JPH1019903A - 分注装置 - Google Patents

分注装置

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JPH1019903A
JPH1019903A JP8167573A JP16757396A JPH1019903A JP H1019903 A JPH1019903 A JP H1019903A JP 8167573 A JP8167573 A JP 8167573A JP 16757396 A JP16757396 A JP 16757396A JP H1019903 A JPH1019903 A JP H1019903A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、試料の色を測定するには、専用の装置
に試料を移送する必要があった。また、対象としている
試料容器には、バーコードラベル等が貼られているた
め、別の容器に移し替える必要があった。 【解決手段】 ノズルヘッド16にはノズルチップ10
の両側に発光部36及び受光部38が設けられており、
これによってノズルチップ10内に吸引された試料の色
が光学的に測定される。分注と同時進行で各試料の色を
測定できるので、色測定のために特別な操作が不要であ
る。また試料の無駄も生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分注装置、特にノズ
ル内に吸引後の試料を光学的に測定する機能を有する分
注装置に関する。
【0002】
【従来の技術】分注装置は例えば血液などの試料を小分
けするための装置であり、従来の分注装置では、試料の
性状自体を測定する機能は基本的に具備されていない。
その一方、試料の色は、その試料の特性を表す重要な指
標であり、試料の色を自動的に測定したいという要求が
ある。
【0003】特開平7−280814号公報では、遠心
分離後の血清に対して溶血、乳び、黄胆の有無を判定す
るために、血清に対して光を照射して分光測定を行う装
置が開示されている。そして、その測定結果に基づき、
当該試料の分注及び生化学分析の要否が判断され、その
判断結果が肯定的である場合だけ、その後の分注や生化
学検査を続行させている。なお、この文献には分注後の
試料の分光測定についても記述されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記特
開平7−280814号公報に開示された装置では、あ
る意味では試料の色の測定を行っているが、その色測定
は分注動作とは切り離されており、試料の分注と同時に
試料の色測定を行うことはできない。
【0005】分注装置では、各種の検体、試薬などが取
り扱われるが、そのような分注対象の色測定をその分注
動作と同時進行で行うことができれば極めて効率的であ
る。特に、色測定結果を基礎として生化学分析の一部を
担うことができれば、分析システム全体としての能率を
向上させることができる。
【0006】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、分注装置において一連の分注
動作を行わせながら同時にノズル中の試料の色を光学的
に測定することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも一部が透明性を有し、試料の
吸引・吐出を行うノズルと、前記ノズルを搬送する搬送
機構と、前記ノズル中の試料の色を光学的に測定する色
測定部と、を含むことを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、ノズルによる試料の吸
引後・吐出前において、そのノズル内の試料の色が測定
される。すなわち、ノズルに光を照射してその透過光を
検出することにより、その検出結果から試料の色が判別
される。本発明によれば、分注動作と同時進行で試料の
色の測定を行えるので、色測定のために試料を移送した
りあるいは容器間で試料を入れ替えたりする作業が不要
である。すなわち、時間及び試料の無駄を排除できる。
【0009】本発明の好適な態様では、前記測定された
試料の色に基づいて試料を分析する分析部を有する。す
なわち、測定された色は試料の性質を指標するデータで
あり、それ自体を出力してもよいが、そのデータに基づ
いて更に分析を行ってもよい。
【0010】本発明の好適な態様では、前記色測定部
は、前記ノズルに対して光を照射する発光部と、前記ノ
ズルを透過した光を受光する受光部と、前記受光部の受
光信号に基づいて試料の色を判定する色判定部と、を含
む。ここで、発光部は例えば各色ごとのLED又は白色
光源で構成され、受光部は各色ごとの受光センサなどで
構成される。上記構成では、透過光を利用しているが、
反射光を利用しても試料の色を測定することは可能であ
る。試料吸引時の吸引量は分注装置本体で制御されてい
るため、ノズル内での試料の収容範囲は常に把握可能で
あり、その範囲内で光が照射される。
【0011】本発明の好適な態様では、前記発光部及び
前記受光部は、前記ノズルを保持して昇降させるノズル
ヘッドに設けられ、試料の吸引後かつ吐出前において試
料の色測定が行われる。かかる構成によれば、ノズルを
引き上げた時点で色測定を行え、色測定のためにノズル
を特別に搬送する必要がない。
【0012】また、本発明の好適な態様では、前記発光
部及び前記受光部は、前記搬送機構が有するノズル搬送
エリア内に設置され、試料の吸引後かつ吐出前において
試料の色測定が行われる。かかる構成によれば、搬送機
構によってノズルが搬送されている途中で試料の色測定
が行われ、ノズルヘッドに発光部及び受光部を配置した
場合に生じる重量化、大型化の問題を解消できる。
【0013】本発明の好適な態様では、前記ノズルは、
ノズル基部とそれに対して着脱自在な透明性を有するノ
ズルチップとで構成される。ディスポーザブルとして使
用されるノズルチップは、一定の品質で管理された透明
