JPH10246271A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents
減衰力調整式油圧緩衝器Info
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- JPH10246271A JPH10246271A JP6219697A JP6219697A JPH10246271A JP H10246271 A JPH10246271 A JP H10246271A JP 6219697 A JP6219697 A JP 6219697A JP 6219697 A JP6219697 A JP 6219697A JP H10246271 A JPH10246271 A JP H10246271A
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Abstract
性の調整範囲を広くするとともに、ハード特性時に適切
な減衰力を得る。 【解決手段】 シリンダ内のピストンの移動によって、
接続孔35,36間および接続孔36,37間に生じる油液の流
動を主減衰弁A1,A2および可変オリフィスB1,B2によっ
て制御して減衰力を発生させる。アクチュエータ30への
通電電流に応じてスプール74を移動させ、可変オリフィ
スB1,B2の流路面積を変化させてオリフィス特性を直接
調整するとともに、パイロット室62,63の圧力を変化さ
せ、主減衰弁A1,A2の開弁特性を変化させてバルブ特性
を調整する。ディスクバルブ52,53に案内部64,65を形
成して、開弁時における油液の噴流を弁座44,45と案内
部64,65との隙間に向かって弁座44,45の外周部に沿う
ような噴出角度で噴出させることにより、閉弁方向に作
用する力を軽減して、ハード特性時に適切な特性を得
る。
Description
車両等の車両の懸架装置等に装着される減衰力調整式油
圧緩衝器に関するものである。
に装着される油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に
応じて乗り心地や操縦安定性を向上させるために減衰力
を適宜調整できるようにした減衰力調整式油圧緩衝器が
ある。
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路
およびバイパス通路を設け、主油液通路には、オリフィ
スおよびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設
け、バイパス通路には、その通路面積を調整する減衰力
調整弁を設けた構成となっている。なお、シリンダ内の
一方の室には、ピストンロッドの伸縮にともなうシリン
ダ内の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償するリ
ザーバがベースバルブを介して接続されている。
バイパス通路を開いて、シリンダ内の2室間の油液の流
通抵抗を小さくすることにより減衰力を小さくし、ま
た、バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくす
ることにより、減衰力を大きくすることができる。この
ように、減衰力調整弁の開閉により減衰力特性を適宜調
整することができる。
の通路面積によって減衰力を調整するものでは、ピスト
ン速度の低速域においては、減衰力は油液通路のオリフ
ィスに依存するので減衰力特性を大きく変化させること
ができるが、ピストン速度の中高速域においては、減衰
力が主油液通路の減衰力発生機構(ディスクバルブ)に
依存するため、減衰力特性を大きく変化させることがで
きない。
242号公報に記載されているように、ピストン部に設
けられた主油液通路の減衰力発生機構であるディスクバ
ルブの背部にパイロット室を形成し、このパイロット室
を固定オリフィスを介してディスクバルブの上流側のシ
リンダ室に連通させ、また、可変オリフィスを介してデ
ィスクバルブの下流側のシリンダ室に連通させるように
したものが知られている。
変オリフィスを開閉することにより、シリンダ内の2室
間の通路面積を調整するとともに、可変オリフィスで生
じる圧力損失によってパイロット室の圧力を変化させて
ディスクバルブの開弁圧力を調整することができる。こ
のようにして、オリフィス特性(減衰力がピストン速度
の2乗にほぼ比例する)およびバルブ特性(減衰力がピ
ストン速度にほぼ比例する)を同時に調整することがで
