JPH10237057A - 粗テトラヒドロフランの精製方法 - Google Patents

粗テトラヒドロフランの精製方法

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JPH10237057A
JPH10237057A JP24643597A JP24643597A JPH10237057A JP H10237057 A JPH10237057 A JP H10237057A JP 24643597 A JP24643597 A JP 24643597A JP 24643597 A JP24643597 A JP 24643597A JP H10237057 A JPH10237057 A JP H10237057A
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tetrahydrofuran
water
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thf
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JP24643597A
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Nobuyuki Murai
信行 村井
Youji Iwasaka
洋司 岩阪
Takeshi Takeuchi
健 竹内
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度テトラヒドロフランを低コストで且つ
効率よく回収することができる精製方法の提供。 【解決手段】 ジヒドロフラン及びブチルアルデヒドの
少なくとも一種を含有する粗テトラヒドロフランを、
(a)強酸性陽イオン交換樹脂の存在下、水及び/又は
酢酸と接触処理し、(b)該処理液を酢酸分離塔に供給
し、塔頂から水−テトラヒドロフラン混合物を留去さ
せ、(c)該水−テトラヒドロフラン混合物を水素化触
媒の存在下で水素化処理し、(d)該水素化反応生成物
を気液分離後、液相部を共沸脱水塔に供給し、塔底から
脱水されたテトラヒドロフランを缶出させ、(e)この
缶出液を製品塔に供給し、塔頂から高純度テトラヒドロ
フランを留出させ、塔底から高沸物を缶出させ、(f)
この缶出液を原料粗テトラヒドロフランに循環混合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗テトラヒドロフ
ラン(以下、粗THFと略記する)の精製方法に関す
る。詳しくは、粗THFをイオン交換樹脂で処理した
後、水素化処理することにより精製する方法の改良に関
する。THFは、有機溶剤、或いはポリテトラメチレン
エーテルグリコール(以下、PTMGと略記する)等の
高分子化合物の原料として極めて有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】THFの製造方法としては、例えば、フ
ルフラールの脱カルボニル化で得られるフランを接触水
素化する方法、1,4−ブタンジオールを脱水環化する
方法或いは1,4−ブタンジオールのジ酢酸エステルを
酸触媒の存在下、水と反応させる方法等が従来から知ら
れている。これらの方法で得られたTHFにはその製法
にもよるが、ジヒドロフラン(以下、DHFと略記す
る)、ブチルアルデヒド(以下、NBDと略記する)、
プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド等、種々の
不純物が含まれる。これらの不純物を含むTHFを原料
として製造されたPTMGについては、樹脂、繊維等の
原料としては不適なため、粗THFをイオン交換樹脂で
処理し、次いで水添処理した後蒸留精製して高純度TH
Fを回収する方法が特開昭61−200979号公報に
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では高純度THFを回収する蒸留塔の塔底液として排
出される高沸物中のTHFが多く、工程ロスとなるため
効率の悪いものとなる。本発明の課題は、高純度THF
を低コストで且つ無駄なく回収する方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、高純度THFを回収
する蒸留塔の塔底液を原料粗THFに循環混合すること
によりTHFを効率良く回収出来る方法を見出し本発明
を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、ジヒドロ
フラン及びブチルアルデヒドの少なくとも一種を含有す
る粗テトラヒドロフランを、(a)強酸性陽イオン交換
樹脂の存在下、水及び/又は酢酸と接触処理し、(b)
該処理液を酢酸分離塔に供給し、塔頂から水−テトラヒ
ドロフラン混合物を留去させ、(c)該水−テトラヒド
ロフラン混合物を水素化触媒の存在下で水素化処理し、
