スペクトルのピークが多
数存在する環境下では困難である。また位相モノパルス
方式においても、複数のターゲットの距離あるいは速度
が異なる場合に上記ペアリングが良好に実施できればタ
ーゲットの方位を検出できるが、距離と速度がほぼ同じ
ような複数のターゲットが存在する場合、例えば複数車
線の道路で複数の車両が併走状態で走行している場合に
は基本的に方位の検出が困難である。従って、これら両
方式を単に組み合わせて方位、距離及び速度を正確に決
定することも困難となる。
れる環境では、様々な物体(例えばターゲットたる複数
の先行車両、その他ターゲット以外の樹木やガードレー
ル等)からの反射波が重なり合って受信される。FMC
W方式では上述したように、相対速度を有するターゲッ
トに対しては、受信信号スペクトルのピークが2つに分
かれ、それらを正しく組み合わせない限り、正しい距
離、速度を検出することができない。このような組み合
わせ(ペアリング)を正しく決定することは、様々な物
体からの反射波により受信信号スペクトルのピークが多
数存在する環境下では困難である。また位相モノパルス
方式においても、複数のターゲットの距離あるいは速度
が異なる場合に上記ペアリングが良好に実施できればタ
ーゲットの方位を検出できるが、距離と速度がほぼ同じ
ような複数のターゲットが存在する場合、例えば複数車
線の道路で複数の車両が併走状態で走行している場合に
は基本的に方位の検出が困難である。従って、これら両
方式を単に組み合わせて方位、距離及び速度を正確に決
定することも困難となる。
【0012】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、複数のターゲットやターゲット以外
の物体などの反射波が合成されて受信されるレーダ使用
環境でも信頼性の高い方位、相対距離及び相対速度の計
測が可能な自動車レーダ装置を提供することにある。
あり、その目的は、複数のターゲットやターゲット以外
の物体などの反射波が合成されて受信されるレーダ使用
環境でも信頼性の高い方位、相対距離及び相対速度の計
測が可能な自動車レーダ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、周波数が増加する上りフェーズ期間
と周波数が低下する下りフェーズ期間とを有したFM変
調された送信波を送信する送信部と、反射波を受信する
複数チャネルの受信部と、各チャネルの受信波の周波数
分析を行い、ターゲットに対応したエコーのピークと当
該エコーの位相情報とを求める分析部と、前記複数チャ
ネル間で周波数が互いに対応したピークの組を求め、当
該組をなすピーク間の位相差に基づいて方位を求める方
位演算部と、前記方位演算部で求められた方位に基づい
て前記上りフェーズ期間と前記下りフェーズ期間とで対
をなすピークを求め、当該対をなすピークの周波数に基
づいて前記ターゲットの相対速度及び相対距離を求める
距離・速度演算部とを有することを特徴とする。
に、第1の発明は、周波数が増加する上りフェーズ期間
と周波数が低下する下りフェーズ期間とを有したFM変
調された送信波を送信する送信部と、反射波を受信する
複数チャネルの受信部と、各チャネルの受信波の周波数
分析を行い、ターゲットに対応したエコーのピークと当
該エコーの位相情報とを求める分析部と、前記複数チャ
ネル間で周波数が互いに対応したピークの組を求め、当
該組をなすピーク間の位相差に基づいて方位を求める方
位演算部と、前記方位演算部で求められた方位に基づい
て前記上りフェーズ期間と前記下りフェーズ期間とで対
をなすピークを求め、当該対をなすピークの周波数に基
づいて前記ターゲットの相対速度及び相対距離を求める
距離・速度演算部とを有することを特徴とする。
【0014】本発明によれば、位相モノパルス方式によ
る方位検出を行うため、複数チャネルの受信部が設けら
れ異なる位置における受信波が受信される。受信位置が
異なることによるドップラシフト量の違いは、受信位置
間隔に比してターゲットの距離が大きいのでわずかであ
る。よって、受信信号を周波数分析して得られる受信信
号スペクトルに現れる反射波のピークの位置、すなわち
周波数は、複数のチャネル間でほとんど差がない。つま
り、あるターゲットに対し、複数チャネル間では受信信
号の位相は異なっても、それに対応するピークの周波数
は基本的に同一とみなすことができる。方位演算部は、
基本的に複数チャネルそれぞれで同一とみなすことがで
きる周波数を有するピークの組を求め、その組に属する
各ピークは互いに同一のターゲットに起因するものであ
ると判断する。そして、その組に属するピークに対応す
る各エコー間の位相差から、位相モノパルス方式に基づ
いて、当該ピークの組を生じたターゲットの方位を求め
る。さて、ターゲットが本装置に対して相対速度を有す
る場合は、上りフェーズ期間と下りフェーズ期間とで同
一のターゲットに対するピークの位置は異なる。例えば
複数のターゲットが存在するため、上りフェーズ期間と
下りフェーズ期間とでそれぞれ複数のエコーのピークが
生じる場合に、距離・速度演算部は、上りフェーズ期間
と下りフェーズ期間とで方位演算部で求めた方位が一致
するピークの対を見出し、その対をなすピークは互いに
同一のターゲットに起因するものであると判断する。そ
して、その対をなすピークの各周波数から、FMCW方
式に基づいて、当該ピークの対を生じたターゲットの相
対速度及び相対距離を求める。本発明では、まず位相モ
ノパルス方式に基づいてターゲットの方位を定め、その
方位が等しいことに基づいて上りフェーズ期間と下りフ
ェーズ期間とのピークの対を決定するので、複数のター
ゲットが存在する状況下においてもFMCW方式の処理
に用いるピークの組を正しく選定でき、信頼性の高い方
位、相対速度及び相対距離の検出ができる。
る方位検出を行うため、複数チャネルの受信部が設けら
れ異なる位置における受信波が受信される。受信位置が
異なることによるドップラシフト量の違いは、受信位置
間隔に比してターゲットの距離が大きいのでわずかであ
る。よって、受信信号を周波数分析して得られる受信信
号スペクトルに現れる反射波のピークの位置、すなわち
周波数は、複数のチャネル間でほとんど差がない。つま
