JPH09229946A - トンネル電流及び/または微小力検出用の微小ティップと該微小ティップを有するプローブ、及びそれらの製造方法 - Google Patents

トンネル電流及び/または微小力検出用の微小ティップと該微小ティップを有するプローブ、及びそれらの製造方法

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JPH09229946A
JPH09229946A JP6187796A JP6187796A JPH09229946A JP H09229946 A JPH09229946 A JP H09229946A JP 6187796 A JP6187796 A JP 6187796A JP 6187796 A JP6187796 A JP 6187796A JP H09229946 A JPH09229946 A JP H09229946A
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Yasuhiro Shimada
康弘 島田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】雌型の再利用を可能として生産性の向上と製造
コストの低減を図る。 【解決手段】本トンネル電流及び/または微小力検出用
の微小ティップは、基板に形成された金属よりなる接合
層7上に設けられた微小ティップ保持部52と、該保持
部上に載置された非金属単結晶よりなる微小ティップ先
端部51とを有する。また、そのトンネル電流及び/ま
たは微小力検出用の微小ティップは、一方の基板である
第1基板1の剥離層4上に、保持部と該保持部上に非金
属単結晶よりなる微小ティップ先端部51を配した微小
ティップ材料層を形成し、他方の基板である第2基板上
の接合層7に、剥離層4上に形成された前記微小ティッ
プ材料層を転写することにより微小ティップを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル電
流顕微鏡、あるいは微小な力を検出する原子間力顕微鏡
等に用いられる微小ティップ(探針)と該ティップを有
するプローブ、及びこれらの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年において、導体の表面原子の電子構
造を直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、ST
Mと略す)が開発され(G.Binnig et a
l.,Phys.ReV.Lett,49,57(19
82))、単結晶、非晶質を問わず実空間像を高い分解
能をもって測定することができるようになった。しかも
試料に電流による損傷を与えずに低電力で観測できる利
点も有し、更に大気中でも動作し、種々の材料に対して
用いることができるので、今後広範囲な応用が期待され
ている。かかるSTMは金属のティップと導電性物質間
に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づけるとトンネ
ル電流が流れることを利用している。この電流は両者の
距離変化に非常に敏感であり、かつ指数関数的に変化す
るので、トンネル電流を一定に保つようにティップを走
査することにより実空間の表面構造を原子オーダーの分
解能で観察することができる。このSTMを用いた解析
の対象物は導電性材料に限られていたが、導電性材料の
表面に薄く形成された絶縁層の構造解析にも応用され始
めている。更に、上述の装置、手段は微小電流を検知す
る方法を用いているため、媒体に損傷を与えず、かつ低
電力で観測できる利点をも有する。また、大気中での作
動も可能であるため、STMの手法を用いて、半導体あ
るいは高分子材料等の原子オーダー、分子オーダーの観
察評価、微細加工(E.E.Ehrichs,Proc
eedings of 4th Internatio
nal Conference on Scannin
g tunneling Microscopy/Sp
ectroscopy,”89,S13−3)、及び情
報記録再生装置等のさまざまな分野への応用が研究され
ている。例えば、情報記録再生装置への応用を考える
と、高い記録密度を達成するためにSTMのティップの
先端部の曲率半径が小さいことが要求されている。また
同時に、記録再生システムの機能向上、特に高速化の観
点から、多数のプローブを同時に駆動すること(ティッ
プのマルチ化)が提案されているが、このために同一の
基板上に特性や高さのそろったティップを作製すること
が必要となる。また、原子間力顕微鏡(以下、AFMと
略す)によれば物質の表面に働く斥力、引力を検知する
ため導体、絶縁体を問わず試料表面の凹凸像が測定でき
る。このAFMには片持ち梁(カンチレバー)形状の弾
性体の自由端に微小ティップを形成したものが用いられ
ておりSTMと同様に微小ティップの先端部の曲率半径
が小さいことが要求されている。
【0003】従来、上記のような微小ティップの形成方
法として、半導体製造プロセス技術を使い単結晶シリコ
ンを用いて異方性エッチングにより形成した微小ティッ
プが知られている(米国特許第5,221,415号明
細書)。この微小ティップの形成方法は、図10に示す
ように、まず二酸化シリコン510、512のマスクを
被覆したシリコンウエハ514に異方性エッチングによ