き、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
報記載の減衰力調整式油圧緩衝器では、次のような問題
がある。この種の減衰力調整式油圧緩衝器では、ディス
クバルブの開弁圧力は、そのばね力と、可変オリフィス
によって調整されるパイロット室の圧力による閉弁方向
の荷重との合計によって決定される。よって、可変オリ
フィスの流路面積を小さくして減衰力をハード側に調整
した場合、パイロット室の圧力が高くなる分、図7に示
すように、ディスクバルブaの開度が小さくなり、弁座
bとの隙間が小さくなるので、この隙間を通過する油液
は、流速が高められて噴流cとなる。これにより、ディ
スクバルブaと弁座bとの隙間の静圧が低下し、ディス
クバルブaに閉弁方向の力が作用して減衰力が増大する
ので、特にピストン速度の高速域において、図8中に破
線で示すように、ハード特性時のディスクバルブの開弁
後の減衰力特性の傾きが過度に大きくなってしまうとい
う問題を生じる。
aに作用する閉弁方向の力Fは、次式によって表され
る。 F=−ρQv・cos θ … ρ:油液の密度 Q:流量 v:流速 θ:ディスクバルブの軸方向に対する噴流の噴出角度 ここで、F<0であれば、その力Fは閉弁方向に作用
し、F>0であればその力Fは開弁方向に作用する。図
7に示す例では、噴流cの噴出方向は、ディスクバルブ
aの軸方向に対してθ0 の角度(θ0 <90°であり、co
s θ>0となる。すなわち、F<0となる。)をもつた
め、ディスクバルブaには噴流cによる閉弁方向の力が
作用して、開弁しにくくなる。
であり、減衰力の調整範囲が広く、しかも、適切な減衰
力特性を得ることができる減衰力調整式油圧緩衝器を提
供することを目的とする。
めに、本発明は、油液が封入されたシリンダと、該シリ
ンダ内に摺動可能に嵌装され前記シリンダ内を2つのシ
リンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに
連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピスト
ンロッドと、該ピストンロッドのストロークにともなう
前記ピストンの移動によって油液を流通させる主通路
と、該主通路の油液の圧力を受けて開弁してその開度に
応じて減衰力を発生させる主減衰弁と、該主減衰弁の弁
体の背部に設けられ該弁体の閉弁方向に内圧を作用させ
るパイロット室と、該パイロット室と前記主通路の前記
主減衰弁の上流側とを連通させる上流側通路と、前記パ
イロット室と前記主通路の前記主減衰弁の下流側とを連
通させる下流側通路と、前記上流側通路に設けられた固
定オリフィスと、前記下流側通路に設けられた可変オリ
フィスとを備えた減衰力調整式油圧緩衝器であって、前
記主減衰弁は、環状に突設された弁座と、該弁座に着座
する円板状の弁体とを備え、前記弁体の外周部が前記弁
座側へ延出されて該弁座の外周部との間に隙間を形成す
る円筒状の案内部が形成されており、前記弁体の開弁時
における油液の噴流を前記弁座の外周部と前記案内部と
の間の隙間に向けて噴出させるようになっていることを
特徴とする。
ロッドのストロークにともなうピストンの移動によって
主通路、上流側通路および下流側通路に生じる油液の流
動を主減衰弁、固定オリフィスおよび可変オリフィスに
よって制御して減衰力を発生させる。ピストン速度が小
さく、主減衰弁の開弁前は、上流側通路および下流側通
路の固定オリフィスおよび可変オリフィスの流路面積に
応じて減衰力が発生し、ピストン速度が大きくなって主
減衰弁が開弁すると、その開度に応じて減衰力が発生す
る。可変オリフィスの流路面積を調整することにより、
下流側通路の流路面積を直接調整するとともに、パイロ
ット室の圧力を変化させて主減衰弁の開弁特性を調整す
る。主減衰弁の開弁時における油液の噴流は、弁体の案
内部と弁座との隙間に向かって、弁座の外周部に沿うよ
うな噴出角度をもって噴出される。
基づいて詳細に説明する。
図4を参照して説明する。図2に示すように、第1実施
形態の減衰力調整式油圧緩衝器1は、シリンダ2の外側
に外筒3が設けられた二重筒構造になっており、シリン
ダ2と外筒3との間に環状のリザーバ4が形成されてい
る。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装さ
れており、このピストン5によってシリンダ2内がシリ
ンダ上室2aとシリンダ下室2bとの2つのシリンダ室に画
