JPH09506931A - 焼結接点材料、その製造方法並びにこの材料からなる接点 - Google Patents

焼結接点材料、その製造方法並びにこの材料からなる接点

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JPH09506931A JP7517091A JP51709195A JPH09506931A JP H09506931 A JPH09506931 A JP H09506931A JP 7517091 A JP7517091 A JP 7517091A JP 51709195 A JP51709195 A JP 51709195A JP H09506931 A JPH09506931 A JP H09506931A
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Abstract

(57)【要約】 銀及びニッケルからなる焼結接点材料は、この発明によれば、ニッケルの質量成分が5乃至50%であり、かつ 在していることを特徴とする。この焼結接点材料の好ましい製造方法は、焼結前にニッケルが機械合金化法により銀組織内に取り入れられ、しかもこの工程は大気雰囲気中で行われる。これにより製造された接点面は押出加工により帯材もしくは型材として、型成形技術により個々の接触子として並びにそれぞれ2層物として形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 焼結接点材料、その製造方法並びにこの材料からなる接点 この発明は、銀及びニッケルからなる焼結接点材料、その製造方法並びにこれ から作られる接点に関する。 電力技術用の開閉器具において電流を開閉するために過去において銀(Ag) 及びニッケル(Ni)からなる接点材料が実証されてきた。このような接点材料 の製造並びにこれを用いた接触子の製作及び試験は雑誌「インターナショナル・ ジャーナル・オブ・パウダーメタラージー・アンド・パウダーテクノロジー」1 2巻(1976年)、第219頁乃至228頁に詳細に記載されている。 銀及びニッケルからなる接点材料を製造するには従来技術においては通常銀及 びニッケル粉末をミキサーで濡れた状態に混合し、乾燥し、加圧変形し、還元性 雰囲気で焼結する。組織の質は主として使用される出発粉末の大きさに関係する 。このような関係はハー・シュライナーの学術論文「電気接点の粉末冶金法」シ ュプリンガー出版社(1976年)、第105頁乃至140頁に詳細に記載され ている。特に沈澱粉末により作られた1μmの平均粒径を持つ銀・ニッケル材料 が挙げられている。 銀及びニッケルからなる接点材料においては、接点が良好な開閉特性を持つた めに、ニッケル粒子ができるだけ小さくかつ微細に分散されて銀の中に存在しな ければならないことが既に推測されていた。このためには原理的には公知の機械 合金化法が適している。既に特願平2−66330(特開平3−266319) 号明細書により銀を基材とし、他の成分として銀に溶解しない或いは僅かしか溶 解しない金属が選ばれている電気接点材料の製造方法が公知である。 この金属は特にニッケル、鉄、タングステン、或いは銀と混晶を形成しない或 いは熱力学的理由から状態図に応じて凝離の傾向のある他の材料である。 前記特願平2−66330号明細書においては混晶に類似の材料構成が求めら れている。このために電解質銀粉末及びカーボニルニッケル粉末をボールミル内 でスチールボールと共にいわゆるスチロールガスの下で、例えば300時間まで の長時間混合して、機械合金化粉末を得ている。このようにして得られた粉末は 0.01μm以下の粒径を持つものとされる。この場合X線回折分析においてニ ッケル反射の消失、従って無定形合金の存在が確認された。このように製造され た合金粉末から焼結とプレス工程を交互に行って接点を製作する場合、二次的な 析出が生ずるものでなければならず、しかしこの場合ニッケル粒子の粒径が1μ mに制限されなければならない。 上述の無定形特性を備えた機械合金化された銀・ニッケル粉末を使用する場合 望ましくない副次的効果が発生し、これが比較的好ましくない接点特性を招くこ とがあることが確認されている。 この発明の課題は、このような問題に対する改善策を提供することにある。