な部材であり、そのチップの両側で発光及び受光を行っ
て試料の色測定を行うものである。通常ノズルチップに
は、ラベルなどは貼付されておらず、その意味でも色測
定に支障はない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0015】図1には、本発明に係る分注装置の好適な
実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブ
ロック図である。
【0016】本実施形態の分注装置は、ノズルチップ1
0内に吸引された試料の色を測定する色測定部12を有
する。ノズルチップ10は金属性のノズル基部14に着
脱自在に装着されるものであり、いわゆるディスポーザ
ブルチップである。ノズルチップ10は例えば透明な樹
脂で構成される。ノズルチップ10及びノズル基部14
はそれら一体として分注ノズルを構成する。
【0017】ノズルヘッド16は、後に図2にその詳細
を示すように、X駆動部18及びY駆動部20によって
支持されており、X方向及びY方向に移動自在にされて
いる。ノズルヘッド16にはZ駆動部22が設けられて
おり、このZ駆動部22はノズル基部14を上下動自在
に保持している。X駆動部18、Y駆動部20及びZ駆
動部22によってノズル搬送機構24が構成されてい
る。
【0018】ノズル基部14にエアホース26を介して
分注ポンプ28が接続されており、この分注ポンプ28
の作用により試料の吸引及び吐出が行われる。
【0019】分注制御部30は、この分注ポンプ28、
ノズル搬送機構24及び色測定部12の制御を行なうも
のであり、さらに複数の試験管32を保持したラック3
4の搬送の制御も行なっている。
【0020】次に、色測定部12について詳述する。ノ
ズルヘッド16において、引き上げられたノズルチップ
10の一方側には発光部36が固定配置され、ノズルチ
ップ10の他方側には受光部38が固定配置されてい
る。この発光部36には電源40から駆動信号が供給さ
れ、これにより発光部36から所定の測定光が放射され
る。その測定光はノズルチップ10を透過してその透過
光が受光部38で受光される。発光部36及び受光部3
8の構成としては各種の構成を採用でき、具体的な構成
については後に図2を用いて説明する。
【0021】受光部38から出力された受光信号はアン
プ42によって増幅された後に、A/D変換器44にお
いてデジタル信号に変換される。そのデジタル信号に変
換された受光信号はデータ処理部46に送られ、その受
光信号に基づいて試料の色が判定される。また、その判
定された色に基づいて試料についての各種の分析も行わ
れている。その分析の中には、乳び、溶血、黄疸の有無
やその度合いの分析が含まれる。データ処理部46の分
析結果は表示器48に表示され、また必要に応じて例え
ば生化学分析装置などに出力される。その出力経路が図
1において符号100で示されている。
【0022】したがって、図1に示す分注装置によれ
ば、分注と同時進行でノズルチップ10内に収容された
試料の色を測定でき、その測定結果に基づいて各種の分
析を行なうことができる。なお、本発明の範囲には、試
料の色を測定する場合のほか、試料の特定色の濃度を測
定するものも含まれる。この濃度の測定は光学的に上記
同様の原理に基づいて行なうことができる。
【0023】図2には、ノズルヘッド16の一例が示さ
れている。上述したようにノズル基部14はZ駆動部2
2に昇降自在に保持されている。ノズル基部14の先端
には、ノズルチップ10が着脱自在に装着されている。
なお、図2にはノズルチップ10が上方に引き上げられ
た状態が示されている。
【0024】この実施形態において、発光部36は、互
いに異なる波長の光を放射する3つのLED50,5
2,54で構成されている。LED50は赤色の光を放
射するものであり、LED52は青色の光を放射するも
のであり、LED54は緑色の光を放射するものであ
る。これらの3つのLEDに対応して、受光部38は3
つの受光センサ56,58,60で構成されている。す
なわち、受光センサ56は赤色の透過光を検出するもの
であり、受光センサ58は青色の透過光を検出するもの
であり、受光センサ60は緑色の透過光を検出するもの
である。なお、本実施形態ではこのように3つのLED
や3つの受光センサを縦に並べて配置しているが、もち
ろん横に並べることもできる。その場合には、そのよう
な並びに対応してノズルチップ10を横方向に移動させ
る制御を行なえばよい。また、本実施例では3つのLE
Dを利用しているが、もちろん1つのLEDを利用して
フィルタを切り換えることによって各波長の光を選択的
に受光させてもよく、あるいは特定波長すなわち特定の
色についての濃度などを測定するための専用のLEDを
配置してもよい。
【0025】図2に示されるように、本実施形態では、
3つのLED及び3つの受光センサは遮光ケース62内
に収容されており、外部からの光の影響を排除してい
る。なお、受光部38として一次元配列されたCCDな
どを用いることもできる。
【0026】図3には、発光部36の他の実施形態が示
されており、図3に示される例では白色光源64によっ
て発生された白色の光が回折格子(グレーティング)6
6に照射され、この回折格子66によって特定波長の光
のみが回折・散乱されている。このような構成によって
特定波長の光を生成してもよい。あるいは、図4に示す
ように白色光源64からの光を光学フィルタ68に通す
ことによって特定波長の光を選択的に生成してもよい。
なお、白色光源64としてはハロゲンランプや重水素放
電管などを利用することもできる。ちなみに、光源とし
ては白色光源64を利用して光を発散的に照射させ、受
光部において複数の波長に分離して検出を行なってもよ
い。
【0027】本実施形態の分注装置では、ノズルチップ
10内に収容された試料に対して色測定を行なっている
ので、試料の無駄や時間の無駄といった問題を解消でき
る。また、ノズルチップ10は一定の品質で厳格に管理