りピット518を設け、二酸化シリコン510、512
を除去し、次に全面に窒化シリコン層520、521を
被覆してカンチレバー(片持ち梁)及び微小ティップと
なるピラミッド状ビット522を形成し、カンチレバー
形状にパターニングした後、裏面の窒化シリコン521
を除去し、ソウカット534とCr層532を設けたガ
ラス板530と窒化シリコン520を接合し、シリコン
ウエハ514をエッチング除去することによりマウンテ
ィングブロック540に転写された窒化シリコンからな
るティップとプローブを作製するものである。最後に、
裏面に光てこ式AFM用の反射膜となる金属膜542を
形成する。
【0004】また、図11(a)に示されるように、た
とえば基板201上の薄膜層202を円形にパターニン
グし、それをマスクにして基板201をエッチングし、
サイドエッチングを利用してティップ203を形成する
方法(O.Wolter,et al.,”Micro
machined silicon sensorsf
or scanning force microsc
opy”,J.Vac.Sci.Technol.B9
(2),Mar/Apr,1991,pp1353−1
357)、さらには図11(b)に示されるように、逆
テーパーをつけたレジスト205のレジスト開口部20
6に基板204を回転させながら導電性材料207を斜
めから蒸着し、リフトオフすることによりティップ20
8を形成するスピント(Spindt)等により提案さ
れた方法(C.A.Spindt,et al., ”
Physical properties of th
in film field emission ca
thode withmolybdenum cone
s”J.Appl.Phys.,47.1976,pp
5248−5263)等がある。
【0005】一方、AFMのティップとして非金属の針
状結晶を用いることが特開平5−79835号公報に開
示されている(図12参照)。単結晶は結晶の面方位に
依存した一定の形状を持つ先端が得られる。特に、結晶
が鋭利な先端曲率半径を有する針状結晶の場合は、凹凸
の多い表面の観察や、高分解能の測定に有利である。図
12においては酸化亜鉛(ZnO)のテトラポッド型結
晶を搭載したカンチレバー型プローブを示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図10に
示したような従来例の微小ティップの形成方法は以下の
ような問題点を有していた。 (1)ティップの雌型となったシリコン基板は、後工程
でエッチング除去されてしまうため再利用ができず、生
産性が低くなり製造コストが高くなる。 (2)ティップの雌型となったシリコン基板をエッチン
グするため、プローブ表面のエッチング液によるティッ
プ部の材料劣化、形状劣化、及びエッチング液からの汚
染等が生じる可能性がある。 (3)さらに、弾性体上に微小ティップを形成する場合
には、AFMでは反射膜をプローブの裏面の全面に形成
するため、弾性体が反射膜の膜応力により反ってしま
う。また、図11に示したような従来例の微小ティップ
の製造方法では以下のような問題点がある。 (4)ティップを形成する際のシリコンのエッチング条
件やレジストのパターニング条件及び導電性材料の蒸着
条件等を一定にするには厳しいプロセス管理が必要とな
り、形成される微小ティップの鋭利な先端を維持するの
が難しい。また、図12に示したような従来例の微小テ
ィップの製造方法では以下のような問題点がある。 (5)所定の位置に微小ティップを載置するのが難し
い。 (6)基板あるいは弾性体表面からの微小ティップ先端
の高さを所望の大きさにするのが難しい。
【0007】そこで、本発明は、上記従来技術における
課題を解決し、雌型の再利用を可能として生産性の向上
と製造コストの低減を図ることができ、エッチング液か
らの材料または形状の劣化や汚染がなく、ティップのみ
を弾性体の先端に形成することができ、プローブの裏面
に反射膜を形成する必要がなく、鋭利で安定な先端を有
する微小ティップを所定の位置に設けることができ、基
板あるいは弾性体表面からの微小ティップ先端の高さを
所望の大きさに設定できるトンネル電流及び/または微
小力検出用の微小ティップと該微小ティップを有するプ
ローブ、及びそれらの製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、トンネル電流及び/または微小力検出用
の微小ティップと該微小ティップを有するプローブ、及
びそれらの製造方法について、つぎのように構成したも
のである。すなわち、本発明の微小ティップは、トンネ
ル電流及び/または微小力検出用の微小ティップにおい
て、基板に形成された金属よりなる接合層上に設けられ
た微小ティップ保持部と、該保持部上に載置された非金
属単結晶よりなる微小ティップ先端部と、を有すること
を特徴としている。そして、本発明の上記微小ティップ
においては、前記微小ティップ先端部を構成する非金属
単結晶として、針状結晶またはダイヤモンドを選択する
ことができ、前記針状結晶材料として、六ホウ化ランタ
ン、または、酸化亜鉛を用いることが好ましい。また、
本発明の上記微小ティップは、該微小ティップ保持部と
接合層とに囲まれた中空の領域を有する構成を採ること
ができる。また、本発明においては、上記の微小ティッ
プを基板上に設け、トンネル電流及び/または微小力検
出用のプローブを構成することができる。その際、上記
