JPH10121480A - 法面の形成方法 - Google Patents

法面の形成方法

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JPH10121480A
JPH10121480A JP8274320A JP27432096A JPH10121480A JP H10121480 A JPH10121480 A JP H10121480A JP 8274320 A JP8274320 A JP 8274320A JP 27432096 A JP27432096 A JP 27432096A JP H10121480 A JPH10121480 A JP H10121480A
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JP
Japan
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slope
honeycomb
fabric
slope face
earth
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JP8274320A
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Shigeji Ochi
成次 越智
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Hagiwara Industries Inc
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Hagiwara Industries Inc
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低廉な部材を使用して、施工が簡単で、優れ
た安定性および耐久性を有する法面を形成する方法を提
供する。 【解決手段】 熱可塑性繊維糸条を織成した蜂巣織物1
を補強材として法面に敷設または張設し、前記蜂巣織物
1表面に必要により、種子5を混入した客土層3を付着
し、更に被覆材6を積層することを特徴とする法面の形
成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、築堤工事や宅地造
成、道路工事などで使われる盛土法面や切土法面等の保
護や緑化を行う法面の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より法面を形成し、保護し植生する
法面補強工法には種々の補強材が用いられ、各種のネッ
ト材、シート材、枠材など、多様な形態のものの開発が
なされている。一般に、施工の初期における土砂や吹き
付け材料、植生のための種子など客土材の流失を抑制す
る補強材にはネット材を張設することが多いが、このネ
ット材は、通常その厚みが1mm未満で平面的に編織成さ
れた二次元構造であるから、ネット材表面に絡み付いた
客土材を係止するに留まり、特に急勾配となる切土法面
においては客土材の保持機能に欠け、適用し得ないもの
であった。
【0003】そこで、法面の形成時に用いる土壌保持力
の高いシート部材として、各種の三次元構造体が見られ
る。例えば、ダンボール紙、板紙、不織布、布、鋼板、
メタルラスなどからなるテープ状の基材を並べて相接す
る部分を連結してセルを形成した枠材を用いる法面緑化
工法(特公昭62-53651号公報)、所定幅を有する帯状紙を
縦向きに用いて平面視が網目状となるように構成したハ
ニカム構造体の枠紙を用いた法面の保護及び緑化方法
(特公昭64-9416号公報)、あるいは緯糸として紙や不織
布等からなる幅3〜30mmの素線を用い、多数の経糸で素
線幅未満の目合いに折り込んで編織した法面保護用の植
生ネット(特公平5-486号公報)、所定高さに編み上げら
れた堰部を法面に対して横方向に複数条配設した植生用
ネット(特開平3-158522号公報)、ラッセル織にて各網目
が菱目に編まれ、網目を構成する各辺が所定高さを有
し、植生基材の係留部を形成した植生用ネット(特開平3
-183820号公報)、帯状ネット材が多数並列状に引き揃え
られ、隣接するネット材同士が長さ方向に沿って所定間
隔をおいて連結され、展張時にハニカム構造を呈する法
面保護用ネット(実開平3-72947号)、更にはメッシュ構
造編織布を深絞り成型によって多数の突起部を形成した