り、あるターゲットに対し、複数チャネル間では受信信
号の位相は異なっても、それに対応するピークの周波数
は基本的に同一とみなすことができる。方位演算部は、
基本的に複数チャネルそれぞれで同一とみなすことがで
きる周波数を有するピークの組を求め、その組に属する
各ピークは互いに同一のターゲットに起因するものであ
ると判断する。そして、その組に属するピークに対応す
る各エコー間の位相差から、位相モノパルス方式に基づ
いて、当該ピークの組を生じたターゲットの方位を求め
る。さて、ターゲットが本装置に対して相対速度を有す
る場合は、上りフェーズ期間と下りフェーズ期間とで同
一のターゲットに対するピークの位置は異なる。例えば
複数のターゲットが存在するため、上りフェーズ期間と
下りフェーズ期間とでそれぞれ複数のエコーのピークが
生じる場合に、距離・速度演算部は、上りフェーズ期間
と下りフェーズ期間とで方位演算部で求めた方位が一致
するピークの対を見出し、その対をなすピークは互いに
同一のターゲットに起因するものであると判断する。そ
して、その対をなすピークの各周波数から、FMCW方
式に基づいて、当該ピークの対を生じたターゲットの相
対速度及び相対距離を求める。本発明では、まず位相モ
ノパルス方式に基づいてターゲットの方位を定め、その
方位が等しいことに基づいて上りフェーズ期間と下りフ
ェーズ期間とのピークの対を決定するので、複数のター
ゲットが存在する状況下においてもFMCW方式の処理
に用いるピークの組を正しく選定でき、信頼性の高い方
位、相対速度及び相対距離の検出ができる。
【0015】上記目的を達成するために、第2の発明
は、方位、相対速度及び相対距離からなる追尾情報を前
記方位演算部と前記距離・速度演算部とから得る統合処
理部を有し、前記送信部は互いに異なる方向へ指向性ビ
ームを切り替えて送信し、前記統合処理部は、前記異な
る指向性ビームそれぞれに対する前記追尾情報が所定範
囲内で一致した場合に、当該複数の追尾情報に対して所
定の平均処理を行って一のターゲットの追尾情報を決定
することを特徴とする。
は、方位、相対速度及び相対距離からなる追尾情報を前
記方位演算部と前記距離・速度演算部とから得る統合処
理部を有し、前記送信部は互いに異なる方向へ指向性ビ
ームを切り替えて送信し、前記統合処理部は、前記異な
る指向性ビームそれぞれに対する前記追尾情報が所定範
囲内で一致した場合に、当該複数の追尾情報に対して所
定の平均処理を行って一のターゲットの追尾情報を決定
することを特徴とする。
【0016】本発明によれば、送信部は、ビーム方向を
切り替えて指向性ビームを送信する。これにより、広い
対象領域の空間を分割して探査することができる。各方
向の指向性ビームに対して、位相モノパルス演算部及び
距離・速度演算部はそれぞれ上記第1の発明と同様の処
理を行う。これにより各ビームの範囲内に位置するター
ゲットの方位、相対速度及び相対距離が求められる。こ
こでは、これら方位、相対速度及び相対距離を追尾情報
として一括して称することとする。指向性ビームは一般
にオーバーラップする部分を有するので、同一のターゲ
ットが複数の指向性ビームで検出されることがある。統
合処理部は、各指向性ビームで求めた追尾情報を比較
し、それらのうち指向性ビーム間で基本的に一致すると
みなすことができるものを探す。そして、一致するとみ
なすことができる追尾情報に対しては、所定の平均処理
を行う。平均処理としては、例えば単純平均や、所定の
方法に基づいて各追尾情報を重み付けした平均がある。
また、重み付け平均の特殊な場合として、複数の追尾情
報のうち最も確度の高いものを選択するという方法もあ
る。これにより、複数のビームで検出されたターゲット
の追尾情報の精度を向上させることができる。
切り替えて指向性ビームを送信する。これにより、広い
対象領域の空間を分割して探査することができる。各方
向の指向性ビームに対して、位相モノパルス演算部及び
距離・速度演算部はそれぞれ上記第1の発明と同様の処
理を行う。これにより各ビームの範囲内に位置するター
ゲットの方位、相対速度及び相対距離が求められる。こ
こでは、これら方位、相対速度及び相対距離を追尾情報
として一括して称することとする。指向性ビームは一般
にオーバーラップする部分を有するので、同一のターゲ
ットが複数の指向性ビームで検出されることがある。統
合処理部は、各指向性ビームで求めた追尾情報を比較
し、それらのうち指向性ビーム間で基本的に一致すると
みなすことができるものを探す。そして、一致するとみ
なすことができる追尾情報に対しては、所定の平均処理
を行う。平均処理としては、例えば単純平均や、所定の
方法に基づいて各追尾情報を重み付けした平均がある。
また、重み付け平均の特殊な場合として、複数の追尾情
報のうち最も確度の高いものを選択するという方法もあ
る。これにより、複数のビームで検出されたターゲット
の追尾情報の精度を向上させることができる。
【0017】本発明の好適な態様は、前記平均処理が、
前記指向性ビームの方向と当該ビームに対して前記方位
演算部にて検出された前記方位との一致度に基づいた重
み付け平均であるものである。一般に、ターゲットの方
位が指向性ビームの方向と近いほど、エコーの強度は高
く、それに基づく追尾情報の誤差は低くなる。よって、
本態様によれば、エコー強度に応じた重み付けが行わ
れ、誤差の小さい値に大きな重み付けがなされるので、
追尾情報の精度が良好に向上する。
前記指向性ビームの方向と当該ビームに対して前記方位
演算部にて検出された前記方位との一致度に基づいた重
み付け平均であるものである。一般に、ターゲットの方
位が指向性ビームの方向と近いほど、エコーの強度は高
く、それに基づく追尾情報の誤差は低くなる。よって、
本態様によれば、エコー強度に応じた重み付けが行わ
れ、誤差の小さい値に大きな重み付けがなされるので、
追尾情報の精度が良好に向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、本発明の
好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、
図面を参照し説明する。