即 ち、銀及びニッケルからなる接点材料であって、通常の銀・ニッケル材料に対し て改善された接点特性を持つものを提供しようとするものである。同時にこのよ うな接点材料の製造方法及びこの材料を使用した接点を提示しようとするもので ある。 この課題は、この発明によれば、銀及びニッケルからなる焼結接点材料におい てニッケルの質量成分が5乃至50%であり、ニッケルが銀組織中に平均粒径が 1μmより大きくかつ10μmより小さく、ほぼ均質に分散されて存在すること によって解決される。 特にニッケルの平均粒径は5μm以下、特に3μm以下であるのが好ましい。 上記の粒径分布においてニッケル粒子の平均間隔は5乃至10μmであるものと される。 上述の銀及びニッケルからなる焼結接点材料の製造方法は、この発明によれば 焼結前にニッケルが機械合金化法により銀組織の中に入れられ、その際この工程 は大気雰囲気中で行われることを特徴とする。その場合出発材料として銀粉末及 びニッケル粉末か銀及びニッケルの顆粒が使用される。特に粒径分布は500μ m以下、特に100μm以下、特に50μm以下が問題となる。機械合金化法に よる混合はボールミル内において、ニッケルの薄片の幅が出発物質の粒子直径よ り遙に小さい薄片組織が形成されるまで行われる。このような組織の微細化率は 既に光学顕微鏡の検証限界の範囲である。 この発明においては機械合金化法により製造された銀・ニッケル粉末は押出加 工或いは型成形技術のような加圧変形及び還元性の雰囲気の下での焼結により接 点面が作られる。特に接点面は帯材もしくは型材或いは接触子として形成され、 電力技術の開閉器具に使用される。 従来技術とは異なりこの発明においては機械合金化が保護ガスの下では行われ ない。むしろ通常の大気雰囲気で行われる。その場合混合は、特願平2−663 30号明細書の場合とは異なり、できるだけ微細に合金化された粉末を得るため に、できるだけ長く行われるものではない。むしろ機械合金化法を空気中で行う ことを意識的に利用される。これにより粒子の上には酸化膜が形成され、これが 溶接緩和添加剤と同様の作用をする。さらに粒子の表面の酸化物は複合粒子の脆 性化及びこれにより組織のより速い微細化に貢献する。不活性ガスでの機械合金 化に比較してこの機械合金化工程は著しく簡素化される。 この発明のその他の詳細及び利点を以下の実施例の説明により明らかにする。 なおこれに関してそれぞれ拡大断面で示す組織の顕微鏡写真図及び電気的試験の 結果を示した表を参照する。 図1はAgNi10の材料の顕微鏡写真を、 図2はAgNi40の材料の顕微鏡写真を、それぞれ400倍に拡大して示し た図である。 材料AgNi10及びAgNi40を製造するために粒径分布300μm以下 の銀粉末及び粒径分布150μm以下のニッケル粉を出発物質として使用する。 適切に検量した後粉末はボールミル(アトライタ)に与えられ、そこで形成され る組織の中にニッケルが3μm以下の粒径を持ち均質に銀中に分散するまで機械 合金化される。その場合ボールミル内では大気雰囲気でかつ他の付加物としての ワックスなしで加工される。 機械合金化の際に生ずる組織の微細化は粉末の粒子形状及び粒径の変化と共に 行われる。大気雰囲気中での加工によって粒子の上に酸化物被膜が形成されるの が意識的に利用される。 機械合金化による混合の後公知の如く接点は加圧変形及び還元性雰囲気申での 焼結によって作られる。加圧変形の方法としては押出加工によって帯材もしくは 型材を作るかいわゆる型成形技術で個々の接触子を作ることが挙げられる。その 場合また銀・ニッケルからなる第一の層と純銀からなる第二の層とを持つ二層接 点もしくは接触子を作り、接触子支持体との確実な接続技術を保証することが有 利である。 図1及び図2による組織写真図は一方はAgNi10材を、他方はAgNi4 0材を示す。ニッケル粒子の平均粒径は図1では約3μmであり、図2ではすべ て10μm以下であるが、ニッケル粒子が均質に分散されていることを示してい を表すための重要なパラメータである。 表には溶着力Fs、焼損A及び投入及び遮断の際の接触抵抗Rkの測定値を記 載している。AgNi10及びAgNi40の接点材料組成の例でこの発明によ り製造された接点No.2及びNo.4の開閉特性と、同じ組成の従来方式により製造 された接点No.1及びNo.3の特性とを比較している。 