成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一
端がナット7によって連結されており、ピストンロッド
6の他端側は、シリンダ上室2aを通り、シリンダ2およ
び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびシ
ール部材9に挿通されてシリンダ2の外部へ延出されて
いる。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2bとリザ
ーバ4とを区画するベースバルブ10が設けられている。
そして、シリンダ2内には油液が封入されており、リザ
ーバ4内には油液およびガスが封入されている。
を連通させる油路11およびこの油路11のシリンダ下室2b
側からシリンダ上室2a側への油液の流通を許容する逆止
弁12が設けられている。また、ベースバルブ10には、シ
リンダ下室2bとリザーバ4とを連通させる油路13および
この油路13のリザーバ4側からシリンダ下室2b側への油
液の流通を許容する逆止弁14が設けられている。
通路部材15が嵌合されている。シリンダ2の上部外周に
は、アッパチューブ16が嵌合されて通路部材15に結合さ
れており、シリンダ2との間に環状油路17を形成してい
る。環状油路17は、シリンダ2の上端部付近の側壁に設
けられた油路18を介してシリンダ上室2aに連通されてい
る。また、シリンダ2の下部外周には、ロワチューブ19
が嵌合されて通路部材15に結合されており、シリンダ2
との間に環状油路20を形成している。環状油路20は、シ
リンダ2の下端部付近の側壁に設けられた油路21を介し
てシリンダ下室2bに連通されている。
プレート22が取付けられている。接続プレート22および
通路部材15には、環状油路17,20にそれぞれ連通する接
続管23,24が挿通、嵌合されている。また、接続プレー
ト22には、リザーバ4に連通する接続孔25が設けられて
いる。そして、接続プレート22には、減衰力発生機構26
が取付けられている。
26は、有底筒状のケース27内に、2つの有底筒状のバル
ブ部材28,29が嵌合され、ケース27の開口部に比例ソレ
ノイドアクチュエータ30(以下、アクチュエータ30とい
う)が螺着されて、ケース27内がバルブ部材28,29によ
って3つの油室27a ,27b ,27c に区画されている。バ
ルブ部材28,29は、その開口部に、それぞれ環状の固定
部材31,32を嵌合させ、アクチュエータ30に螺着された
略円筒状のガイド部材33を挿通させて、その先端部にナ
ット34を螺着させ、これらと共に固定されている。ケー
ス27の側壁には、油室27a ,27b ,27c と接続管23,24
および接続孔25とをそれぞれ連通させる油路35,36,37
が設けられている。
方向に沿って配置された複数(2つのみ図示する)の油
路38,39が軸方向に貫通されている。バルブ部材28,29
の底部の外側の端部には、それぞれ油室27a ,27b 側か
ら油路38,39側への油液の流動を制御して減衰力を発生
させる切欠(オリフィス)40a ,41a を有する副ディス
クバルブ40,41が設けられている。副ディスクバルブ4
0,41は、内周側が開弁するようになっている。副ディ
スクバルブ40,41は、ピストン速度の低速域、すなわ
ち、オリフィス特性域において、適切な減衰力を得るた
めのものである
は、それぞれ油路38,39の内周側に環状の内側シール部
42,43が突設され、油路38,39の外周側に環状の弁座4
4,45がが突設され、さらに、その外周側のバルブ部材2
8,29の側壁近傍に環状の外側シール部46,47が突設さ
れている。弁座44,45と外側シール部46,47との間に
は、環状溝部48,49が形成され、環状溝部48,49は、ぞ
れぞれバルブ部材28,29に設けられた油路50,51を介し
て油室27b ,27c に連通されている。
バルブ52,53(弁体)の一端面の外周部が着座され、デ
ィスクバルブ52,53の他端面の内周部に、環状のシール
ディスク54,55の内周部が液密的に当接され、シールデ
ィスク54,55の外周部がスペーサリング56,57を介して
外側シール部46,47に液密的に当接されている。さら
に、内周部が内側シール部42,43にスペーサリング58,
59を介して固定された円板状の板ばね60,61の外周部が
シールディスク54,55の内周部に液密的に当接されてお
り、板ばね60,61のばね力によって、ディスクバルブ5
2,53およびシールディスク54,55が弁座44,45側に押