されており、また通常ノズルチップにラベルなどは貼ら
れないため、良好な条件で試料の色測定を行なうことが
できる。ちなみに、本発明において試料の概念には検体
及び試薬などのノズル内に吸引される液体のすべてが含
まれる。
【0028】次に、図5を用いて本実施形態の分注装置
の動作について説明する。
【0029】S101では、ノズル基部14に対して自
動的にノズルチップ10が装着される。S102では、
試料を収容した試験管32の上方からノズルチップ10
が下方へ引き下ろされる。そしてS103では、ノズル
チップ10によって従来同様に試料の吸引が行なわれ、
S104では試料吸引後のノズルチップ10が上方へ引
き上げられる。
【0030】S105では、上述したように測定光によ
ってノズルチップ内に収容された試料の色が測定され
る。
【0031】S106では、吸引された試料を他の容器
へ小分けするために当該他の容器の上方からノズルチッ
プ10が下方に引き下ろされ、S107において所定量
の試料が容器内に吐出される。S108では試料吐出後
のノズルチップ10が上方へ引き上げられる。S109
では他の容器に対する吐出を行なうか否かが判断され、
他の容器に対する吐出を行なう場合にはS106からの
各工程が繰り返し実行される。
【0032】S100では、分注が終了したノズルチッ
プ10がノズル基部から取り外され、S111において
は、次の検体に対する分注を行うか否かが判断され、そ
の分注を行なう場合にはS101からの各工程が繰り返
し実行される。
【0033】一方、S105で実行された色測定結果
は、S112においてデータ解析され、これにより試料
の色が実際に判定される。また、その判定された色に基
づいて上述したように乳び、溶血、黄疸の有無やその度
合いが自動的に分折される。S113では、その分析結
果が出力される。
【0034】上述したように、本実施形態では3つの互
いに異なる波長を利用して色の測定が行われており、例
えば各波長ごとの吸光度の組み合わせによって試料の色
が特定される。その場合には例えばテーブルなどを利用
してもよい。
【0035】上述した実施形態では、発光部及び受光部
がノズルヘッドに設けられていたが、もちろんノズル搬
送機構によってノズルを搬送可能なエリア内に発光部及
び受光部が存在していれば、上記同様にノズル内に収納
された試料の色を測定することが可能である。この場合
には、図5に示されるように、S120において発光部
及び受光部を設けられた位置へノズルを移動させ、S1
21において色測定を行ない、さらにS122において
さらに必要な場所へノズルを移動させる。例えばこのよ
うなS120〜S122の工程は吸引を行なった容器か
ら吐出を行なう容器へノズルが移動している間に行なう
ことが望ましく、かかる構成によれば色測定のために特
別な動作が不要となり、分注時間を増大させることなく
色測定を行なえるという利点がある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば分
注装置において一連の分注動作を行なわせながら同時に
試料の色を光学的に測定することができる。よって、本
発明によれば色測定のために試料を移送したりあるいは
容器間で試料の入替えを行なったりする作業が不要とな
り、時間及び試料の無駄を排除できるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る分注装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 ノズルヘッドの具体的な構成を示す図であ
る。
【図3】 発光部の他の実施形態を示す図である。
【図4】 発光部の他の実施形態を示す図である。
【図5】 分注装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10 ノズルチップ、12 色測定部、14 ノズル基
部、16 ノズルヘッド、24 ノズル搬送機構、36
発光部、38 受光部、46 データ処理部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が透明性を有し、試料の
    吸引・吐出を行うノズルと、 前記ノズルを搬送する搬送機構と、 前記ノズル中の試料の色を光学的に測定する色測定部
    と、 を含むことを特徴とする分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記測定された試料の色に基づいて試料を分析する分析
    部を有することを特徴とする分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、 前記色測定部は、 前記ノズルに対して光を照射する発光部と、 前記ノズルを透過した光を受光する受光部と、 前記受光部の受光結果に基づいて試料の色を判定する色
    判定部と、 を含むことを特徴とする分注装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の装置において、 前記発光部及び前記受光部は、前記ノズルを保持して昇
    降させるノズルヘッドに設けられ、 試料の吸引後かつ吐出前において試料の色測定が行われ
    ることを特徴とする分注装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の装置において、 前記発光部及び前記受光部は、前記搬送機構の搬送エリ
    ア内に設置され、 試料の吸引後かつ吐出前において試料の色測定が行われ
    ることを特徴とする分注装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の装置において、 前記ノズルは、ノズル基部とそれに対して着脱自在な透
    明性を有するノズルチップとで構成されたことを特徴と
    する分注装置。
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