好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、
図面を参照し説明する。
【0019】図4は、本発明の実施形態の自動車レーダ
装置の構成を示している。この自動車レーダ装置は車両
に搭載され、それが提供する情報は、先行車等との安全
な車間距離を確保する走行制御等に用いられる。本装置
は、FMCW変調された送信波を送信し、ターゲットか
らの反射波を左右のチャネルで受信する。そして、位相
モノパルス方式の原理に従い、左右のチャネルの受信波
からターゲットの方位を求める。また、FMCW方式の
原理に従い、上りフェーズと下りフェーズの受信波から
ターゲットの距離と速度を求める。
装置の構成を示している。この自動車レーダ装置は車両
に搭載され、それが提供する情報は、先行車等との安全
な車間距離を確保する走行制御等に用いられる。本装置
は、FMCW変調された送信波を送信し、ターゲットか
らの反射波を左右のチャネルで受信する。そして、位相
モノパルス方式の原理に従い、左右のチャネルの受信波
からターゲットの方位を求める。また、FMCW方式の
原理に従い、上りフェーズと下りフェーズの受信波から
ターゲットの距離と速度を求める。
【0020】電圧制御発振器(VCO)10は周波数変
調器として機能する。このVCO10には、図示しない
制御部より、電圧が時間に応じて増減する三角波が供給
される。VCO10は、この三角波で周波数変調された
高周波を発生する。この高周波は、分配器12で分配さ
れ、その一つが送信アンテナ14に送られる。このよう
にして、三角波で周波数変調された高周波が、電波とし
て外部に向けて放射される。
調器として機能する。このVCO10には、図示しない
制御部より、電圧が時間に応じて増減する三角波が供給
される。VCO10は、この三角波で周波数変調された
高周波を発生する。この高周波は、分配器12で分配さ
れ、その一つが送信アンテナ14に送られる。このよう
にして、三角波で周波数変調された高周波が、電波とし
て外部に向けて放射される。
【0021】送信アンテナ14から放射された電波はタ
ーゲットで反射する。図中には2つの先行車両が、ター
ゲット1、2として示されている。反射信号は、左右2
つの受信アンテナ16a,16bで受信される。この2
つの受信アンテナ16a,16bは、空間的に所定距離
Lだけ離れて配置されている。そして、この受信アンテ
ナ16a,16bには、検波器18a,18bがそれぞ
れ接続されている。検波器18a,18bには、分配器
12から、三角波で周波数変調された高周波(送信信
号)が参照波として供給されている。検波器18a,1
8bは、受信波を参照波に基づいて検波し、これにより
送信周波数と受信周波数の差の周波数成分をもつビート
信号が得られ、信号処理装置20に供給される。
ーゲットで反射する。図中には2つの先行車両が、ター
ゲット1、2として示されている。反射信号は、左右2
つの受信アンテナ16a,16bで受信される。この2
つの受信アンテナ16a,16bは、空間的に所定距離
Lだけ離れて配置されている。そして、この受信アンテ
ナ16a,16bには、検波器18a,18bがそれぞ
れ接続されている。検波器18a,18bには、分配器
12から、三角波で周波数変調された高周波(送信信
号)が参照波として供給されている。検波器18a,1
8bは、受信波を参照波に基づいて検波し、これにより
送信周波数と受信周波数の差の周波数成分をもつビート
信号が得られ、信号処理装置20に供給される。
【0022】信号処理装置20において、周波数分析部
22a,22bおよびピーク検出部24a,24bは、
本発明の分析部として機能する。周波数分析部22a,
22bは、それぞれ、左チャネルおよび右チャネルの受
信信号から得られたビート信号に対して周波数分析を行
い、信号の周波数スペクトルを得る。ここでは、複素F
FT(高速フーリエ変換)が行われ、適当な周波数間隔
(周波数bin)ごとの複素振幅(電圧)が求められ
る。以降の信号処理装置20における処理においては、
binの番号が周波数に対応するインデックスとして用
いられる。ピーク検出部24a,24bは、周波数分析
結果に基づき、位相モノパルスの左、右チャネルのそれ
ぞれでピーク(ピークが現れる周波数binの番号およ
びその周波数binの複素振幅値)を検出する。
22a,22bおよびピーク検出部24a,24bは、
本発明の分析部として機能する。周波数分析部22a,
22bは、それぞれ、左チャネルおよび右チャネルの受
信信号から得られたビート信号に対して周波数分析を行
い、信号の周波数スペクトルを得る。ここでは、複素F
FT(高速フーリエ変換)が行われ、適当な周波数間隔
(周波数bin)ごとの複素振幅(電圧)が求められ
る。以降の信号処理装置20における処理においては、
binの番号が周波数に対応するインデックスとして用
いられる。ピーク検出部24a,24bは、周波数分析
結果に基づき、位相モノパルスの左、右チャネルのそれ
ぞれでピーク(ピークが現れる周波数binの番号およ
びその周波数binの複素振幅値)を検出する。
【0023】図5(a)(b)は、それぞれ左チャネル
および右チャネルの周波数分析結果の例である。左チャ
ネルにおいて、大きい振幅をもつピークUL1,DL1
は、それぞれターゲット1の上りフェーズおよび下りフ
ェーズのピークである。下りフェーズのピークの周波数
が上りフェーズより大きいのは、ターゲット1が自車よ
りも相対的に遅い(近づいている)ことを示している。
また、小さい振幅をもつピークUL2,DL2は、それ
ぞれターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズの
ピークである。下りフェーズのピークの周波数が上りフ
ェーズより小さいのは、ターゲット2が自車よりも相対
的に速い(遠ざかっている)ことを示している。同様
に、右チャネルでは、ピークUR1,DR1は、それぞ
れターゲット1の上りフェーズおよび下りフェーズのピ
ークである。また、ピークUR2,DR2は、それぞれ
ターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズのピー
クである。