基板上に微小ティップを複数個設けるようにしてもよ
い。また、その基板に弾性体を形成し、該弾性体上に本
発明の上記微小ティップを設けプローブを構成すること
ができる。この場合においても弾性体を基板上に複数形
成し、それぞれの弾性体上に微小ティップを設けるよう
にしてもよい。また、本発明の微小ティップの製造方法
は、トンネル電流及び/または微小力検出用の微小ティ
ップの製造方法において、一方の基板である第1基板の
剥離層上に、保持部と該保持部上に非金属単結晶よりな
る微小ティップ先端部を配した微小ティップ材料層を形
成し、他方の基板である第2基板上の接合層に、前記剥
離層上に形成された前記微小ティップ材料層を転写する
ことにより微小ティップを製造することを特徴としてい
る。そして、上記本発明の微小ティップの製造方法は、
少なくとも、第1基板の表面に凹部を形成する工程と、
前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
程と、前記第1基板における凹部を含む剥離層上に、非
金属単結晶を散布する工程と、前記非金属単結晶が散布
された凹部を含む剥離層上に、微小ティップ保持層を成
膜して微小ティップ材料層を形成する工程と、第2基板
上に接合層を形成する工程と、前記第1基板における凹
部を含む剥離層上の微小ティップ材料層を、前記第2基
板上の接合層に接合する工程と、前記剥離層と微小ティ
ップ材料層の界面で剥離を行い、前記第2基板の接合層
上に微小ティップ材料層を転写する工程と、を有する工
程により構成することができる。また、本発明のトンネ
ル電流及び/または微小力検出用プローブの製造方法
は、少なくとも、第1基板の表面に凹部を形成する工程
と、前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成す
る工程と、前記第1基板における凹部を含む剥離層上
に、非金属単結晶を散布する工程と、前記非金属単結晶
が散布された凹部を含む剥離層上に、微小ティップ保持
層を成膜して微小ティップ材料層を形成する工程と、第
2基板上に弾性体材料を形成する工程と、前記第2基板
弾性体材料上に、接合層を形成する工程と、前記第1基
板における凹部を含む剥離層上の微小ティップ材料層
を、前記第2基板上の接合層に接合する工程と、前記剥
離層と微小ティップ材料層の界面で剥離を行い、前記第
2基板の接合層上に微小ティップ材料層を転写する工程
と、前記第2基板の一部を除去して弾性体材料から弾性
体を形成する工程と、を少なくとも有する工程により構
成することができる。そして、本発明のこれらの微小テ
ィップの製造方法またはプローブの製造方法において、
前記非金属単結晶としては、針状結晶またはダイヤモン
ドを選択することができ、その針状結晶として、六ホウ
化ランタン、または、酸化亜鉛を用いることが好まし
い。また、本発明のこれらの微小ティップの製造方法ま
たはプローブの製造方法において、前記剥離層を、第1
基板を熱酸化してなる二酸化シリコンで形成し、また前
記接合層あるいは前記微小ティップ保持部の少なくとも
一方は、Pt,Au,Ag,Cuのうちいずれかの材料
を含むようにすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、上記構成により、ティ
ップの雌型を後工程でエッチング除去することなくティ
ップを形成でき、雌型は再利用できることにより、生産
性を向上すると同時に、製造コストを低減することがで
きる。また、エッチング液によるティップ部の材料劣化
や、形状劣化がなく、またエッチング液から汚染される
ことなくティップを形成することができる。また、ティ
ップのみを弾性体の先端に形成することができ、反射膜
をプローブの裏面に形成する必要がなくなる。また、鋭
利で安定な先端を有する微小ティップを形成し、それを
所定の位置に載置することができ、さらに、基板あるい
は弾性体表面からの微小ティップ先端の高さを所望の大
きさに設定することが可能となる。
【0010】以下に、図に基づいて本発明の詳細な内容
について説明する。図1は本発明による微小ティップの
構成を示す図である。本発明によるプローブは、基板あ
るいはレバー上に形成された接合層7、該接合層7上に
形成された微小ティップ保持部52、該接合層7と該微
小ティップ保持部52とに囲まれた中空の領域、及び該
微小ティップ保持部52上に載置された非金属単結晶6
よりなる微小ティップ先端部51、を有することを特徴
とする微小ティップ5であり、図2はその製造工程を示
す断面図である。
【0011】以下、図2に従い製造方法を説明する。第
一に、シリコンよりなる第1基板1の表面に凹部3を形
成する。これには、まず第1基板1に保護層2を形成
し、次に、保護層2の所望の箇所を、フォトリソグラフ
ィとエッチングによりパターニングしてシリコンの一部
を露出させ、次に、結晶軸異方性エッチング等を用いて
シリコンをエッチングして凹部3を形成する方法が用い
られる。保護層2としては二酸化シリコンや窒化シリコ
ンを用いることができる。シリコンのエッチングにはテ
ィップ先端部を鋭利に形成できる結晶軸異方性エッチン
グを用いることが好ましい。エッチング液に水酸化カリ
ウム水溶液等を用いることにより(111)面と等価な
4つの面で囲まれた逆ピラミッド状の凹部3を形成する
ことができる(図2(a)参照)。本発明においては上
記の結晶軸異方性エッチングによる凹部をティップの雌