(d)該水素化反応生成物を気液分離後、液相部を共沸
脱水塔に供給し、塔底から脱水されたテトラヒドロフラ
ンを缶出させ、(e)この缶出液を製品塔に供給し、塔
頂から高純度テトラヒドロフランを留出させ、塔底から
高沸物を缶出させ、(f)この缶出液を原料粗テトラヒ
ドロフランに循環混合することを特徴とする粗テトラヒ
ドロフランの精製方法、にある。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
(粗THF)原料の粗THFとしては、DHF及びNB
Dの少なくとも一種を含有すれば特に限定されるもので
はなく、フランの接触水素化、1,4−ブタンジオール
の脱水環化、1,4−ブタンジオールのジ酢酸エステル
を酸触媒存在下で水と反応させる方法等、いずれの方法
で製造されたものでもよいが、例えば、1,4−ブタン
ジオールのジ酢酸エステルを加水分解して生成した1,
4−ブタンジオールの脱水環化により得られる反応生成
液から蒸留により、水、酢酸、THFを主成分とする軽
沸物を留出させ、該留出物を蒸留して塔頂から留出させ
た水−THF共沸混合物(水/THF:2/98〜20
/80(重量%/重量%))は、DHF及びNBDの少
なくとも一種を不純物として含むものであり、本発明で
精製処理される原料粗THFの要件を満たすものであ
る。精製される粗THFに含有されるDHF及びNBD
の量は特に限定されるものではなく、公知の種々の方法
で製造された粗THF中に含まれる程度の量であるが、
通常DHFは0〜500ppm、NBDは0〜1000
ppm程度である(但し、DHF+NBD≠0)。
【0006】(精製処理)上記方法により得られた粗T
HFについては、前記工程(a)〜(f)に付すことに
より処理精製されるが、これらの中、(a)〜(d)に
ついては、公知の方法、例えば特開昭61−20097
9号公報に記載の手法をそのまま用いることができる。
工程(a)においては、粗THFを強酸性陽イオン交換
樹脂、好ましくは、例えば三菱化学(株)製SK−1
B、SK−116、PK−216、PK−208、PK
−228、RCP−160、SK−106等のようなス
ルホン酸型陽イオン交換樹脂の存在下、水及び/又は酢
酸と接触処理することにより、粗THF中の不純物であ
るDHFの少なくとも一部をヒドロキシテトラヒドロフ
ラン及び/又はアセトキシテトラヒドロフランとする。
なお、処理温度は、通常30〜90℃、LHSVは、
0.25〜2hr-1程度である。
【0007】工程(b)においては、(a)の処理液を
酢酸分離塔に供給し、塔頂からNBD及び一部のDHF
を含む水−THF共沸混合物を留出させ、塔底からヒド
ロキシテトラヒドロフラン及び/又はアセトキシテトラ
ヒドロフランを含み、水及び/又は酢酸を主成分とする
液を缶出する。第1蒸留塔は、通常、理論段数8〜15
で、塔頂圧力ほぼ常圧(101kPa)、塔底温度10
0〜110℃、還流比0.5〜2.0程度で操作され
る。段
【0008】工程(c)においては、(b)の水−TH
F共沸混合物を水素化触媒の存在下で水素化処理するこ
とにより混合物中に含まれるDHF及びNBDをTHF
及びn−ブタノールとする。水素化触媒としては、R
u、Pd、Pt等の貴金属系触媒又はCo、Ni等の遷
移金属系触媒が挙げられる。貴金属系触媒を使用すると
反応速度が速く触媒寿命が長いので好ましい。処理温度
は通常30〜200℃、好ましくは50〜120℃、水
素分圧は通常1kg/cm2 以上、好ましくは5〜20
kg/cm2 (0.49〜1.96MPa)である。
【0009】工程(d)においては、(c)の水素化反
応生成物は気液分離後、液相部は脱水塔(第2蒸留塔)
に供給され、塔頂から水−THF共沸混合物を留出さ
せ、塔底より高沸物を含有する脱水されたTHFを缶出
する。尚、塔頂からの留出液は、第1蒸留塔にリサイク
ルする。第2蒸留塔は、通常、理論段数10〜20で、
塔頂圧力5〜15kg/cm2(0.49〜1.47M
Pa)、塔底温度130〜180℃、還流比0.1〜
1.0程度で操作される。
【0010】工程(e)においては、第2蒸留塔の缶出
液は更に製品塔(第3蒸留塔)に供給され、塔底よりT
HFを80〜99%程度及び原料粗THF中にNBDを
含有する場合にはn−ブタノールを含む高沸物を缶出
し、塔頂より高純度THFを得る。第3蒸留塔は、通
常、理論段数15〜30で、塔頂圧力760〜1000
Torr(101〜133kPa)、塔底温度60〜1
25℃、還流比0.1〜1.5程度で操作される。
【0011】工程(f)においては、第3蒸留塔の缶出
液は、原料粗THFに対して通常、1/100〜1/
5、好ましくは1/50〜1/10を原料粗THFに循
環混合し、固体酸触媒からなる反応域にリサイクルす
る。また、その缶出液量については、通常、該塔への供
給液量の1/100〜1/5、好ましくは1/50〜1
/10である。
【0012】循環する高沸物及び場合によってはn−ブ