および右チャネルの周波数分析結果の例である。左チャ
ネルにおいて、大きい振幅をもつピークUL1,DL1
は、それぞれターゲット1の上りフェーズおよび下りフ
ェーズのピークである。下りフェーズのピークの周波数
が上りフェーズより大きいのは、ターゲット1が自車よ
りも相対的に遅い(近づいている)ことを示している。
また、小さい振幅をもつピークUL2,DL2は、それ
ぞれターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズの
ピークである。下りフェーズのピークの周波数が上りフ
ェーズより小さいのは、ターゲット2が自車よりも相対
的に速い(遠ざかっている)ことを示している。同様
に、右チャネルでは、ピークUR1,DR1は、それぞ
れターゲット1の上りフェーズおよび下りフェーズのピ
ークである。また、ピークUR2,DR2は、それぞれ
ターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズのピー
クである。
【0024】ただし、本実施形態では本装置が使用され
る道路等の使用環境では、複数のターゲット(先行車)
が存在し、さらに、ターゲット以外の樹木やガードレー
ルなどの物体が存在する。レーダには様々な物体の反射
波が合成されて受信される。従って、実際には、図5に
示すピークの他にもさらに多数のピークが存在してい
る。このような多数のピークから、以下のようにして同
一ターゲットの左右チャネルのピークが選ばれる。
る道路等の使用環境では、複数のターゲット(先行車)
が存在し、さらに、ターゲット以外の樹木やガードレー
ルなどの物体が存在する。レーダには様々な物体の反射
波が合成されて受信される。従って、実際には、図5に
示すピークの他にもさらに多数のピークが存在してい
る。このような多数のピークから、以下のようにして同
一ターゲットの左右チャネルのピークが選ばれる。
【0025】図4に戻り、受信アンテナ16a,16b
の位置の違いは、ターゲットまでの距離に比べて小さい
ので、各受信アンテナからターゲットを臨む方位はほと
んど同じであり、ターゲットの各受信アンテナに対する
相対速度もほとんど同じである。よってチャネルが異な
っても、同一ターゲットに対応するピークの周波数は、
同一か極めて近い。そこで、方位演算部26では、近い
周波数binをもつピークが左、右チャネルから選ば
れ、選ばれた2つのピークはピークペアとされる。ここ
では、左、右チャネル間での周波数binの差が所定し
きい周波数差以下のピークペアが選択される。ここで、
ピークAとBとがペアをなすことを〈A,B〉と表すこ
ととすると、図5に示す例に対しては、上りフェーズ期
間においてはピークペア〈UL1,UR1〉、〈UL
2,UR2〉が検出され、下りフェーズ期間に対しては
〈DL1,DR1〉、〈DL2,DR2〉が検出され
る。
の位置の違いは、ターゲットまでの距離に比べて小さい
ので、各受信アンテナからターゲットを臨む方位はほと
んど同じであり、ターゲットの各受信アンテナに対する
相対速度もほとんど同じである。よってチャネルが異な
っても、同一ターゲットに対応するピークの周波数は、
同一か極めて近い。そこで、方位演算部26では、近い
周波数binをもつピークが左、右チャネルから選ば
れ、選ばれた2つのピークはピークペアとされる。ここ
では、左、右チャネル間での周波数binの差が所定し
きい周波数差以下のピークペアが選択される。ここで、
ピークAとBとがペアをなすことを〈A,B〉と表すこ
ととすると、図5に示す例に対しては、上りフェーズ期
間においてはピークペア〈UL1,UR1〉、〈UL
2,UR2〉が検出され、下りフェーズ期間に対しては
〈DL1,DR1〉、〈DL2,DR2〉が検出され
る。
【0026】方位演算部26は、周波数分析部22a,
22bでの複素FFT処理において得られる位相情報を
元に、各ピークペアを構成する各ピーク間の位相差Δφ
を求め、当該ピークペアに対応するターゲットの方位θ
を求める。すなわち図1を用いて説明したように、2つ
の受信アンテナ16a,16bでの受信波の位相差をΔ
φ、2つの受信アンテナの距離をL、電波の波長をλと
すれば、方位角θは次式で求められる。
22bでの複素FFT処理において得られる位相情報を
元に、各ピークペアを構成する各ピーク間の位相差Δφ
を求め、当該ピークペアに対応するターゲットの方位θ
を求める。すなわち図1を用いて説明したように、2つ
の受信アンテナ16a,16bでの受信波の位相差をΔ
φ、2つの受信アンテナの距離をL、電波の波長をλと
すれば、方位角θは次式で求められる。
【0027】
【数6】θ=sin-1{Δφ(λ/L)} ペアリング部28は、上りフェーズ期間と下りフェーズ
期間とのピークのペアリングを行う。すなわち、ペアリ
ング部28は、上りフェーズ期間において得られるピー
クと、下りフェーズ期間において得られるピークとを対
応付け、距離・速度演算に用いるピークの対を決定す
る。
期間とのピークのペアリングを行う。すなわち、ペアリ
ング部28は、上りフェーズ期間において得られるピー
クと、下りフェーズ期間において得られるピークとを対
応付け、距離・速度演算に用いるピークの対を決定す
る。
【0028】ここでは、ペアリング部28は、上りフェ
ーズ期間について得られる左、右チャネルのピークペア
と、下りフェーズ期間について得られる左、右チャネル
のピークペアとで互いに方位角θが同一とみなすことが
できるものの対を求める。例えば、上り、下りフェーズ
期間での方位の差が所定閾値以下となるピーク(ペア)
が選択される。この処理により、図5に示す例に対して
は、ターゲット1により生じるピークペア〈UL1,U
R1〉と〈DL1,DR1〉(又はUL1とDL1、若
しくはピークUR1とDR1)、及びターゲット2によ
り生じるピークペア〈UL2,UR2〉と〈DL2,D
R2〉(又はUL2とDL2、若しくはピークUR2と
DR2)が選択される。
ーズ期間について得られる左、右チャネルのピークペア
と、下りフェーズ期間について得られる左、右チャネル
のピークペアとで互いに方位角θが同一とみなすことが
できるものの対を求める。例えば、上り、下りフェーズ