型として用いることにより、再現性の良い均一なティッ
プ形状が得られ、かつ先端を鋭利に形成できる。
【0012】第二に、上記凹部3を含む第1基板1上に
酸化物よりなる剥離層4を形成する(図2(b)参
照)。この剥離層4形成後の工程で、剥離層4上に微小
ティップ5を形成した後、微小ティップ5を剥離層4か
ら剥離するため、微小ティップ5を構成する材料が剥離
しやすい剥離層4材料を選択する必要がある。すなわ
ち、剥離層4の材料は微小ティップ5の構成材料との反
応性・密着性が小さいことが必要であり、このような材
料として酸化アルミニウムAl2O3,窒化シリコンSi
3N4,酸化シリコンSiO2等が使用できる。これらの
材料はスパッタリング法や真空蒸着法により形成するこ
とができる。特に、第1基板1にシリコンを用いる場合
は基板表面を酸化することにより容易に二酸化シリコン
SiO2を得ることができる。
【0013】第三に、前記凹部を含む剥離層4上に非金
属単結晶6を散布する。散布の方法は本発明を限定する
ものではない。直接第1基板上に散布してもよいし、非
金属結晶6を有機溶媒等に展開し、第1基板上に塗布し
た後に溶媒を蒸発させてもよい。基板上に散布された非
金属結晶6の一部は前記凹部に入り、凹部の底部に集中
する。さらに第1基板1に振動などを与えて底部に集中
させてもよい。凹部を含む剥離層上に針状結晶を散布し
た後、スクレイパーや布等を用いて基板表面の針状結晶
を除去することにより、凹部に選択的に針状単結晶を残
すことができる。また針状結晶の大きさが問題にならな
い場合は、凹部以外の針状結晶をそのままにしてももち
ろん良い。これらピラミッド状凹部の底部に集まった非
金属単結晶6により微小ティップ先端部51が構成され
る(図2(c)参照)。本発明においては、微小ティッ
プ(探針)として非金属単結晶6を用いることにより結
晶の面方位に依存した一定の形状を持つ先端を得ること
ができる。また、非金属の単結晶は金属のように塑性変
形しないため荷重に対して変形しにくく、AFM走査に
対しても安定な像を得ることができる。非金属単結晶6
としてはダイヤモンドの様な硬質材料や、小さい曲率半
径の頂角を有する針状結晶等が、目的に応じて選択され
る。針状結晶には、いわゆるウイスカと呼ばれるヒゲ状
の単結晶や、ZnOのテトラポッド型結晶のように中心
から複数の針状結晶が延びている形状のものも存在す
る。針状結晶になる材料としては、たとえば酸化亜鉛Z
nO,酸化ニオブNbO,酸化アルミニウムα−A12O
3,酸化銅CuO,酸化鉄Fe2O3,酸化ニッケルNi
O,酸化ベリリウムBeO,酸化モリブデンMoO3,
酸化マンガンMnO,硫化カドミウムCdS,硫化亜鉛
ZnS,硫化ニオブNbS3,硫化タンタルTaS3,リ
ン化ニオブNbP,リン化ジルコニウムZrP,六ホウ
化ランタンLaB6,ホウ化チタンTiB2,炭化ケイ素
SiC,炭化チタンTiC,チタン酸カリウムK2Ti6
O13,セレン化ニオブNbSe3,セレン化タンタルTa
Se3等を挙げることができる。STMの探針として用
いる場合はLaB6やTiCの様に材料自体に十分な導
電性を有するものを用いることができる。また、針状結
晶にドーピングをすることにより結晶に導電性を付与す
ることができる。たとえばZnOにAlをドーピングす
ることにより導電性を付与させてもよい。
【0014】第四に、前記非金属単結晶6よりなる微小
ティップ先端部51の入った前記凹部を含む剥離層上に
微小ティップ保持部52を形成する。微小ティップ保持
部は、微小ティップ先端部51を凹部の底部に固定する
ことにより保持する。また、微小ティップ保持部52は
接合層7と接合する部分であり、圧力で互いに変形して
金属結合を得るために圧着の容易な延性に富んだPt,
Au,Ag,Cu等の材料を選択的できる。また、たと
えば純粋なZnOよりなる針状結晶を用いる場合、微小
ティップ保持部52にAlを用い、後工程の圧着後に加
熱処理することにより、ZnOに導電性を付与させるこ
とが可能である。微小ティップ保持部52の材料は既存
の薄膜作製技術である真空蒸着法やスパッタリング法等
で成膜する。この際、針状結晶の落下を防ぐために第1
基板の上方にスパッタリングターゲット等を設けたタイ
プのスパッタ蒸着装置を用いるのがよい。最後に、既知
のフォトリソグラフィーの手法を用いて微小ティップ保
持部52材料をパターニングし、微小ティップ保持部5
2とする(図2(d)参照)。この微小ティップ保持部
52と微小ティップ先端部51とにより微小ティップ5
が形成される。
【0015】第五に、第2基板8または第2基板8上に
形成されたカンチレバー等の弾性体9上に接合層7を形
成する。第2基板8および弾性体9は接合層7を介して
微小ティップ5を支持する部材である。接合層7は微小
ティップ5、特に微小ティップ保持部と同様で、延性に
富んだPt,Au,Ag,Cu等の材料が望ましい。な
お、トンネル電流を取り出すための配線10は、接合層
7と同一材料で同一層に形成しても良い。本発明におい
てはティップのみをカンチレバー先端に形成することが
できるため、ティップ形成時の膜応力によりカンチレバ
ーが反ることがない。また、弾性体9の変位を測定する
ために用いるレーザー反射膜の機能を接合層7が有する
ため、反射膜をプローブの裏面に形成する必要がない。
弾性体9としては、基板上に作製された片持ち梁(カン
チレバー)、両持ち梁、膜(メンブレン)、バネ等が用