電気試験は10mm×10mmの寸法を持つ球状接点(r=80mm)につい て1000A、220V、cosφ=0.4及び接触圧60Nで1000回の投 入及び遮断回数で行われた。最初の3つのバウンドの跳ね返り時間は投入角0° 及び遮断角80°における閉成速度1.0m/s及び開極時速度0.8m/s並 びに吹き消し磁界B=0.5T/Aでもって5msである。接触抵抗試験は10 Aの下で行われた。焼損は二つの接触子の比較検討及び平均値の形成によって求 められた。これにより理論的密度を考慮して量的焼損が導かれた。 表が明らかに示すように、この発明による方法によって製造された接点材材No .2及びNo.4は溶着力の値が小さくかつ焼損率が非常に小さいという特徴を示し ている。 広範囲の検討の結果明らかになったように、機械合金化された銀・ニッケル材 を開閉器具の接点として使用する際には同じ組成の従来方式により製造された材 料に比べてよりニッケルの豊富な組織が形成される。短時間のアーク作用時間で 微細に分敗したニッケルが高い割合で溶融物に溶け込むからである。このニッケ ルは溶融物が冷却されると微細に分散されて再び析出される。 この発明による銀・ニッケル材料から生じた溶融物は、同じニッケル濃度の公 知のAgNi材料に比べてよりニッケルを豊富に含み、比較的高い粘性を持って いる。これにより溶融の際に材料の飛沫量が少なく、これにより機械合金化材料 における接点焼損はより少ない。さらに比較的高い粘性の溶融物の場合には溶融 物に溶解したガスは僅かな部分しか解放されないので、この物質が凝固した際に 開閉組織に孔が発生し、これが機械強度、従って溶着力を低下させる。
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.銀及びニッケルからなり、ニッケルの質量成分が5乃至50%であり、かつ 分散されて存在していることを特徴とする焼結接点材料。 載の焼結接点材料。 載の焼結接点材料。 する請求項1記載の焼結接点材料。 5.銀及びニッケル粉末の混合物が少なくとも1回の強度を上げる熱処理(焼結 )を受ける前にニッケルが特に機械合金化法により大気雰囲気中で銀組織中にも たらされることを特徴とする請求項1或いは請求項2乃至4の1つに記載の銀及 びニッケルからなる焼結接点材料の製造方法。 6.機械合金化のために銀及びニッケル粉末或いは銀及びニッケルの顆粒が使用 子の組織が作られることを特徴とする請求項5記載の方法。 7.粒径分布が500μm以下のニッケル粉末或いは顆粒が使用されることを特 徴とする請求項6記載の方法。 8.粒径分布が100μm以下のニッケル粉末或いは顆粒が使用されることを特 徴とする請求項7記載の方法。 9.粒径分布が50μm以下のニッケル粉末或いは顆粒が使用されることを特徴 とする請求項8記載の方法。 10.機械合金化がボールミル内で、生成した組織内にニッケル出発粉末の粒子 直径よりも非常に小さい、好ましくは1μm以下のニッケル薄片の幅が存在する まで行われることを特徴とする請求項5乃至9の1つに記載の方法。 11.接点を製造するために機械合金化された粉末が加圧変形され、還元性雰囲 気中で焼結されることを特徴とする請求項5記載の方法。 ことを特徴とする請求項5記載の方法。 13.加圧変形が押出加工により行われることを特徴とする請求項11記載の方 法。 14.加圧変形が接触子の型成形技術として行われることを特徴とする請求項1 1記載の方法。 15.特に請求項13に記載の方法により製造された請求項1又は請求項2乃至 4の1つに記載の焼結接点材料からなり、帯材もしくは型材として形成されてい ることを特徴とする接点。 16.特に請求項14に記載の方法により製造された請求項1又は請求項2乃至 4の1つに記載の焼結接点材料からなり、接触子として形成されていることを特 徴とする接点。 17.銀・ニッケルからなる第一の層と純限からなる第二の層とを持つ2層とし て形成されていることを特徴とする請求項15又は16記載の接点。 18.電力技術の開閉機器において使用されることを特徴とする請求項15乃至 17の1つに記載の接点。
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