期間での方位の差が所定閾値以下となるピーク(ペア)
が選択される。この処理により、図5に示す例に対して
は、ターゲット1により生じるピークペア〈UL1,U
R1〉と〈DL1,DR1〉(又はUL1とDL1、若
しくはピークUR1とDR1)、及びターゲット2によ
り生じるピークペア〈UL2,UR2〉と〈DL2,D
R2〉(又はUL2とDL2、若しくはピークUR2と
DR2)が選択される。
【0029】なお、この処理において、ピークの振幅を
考慮にいれることも可能である。すなわち、同一のター
ゲットからのエコーの強度は、上りフェーズ期間と下り
フェーズ期間とで大きく異ならないということに基づい
て、方位角θの差が所定閾値以下であるという条件とと
もに、振幅の差も所定閾値以下であるという条件を課し
て、ここでのピークの対を求めることとしてもよい。そ
のような構成によれば、多数のターゲットが存在して、
狭い方位角範囲内に複数のターゲットからのピークが含
まれる場合であっても、それらの振幅の違いによってタ
ーゲットの弁別を行い、正しく上り、下り各フェーズ期
間のピークを組み合わせることができる。
考慮にいれることも可能である。すなわち、同一のター
ゲットからのエコーの強度は、上りフェーズ期間と下り
フェーズ期間とで大きく異ならないということに基づい
て、方位角θの差が所定閾値以下であるという条件とと
もに、振幅の差も所定閾値以下であるという条件を課し
て、ここでのピークの対を求めることとしてもよい。そ
のような構成によれば、多数のターゲットが存在して、
狭い方位角範囲内に複数のターゲットからのピークが含
まれる場合であっても、それらの振幅の違いによってタ
ーゲットの弁別を行い、正しく上り、下り各フェーズ期
間のピークを組み合わせることができる。
【0030】距離・速度演算部30は、ペアリング部2
8にて決定されたピークの対に基づいて、ターゲットの
相対距離、相対速度を求める。すなわち、図2、図3を
用いて説明したように、ビート信号は、ターゲットの距
離に応じた受信波の遅延に基づく成分と、ターゲットの
速度に応じたドップラシフトに基づく成分からなってい
る。上りフェーズ期間及び下りフェーズ期間におけるビ
ート信号の周波数fbu、fbdは、相対距離を表すビ
ート周波数をfr、相対速度を表すドップラ周波数をf
dとすると、
8にて決定されたピークの対に基づいて、ターゲットの
相対距離、相対速度を求める。すなわち、図2、図3を
用いて説明したように、ビート信号は、ターゲットの距
離に応じた受信波の遅延に基づく成分と、ターゲットの
速度に応じたドップラシフトに基づく成分からなってい
る。上りフェーズ期間及び下りフェーズ期間におけるビ
ート信号の周波数fbu、fbdは、相対距離を表すビ
ート周波数をfr、相対速度を表すドップラ周波数をf
dとすると、
【数7】fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。従って、周波数fbu、fbdから、ビート周
波数frおよびドップラ周波数fdが求められ、相対距
離および相対速度が求められる。本実施形態では、ペア
リング部28で決定されたペアの上り、下りフェーズの
対応するピークのbin番号に基づいて、距離および速
度を求める。このbin番号はそのピークのもつ周波数
に対応している。また、左右チャネルのそれぞれの受信
波に基づいて独立して距離および速度を求めることがで
き、両検出値を用いてより精度の高い検出結果が得られ
る。
波数frおよびドップラ周波数fdが求められ、相対距
離および相対速度が求められる。本実施形態では、ペア
リング部28で決定されたペアの上り、下りフェーズの
対応するピークのbin番号に基づいて、距離および速
度を求める。このbin番号はそのピークのもつ周波数
に対応している。また、左右チャネルのそれぞれの受信
波に基づいて独立して距離および速度を求めることがで
き、両検出値を用いてより精度の高い検出結果が得られ
る。
【0031】以上、本実施形態のレーダ装置について説
明した。上記のように、本実施形態では、複数存在する
ターゲットの方位を先に求め、その方位を参照して上り
フェーズ期間と下りフェーズ期間とのピークのペアリン
グを行う。よって、上り、下りフェーズ期間にそれぞれ
複数存在するピークを正しくペアリングすることがで
き、信頼性の高い方位、相対速度及び相対距離の検出が
可能になる。
明した。上記のように、本実施形態では、複数存在する
ターゲットの方位を先に求め、その方位を参照して上り
フェーズ期間と下りフェーズ期間とのピークのペアリン
グを行う。よって、上り、下りフェーズ期間にそれぞれ
複数存在するピークを正しくペアリングすることがで
き、信頼性の高い方位、相対速度及び相対距離の検出が
可能になる。
【0032】なお、本実施形態の周波数差の閾値及び方
位が一致とみなされる判定の閾値は、それぞれ予め適当
な値に決められている。周波数差の閾値は、同一ターゲ
ットの反射波から得られるピークの周波数のばらつきの
大きさに基づいて設定することが好適である。同様に、
方位判定の閾値は、上りフェーズ期間と下りフェーズ期
間との間にターゲットと装置との相対運動により変わり
うる方位角の大きさを想定して定めることができる。ま
た例えば、両閾値を、ばらつきの標準的な大きさに設定
したり、ばらつきの最大値に設定することができる。各
閾値は、実験結果や経験に基づいて設定してもよい。
位が一致とみなされる判定の閾値は、それぞれ予め適当
な値に決められている。周波数差の閾値は、同一ターゲ
ットの反射波から得られるピークの周波数のばらつきの
大きさに基づいて設定することが好適である。同様に、
方位判定の閾値は、上りフェーズ期間と下りフェーズ期
間との間にターゲットと装置との相対運動により変わり
うる方位角の大きさを想定して定めることができる。ま
た例えば、両閾値を、ばらつきの標準的な大きさに設定
したり、ばらつきの最大値に設定することができる。各
閾値は、実験結果や経験に基づいて設定してもよい。
【0033】[実施の形態2]次に、本発明の第2の実
施形態を説明する。図6は、本発明の実施形態の自動車
レーダ装置の構成を示している。本実施形態の構成要素
のうち、図4に示した実施形態1の構成要素と同様のも