圧されている。そして、バルブ部材28,29内の固定部材
31,32とシールリング54,55および板ばね60,61との間
に、それぞれパイロット室62,63が形成されている。
53、シールディスク54,55、板ばね60,61およびパイロ
ット室62,63によって、それぞれ伸び側および縮み側主
減衰弁A1,A2が構成されており、ディスクバルブ52,53
の背部に設けられたパイロット室62,63の内圧がディス
クバルブ52,53の閉弁方向に作用するようになってい
る。
52,53は、それぞれ外周部がバルブ部材28,29側に延出
されて円筒状の案内部64,65が形成されており、案内部
64,65の内周面と弁座44,45の外周面との間に隙間が形
成されている。案内部64,65の内周面は、テーパ状に形
成されており、弁座44,45の外周部の面取部66,67と協
働して、図4に示すように、ディスクバルブ52,53の開
弁時における油液の噴流を弁座44,45と案内部64,65と
の間に向けて、すなわちディスクバルブ52,53の軸方向
に対して弁座44,45の外周部に沿うような噴出角度θ1
で噴出させるようになっている。また、ディスクバルブ
52,53は、その内周部が案内部64,65とは反対側に延出
されて円筒状の位置決め凸部68,69が形成されており、
位置決め凸部68,69をシールディスク54,55の内周部に
嵌合させて、その径方向に位置決めされている。
枚)の板ばねが積層されて構成されており、シールディ
スク54,55に当接する板ばねの外周部には、切欠60a ,
61aが設けられている。そして、切欠60a ,61a によっ
て、バルブ部材28,29の油路38,39とパイロット室62,
63とを連通させる上流側通路および固定オリフィスが形
成されている。
2,63にそれぞれ連通するポート70,71および油室27b
,27c にそれぞれ連通するポート72,73が設けられて
いる。そして、ポート70,72によって、パイロット室62
を伸び側主減衰弁A1の下流側の油室27b に連通させる伸
び側の下流側通路が形成されており、また、ポート71,
73によって、パイロット室63を縮み側主減衰弁A2の下流
側の油室27c に連通させる縮み側の下流側通路が形成さ
れている。ガイド部材33内には、スプール74が摺動可能
に嵌装されている。スプール74は、ポート70とで伸び側
可変オリフィスB1を構成し、また、ポート73とで縮み側
可変オリフィスB2を構成しており、アクチュエータ30に
よって移動させることによって、ポート70,72間および
ポート71,73間の連通路面積を同時に調整するようにな
っている。
7、接続管23、油路35、油室27a 、油路38、環状溝部4
8、油路50、油室27b 、油路36、接続管24、環状油路20
および油路21によってシリンダ上下室2a,2b間を連通さ
せる伸び側の主通路が形成されている。また、油路21、
環状油路20、接続管24、油路36、油室27b 、油路39、環
状溝部49、油路51、油室27c 、油路37および接続孔25に
よって、シリンダ下室2bとリザーバ4との間を連通させ
る縮み側の主通路が形成されている。
について次に説明する。
トン5の移動にともないピストン5の逆止弁12が閉じて
シリンダ上室2a側の油液が加圧され、油路18、環状油路
17および接続管23を通って減衰力発生機構26の油路35へ
流れ、さらに、油路35から油室27a 、切欠40a (副ディ
スクバルブ40)、油路38、板ばね60の切欠60a 、パイロ
ット室62、ポート70、ポート72、油室27b 、油路36、接
続管24、環状油路20および油路21を通ってシリンダ下室
2bへ流れる。このとき、シリンダ上室2a側の圧力が伸び
側主減衰弁A1の開弁圧力に達すると、伸び側主減衰弁A1
が開いて、油液が油路38から環状溝部48、油路50を通っ
て油室27b へ流れる。一方、ピストンロッド6がシリン
ダ2内から退出した分の油液がリザーバ4からベースバ
ルブ10の逆止弁14を開いてシリンダ下室2bへ流れる。
低く、伸び側主減衰弁A1の開弁前には、切欠40a および
副ディスクバルブ40並びに切欠60a および伸び側可変オ
リフィスB1の流路面積に応じてオリフィス特性の減衰力
が発生し、ピストン速度が高くなり、シリンダ上室2a側
の圧力が上昇して伸び側主減衰弁A1が開くと、その開度
に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。そして、アク
