JPH09208423A - 抱水組成物およびこれを配合した化粧料、またその製造方法 - Google Patents

抱水組成物およびこれを配合した化粧料、またその製造方法

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JPH09208423A
JPH09208423A JP8247289A JP24728996A JPH09208423A JP H09208423 A JPH09208423 A JP H09208423A JP 8247289 A JP8247289 A JP 8247289A JP 24728996 A JP24728996 A JP 24728996A JP H09208423 A JPH09208423 A JP H09208423A
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JP
Japan
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hydrate
composition
water
composition according
producing
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Application number
JP8247289A
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English (en)
Inventor
Yohei Hamano
洋平 浜野
Akio Nasu
昭夫 那須
Kiko Tomita
希子 冨田
Takashi Matsumoto
俊 松本
Haku Matsuda
伯 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定性、安全性に優れ、しかも潤い持続のた
めの抱水力に優れ、さらに高温過酷条件下においても分
離しないきわめて優れた効果を有する抱水組成物を提供
する。 【解決手段】 (a)ヒドロキシアルキル化シクロデキ
ストリンと、(b)水と、(c)アルキル化ポリシロキ
サンポリエチレングリコール共重合体、アルキルシリル
化無水ケイ酸、アルキル変性シリコン樹脂被覆粉末、グ
リセロール変性シリコン樹脂被覆粉末、デキストリン脂
肪酸エステルからなる群より選ばれる一種又は二種以上
の抱水安定化剤とを含んでなることを特徴とする抱水組
成物、その製造方法ならびに当該抱水組成物を含有する
化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抱水組成物、特に、
抱水力および高温過酷条件下における水分保持の改善に
関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚における水分の保持は、皮膚をすこ
やかに保つために欠かせない要因であり、保湿を目的と
した化粧料や医薬品が数多く市販され、また、多くの保
湿剤が開発されている。中でもコレステロールエステル
は抱水性、保湿性に優れていることから特に化粧料に汎
用されている。しかしながら、このような抱水性油分に
多量の水を抱水させて化粧料に配合した場合、高温又は
経時の加温により、水が分離する等安定性に問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題を解決する
ため、抱水安定化剤として、ヒドロキシアルキル化シク
ロデキストリンを用いる技術が開発されている。しかし
ながら、これらの技術では口紅等での水分保持におい
て、製造時に長時間にわたり、90℃以上の高温にさら
される等の過酷条件下での水分保持は未だ不十分であ
り、色素の凝集等を生じる場合があり、さらなる改良が
望まれる。本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされ
たものであり、安定性、安全性に優れ、しかも潤い持続
のための抱水力に優れ、さらに高温過酷条件下において
も分離しないきわめて優れた効果を有する抱水組成物を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のため本発
明者らが鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシアルキル化
シクロデキストリンと水と抱水安定化剤からなる抱水組
成物が、きわめて高い抱水性を有することを見出し、本
発明の完成に至った。すなわち、本発明の抱水組成物
は、(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン
と、(b)水と、(c)アルキル化ポリシロキサンポリ
エチレングリコール共重合体、アルキルシリル化無水ケ
イ酸、アルキル変性シリコン樹脂被覆粉末、グリセロー
ル変性シリコン樹脂被覆粉末、デキストリン脂肪酸エス
テルからなる群より選ばれる1種又は2種以上の抱水安
定化剤とを含んでなることを特徴とする。
【0005】また、本発明の抱水組成物は、さらに
(d)抱水性油分を含むことを特徴とする。なお、本発
明の抱水組成物は、(a)ヒドロキシアルキル化シクロ
デキストリンを5〜30重量%、(b)水を5〜60重
量%、(d)抱水性油分を5〜80重量%含有すること
が好ましく、さらには、(a)ヒドロキシアルキル化シ
クロデキストリンと、(b)水と、(d)抱水性油分の
含量比が図1に示す相図の斜線で示される範囲内にある