のについては同一の符号を付し、その説明は適宜省略す
る。実施形態2は、まず送信部が実施形態1と異なる。
すなわち、本装置は、複数の送信アンテナ44-1、44
-2、…、44-nを有し、VCO10からこれら送信アン
テナ44への送信波の供給を時分割で切り替える切替器
46を有している。また、信号処理装置50は、これら
複数の送信アンテナ44から送信された複数の指向性ビ
ームそれぞれに対する演算結果を最後にまとめる統合処
理部48を距離・速度演算部30の次に有している。
施形態を説明する。図6は、本発明の実施形態の自動車
レーダ装置の構成を示している。本実施形態の構成要素
のうち、図4に示した実施形態1の構成要素と同様のも
のについては同一の符号を付し、その説明は適宜省略す
る。実施形態2は、まず送信部が実施形態1と異なる。
すなわち、本装置は、複数の送信アンテナ44-1、44
-2、…、44-nを有し、VCO10からこれら送信アン
テナ44への送信波の供給を時分割で切り替える切替器
46を有している。また、信号処理装置50は、これら
複数の送信アンテナ44から送信された複数の指向性ビ
ームそれぞれに対する演算結果を最後にまとめる統合処
理部48を距離・速度演算部30の次に有している。
【0034】VCO10からの送信波は切替器46を介
して、送信アンテナ44のそれぞれに時分割で順次供給
される。各送信アンテナ44はそれらの送信ビームの向
きが異なるように構成され、これにより検出領域を分割
して、それぞれの領域ごとに電波を送受することができ
る。なお、同様の検出領域の分割は、例えば、異なる指
向性を有した受信アンテナ16を複数配置してそれらを
切り替える構成や、送受両方で切り替える構成によって
も実現することができる。
して、送信アンテナ44のそれぞれに時分割で順次供給
される。各送信アンテナ44はそれらの送信ビームの向
きが異なるように構成され、これにより検出領域を分割
して、それぞれの領域ごとに電波を送受することができ
る。なお、同様の検出領域の分割は、例えば、異なる指
向性を有した受信アンテナ16を複数配置してそれらを
切り替える構成や、送受両方で切り替える構成によって
も実現することができる。
【0035】時分割で切り替えられた各検出領域に対す
る受信信号の処理は上記実施形態と同様であり、得られ
たビート信号は信号処理装置50に渡される。信号処理
装置50における周波数分析処理から距離・速度演算部
30での処理までは実施形態1と同様である。よって、
各検出領域ごとにその領域内のターゲットの追尾情報
(方位、距離及び速度)が検出される。
る受信信号の処理は上記実施形態と同様であり、得られ
たビート信号は信号処理装置50に渡される。信号処理
装置50における周波数分析処理から距離・速度演算部
30での処理までは実施形態1と同様である。よって、
各検出領域ごとにその領域内のターゲットの追尾情報
(方位、距離及び速度)が検出される。
【0036】統合処理部48へは、このように切り替え
によってそれぞれの検出領域にて得られたターゲットの
追尾情報が入力される。各指向性ビームの検出領域は、
隣接するもの同士がオーバーラップするように構成され
る。そのため、同一のターゲットが複数の検出領域で検
出されることがある。統合処理部48は、ターゲットの
追尾情報を隣接する検出領域間で比較して、所定の精度
で互いに一致する追尾情報を探索する。一致するものが
見つかった場合、それら追尾情報が同一のターゲットに
対応するものであると判断する。
によってそれぞれの検出領域にて得られたターゲットの
追尾情報が入力される。各指向性ビームの検出領域は、
隣接するもの同士がオーバーラップするように構成され
る。そのため、同一のターゲットが複数の検出領域で検
出されることがある。統合処理部48は、ターゲットの
追尾情報を隣接する検出領域間で比較して、所定の精度
で互いに一致する追尾情報を探索する。一致するものが
見つかった場合、それら追尾情報が同一のターゲットに
対応するものであると判断する。
【0037】この一致の判断は、例えば、追尾情報を構
成する方位、距離及び速度の各値の隣接検出領域間での
差がそれぞれ所定の許容範囲以下であることに基づいて
行うことができる。また、方位、距離及び速度の各差の
二乗和が所定閾値以下となるといった判断基準を用いる
こともできる。
成する方位、距離及び速度の各値の隣接検出領域間での
差がそれぞれ所定の許容範囲以下であることに基づいて
行うことができる。また、方位、距離及び速度の各差の
二乗和が所定閾値以下となるといった判断基準を用いる
こともできる。
【0038】同一のターゲットに対応すると判断された
複数の追尾情報は、所定の平均処理により、一つの追尾
情報に統合される。この所定の平均処理としては、例え
ば、簡単には、それぞれのビームで検出された追尾情報
を等しい重みで平均する単純平均がある。また、他の方
法としては、それぞれのビームで検出された追尾情報そ
れぞれの確からしさなどに基づいた重み付けを行った平
均(重み付け平均)がある。ここでは、指向性ビームの
軸の方向と方位演算部にて検出された方位との一致の程
度を重み係数とした重み付け平均を行う。これは、一般
に方位がビームの軸に近いほど、エコー強度が大きくな
り、誤差が小さくなるからである。なお、同様の理由か
ら重み係数として、例えば検出された方位におけるビー
ムの強度を用いることも可能である。また、統合処理部
48は、それぞれのビームで検出された追尾情報のうち
最も確度又は精度が高いものを選択してもよい。これ
は、重み付け平均の特殊な場合であり、最も確度若しく
は精度の高い追尾情報の重み係数を1とし、他の追尾情
報の重み係数を0とした場合に相当する。
複数の追尾情報は、所定の平均処理により、一つの追尾
情報に統合される。この所定の平均処理としては、例え
ば、簡単には、それぞれのビームで検出された追尾情報
を等しい重みで平均する単純平均がある。また、他の方
法としては、それぞれのビームで検出された追尾情報そ
れぞれの確からしさなどに基づいた重み付けを行った平
均(重み付け平均)がある。ここでは、指向性ビームの
軸の方向と方位演算部にて検出された方位との一致の程