チュエータ30によってスプール74を移動させて伸び側可
変オリフィスB1の流路面積を調整することにより、オリ
フィス特性を直接調整すると同時に、パイロット室62の
圧力(伸び側主減衰弁A1のディスクバルブ52の背圧)を
変化させてバルブ特性を調整することができ、減衰力特
性の調整範囲を広くすることができる。
は、ピストン5の移動にともない、ピストン5の逆止弁
12が開いてシリンダ下室2bの油液が油路11を通ってシリ
ンダ上室2aに直接流入することによってシリンダ上下室
2a,2bがほぼ同圧力となるので、減衰力発生機構26の油
路35,36間では油液の流れが生じない。一方、ピストン
ロッド6のシリンダ2内への侵入にともなってベースバ
ルブ10の逆止弁14が閉じ、ピストンロッド6が侵入した
分、シリンダ2内の油液が加圧されて、シリンダ下室2b
から油路21、環状油路20および接続管24を通って減衰力
発生機構26の油路36へ流れ、さらに、油路36から油室27
b 、切欠41a (副ディスクバルブ41)、油路39、板ばね
61の切欠61a 、パイロット室63、ポート71、ポート73、
油室27c 、油路37および接続孔25を通ってリザーバ4へ
流れる。このとき、シリンダ上下室2a,2b側の圧力が縮
み側主減衰弁A2の開弁圧力に達すると、縮み側主減衰弁
A2が開いて、油路39から環状溝部49、油路51を通って油
室27c へ直接流れる。
低く、縮み側主減衰弁A2の開弁前には、縮み側可変オリ
フィスB2の流路面積に応じてオリフィス特性の減衰力が
発生し、ピストン速度が高くなり、シリンダ上下室2a,
2b側の圧力が上昇して縮み側主減衰弁A2が開くと、その
開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。そして、
アクチュエータ30によってスプール74を移動させて縮み
側可変オリフィスB2の流路面積を調整することによっ
て、オリフィス特性を直接調整すると同時に、パイロッ
ト室63の圧力(縮み側主減衰弁A2のディスクバルブ53の
背圧)を変化させてバルブ特性を調整することができ、
減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
び側のポート70,72間および縮み側のポート71,73間の
流路面積が、一方が大のとき他方が小となり、一方が小
のとき他方が大となるように、各ポートおよびスプール
のランドを配置することにより、伸び側と縮み側とで大
小異なる種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び側が
ハードで縮み側がソフト、または、伸び側がソフトで縮
み側ハードの組合せ)を設定することができる。
の開弁時において、弁座44,45とディスクバルブ52,53
との間を通過する油液の噴流は、図4に示すように、デ
ィスクバルブ52,53の案内部64,65および弁座44,45の
面取部66,67によって、ディスクバルブ52,53の軸方向
に対して弁座44,45の外周部に沿うような噴出角度θ1
(ほぼθ1 = 180°)で噴出される。ここで、上記式
において、噴出角度θが90°を越えて 180°に近づく
と、cos θが−1に近づくので、cos θ<0となり、デ
ィスクバルブ52,53に作用する力Fが大きくなる(F>
0)。これにより、力Fは、開弁方向に作用するように
なるので、噴流によってディスクバルブ52,53の閉弁方
向に作用する力Fを軽減することができる。よって、ハ
ード特性時の伸び側および縮み側主減衰弁A1,A2は、特
にピストン速度の高速域において、開き易くなるため、
減衰力特性の傾きの過度の増大を防止することができ、
図8中に実線で示すような適切な減衰力特性を得ること
ができる。
5および図6を参照して説明する。なお、第2実施形態
は、上記第1実施形態のものに対して、伸び側および縮
み側主減衰弁A1,A2のディスクバルブの構造が異なる以
外は同様の構成となっているので、以下、上記第1実施
形態のものと同様の部分には、同一の符号を付して、異
なる部分ついてのみ詳細に説明する。
は、図5に示すように、伸び側および縮み側主減衰弁
A1,A2のディスクバルブ75,76は、内周部の案内部64,
65とは反対側に、上記第1実施形態の位置決め凸部68,
69の代わりに、シールディスク54,55に当接する厚肉部
77,78が延出して形成されている。そして、外周部に複
数(図示のものでは4つ)の切欠部79a ,80a を有する
円板状の位置決めディスク79,80の内周部が内側シール
