JPH111508A - α−オレフィン重合用触媒成分、触媒およびα−オレフィン重合体の製造法 - Google Patents

α−オレフィン重合用触媒成分、触媒およびα−オレフィン重合体の製造法

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JPH111508A
JPH111508A JP15643397A JP15643397A JPH111508A JP H111508 A JPH111508 A JP H111508A JP 15643397 A JP15643397 A JP 15643397A JP 15643397 A JP15643397 A JP 15643397A JP H111508 A JPH111508 A JP H111508A
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JP
Japan
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group
olefin
catalyst
hydrocarbon
ion
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Application number
JP15643397A
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English (en)
Inventor
Kaori Imaeda
かおり 今枝
Hideki Kurokawa
秀樹 黒川
Yumito Uehara
弓人 上原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重合活性が高く、分子量が大きくかつ分子量
分布の狭い重合体を得ることのできるα−オレフィン重
合用触媒、α−オレフィンの重合法の提供。 【解決手段】 〔A〕、〔B〕成分を組み合わせたα−
オレフィン重合用触媒成分。 〔A〕式〔1a〕または〔1b〕で表される遷移金属化
合物の単独又は混合物。 (Mはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、
Rはハロゲン、珪素含有基、C1〜20炭化水素基また
はハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミノ基であり、aは0〜3、bは0〜7、Q
はC1〜30の、2価の、炭化水素基または珪素もしく
はゲルマニウムを含む炭化水素基であり、XおよびY
は、ハロゲン原子、水素原子、C1〜20炭化水素基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、トリフル
オロメタンスルホン酸基を示す。) 〔B〕イオン交換性層状珪酸塩

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン重合用触
媒成分、触媒、および、この触媒によりオレフィン重合
体を高い収率で得る方法に関するものである。詳細に
は、本発明は溶液重合法、高圧重合法、スラリー重合法
および気相重合法に適用することができ、特にスラリー
重合、気相重合法に適用した場合に分子量の高いオレフ
ィン重合体の製造が可能であるオレフィン重合用触媒お
よびこの触媒によりオレフィン重合体を高い収率で得る
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィンを重合してオレフィン重合体
を製造するにあたり、(1)メタロセン化合物および
(2)アルミノキサンからなる触媒を用いる方法が提案
されている(特開昭58−019309号公報、特開平
2−167307号公報等)。これらの触媒を用いた重
合方法は、チタニウム化合物あるいはバナジウム化合物
と有機アルミニウム化合物からなる従来のチーグラー・
ナッタ触媒を用いる方法と比較して、遷移金属あたりの
重合活性が非常に高く、また、分子量分布、組成分布の
シャープな重合体が得られる。
【0003】しかしながら、これらの触媒を用いて工業
的に充分な重合活性を得るためには多量のアルミノキサ
ンを必要とするため、アルミニウムあたりの重合活性は
低く、不経済であるばかりでなく、生成した重合体から
触媒残渣を除去する必要があった。一方、上記メタロセ
ン錯体およびアルミノキサンの一方あるいは両方をシリ
カ、アルミナ等の無機酸化物に担持させた触媒でオレフ
ィンの重合を行う方法が提案されている(特開昭61−
108610号公報、同60−135408号公報、同
61−296008号公報、特開平3−74412号公
報、同3−74415号公報等)。また、メタロセン化
合物および有機アルミニウム化合物の一方あるいは両方
をシリカ、アルミナ等の無機酸化物もしくは有機物に担
持させた触媒でオレフィンの重合を行う方法も提案され
ている(特開平1−101303号公報、同1−207
303号公報、同3−234709号公報、特表平3−
501869号公報)。さらに、これらの担持触媒を予
備重合する方法も提案されている(特開平3−2347
10号公報等)。
【0004】しかしながら、これらに提案された方法に
おいても、アルミニウムあたりの重合活性はなお充分と
はいえず、生成物中の触媒残渣の量は無視し得ないもの
であった。またこれらの問題点を解決する方法として、
イオン交換性層状化合物あるいは無機珪酸塩、有機アル
ミニウムおよびメタロセン化合物からなる触媒およびこ
れを予備重合処理した触媒が提案されている(特開平5
−295022号公報等)。
【0005】これらの触媒では、遷移金属あるいはアル