いられ、その形状は本発明を制限するものではない。ま
た、本発明に用いられる弾性体はアクチュエータとして
の機能を有していても良い。
【0016】第六に、前記凹部3を含む剥離層4上の微
小ティップ5材料を接合層7に接合する。これには、そ
れぞれの基板を真空チャック等により保持できるアライ
メント装置を用い、第1基板1上の微小ティップ5と第
2基板8上の接合層7とを位置合わせして対向・接触さ
せ、更に荷重を加えることにより微小ティップ5と接合
層7の接合(圧着)を行う(図2(e)参照)。上記の
方法にて圧着を行うことにより微小ティップ保持部52
と接合層7とに囲まれた中空の領域が形成される。中空
の領域の大きさ(高さ)は、保護層2をパターニングし
て形成するエッチング開口部の形状に依存するが、この
中空の領域を形成することにより、基板あるいは弾性体
の表面から微小ティップの先端までの高さを、ティップ
重量増を抑制しつつ自由に設定することが可能である。
特に、基板上あるいは弾性体上に複数の微小ティップを
形成する場合、微小ティップ先端の高さを揃えることが
可能である。
【0017】第七に、前記剥離層4と微小ティップ5材
料の界面で剥離を行い接合層7上に微小ティップ5材料
を転写する。すなわち、第1基板1と第2基板8を引き
離すことにより、剥離層4と微小ティップ5との界面で
剥離させる(図2(f)参照)。本発明においては第1
基板をエッチング除去する工程がないため、エッチング
液によるティップ部の材料劣化、形状劣化、及びエッチ
ング液からの汚染がなくティップが形成できる。また、
剥離後の第1基板1は微小ティップ形成工程から再利用
できるため、生産性を向上すると同時に、製造コストを
低減できる。なお、ここでは本発明による微小ティップ
をAFM,STMのプローブとして利用することについ
て述べたが、目的に応じて結晶材料及び微小ティップ保
持部の材料を選択することにより磁気力、近接場等他の
物理量を観察するための各種の走査型プローブ顕微鏡に
用いることが可能である。また、逆にこのような構成の
プローブを、ティップ先端にある針状結晶の物性を調べ
るために用いることも考えられる。すなわち、AFMの
手法を用いて針状結晶の摩擦力や硬度を評価したり、S
TMの手法により針状結晶のミクロな領域での導電特性
を評価することも可能である。以下実施例を挙げて本発
明を詳細に説明する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1に本発明における実施例1のSTM用
プローブを示す。本実施例よるプローブは、第2基板8
上に形成された接合層7、該接合層7上に形成された微
小ティップ保持部52、該接合層7と該微小ティップ保
持部52とに囲まれた中空の領域、及び該微小ティップ
保持部52上に載置された六ホウ化ランタンLaB6非
金属単結晶6よりなる微小ティップ先端部51、により
構成されている。また、トンネル電流用配線10が接合
層7に接続されている。
【0019】図2は本実施例のプローブの製造工程を示
す断面図である。以下、この図に従い製造方法を説明す
る。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを
第1基板1として用意した。次に、保護層2としてシリ
コン熱酸化膜を100nm形成した。次に、保護層2の
所望の箇所を、フォトリソグラフィとエッチングにより
パターニングし、10μm平方のシリコンを露出した。
次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッ
チングによりパターニング部のシリコンをエッチングし
た。なお、エッチング条件は、濃度30%の水酸化カリ
ウム水溶液を用い、液温90℃、エッチング時間は10
分とした。このとき(111)面と等価な4つの面で囲
まれた深さ約7μmの逆ピラミッド状の凹部3が形成さ
れた(図2(a)参照)。次に、保護層2である熱酸化
膜をフッ酸とフッ化アンモニウムの混合水溶液(HF:
NH4F=1:5)で除去した。次に、120℃に加熱
した硫酸と過酸化水素水の混合液、及び、2%フッ酸水
溶液を用いて第1基板1の洗浄を行った。次に、熱酸化
炉をもちいて第1基板1を酸素及び水素雰囲気中で10
00℃に加熱し、剥離層4である二酸化シリコンを30
0nm堆積した(図2(b)参照)。次に、三塩化ラン
タンLaCl3、三塩化ホウ素BCl3、水素H2の混合
ガスから1250℃で六ホウ化ランタンLaB6針状結
晶を得た(Journal of Crystal G
routh 44,p106−(1978))。次に、
この六ホウ化ランタンLaB6針状結晶よりなる非金属
単結晶6を第1基板1上に散布した。次に、スクレイパ
ーを用いて凹部3以外の非金属単結晶6を除去した(図
2(c)参照)。次に、真空蒸着法によりAuを800
nm堆積した後、フォトリソグラフィ技術を用いてパタ
ーニングし、微小ティップ保持部52とした(図2
(d)参照)。次に第2基板8として表面酸化膜を形成
したシリコン基板を用意し、この表面にクロムCrを5
nm、Auを300nm真空蒸着法により、成膜しフォ
トリソグラフィとエッチングによりパターン形成を行
い、接合層7及び配線10とした。次に、第1基板1上
の微小ティップと第2基板8上の接合層とを位置合わせ
して対向・接触させ、更に荷重を加えることにより微小
ティップ5と接合層7の接合(圧着)を行った(図2