部42,43とスペーサリング58,59との間で固定されてお
り、位置決めディスク79,80の外周部にディスクバルブ
75,76の内周部を摺動可能に嵌合させて、ディスクバル
ブ75,76が径方向に位置決めされている。
した油液は、位置決めディスク79,80の切欠部79a ,80
a を通って、板ばね60,61の切欠60a ,61a およびパイ
ロット室62,63へ流入することができ、上記第1実施形
態と同様の作用、効果を奏することができる。
突出高さは、シールディスク54,55の厚さより低く設定
されており、加工精度を要するが、第2実施形態によれ
ば、厚肉部77,78にシールディスク54,55が当接するの
で、ディスクバルブ75,76の厚さの管理(加工)が容易
となる。
整式油圧緩衝器によれば、可変オリフィスの流路面積を
調整することにより、オリフィス特性を直接調整すると
ともに、パイロット室の内圧を変化させて主減衰弁の開
弁特性を調整してバルブ特性を調整することができるの
で、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。ま
た、主減衰弁の弁体に案内部を形成したことにより、主
減衰弁の開弁時における油液の噴流が弁体の案内部と弁
座との隙間に向かって弁座の外周部に沿うような噴出角
度をもって噴出されるので、噴流によって弁体の閉弁方
向に作用する力を軽減することができ、ハード特性時の
減衰力特性の傾きの過度の増大を防止して適切な減衰力
特性を得ることができる。
緩衝器の減衰力発生機構を拡大して示す縦断面図であ
る。
緩衝器の全体構成を示す縦断面図である。
を拡大して示す図である。
減衰弁の開弁時の油液の噴流の噴出方向を示す図であ
る。
緩衝器の要部である伸び側および縮み側主減衰弁を拡大
して示す図である。
ディスクの斜視図である。
噴出方向を示す図である。
ハード側の減衰力特性を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
ダ内に摺動可能に嵌装され前記シリンダ内を2つのシリ
ンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連
結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストン
ロッドと、該ピストンロッドのストロークにともなう前
記ピストンの移動によって油液を流通させる主通路と、
該主通路の油液の圧力を受けて開弁してその開度に応じ
て減衰力を発生させる主減衰弁と、該主減衰弁の弁体の
背部に設けられ該弁体の閉弁方向に内圧を作用させるパ
イロット室と、該パイロット室と前記主通路の前記主減
衰弁の上流側とを連通させる上流側通路と、前記パイロ
ット室と前記主通路の前記主減衰弁の下流側とを連通さ
せる下流側通路と、前記上流側通路に設けられた固定オ
リフィスと、前記下流側通路に設けられた可変オリフィ
スとを備えた減衰力調整式油圧緩衝器であって、 前記主減衰弁は、環状に突設された弁座と、該弁座に着
座する円板状の弁体とを備え、前記弁体の外周部が前記
弁座側へ延出されて該弁座の外周部との間に隙間を形成
する円筒状の案内部が形成されており、前記弁体の開弁
時における油液の噴流を前記弁座の外周部と前記案内部
との間の隙間に向けて噴出させるようになっていること
を特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
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JP06219697A JP3988092B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 減衰力調整式油圧緩衝器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100350170C (zh) * | 2004-11-09 | 2007-11-21 | 万都株式会社 | 减振器可调节缓冲阀 |
CN100402882C (zh) * | 2004-02-03 | 2008-07-16 | 株式会社万都 | 阻尼力可变的阀以及利用该阻尼力可变的阀的减震器 |
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1997
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