ミニウムあたりの重合活性は十分であるものの、重合時
に水素が発生し、その発生した水素により重合ポリマー
の分子量が低下することが判明し、高分子量のポリマー
を得るためには、極めて少量の水素濃度を制御するこ
と、あるいはまた、発生する水素を除去するなどの特別
の対応が必要となる。
【0006】一方、メタロセン化合物とアルミノキサン
からなる触媒において、メタロセン化合物の配位子の少
なくとも1つが、異なる2つの置換基を有するシクロペ
ンタジエニル配位子であるものを用いることにより、分
子量が大きくかつ分子量分布の狭いオレフィン重合体を
得る方法が提案されている(特開平5−148317号
公報)。しかしながら、この触媒を用いても得られる重
合体の分子量は必ずしも充分とは言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒成分で
ある遷移金属化合物あたりの重合活性が高く、本重合に
よって分子量が大きくかつ分子量分布の狭い重合体を得
ることのできるα−オレフィン重合用触媒成分と触媒、
およびその触媒を用いたα−オレフィンの重合法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために検討を行った結果、イオン交換性層状
珪酸塩に、特定の位置で架橋されたメタロセン系遷移金
属化合物を担持することにより、遷移金属およびアルミ
ニウムあたりの重合活性が充分高く、分子量の高い重合
体を製造することができる本触媒系を見いだし、本発明
に到達した。即ち本発明は、下記〔A〕、〔B〕成分を
組み合わせてなるα−オレフィン重合用触媒成分を提供
するものである。 〔A〕下記式〔1a〕または〔1b〕で表される遷移金
属化合物の単独又は混合物。
【0009】
【化3】
【0010】(式〔1a〕、〔1b〕においてMはチタ
ニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、Rはそれぞ
れ独立して、ハロゲン、珪素含有基、炭素数1ないし2
0の炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基であり(ただし、
Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上に複
数存在する場合には、それらはそのω−端で相互に結合
して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と共
に環を形成しても良い)、aは0以上3以下の整数であ
り、bは0以上7以下の整数であり、Qは炭素数1〜3
0の、2価の、炭化水素基または珪素もしくはゲルマニ
ウムを含む炭化水素基であり、XおよびYは、それぞれ
独立して、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20の
炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド
基、トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。)
【0011】〔B〕イオン交換性層状珪酸塩。 また、本発明は、上記した触媒成分に、下記〔C〕成分
を組み合わせてなるα−オレフィン重合用触媒、および
該重合用触媒を用いてα−オレフィン重合体を製造する
方法を提供するものである。 〔C〕下記式〔2〕で表される有機アルミニウム化合
物。
【0012】
【化4】 R1 cAlX1 3-c 〔2〕
【0013】(式〔2〕において、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基、X1 はハロゲン原子、水素原子、アル
コキシ基、アミド基を示し、cは0<c≦3の数字であ
る)。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の触媒に用いられるメタロ
セン系遷移金属化合物〔A〕は、特定の位置で架橋され
た置換シクロペンタジエニル配位子とチタニウム、ジル
コニウムあるいはハフニウムからなる有機金属化合物で
ある。かかるメタロセン系遷移金属化合物として好まし
いものは、下記一般式〔1a〕または〔1b〕で表され
る化合物である。
【0015】
【化5】
【0016】(式〔1a〕または〔1b〕において、M
はチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、Rは
それぞれ独立して、ハロゲン、珪素含有基、炭素数1な
いし20の炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基であり(た
だし、Rが同一のインデニルないしヒドロインリデニル
基上に複数存在する場合には、それらはそのω−端で相
互に結合して該インデニルないしヒドロインデニル基の
一部と共に環を形成しても良い)、aは0以上3以下の
整数であり、bは0以上7以下の整数であり、Qは炭素
数1〜3の、2価の、炭化水素基または珪素もしくはゲ
ルマニウムを含む炭化水素基であり、XおよびYは、そ
れぞれ独立して、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜
20の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アミド基を示す。)
【0017】上記一般式〔1a〕または〔1b〕中、R
はそれぞれ独立して、ハロゲン、珪素含有基、炭素数1
ないし20の炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基であり