ことが好ましい。また、本発明の抱水組成物は、抱水安
定化剤を組成物全量中の0.01〜20重量%含有する
ことが好ましく、抱水安定化剤としてはアルキル化ポリ
シロキサンポリエチレングリコール共重合体とが好まし
い。
【0006】本発明の化粧料は、前記抱水組成物を含有
することを特徴とする。なお、本発明の化粧料は、乳化
型が油中水型であることが好ましい。また、本発明の化
粧料においては、前記抱水組成物の配合量が、化粧料全
量中0.5〜30重量%であることが好ましい。本発明
の口紅用組成物は、前記抱水組成物を含有することを特
徴とする。なお、本発明の口紅用組成物は、乳化型が油
中水型であることが好ましい。また、本発明の口紅用組
成物においては、前記抱水組成物の配合量が、組成物全
量中0.5〜25重量%含有することが好ましい。
【0007】本発明の抱水組成物の製造方法は、(a)
ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンと、(b)水
と、(c)アルキル化ポリシロキサンポリエチレングリ
コール共重合体、アルキルシリル化無水ケイ酸、アルキ
ル変性シリコン樹脂被覆粉末、グリセロール変性シリコ
ン樹脂被覆粉末、デキストリン脂肪酸エステルからなる
群より選ばれる1種又は2種以上の抱水安定化剤と、
(d)抱水性油分とを撹拌混合して得ることを特徴とす
る。
【0008】なお、本発明の抱水組成物の製造方法にお
いては、(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリ
ンを5〜30重量%、(b)水を5〜60重量%、
(c)抱水性油分を5〜80重量%配合することが好ま
しく、さらには、(a)ヒドロキシアルキル化シクロデ
キストリンと、(b)水と、(d)抱水性油分の量比が
図1に示す相図の斜線で示される範囲にあることが好ま
しい。また、本発明の抱水組成物の製造方法において
は、(c)抱水安定化剤を組成物全量中の0.01〜2
0重量%配合することが好ましく、抱水安定化剤がアル
キル化ポリシロキサンポリエチレングリコール共重合体
であることが特に好ましい。
【0009】本発明の化粧料の製造方法は、前記抱水組
成物の製造方法により、抱水組成物を調整し、これを他
の成分と撹拌混合することにより得ることを特徴とす
る。なお、本発明の化粧料の製造方法においては、前記
抱水組成物を化粧料全量中の0.5〜30重量%配合す
ることが好ましい。本発明の口紅用組成物の製造方法
は、前記抱水組成物の製造方法により抱水組成物を調整
し、これを他の成分と撹拌混合することにより得ること
を特徴とする。なお、本発明の口紅用組成物の製造方法
は、前記抱水組成物を口紅用組成物全量中の0.5〜2
5重量%配合することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をさら
に詳細に説明する。本発明に用いられるヒドロキシアル
キル化シクロデキストリン(以下、HACDという)
は、従来から環状オリゴ糖としてよく知られているシク
ロデキストリン(以下、CDという)の水酸基にヒドロ
キシアルキル基を導入したものである。すなわち、CD
の水酸基に、疎水性であるヒドロキシアルキル基を導入
し、疎水性を高めたものである。CDは、グルコース残
基がα−1,4−結合により、環状に結合したオリゴ糖
であり、グルコース残基6個からなるα−CD、7個か
らなるβ−CD、8個からなるγ−CDが一般に知られ
ている。本発明においては、これらのCDのうち1種又
は2種以上を選択して用いることができる。また、α、
β、γの各CDを同時に含有する澱粉分解物の状態でも
用いることが可能である。
【0011】CDの水酸基と置換するヒドロキシアルキ
ル基としては、主にヒドロキシエチル基、ヒドロキシプ
ロピル基等が用いられる。これらと水酸基の置換反応を
行うことにより、HACDを得ることができる。HAC
Dとしては、ヒドロキシエチル化シクロデキストリン、
ヒドロキシプロピル化シクロデキストリン、ヒドロキシ
ブチル化シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル化
シクロデキストリン等を挙げることができる。本発明に
おいて好適な水酸基とヒドロキシアルキル基の置換度は
一CDあたり1〜14である。
【0012】これらのHACDのうち、価格、製造のし
やすさ、使用性、水溶解性を考慮した場合、ヒドロキシ
エチル化β−CD又はヒドロキシプロピル化β−CDが
好ましいが、これに限定されるものではない。HACD
の製造方法としては、従来からいくつかの方法が知られ
ているが、以下に一例を示す。すなわち、β−CD(日
本食品加工製、商品名:セルデックスN)100gを2
0%NaOH水溶液150mlに溶解し、30℃に保持
しつつ酸化プロピレン50mlを徐々に滴下し、20時
間撹拌し反応を続ける。反応終了後、塩酸でpH6.0
に中和し、透析膜チューブ中に入れ、流水下24時間脱
塩を行う。その後、凍結乾燥機で乾燥を行って、ヒドロ
キシプロピル化β−CD約90gが得られた。このヒド
ロキシプロピル化β−CDの一CDあたりの置換度は
5.1であった。
【0013】本発明において抱水安定化剤としては、ア
ルキル化ポリシロキサンポリエチレングリコール共重合
体、アルキルシリル化無水ケイ酸、アルキル変性シリコ
ン樹脂被覆粉末、グリセロール変性シリコン樹脂被覆粉
末、デキストリン脂肪酸エステルが挙げられ、これらの
1種又は2種以上が選択して用いられる。これらの物質