度を重み係数とした重み付け平均を行う。これは、一般
に方位がビームの軸に近いほど、エコー強度が大きくな
り、誤差が小さくなるからである。なお、同様の理由か
ら重み係数として、例えば検出された方位におけるビー
ムの強度を用いることも可能である。また、統合処理部
48は、それぞれのビームで検出された追尾情報のうち
最も確度又は精度が高いものを選択してもよい。これ
は、重み付け平均の特殊な場合であり、最も確度若しく
は精度の高い追尾情報の重み係数を1とし、他の追尾情
報の重み係数を0とした場合に相当する。
【0039】本装置によれば、距離と速度が似通った複
数のターゲットが存在する場合であっても電波を送受す
る領域を分割することにより、それら複数のターゲット
を異なるビームで分離して検出することができる。また
複数のビームで同一のターゲットが検出された場合に
は、得られた複数の追尾情報を何らかの形で平均して統
合することにより、精度のよい追尾情報を得ることがで
きる。
数のターゲットが存在する場合であっても電波を送受す
る領域を分割することにより、それら複数のターゲット
を異なるビームで分離して検出することができる。また
複数のビームで同一のターゲットが検出された場合に
は、得られた複数の追尾情報を何らかの形で平均して統
合することにより、精度のよい追尾情報を得ることがで
きる。
【0040】[実施の形態3]次に、本発明の第3の実
施形態を説明する。図7は、本発明の実施形態の自動車
レーダ装置の構成を示している。本実施形態の構成要素
のうち、図4、図6に示した実施形態1及び実施形態2
の構成要素と同様のものについては同一の符号を付し、
その説明は適宜省略する。実施形態3が構成上、実施形
態1と異なる点は、信号処理装置70が追尾フィルタ処
理部72を有する点である。追尾フィルタ処理部72
は、距離・速度演算部30と統合処理部48との間に設
けられる。
施形態を説明する。図7は、本発明の実施形態の自動車
レーダ装置の構成を示している。本実施形態の構成要素
のうち、図4、図6に示した実施形態1及び実施形態2
の構成要素と同様のものについては同一の符号を付し、
その説明は適宜省略する。実施形態3が構成上、実施形
態1と異なる点は、信号処理装置70が追尾フィルタ処
理部72を有する点である。追尾フィルタ処理部72
は、距離・速度演算部30と統合処理部48との間に設
けられる。
【0041】本装置も実施形態2同様、複数の送信アン
テナ44を有し、時分割で各検出領域の測定を行い、各
領域に存在するターゲットの追尾情報を求める。つま
り、本装置と実施形態2の装置とは距離・速度演算部3
0までの動作、処理は同じである。
テナ44を有し、時分割で各検出領域の測定を行い、各
領域に存在するターゲットの追尾情報を求める。つま
り、本装置と実施形態2の装置とは距離・速度演算部3
0までの動作、処理は同じである。
【0042】本装置では、追尾フィルタ処理部72が、
距離・速度演算部30で得られた各領域の追尾情報に対
して、追尾フィルタ処理を行う。追尾フィルタ処理部7
2が行う追尾フィルタ処理は、距離・速度演算部30ま
でに得られた方位、距離及び速度に対して行う、カルマ
ンフィルタ処理やα−βフィルタ処理といった予測フィ
ルタ処理である。この予測フィルタ処理により、過去の
追尾情報に基づいて、ターゲットの真の方位、距離及び
速度が推定される。これにより、複数のターゲットやタ
ーゲット以外の例えば樹木やガードレールなどの物体が
存在することによって生じる誤検出状態や、不検出状態
による好ましくない影響を回避することが可能となる。
距離・速度演算部30で得られた各領域の追尾情報に対
して、追尾フィルタ処理を行う。追尾フィルタ処理部7
2が行う追尾フィルタ処理は、距離・速度演算部30ま
でに得られた方位、距離及び速度に対して行う、カルマ
ンフィルタ処理やα−βフィルタ処理といった予測フィ
ルタ処理である。この予測フィルタ処理により、過去の
追尾情報に基づいて、ターゲットの真の方位、距離及び
速度が推定される。これにより、複数のターゲットやタ
ーゲット以外の例えば樹木やガードレールなどの物体が
存在することによって生じる誤検出状態や、不検出状態
による好ましくない影響を回避することが可能となる。
【0043】統合処理部48は、例えば、複数の分割領
域で得られたターゲットの追尾情報の推定値が所定の差
以下で一致する場合に、それら追尾情報の推定値が同一
ターゲットに対応すると判断する。また、統合処理部4
8は例えば、追尾情報の推定値の過去から現在までの軌
跡を、ビームの各分割領域ごとに求め、それら領域間で
軌跡の隔たりが所定値以下である場合にそれら軌跡に対
応するターゲットは同一であると判断することも可能で
ある。
域で得られたターゲットの追尾情報の推定値が所定の差
以下で一致する場合に、それら追尾情報の推定値が同一
ターゲットに対応すると判断する。また、統合処理部4
8は例えば、追尾情報の推定値の過去から現在までの軌
跡を、ビームの各分割領域ごとに求め、それら領域間で
軌跡の隔たりが所定値以下である場合にそれら軌跡に対
応するターゲットは同一であると判断することも可能で
ある。
【0044】統合処理部48はこのように推定値、又は
推定値の軌跡に基づいて、ターゲットの同一を判断し、
同一ターゲットについて複数領域に関して得られた追尾
情報の各推定値を、実施形態2と同様の方法により平均
して一つの追尾情報に統合する。
推定値の軌跡に基づいて、ターゲットの同一を判断し、
同一ターゲットについて複数領域に関して得られた追尾
情報の各推定値を、実施形態2と同様の方法により平均
して一つの追尾情報に統合する。
【0045】このように本装置では、FMCW方式及び
位相モノパルス方式により得られる追尾情報に対して、
予測フィルタ処理を行うこと、さらにビーム切替により
複数領域で得られた各追尾情報を統合する処理を行うこ
とにより、ある時刻または期間において距離と速度がほ
ぼ同じとなる複数のターゲットを、追尾情報の時系列に
基づいて弁別することができる。また、複数ターゲット
やターゲット以外の例えば樹木やガードレールなどの物
体が存在するような実際の使用環境下において、確度の
高い距離、速度及び方位の検出を行うことができる。