(ただし、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニ
ル基上に複数存在する場合には、それらはそのω−端で
相互に結合して該インデニルないしヒドロインデニル基
の一部と共に環を形成しても良い)、具体的には、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン、トリメチルシ
リル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等
の珪素含有基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−ノニル基、n−デシル
基、フェニル基、4−メチルフェニル基等の炭素数1〜
20の炭化水素基、またはモノフルオロメチル基、ジフ
ルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1−
トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、4
−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、モノ
クロロメチル基、モノブロモメチル基、などの炭素数1
〜20のハロゲン含有炭化水素基、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フ
ェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、ペンタメチルフ
ェノキシ基等のアリールオキシ基、ジメチルアミノ基、
ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピリジル基、
インドリル基等のアミノ基等があげられる。
【0018】これらのうち特に好ましいのはメチル基、
フェニル基である。XおよびYは、水素原子、塩素、臭
素等のハロゲン、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−ノニル基、n−デシ
ル基、フェニル基、4−メチルフェニル基等の炭素数1
〜20の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、
4−メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基等
のアリールオキシ基、ジメチルアミド基、ジエチルアミ
ド基、ジイソプロピルアミド基、ジフェニルアミド基、
ジシクロヘキシルアミド基等のアミド基、トリフルオロ
メタンスルホン酸等を示す。
【0019】これらの中では、塩素、水素原子、メチル
基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、およびトリ
フルオロメタンスルホン酸基が好ましい。Qは、二つの
インデニルまたはヒドロインデニル誘導体をその6員環
部分で架橋する2価の基であって、炭素数1〜30、好
ましくは1〜6、の2価の炭化水素基または珪素もしく
はゲルマニウムを含む炭化水素基であり、具体的には、
メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ジフェ
ニルメチレン基、テトラメチルエチレン基、メチルフェ
ニルメチレン基、1,4−ジフェニレン基、1,4−シ
クロヘキシレン基等の2価の炭化水素基、ジメチルシリ
レン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレ
ン基等の珪素含有基、ジメチルゲルミレン基等のゲルマ
ニウム含有基である。これらの架橋基は、2価の両結合
手間の距離は、その合計原子数の如何に関わらず、4原
子以下が好ましい。このような好ましい架橋基として
は、メチレン基、エチレン基、ジメチルシリレン基等で
ある。
【0020】上述の式〔1a〕または〔1b〕で表され
るメタロセン系遷移金属化合物を、Mがジルコニウムで
ある場合について表−1、表−2に具体的に例示する。
なお、これらの遷移金属化合物に不斉炭素が生じる場合
には、特に記載がない場合、立体異性体の内、一つ、ま
たはそれらの混合物を指し示すものとする。また、置換
基Rを有する2個のインデンないしヒドロインデン誘導
体配位子が、架橋基Qを介しての相対位置の観点におい
て、特に記載がない場合は、M、X、Yを含む平面に関
して、対称および非対称である立体異性体の内の一つ、
またはそれらの混合物を指し示すものとする。
【0021】また、本触媒の〔A〕成分であるメタロセ
ン系遷移金属化合物として、〔1a〕または〔1b〕の
Mがチタニウム、ハフニウムである場合について具体的
には、上記のようなジルコニウム化合物のチタニウム、
ハフニウム体を挙げることができる。式〔1a〕または
〔1b〕で表わされる遷移金属化合物はいずれかの単独
体であってもよいし、また、両者の混合物であってもよ
い。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】
【表13】
【0035】
【表14】
【0036】本触媒の〔B〕成分としては、イオン交換
性層状珪酸塩が用いられる。イオン交換性層状珪酸塩
は、共有結合等によって構成される板状構造が互いに弱
いイオン結合力等で平行に積み重なった結晶構造をとる
珪酸塩化合物であり、含有するイオンが交換可能なもの
を言う。イオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土
鉱物の主成分として産出されるが、これら、イオン交換
性層状珪酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成物