シート状物を用いる法面の工事方法(特開平3-247815号
公報)などが開示されている。
【0004】これらのなかで、枠材で囲まれたセル内を
客土材の係留部とするネット部材を用いる法面形成方法
の場合、厚い客土層形成の必要においては幅の広い枠材
を用いて対応することができ、また枠材の目合いや開口
率の設定によっては降雨による客土の流失が抑制できる
ことで効果的であるが、セル形成のための固着手段が煩
雑であり、ネット材として広幅のものに対応し難く、機
械的強力に乏しく、法面に馴染みにくいなどの問題点が
指摘されている。一方、二次元構造の編織布などに凹凸
を形成して立体構造体とする場合は、生産速度が低速で
あるなど製造時の効率が悪く、広幅に対応できる製造装
置が特殊なものであるなどコスト高になることは否めな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な従来の問題点を改善するためのもので、低廉な部材を
使用して、施工が簡単で、優れた安定性および耐久性を
有する法面を形成する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性繊維
糸条で織成した蜂巣織物を補強材として法面に敷設また
は張設し、必要により、この蜂巣織物表面に客土層を付
着し、更に被覆材を積層することを特徴とする法面の形
成方法である。
【0007】ここで用いる補強材としての蜂巣織物は、
総繊度50〜1,000drの熱可塑性繊維糸条を織成したもの
であり、経緯糸の打込密度が20〜45本/インチ、各蜂巣
構造ユニットの一辺が5〜20mm、厚み1.5〜5mmのメッ
シュ体である。
【0008】熱可塑性繊維糸条となる熱可塑性樹脂とし
ては、溶融紡糸が可能で連続生産での安定品質の点か
ら、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体
もしくは相互共重合体、またはこれらのα−オレフィン
と他のコモノマーの共重合体からなるポリオレフィン系
樹脂、ナイロン66、ナイロン6、芳香族ポリアミド等
のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹
脂、アクリロニトリル系樹脂などが挙げられる。
【0009】この熱可塑性繊維糸条の形状は特に制限さ
れるものではなく、一般的な円形断面のモノフィラメン
ト、連糸形状や異形断面のモノフィラメント、低繊度フ
ィラメントを集束したマルチフィラメント、フィルムを
スリットして得られるフラットヤーンなどの単層繊維、
またはこれら糸条が高融点樹脂を芯成分として、該芯成
分の融点より10〜30℃程度低い低融点樹脂を外層成分と
して構成される積層型や芯鞘型の複合繊維であってもよ
い。ここで、これら糸条は総繊度50〜1,000drであるこ
とが好ましい。即ち、糸条は後述するように織物となっ
て法面に固定されるものであるから充分な強力、適度な
コシ、地盤追従性を満足する範囲として設定されるもの
である。
【0010】本発明においては、前述の法面形成を基本
工法としながら、更に客土層の上面を金網、繊維製ネッ
ト、メッシュシート体、不織布マット、加工紙、筵など
の被覆材で覆い、アンカーピン等で固定することもでき
る。
【0011】また、本発明で用いる補強材としての蜂巣
織物や被覆材の一部には経時的に分解あるいは崩壊する
繊維、例えば、綿、麻、亜麻等の植物繊維、羊毛、絹等
の動物繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、あるい
は微生物の培養によるバイオポリエステル、脂肪族ポリ
エステルやポリビニルアルコールの合成高分子を利用し
たもの、合成樹脂中に微生物が好んで摂取する有機物
質、更に有機金属塩や油剤等を配合した組成物から紡糸
した合成繊維などからなる糸条やこれらの集合体(紡績
糸、マルチフィラメント等)を使用することができる。
これら分解あるいは崩壊する繊維を含む資材は、特に植
生工法に用いることで、植生の成長に伴って分解あるい
は崩壊が進行し、その結果として植生成長を阻害せず、
また法面地盤へ植生根が侵入し定着し易いなどの効果が
期待できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の法面形成方法は、蜂巣織
物のメッシュ体を法面形成時に使用して客土材の捕捉性
を向上させて法面を補強するものであり、本発明におい
てはメッシュ体として蜂巣織物を使用することを主な要