(e)参照)。次に、第1基板1と第2基板8を引き離
し、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離させるこ
とによりSTMプローブを形成した(図2(f)参
照)。基板表面からのティップの高さは約8μmであっ
た。
【0020】図3は本実施例の微小ティップを適用した
STM装置のブロック図を示す。図3において、微小テ
ィップ5と試料11との間にバイアス電圧を印加し、こ
の間を流れるトンネル電流Itを検出し、Itが一定と
なるようにフィードバックをかけ、XYZ駆動ピエゾ素
子12のZ方向を駆動しティップ5と試料11との間隔
を一定に保っている。更に、XYZ駆動ピエゾ素子12
のXYを駆動することにより試料の2次元像であるST
M像が観察される。この装置で試料としてHOPG(高
配向熱分解グラファイト)基板の劈開面をバイアス電流
1nAで観察したところ、良好な原子像を得ることがで
きた。また、本実施例において得られたティップ庄着後
の第1基板1を洗浄し、図2(c)で示されるティップ
形成工程から再びティップ形成を行ったところ、本実施
例中に示されたSTMプローブと同一のものが形成され
た。
【0021】[実施例2]図4に本発明における実施例
2のSTM用プローブを示す。本実施例によるプローブ
は、第2基板8上に形成された接合層7、該接合層7上
に形成された微小ティップ保持部52、該接合層7と該
微小ティップ保持部52とに囲まれた中空の領域、及び
該微小ティップ保持部52上に載置された酸化亜鉛Zn
O非金属単結晶6よりなる微小ティップ先端部51によ
り構成されている。また、トンネル電流用配線10が接
合層7に接続されている。
【0022】図5は本実施例のプローブの製造工程を示
す断面図である。以下、この図に従い製造方法を説明す
る。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを
第1基板1として用意し、実施例1と同様の方法にて逆
ピラミッド状の凹部3および剥離層4を形成した(図5
(a)(b)参照)。次に、亜鉛粉末をアルゴンおよび
酸素雰囲気中で1000℃に加熱し、多数のテトラポッ
ド形状のZnO針状結晶を作製した。次に、このZnO
針状結晶よりなる非金属単結晶6を第1基板1上に散布
した。次に、スクレイパーを用いて凹部3以外の非金属
単結晶6を除去した(図5(c)参照)。次に、真空蒸
着法によりAlを800nm堆積した後、フォトリソグ
ラフィ技術を用いてパターニングし、微小ティップ保持
部52とした(図5(d)参照)。次に第2基板8とし
て表面酸化膜を形成したシリコン基板を用意し、この表
面にクロムCrを5nm、Auを300nm真空蒸着法
により、成膜しフォトリソグラフィとエッチングにより
パターン形成を行い、接合層7及び配線10とした。次
に、第1基板1上の微小ティップ5と第2基板8上の接
合層7とを位置合わせして対向・接触させ、更に荷重を
加えることにより微小ティップ5と接合層7の接合(圧
着)を行った(図5(e)参照)。次に、第1基板1と
第2基板8を引き離して、剥離層4と微小ティップ5と
の界面で剥離させることによりSTM用プローブが形成
された(図5(f)参照)。基板表面からのティップの
高さは約8μmであった。次に、STM探針として十分
な導電性を得るために窒素雰囲気中で250℃1時間熱
処理することにより、ZnO結晶中にAlを拡散させ
た。
【0023】本実施例を用いたSTM装置において、実
施例1と同様にHOPG(高配向熱分解グラファイト)
基板の劈開面をバイアス電流1nAで観察したところ、
良好な原子像を得ることができた。また、本実施例にお
いて得られたティップ圧着後の第1基板1を洗浄し、図
5(c)で示されるティップ形成工程から再びティップ
形成を行ったところ、本実施例中に示されたSTMプロ
ーブと同一のものが形成された。
【0024】[実施例3]図6に本発明における実施例
3のAFM用カンチレバー型プローブを示す。本発明に
よるプローブは、第2基板8上に形成されたカンチレバ
ー型の弾性体9、該弾性体上に形成された接合層7、該
接合層7上に形成された微小ティップ保持部52、該接
合層7と該微小ティップ保持部52とに囲まれた中空の
領域、及び該微小ティップ保持部52上に載置されたダ
イヤモンド非金属単結晶6よりなる微小ティップ先端部
51により構成されている。
【0025】図7は本実施例のプローブの製造工程を示
す断面図である。以下、この図に従い製造方法を説明す
る。まず、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを
第1基板1として用意し、実施例1と同様の方法にて逆
ピラミッド状の凹部3および剥離層4を形成した(図7
(a)参照)。次に、メタンと水素の混合ガスを熱フィ
ラメントCVD法により反応させることにより、直径3
μm程度の粒状ダイヤモンド結晶を得た。次に、この粒
状ダイヤモンドよりなる非金属結晶6を第1基板上に散
布した。次に、スクレイパーを用いて凹部3以外の非金
属結晶6を除去した(図7(b)参照)。次に、真空蒸
着法によりAuを800nm堆積した後、フォトリソグ
ラフィ技術を用いてパターニングし、微小ティップ保持
部52とした(図7(c)参照)。次に第2基板8とし
て単結晶シリコン基板を用意し、第2基板8両面に二酸
化シリコン13を0.3μm、窒化シリコン14を0.