であってもよい。
【0037】イオン交換性層状珪酸塩の具体例として
は、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノー
キサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリ
ン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等
の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、ハイデ
ライト、ノントロナイト、サポナイト、ベントナイト、
ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、
バーミキュライト等のバーミキュライト族、イライト、
セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セ
ピオライト、パリゴルスカイト、パイロフィライト、タ
ルク、緑泥石群、アロフェン、イモゴライト等が挙げら
れる。これらは混合層を形成していてもよい。
【0038】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト、雲母等のスメクタイト族、バーミキュラ
イト族、雲母族が好ましい。これらは特に処理を行うこ
となくそのまま用いてもよいし、ボールミル、ふるいわ
け、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、安息
香酸等の有機酸、等との接触による酸処理等の処理を行
ったあとに用いてもよい。また単独で用いても、2種以
上を混合して用いてもよい。
【0039】上記のイオン交換性層状珪酸塩はそのイオ
ン交換性を利用して層間等の陽イオンを別の陽イオンと
置換、交換することが出来る。具体的には層間に存在す
るNa+ 、Li+ 等のアルカリ金属を、他の陽イオンを
持つ塩類、酸、アルカリ、有機化合物等で交換する。こ
れらイオン交換の方法は特に限定されず、一般的な方法
を採用することができる。一つの例としては、塩類、
酸、アルカリまたは有機化合物の水溶液に前記イオン交
換性層状珪酸塩を加えて分散させ、所望の時間撹拌する
ことにより行われる。この際、塩類、酸、アルカリまた
は有機化合物の濃度、温度等を適切に選択することによ
りイオン交換量を所望の値にコントロールすることが出
来る。このような塩類、酸、アルカリまたは有機化合物
として具体的には、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸類、
酢酸、シュウ酸等の有機酸類、ヘテロポリ酸に代表され
るポリ酸類等を挙げることができ、これらの場合には、
層間にはH+ が交換される。また、塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム等のアンモニウムイオンでイオン交換
した後、加熱処理等によっても層間にH+ を導入するこ
とができる。この他、2〜14族原子からなる群より選
ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、少なく
とも一種の陰イオンとからなる塩類を用いることがで
き、このような塩類としては、マグネシウム、アルミニ
ウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、スズ等の
塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸鉛、硝酸塩、塩素酸
塩、過塩素酸塩が挙げられる。この場合は、2〜14族
原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含
む陽イオンが層間に導入される。また、イオン交換可能
な有機化合物としては、モノブチルアンモニウムイオ
ン、ジブチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニ
ウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、アニリ
ニウムイオン、ジメチルアニリニウムイオン、テトラフ
ェニルホスホニウムイオン、テトラブチルホスホニウム
イオン等の少なくとも一つの炭化水素基を有するアンモ
ニウムイオン、ホスホニウムイオン等を有する有機化合
物が挙げられる。さらにポルフィリン、クラウンエーテ
ル錯塩等の有機金属化合物を導入可能である。また、塩
処理条件を適宜選択することによって、層構造中の原子
を交換することも可能である。
【0040】これらイオン交換性層状珪酸塩は、酸処理
を行うことも可能である。この酸処理では、層間に存在
するイオンをプロトンで置換させることに加え、層構造
からの陽イオンの溶出等により化学組成を変化させるこ
とも可能である。このような酸処理は、処理条件(酸濃
度、温度)、酸の種類を適宜選択することにより所望の
酸処理イオン交換性層状珪酸塩を得ることができる。こ
のような酸処理に用いられる酸としては、特に限定され
ないが、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、酢酸あるいはシ
ュウ酸である。これらの酸は単独あるいは2種以上組み
合わせて使用することも可能であり、また、前記塩処理
と組み合わせて行っても良い。
【0041】これらイオン交換性層状珪酸塩を本触媒で
使用する際には、使用する重合装置に合わせ、いかなる
形状で使用してもかまわないが、気相重合法、スラリー
重合法等に適用する場合には、平均粒径が5μmから1