タノールは、第1蒸留塔で塔底より缶出される。そし
て、この高沸物、n−ブタノールとも、上記反応を阻害
することはない。かくして第3蒸留塔から得られるTH
Fは、純度99.9%以上という極めて高純度のもので
ある。なお、この缶出液を原料粗THFに循環混合して
缶出液中のTHFを回収する場合、缶出液を更に蒸留し
てTHFを回収する場合と比べて、THFを温和な条件
でその重質化を抑制しつつ、無駄なく回収することがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り実施例に限
定されるものではない。尚、以下の実施例で原料として
使用した粗THFは、ブタジエンのアセトキシ化で得ら
れた1,4−ジアセトキシブテンを水素化により1,4
−ジアセトキシブタンとしたものを更に加水分解し、得
られた1,4−ブタンジオールを環化することに製造し
たものを使用した。又、以下の記載において「%」及び
「部」は、それぞれ「重量%」及び「重量部」を示す。
【0014】実施例1 DHF250ppm、NBD550ppmを含有し、水
9.9%、酢酸23.0%、THF67.1%からなる
混合物715部/hrを第3蒸留塔缶出液5部/hrと
共にスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオン
SK1B(三菱化学社製)を充填した反応塔に導入し反
応させた。反応塔は50℃、2kg/cm2 Gで運転し
た。反応塔を流出した液は、ヒドロキシテトラヒドロフ
ラン180ppm、アセトキシテトラヒドロフラン19
0ppm、NBD535ppmを含有し、DHFは10
ppm以下であった。
【0015】反応液は第2蒸留塔留出液394部/hr
と共に水、酢酸分離塔(第1蒸留塔)に供給し、塔底よ
り水、酢酸を主成分とする缶出液を236部/hrで抜
き出し、塔頂から水5.9%、THF94.0%からな
る留出液を878部/hrで留出させた。留出液中のD
HF、ヒドロキシテトラヒドロフラン、アセトキシテト
ラヒドロフランの含有量はいずれも10ppm以下で、
NBDが450ppmであった。留出液はRuを活性炭
に担持した触媒を充填した反応器に、0.5部/hrの
水素と共に供給した。
【0016】水素化反応は、100℃、9.5kg/c
2 G、滞留時間0.5hr(空塔基準)で行った。反
応器から留出した液中のn−ブタノールは470pp
m、NBDは10ppm以下であった。この反応液を、
理論段数14段、圧力8.5kg/cm2 G、還流比
0.3で操作される脱水塔(第2蒸留塔)に供給し、塔
頂から水13.1%、THF86.9%からなる留出液
を394部/hrで留出させ、第1蒸留塔にリサイクル
した。
【0017】塔底からは水50ppm、n−ブタノール
840ppmを含有する粗THFを484部/hrで抜
き出し、理論段数19段、常圧、還流比0.6で操作さ
れる製品塔(第3蒸留塔)に供給した。塔底からはブタ
ノール8.2%及び高沸物を含有するTHFを5部/h
rで抜き出し、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂を
充填した反応器にリサイクルした。塔頂からは製品TH
Fを479部/hrで留出させた。系が安定したときの
THF純度は99.9%以上であった。また、安定後2
4時間後、72時間後、168時間後においても純度9
9.9%以上であった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、高純度THFを低コス
トで且つ効率よく回収することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジヒドロフラン及びブチルアルデヒドの
    少なくとも一種を含有する粗テトラヒドロフランを、 (a)強酸性陽イオン交換樹脂の存在下、水及び/又は
    酢酸と接触処理し、 (b)該処理液を酢酸分離塔に供給し、塔頂から水−テ
    トラヒドロフラン混合物を留去させ、 (c)該水−テトラヒドロフラン混合物を水素化触媒の
    存在下で水素化処理し、 (d)該水素化反応生成物を気液分離後、液相部を共沸
    脱水塔に供給し、塔底から脱水されたテトラヒドロフラ
    ンを缶出させ、 (e)この缶出液を製品塔に供給し、塔頂から高純度テ
    トラヒドロフランを留出させ、塔底から高沸物を缶出さ
    せ、 (f)この缶出液を原料粗テトラヒドロフランに循環混
    合することを特徴とする粗テトラヒドロフランの精製方
    法。
  2. 【請求項2】 (e)の製品塔缶出液量が、該塔へのフ
    ィード量に対し1/100〜1/5である請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 水素化触媒が貴金属触媒である請求項1
    又は2に記載の方法。
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