位相モノパルス方式により得られる追尾情報に対して、
予測フィルタ処理を行うこと、さらにビーム切替により
複数領域で得られた各追尾情報を統合する処理を行うこ
とにより、ある時刻または期間において距離と速度がほ
ぼ同じとなる複数のターゲットを、追尾情報の時系列に
基づいて弁別することができる。また、複数ターゲット
やターゲット以外の例えば樹木やガードレールなどの物
体が存在するような実際の使用環境下において、確度の
高い距離、速度及び方位の検出を行うことができる。
【0046】なお、本装置では、追尾フィルタ処理部7
2は統合処理部48の前に設けたが、追尾フィルタ処理
部72を統合処理部48の後ろに設ける構成も可能であ
る。
2は統合処理部48の前に設けたが、追尾フィルタ処理
部72を統合処理部48の後ろに設ける構成も可能であ
る。
【0047】ちなみに、追尾フィルタ処理部72は、ビ
ームによる検出領域の分割とは無関係に採用することが
でき、例えば実施形態1の装置においても用いることが
できる。
ームによる検出領域の分割とは無関係に採用することが
でき、例えば実施形態1の装置においても用いることが
できる。
【図1】 位相モノパルスレーダの原理を示す図であ
る。
る。
【図2】 FMCWレーダの原理を示す図である。
【図3】 FMCWレーダの原理を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の構成を示す図であ
る。
る。
【図5】 図4の装置の左チャネルおよび右チャネルの
受信信号の周波数分析結果を示す図である。
受信信号の周波数分析結果を示す図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態の構成を示す図であ
る。
る。
【図7】 本発明の第3の実施形態の構成を示す図であ
る。
る。
10 電圧制御発振器(VCO)、14,44-1,44
-2,44-n 送信アンテナ、16a,16b 受信アン
テナ、18a,18b 検波器、20,50,70 信
号処理装置、22a,22b 周波数分析部、24a,
24b ピーク検出部、26 方位演算部、28 ペア
リング部、30 距離・速度演算部、48 統合処理
部、72 追尾フィルタ処理部。
-2,44-n 送信アンテナ、16a,16b 受信アン
テナ、18a,18b 検波器、20,50,70 信
号処理装置、22a,22b 周波数分析部、24a,
24b ピーク検出部、26 方位演算部、28 ペア
リング部、30 距離・速度演算部、48 統合処理
部、72 追尾フィルタ処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 知育 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 直之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 周波数が増加する上りフェーズ期間と周
波数が低下する下りフェーズ期間とを有したFM変調さ
れた送信波を送信する送信部と、 反射波を受信する複数チャネルの受信部と、 各チャネルの受信波の周波数分析を行い、ターゲットに
対応したエコーのピークと当該エコーの位相情報とを求
める分析部と、 前記複数チャネル間で周波数が互いに対応したピークの
組を求め、当該組をなすピーク間の位相差に基づいて方
位を求める方位演算部と、 前記方位演算部で求められた方位に基づいて、前記上り
フェーズ期間と前記下りフェーズ期間とで対をなすピー
クを求め、当該対をなすピークの周波数に基づいて前記
ターゲットの相対速度及び相対距離を求める距離・速度
演算部と、 を有することを特徴とする自動車レーダ装置。 - 【請求項2】 方位、相対速度及び相対距離からなる追
尾情報を前記方位演算部と前記距離・速度演算部とから
得る統合処理部を有し、 前記送信部は、互いに異なる方向へ指向性ビームを切り
替えて送信し、 前記統合処理部は、前記異なる指向性ビームそれぞれに
対する前記追尾情報が所定範囲内で一致した場合に、当
該複数の追尾情報に対して所定の平均処理を行って一の
ターゲットの追尾情報を決定すること、 を特徴とする請求項1記載の自動車レーダ装置。 - 【請求項3】 前記平均処理は、前記指向性ビームの方
向と当該ビームに対して前記位相モノパルス演算部にて
検出された前記方位との一致度に基づいた重み付け平均
であること、 を特徴とする請求項2記載の自動車レーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10077965A JPH11271430A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 自動車レーダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10077965A JPH11271430A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 自動車レーダ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11271430A true JPH11271430A (ja) | 1999-10-08 |
Family
ID=13648671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10077965A Pending JPH11271430A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 自動車レーダ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11271430A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1998
- 1998-03-25 JP JP10077965A patent/JPH11271430A/ja active Pending
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