5μm成膜した。次に表面の窒化シリコン14をフォト
リソグラフィとエッチングによりカンチレバー型の弾性
体9の形状にパターニングした。このとき、カンチレバ
ーの寸法は幅50μm、長さ300μmとした。次に、
裏面の窒化シリコン14及び二酸化シリコン13を同様
にエッチングマスク形状にパターニングした。次に、チ
タンTiを3nm、金Auを50nm成膜し、フォトリ
ソグラフィとエッチングによりパターン形成を行い、弾
性体9上に接合層7を形成した。次に、第1基板1上の
微小ティップ5と第2基板8上の接合層7とを位置合わ
せして対向・接触させ、更に荷重を加えることにより微
小ティップ5と接合層7の接合(圧着)を行った(図7
(d)参照)。次に、第1基板1と第2基板8を引き離
すことに、剥離層4と微小ティップ5との界面で剥離さ
せた(図7(e)参照)。次に、表面保護層15として
ポリイミド層をスピンコートにより塗布し、ベークして
形成した。次に、裏面の窒化シリコン14をエッチング
マスクにして、90℃に加熱した30%水酸化カリウム
水溶液により裏面からシリコン基板8のエッチングを行
った。次に、フッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液に
より二酸化シリコン層13を除去した。最後に、酸素プ
ラズマを用いて表面保護層を除去してカンチレバー型プ
ローブを形成した(図7(f)参照)。
【0026】上記、本実施例のプローブを用いた光てこ
方式のAFM装置を作製した。本実施例により作製した
AFM用のプローブでは、変位測定のためのレーザーの
反射をカンチレバー先端に設けた接合層7の裏面にて行
うことができ、反射膜の代用となる。これにより、カン
チレバーの裏面の全面に反射膜をコーティングする必要
がなく、その膜応力により反ることがなくなった。
【0027】本AFM装置のブロック図を図8に示す。
AFM装置はカンチレバー型弾性体51と接合層48と
接合層48に接合した微小ティップ50からなるプロー
ブと、レーザー光61と、カンチレバー自由端の接合層
裏面にレーザー光を集光するためのレンズ62とカンチ
レバーのたわみ変位による光の反射角の変化を検出する
ポジションセンサー63と、ポジションセンサーからの
信号により変位検出を行う変位検出回路66と、XYZ
軸駆動ピエゾ素子65と、XYZ軸駆動ピエゾ素子をX
YZ方向に駆動するためのXYZ駆動用ドライバー67
とからなる。このAFM装置を用い、マイカからなる試
料64にプローブを接近させた後に、XYZ軸駆動ピエ
ゾ素子65のXY方向を駆動することにより試料表面の
AFM像を観察したところ、マイカ表面のステップ像を
観察することができた。
【0028】本実施例においては非金属単結晶6として
ダイヤモンドを選んだが、実施例1で用いたLaB6結
晶の様に導電性を有する結晶を用いて本実施例と同様に
弾性体上に微小ティップを形成することにより、媒体の
AFM像とSTM像とを同時に測定できるプローブとし
て用いることも可能である。
【0029】[実施例4]実施例4は実施例3に示した
微小ティップを有する弾性体を基板上に複数有するAF
Mマルチプローブを構成したものであり、その構成を図
9に示す。本実施例によるプローブは、第2基板8上に
形成された複数のカンチレバー型の弾性体9、該それぞ
れの弾性体上に形成された接合層7、該接合層7上に形
成された微小ティップ保持部52、該接合層7と該微小
ティップ保持部52とに囲まれた中空の領域、及び該微
小ティップ保持部52上に載置されたダイヤモンド非金
属単結晶6よりなる微小ティップ先端部51により構成
されている。本実施例のAFMプローブの製造方法は、
実施例3に示した方法に準ずる。本実施例により、非金
属単結晶よりなる微小ティップ先端部を有するカンチレ
バー型プローブにおいて、基板面からそれぞれの微小テ
ィップ先端までの高さを揃えることができた。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上の微小ティップの製造方
法により、単結晶の頂角からなる鋭利で安定な先端を得
ることができ、AFMやSTM用の微小ティップとして
優れた特性を示す微小ティップを製造することが可能と
なる。また同時に、製造工程におけるティップ材料層の
エッチングを行う必要がないため、製造プロセスでの工
程を簡略化することが可能となり、凹部を形成した第1
基板、すなわち微小ティップの雌型は繰り返し使用がで
きるため、生産性の向上と製造コストの低減を図ること
ができる。また、本発明においては、微小ティップの形
成を第1基板のエッチングによらず、第2基板上の接合
層に転写するため、エッチング液によるティップ材料の
劣化、汚染等を防ぐことができる。また、本発明におい
ては、弾性体上に微小ティップを形成してAFMに用い
る場合、接合層があるために反射膜を形成する必要がな
くなり、かつ反射膜を形成したことに伴う弾性体のそり
を回避することが可能となる。また、本発明において
は、鋭利で安定な先端を有する微小ティップを得ること
ができ、基板における所定の位置に微小ティップ先端を
載置することが可能となる。また、本発明においては、
基板あるいは弾性体表面からの微小ティップ先端の高さ
を所望の大きさに設定でき、特に、複数の微小ティップ
を形成する際にそれぞれのティップ先端の高さを揃える
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によるプローブを示す図である。
【図2】実施例1によるプローブの製造方法を示す図で
ある。
【図3】実施例1によるプローブを用いたSTM装置の
ブロック図である。
【図4】実施例2によるプローブを示す図である。
【図5】実施例2によるプローブの製造方法を示す図で
ある。
【図6】実施例3によるプローブを示す図である。
【図7】実施例3によるプローブの製造方法を示す図で
ある。
【図8】実施例3によるプローブを用いたAFM装置の
ブロック図である。
【図9】実施例4によるプローブの構成を示す図であ
る。
【図10】従来例の微小ティップの製造方法を示す断面
図である。
【図11】従来例の微小ティップの製造方法の主要工程
を示す断面図である。
【図12】従来例の微小ティップを示す図である。
【符号の説明】
1:第1基板 2:保護層 3:凹部 4:剥離層 5:微小ティップ 6:非金属単結晶 7:接合層 8:第2基板 9:弾性体 10:配線 11:試料 12:XYZ軸駆動ピエゾ素子 13:二酸化シリコン 14:窒化シリコン 15:表面保護層 51:微小ティップ先端部 52:微小ティップ保持部 201:基板 202:薄膜層 203:ティップ 204:基板 205:レジスト 206:レジスト開口部 207:導電性材料 208:ティップ 510、512:二酸化シリコン 514:シリコンウエハ 518:ピット 520、521:窒化シリコン 522:ピラミッド状ピット 532:Cr層 534:ソウカット 540:マウンティングブロック 542:金属膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 9/00 9075−5D G11B 9/00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル電流及び/または微小力検出用の