件とする。ここで、蜂巣織物とは、具体的に、日本工業
規格JIS−L0206(1976)の繊維用語(織物部門)で
規定されている用語であって、「変化組織で布面にはち
巣状のおうとつを織り出したもの。ます織ともいう。」
と説明されるものである。図1には、蜂巣織物の平面図
を示す。
【0013】蜂巣織物は、スルザー型織機などによって
一連に織成できる織物で300cm幅以上の広幅にも対応可
能であり、表面に凹凸部が形成された立体的な構造を特
徴とするものであるから、この立体的構造が法面の客土
材の安定化に作用するものとなる。そこで本発明におい
て、法面形成に用いる蜂巣織物が充分な効果を発現する
ためには、前述のように、経緯糸の打込密度が20〜45本
/インチ、各蜂巣構造ユニットの一辺(A),(A')が5
〜20mm、厚み1.5〜5mmとすることが好ましい。この範
囲にあるものは寸法安定性に優れ、強靭で可撓性を有し
ており、施工時の取扱性が良好なメッシュ体となし得る
のである。
【0014】また、本発明の方法において使用される蜂
巣織物は、必要に応じて織物の経緯糸交差部を固定処理
することができる。この固定処理には、例えば塩化ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、低融点ポリオレフィン樹脂など
を用い、蜂巣織物のメッシュ状が塞がれない程度の薄層
で塗布し、またはこれらの液状ポリマーを噴霧した後に
乾燥するといった樹脂処理が行われる。また、織物が複
合繊維から構成されるものであれば赤外線照射式、熱風
オーブン式等の熱処理装置を使い、高融点成分の融点以
下で且つ低融点成分の軟化点以上の温度範囲で熱処理を
行うことによって、繊維の延伸効果を損なうことなく熱
融着ができる。
【0015】以下に、前述の蜂巣織物を使用した本発明
の法面の形成方法を図面により説明する。図2〜図4は
本発明の法面形成方法の一例である。図中で1は蜂巣織
物、2は法面、3は客土層、4はアンカ−ピン、5は種
子、6は被覆材である。
【0016】まず、盛土や切土による保護または緑化す
べき法面2に蜂巣織物1を敷設または張設してアンカー
ピン4等で固定する(図2)。自然緑化に任せる場合は、
これで法面形成が完了するが、人工的に緑化を促進させ
るには、この法面2に固定した蜂巣織物1の上から、セ
メント材や種子5、肥料、土壌改質剤等を混合した客土
材を吹き付けるなどして付着せしめて客土層3を形成す
る(図3)。この場合、蜂巣織物1の立体的構造によっ
て、その表面を基準として比較的均一な客土層3の厚み
を維持することができる。こうして形成される法面2
は、客土層3の移動や流失の抵抗が大きく、安定した法
面保護、緑化が確保できるのである。降雨量や法面傾斜
などの関係から、更に、法面客土層を保護する必要があ
るときは、その上へ被覆材6を積層する(図4)。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施形態を具体的な実施例
によって説明を加える。
【0018】実施例1 ポリプロピレン樹脂を溶融紡糸した後に延伸配向処理を
施した繊度500drのモノフィラメントを経緯糸に用い
て、最大織幅360cmのスルザー型織機によって、打込密
度36×36本/インチ、各蜂巣構造ユニットの一辺が7.5m
m、厚み2.2mmの蜂巣織物を織成した。この蜂巣織物の引
張強力を日本工業規格JIS−L1085に準拠して測
定したところ、経方向75kgf/5cm、緯方向68kgf/5cmであ
った。この蜂巣織物1を平均傾斜角25゜の盛土法面に敷
設し、約90cm間隔毎にアンカーピン4で固定した(図
2)。この法面形成方法では、蜂巣織物が適度なコシと
柔軟性を有し高強力であることから敷設作業性が極めて
良好で、かつ法面2表層土の流失を有効に防止すること
ができた。
【0019】実施例2 実施例1で用いた蜂巣織物をフェノール系樹脂液に浸漬
し、ロールに接触させて余剰液を取り除いた後に、乾燥
して目止加工を施した蜂巣織物1を使用して、その他実
施例1と同様に法面を形成した後に、種子、肥料、土壌
改質剤を混合した客土を吹き付け、蜂巣織物表面がほぼ
均一に隠れる厚さの客土層3を形成した(図3)。この法
面形成方法では、蜂巣織物が組織の目ズレがなく充分な
透水性と優れたクリープ特性を有しており敷設作業性が
極めて良好で、安定した客土層3を維持できるものであ
った。
【0020】実施例3 融点138℃のポリプロピレンを芯層の樹脂とし、その両