00μmの球状粒子に造粒して使用することにより、触
媒および得られるポリマーの嵩密度を高くすることが出
来るのでプロセス運転面で有利である。
【0042】また、これらイオン交換性層状珪酸塩は、
メタロセン錯体と反応させる前に乾燥させておくことが
好ましい。本発明においては、前記〔A〕成分および
〔B〕成分を組み合わせてなる触媒成分に、例えば下記
式〔2〕で示される〔C〕成分を組み合わせて触媒とす
ることができる。
【0043】
【化6】 R1 cAlX1 3-c 〔2〕
【0044】(式〔2〕において、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基、X1 はハロゲン原子、水素原子、アル
コキシ基、アミド基を示し、cは0<c≦3の数字であ
る)。具体的な〔C〕成分としては、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−
ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアル
ミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイド
ライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチ
ルアルミニウムクロライド等のハロゲン含有アルキルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソ
ブチルアルミニウムメトキシド等のアルキルアルミニウ
ムアルコキシド、ジエチルアルミニウム(ジエチルアミ
ド)、ジイソブチルアルミニウム(ジエチルアミド)等
のアルキルアルミニウムアミドが挙げられる。これらの
アルミニウム化合物は単独で使用しても良いし、例え
ば、トリエチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニ
ウムを混合、あるいはトリアルキルアルミニウムとハロ
ゲン含有アルキルアルミニウムを混合するような、2種
以上のものを混合して使用しても良い。
【0045】触媒の製造方法は特に限定されないが、例
えば以下の方法で製造することが可能である。不活性ガ
ス中、事前に乾燥した塩処理あるいは酸処理済みイオン
交換性層状珪酸塩を炭化水素溶媒中に懸濁させ、これに
メタロセン錯体を溶解した炭化水素溶液および必要に応
じて有機アルミニウム化合物を加えて所定時間処理する
ことにより得られる。
【0046】本発明において、〔A〕〜〔C〕成分を予
めα−オレフィン又は芳香族ビニルモノマーと接触さ
せ、予備的に重合したもの、すなわち予備重合したもの
を触媒として使用することもできる。予備重合は、通
常、エチレンで行われるが、必要に応じて他のオレフィ
ン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィ
ン、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニルモ
ノマー、あるいはこれらの混合物を使用することができ
る。
【0047】本発明の触媒を予備重合触媒として用いる
場合は、予備重合ポリマーが該触媒中に存在する。その
触媒中に存在する予備重合ポリマーの量は、用いる
〔B〕成分、すなわちイオン交換性層状珪酸塩1gに対
して、0.01から1000gであり、好ましくは0.
1gから100g、さらに好ましくは1gから50gで
ある。
【0048】イオン交換性層状珪酸塩とメタロセン系遷
移金属化合物の接触に用いる溶媒としては、不活性炭化
水素、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の鎖
状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好まし
い。接触温度は特に限定されないが、−20℃から15
0℃の間で行うのが好ましい。イオン交換性層状珪酸塩
である〔B〕成分に対して使用するメタロセン系遷移金
属化合物、〔A〕成分の量は、適宜選択されるが、好ま
しくは〔B〕成分1gに対して、1μmol〜1000
μmolの量で用いられる。
【0049】また、予備重合の方法は特に限定されない
が、通常、炭化水素溶媒中のスラリー重合にて行われ
る。この際に用いる炭化水素溶媒は、適宜選択される
が、例えば前述した接触の際に用いられる炭化水素溶媒
が好適に使用される。予備重合触媒は、予備重合終了後
のスラリーのまま使用しても良いし、必要に応じて洗浄
後、乾燥して粉体としたものを使用しても良い。この
際、乾燥条件は特に限定されないが、好ましくは減圧あ
るいは乾燥不活性ガス流通下、0℃〜100℃の間で行
われる。
【0050】本発明の触媒はα−オレフィン重合に用い
られ、α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロヘキサン等のビニルシクロアルカン、エチリデ
ンノルボルネン誘導体、スチレンあるいはスチレン誘導
体等が挙げられ、これらのモノマーによる単独重合、共
重合が含まれる。重合プロセスは特に限定されず、例え
ば、気相重合法、スラリー重合法、溶液重合法、あるい
は高圧重合法等に使用することができるが、本触媒を用
いた場合には、嵩密度が高く、粒子形状の良好な重合体
が得られることから、気相重合法およびスラリー重合法
に対して好適に用いられる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、オレフィンを高い重合
活性で重合させることができ、分子量が高く、かつ分子
量分布の狭いオレフィン重合体を製造することができ
る。
【0052】