    微小ティップにおいて、基板に形成された金属よりなる
    接合層上に設けられた微小ティップ保持部と、該保持部
    上に載置された非金属単結晶よりなる微小ティップ先端
    部と、を有することを特徴とする微小ティップ。
  2. 【請求項2】前記微小ティップ先端部を構成する非金属
    単結晶が、針状結晶であることを特徴とする請求項1に
    記載の微小ティップ。
  3. 【請求項3】前記針状結晶が、六ホウ化ランタン、また
    は、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項2に記載の
    微小ティップ。
  4. 【請求項4】前記微小ティップ先端部を構成する非金属
    単結晶が、ダイヤモンドであることを特徴とする請求項
    1に記載の微小ティップ。
  5. 【請求項5】前記微小ティップが、該微小ティップ保持
    部と接合層とに囲まれた中空の領域を有していることを
    特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の
    微小ティップ。
  6. 【請求項6】トンネル電流及び/または微小力検出用の
    微小ティップを有するプローブにおいて、請求項1〜請
    求項5のいずれか1項に記載の微小ティップが、基板上
    に設けられていることを特徴とするプローブ。
  7. 【請求項7】前記微小ティップが、基板上に複数個設け
    られていることを特徴とする請求項6に記載のプロー
    ブ。
  8. 【請求項8】トンネル電流及び/または微小力検出用の
    微小ティップを有するプローブにおいて、請求項1〜請
    求項5のいずれか1項に記載の微小ティップが、基板に
    形成された弾性体上に設けられていることを特徴とする
    プローブ。
  9. 【請求項9】前記弾性体が、基板上に複数形成され、そ
    れぞれの弾性体上に微小ティップが設けられていること
    を特徴とする請求項8に記載のプローブ。
  10. 【請求項10】トンネル電流及び/または微小力検出用
    の微小ティップの製造方法において、一方の基板である
    第1基板の剥離層上に、保持部と該保持部上に非金属単
    結晶よりなる微小ティップ先端部を配した微小ティップ
    材料層を形成し、他方の基板である第2基板上の接合層
    に、前記剥離層上に形成された前記微小ティップ材料層
    を転写することにより微小ティップを製造することを特
    徴とする微小ティップの製造方法。
  11. 【請求項11】前記微小ティップの製造方法は、(a)
    第1基板の表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第
    1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工程と、
    (c)前記第1基板における凹部を含む剥離層上に、非
    金属単結晶を散布する工程と、(d)前記非金属単結晶
    が散布された凹部を含む剥離層上に、微小ティップ保持
    層を成膜して微小ティップ材料層を形成する工程と、
    (e)第2基板上に接合層を形成する工程と、(f)前
    記第1基板における凹部を含む剥離層上の微小ティップ
    材料層を、前記第2基板上の接合層に接合する工程と、
    (g)前記剥離層と微小ティップ材料層の界面で剥離を
    行い、前記第2基板の接合層上に微小ティップ材料層を
    転写する工程と、 を少なくとも有することを特徴とする請求項10に記載
    の微小ティップの製造方法。
  12. 【請求項12】トンネル電流及び/または微小力検出用
    プローブの製造方法において、(a)第1基板の表面に
    凹部を形成する工程と、(b)前記第1基板の凹部を含
    む基板上に剥離層を形成する工程と、(c)前記第1基
    板における凹部を含む剥離層上に、非金属単結晶を散布
    する工程と、(d)前記非金属単結晶が散布された凹部
    を含む剥離層上に、微小ティップ保持層を成膜して微小
    ティップ材料層を形成する工程と、(e)第2基板上に
    弾性体材料を形成する工程と、(f)前記第2基板弾性
    体材料上に、接合層を形成する工程と、(g)前記第1
    基板における凹部を含む剥離層上の微小ティップ材料層
    を、前記第2基板上の接合層に接合する工程と、(h)
    前記剥離層と微小ティップ材料層の界面で剥離を行い、
    前記第2基板の接合層上に微小ティップ材料層を転写す
    る工程と、(i)前記第2基板の一部を除去して弾性体
    材料から弾性体を形成する工程と、を少なくとも有する
    ことを特徴とするプローブの製造方法。
  13. 【請求項13】前記非金属単結晶が、針状結晶であるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の微小ティップの製造
    方法または請求項12に記載のプローブの製造方法。
  14. 【請求項14】前記針状結晶が、六ホウ化ランタン、ま
    たは、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項13に記
    載の微小ティップの製造方法またはプローブの製造方
    法。
  15. 【請求項15】前記非金属単結晶が、ダイヤモンドであ
    ることを特徴とする請求項11に記載の微小ティップの
    製造方法または請求項12に記載のプローブの製造方
    法。
  16. 【請求項16】前記剥離層が、第1基板を熱酸化してな
    る二酸化シリコンであることを特徴とする請求項11〜
    請求項15のいずれか1項に記載の微小ティップの製造
    方法またはプローブの製造方法。
  17. 【請求項17】前記接合層あるいは前記微小ティップ保
    持部の少なくとも一方が、Pt,Au,Ag,Cuのう
    ちいずれかの材料を含むことを特徴とする請求項11〜
    請求項15のいずれか1項に記載の微小ティップの製造
    方法またはプローブの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106018884A (zh) * 2015-03-24 2016-10-12 华亚科技股份有限公司 测试机台的探针组件及其制作方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106018884A (zh) * 2015-03-24 2016-10-12 华亚科技股份有限公司 测试机台的探针组件及其制作方法

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