面に融点108℃のエチレン−アクリル酸共重合体(AA含量
10%)を外層の樹脂として用い、2系列の押出機にそれ
ぞれ投入して、複合ノズルから芯鞘比8:2で紡糸した
後に延伸配向処理を施した繊度650drの複合モノフィラ
メントを経緯糸に用いて、同様のスペックで蜂巣織物を
織成後、112℃に設定した熱風オーブン内を通過させて
目止加工を施した蜂巣織物1を使用して、その他実施例
2と同様に法面を形成した(図3)。この蜂巣織物の引張
強力は、経方向80kgf/5cm、緯方向72kgf/5cmであった。
この法面形成方法では、蜂巣織物が組織の目ズレがなく
充分な透水性と優れたクリープ特性を有しており敷設作
業性が極めて良好で、安定した客土層3を維持できるも
のであった。
【0021】実施例4 補強材が、ポリプロピレン製モノフィラメントの緯糸の
2本に対して1本をレーヨン紡績糸(繊度350dr)に置換
して打込み、その他実施例1と同様の規格で織成した蜂
巣織物1を使用し、種子5、肥料、土壌改質剤等を混合
した客土を吹き付けて客土層3を形成した。次に、澱粉
配合タイプの生分解性樹脂(萩原工業株式会社製:商品
名「エコファイン」)を溶融紡糸して得られる繊度500drの
モノフィラメントからなるネット体を被覆材6として用
い、客土層3の上面から被覆し、その上から更にアンカ
ーピンで固定して法面を形成した(図4)。この法面形成
方法は、補強材としての蜂巣織物1と被覆材6の一部に
共に経時的に分解する繊維を含んでいるため、植生の成
長に伴って繊維の分解が進行し、資材が植生成長の妨げ
とならず、安定した緑化法面とすることができた。
【0022】比較例 ポリエステル繊維からなる総繊度600dr/48filのマルチ
フィラメントを用いてラッセル編機によって、地糸間隔
9本/インチで密度5鎖/cm、パターン糸を2/9イン
チの振りで、厚み0.8mmのネット状物を用いて、実施例
2と同様に法面を形成したところ、この法面の形成方法
では客土層の厚みにバラツキが大きく、また経時的な客
土の脱落や流失も多く認められ、法面安定性が不充分な
ものであった。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明の法面の形成方法
は、盛土法面や切土法面に敷設または張設するメッシュ
体補強材として、特定の織り組織である蜂巣織物を用い
るものであり、この蜂巣織物自体は従来織機で一連に織
成できるから生産効率が良好で、法面形成のために有効
なメッシュ体の要件となる充分な強力、適度なコシ、地
盤追従性を満足するものが得易く、さらに土木資材とし
て要求される広幅、長尺物に対応できるからその取扱性
に優れたものとなる。
【0024】この蜂巣織物を使用した法面形成は、客土
層の付着作業が均一に容易に行うことができ、また施工
後の法面においては、蜂巣織物の立体的な構造によって
客土が組織に絡み付きやすく保持されるから客土層の滑
落や崩壊、流失等を抑制することに効果を発揮して、長
期間にわたって安定した法面となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の法面形成方法に使用する蜂巣織物の平
面図である。
【図2】本発明の法面形成方法の一例を示す部分断面図
である。
【図3】本発明の法面形成方法の他の例を示す部分断面
図である。
【図4】本発明の法面形成方法の他の例を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
1 蜂巣織物 A(A') 蜂巣構造ユニットの一辺 2 法面 3 客土層 4 アンカーピン 5 種子 6 被覆材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維糸条で織成した蜂巣織物を
    補強材として法面に敷設または張設することを特徴とす
    る法面の形成方法。
  2. 【請求項2】 補強材としての蜂巣織物が総繊度50〜1,
    000drの熱可塑性繊維糸条を織成したものであり、経緯
    糸の打込密度が20〜45本/インチ、各蜂巣構造ユニット
    の一辺が5〜20mm、厚み1.5〜5mmのメッシュ体である
    ものを使用する請求項1記載の法面の形成方法。
JP8274320A 1996-10-17 1996-10-17 法面の形成方法 Pending JPH10121480A (ja)

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