【実施例】
実施例1 〔触媒の調製〕攪拌器を備えた200mLフラスコを窒
素置換した後、事前に200℃、2時間減圧乾燥した亜
鉛イオン交換型合成雲母の造粒品2.0g(平均粒径5
9ミクロン)を入れた後、トルエン50.0mLを入れ
た。そのスラリーにメタロセン錯体として、エチレン−
1,2−ビス{4−(2,7−ジメチル−インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド75.9mgをトルエン
に溶解させた錯体溶液20.0mLを撹拌しながら室温
にて加えた。10分間撹拌した後、ヘプタンを加えて溶
媒全量を200mLとしてスラリー触媒を調整した。
【0053】〔重合〕事前に窒素流通下、100℃で3
0分間乾燥したステンレス製、1.0Lのオートクレー
ブに室温でヘプタン500mL、1−ヘキセン30m
L、そして上記(1)で調整したスラリー触媒8.0m
L(合成雲母として80mg相当)を加えた後、温度と
エチレンの圧力をそれぞれ65℃および7.0kgf/
cm2 −Gまで上げ、重合槽内の温度、圧力を安定さ
せ、更にトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(トリ
エチルアルミニウム285mg相当)を添加した。重合
は全圧を7.0kgf/cm2 −Gに保ったまま1.5
時間行った。重合終了後、反応系を冷却し、エチレンを
パージした後、ポリエチレンのスラリーを抜き出し、濾
過した。得られたポリマーを100℃で12時間乾燥し
て、17.8gのエチレン/1−ヘキセン共重合体を得
た。結果を表−3に示す。
【0054】実施例2 実施例1において、重合時添加トリエチルアルミニウム
285mgの代わりに57mgとした以外は同様に触媒
調製、重合および後処理を行い、ポリマー15.9gを
得た。結果を表−3に示す。 実施例3 実施例1において、エチレン−1,2−ビス{4−
(2,7−ジメチル−インデニル)}ジルコニウムジク
ロリドの代わりにエチレン−1,2−ビス{4−(7−
メチル−インデニル)}ジルコニウムジクロリド71.
4mgを用いた以外は同様に触媒調製、重合および後処
理を行い、ポリマー11.5gを得た。結果を表−3に
示す。
【0055】実施例4 実施例3において、重合時添加トリエチルアルミニウム
285mgの代わりに57mgとした以外は同様に触媒
調製、重合および後処理を行い、ポリマー10.2gを
得た。結果を表−3に示す。 比較例1 実施例1において、エチレン−1,2−ビス{4−
(2,7−ジメチル−インデニル)}ジルコニウムジク
ロリドの代わりにビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド64.7mgを用いた以外
は同様に触媒調製、重合および後処理を行い、ポリマー
26.7gを得た。結果を表−3に示す。
【0056】
【表15】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔A〕、〔B〕成分を組み合わせて
    なるα−オレフィン重合用触媒成分。 〔A〕下記式〔1a〕または〔1b〕で表される遷移金
    属化合物の単独又は混合物。 【化1】 (式〔1a〕、〔1b〕においてMはチタニウム、ジル
    コニウム、ハフニウムであり、Rはそれぞれ独立して、
    ハロゲン、珪素含有基、炭素数1ないし20の炭化水素
    基またはハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリ
    ールオキシ基、アミノ基であり(ただし、Rが同一のイ
    ンデニルないしヒドロインデニル基上に複数存在する場
    合には、それらはそのω−端で相互に結合して該インデ
    ニルないしヒドロインデニル基の一部と共に環を形成し
    ても良い)、aは0以上3以下の整数であり、bは0以
    上7以下の整数であり、Qは炭素数1〜30の、2価
    の、炭化水素基または珪素もしくはゲルマニウムを含む
    炭化水素基であり、XおよびYは、それぞれ独立して、
    ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、トリ
    フルオロメタンスルホン酸基を示す。) 〔B〕イオン交換性層状珪酸塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のα−オレフィン重合用触
    媒成分と、有機アルミニウム化合物との共存下に、
    〔B〕成分1g当り0.01〜1000gのオレフィン
    を予備重合させてなるα−オレフィン重合用触媒成分。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のα−オレフィン
    重合用触媒成分と、下記〔C〕成分を組み合わせてなる
    α−オレフィン重合用触媒。 〔C〕下記式〔2〕で表される有機アルミニウム化合
    物。 【化2】 R1 cAlX1 3-c 〔2〕 (式〔2〕において、R1 は炭素数1〜20の炭化水素
    基、X1 はハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、ア
    ミド基を示し、cは0<c≦3の数字である)。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の触媒の存在下、α−オレ
    フィンを重合することを特徴とするα−オレフィン重合
    体の製造法。
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