は、いずれも親水性、親油性が共に低く、水と油分の境
界に膜状に存在するのではないかと考えられる。これら
の抱水安定化剤のうち、アルキル化ポリシロキサンポリ
エチレングリコール共重合体を用いることが好適であ
る。アルキル化ポリシロキサンポリエチレングリコール
共重合体を用いることにより、高温に長時間さらした場
合であっても抱水組成物中の水相が良好に保持される。
【0014】本発明の抱水組成物は前記HACDと、前
記抱水安定化剤と、水より構成される。さらに、本発明
においては前記HACD、抱水安定化剤、水の他に、抱
水性油分を含むことも可能である。本発明の抱水組成物
において用いる抱水性油分としては、コレステロールエ
ステルが挙げられる。
【0015】本発明において用いる抱水性油分であるコ
レステロールエステルとしては、コレステロールと高級
脂肪酸のエステルを用いる。本発明に用いられる高級脂
肪酸としては炭素数12〜24の直鎖又は分岐の脂肪酸
を用いることができ、例えば、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、マカデミアナ
ッツ油脂肪酸等が挙げられる。本発明においてはこれら
の高級脂肪酸のうちの一種又は二種以上が選択して用い
られる。本発明に用いるコレステロールとエステル結合
を構成する高級脂肪酸としては、特にステアリン酸、オ
レイン酸、パルミトレイン酸、マカデミアナッツ油脂肪
酸であることが好ましい。
【0016】本発明に用いるコレステロールエステルと
しては、特にコレステロールステアレート、コレステロ
ールオリエート、コレステロールパルミトレート、マカ
デミアナッツ油脂肪酸コレステリルであることが好まし
い。本発明の抱水組成物においては、HACDを抱水組
成物全量中の5〜30重量%、水を5〜60重量%、抱
水性油分を5〜80重量%含有することが好適であり、
さらには、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン
と、水と、抱水性油分の含量比が図1に示す相図の範囲
内にあることが好適である。また、抱水安定化剤を0.
01〜20重量%含有することが好適である。なお、本
発明の抱水組成物には、本発明の抱水組成物の形成を妨
げない範囲で、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤等を配合す
ることが可能である。
【0017】本発明の抱水組成物は、下記の方法により
得ることが可能である。すなわち、60℃に加温した抱
水性油分に抱水安定化剤を分散させ、これにHACDを
水に溶かしたものを添加して、撹拌し、残りの水を加え
さらに撹拌し、本発明の抱水組成物を得る。ここで、本
発明の抱水組成物の製造方法においては、本発明の抱水
組成物の外相(油相)として抱水性油分を用いることに
より、良好に抱水組成物を得ることが可能である。な
お、本発明の抱水組成物は、化粧料等に配合した場合に
外相には抱水性油分の他に、例えば炭化水素油等の油分
が存在することになるため、抱水性油分は本発明の抱水
組成物の必須の構成要件とはならない。しかしながら、
本発明の抱水組成物を製造する段階においては、外相と
して抱水性油分を用いなければ良好に抱水組成物を得る
ことができないため、本発明の抱水組成物の製造方法に
おいては、必須の構成要件として要求される。
【0018】図1には、本発明者らがHACDとしてH
P−β−CD、コレステロールエステルとしてマカデミ
アナッツ油脂肪酸コレステリルを用い、抱水安定化剤と
してアルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合体を
2重量%配合した系において抱水実験を行った結果の相
図を示す。該相図中の1〜3ではHP−β−CDを配合
していないが、組成物が二層に分離してしまい抱水組成
物を得ることができない。また、水の配合比率が高い場
合、HP−β−CDの配合比率が高い場合、およびマカ
デミアナッツ油の配合比率が低い場合にも、二層に分離
してしまい組成物を得ることができない。一方、4〜7
では組成物はクリーム状となり、安定な抱水組成物を得
ることができる。従って、本発明の抱水組成物を調整す
る場合には、HP−β−CDとマカデミアナッツ油脂肪
酸コレステリルと水の量比が図1の斜線で示す範囲内に
存することが好ましい。
【0019】本発明の抱水組成物を製造する場合には、
(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンを5〜
30重量%、(b)水を5〜60重量%、(d)抱水性
油分を5〜80重量%配合して製造することが好適であ
り、さらには、(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキ
ストリンと、(b)水をと、(d)抱水性油分の配合量
比が図1に示す相図の斜線で示された範囲内であること
が好適である。また、(c)抱水安定化剤を0.01〜
20重量%配合して製造することが好ましい。図1の相
図の斜線で示される範囲外の配合比率では、水相と油相
が二層に分離してしまい、水溶性色剤の凝集等を生じ、
安定な乳化粒子を得ることはできない。また、抱水安定
化剤が0.01重量%以下では、十分に水を保持するこ
とができず、一方、20重量%以上配合しても乳化相と
油相が分離してしまい安定な乳化粒子を得ることができ
ず好ましくない。
【0020】したがって、前記方法により得られる本発
明の抱水組成物は、水分を良好に保持し、高温および経
時の加温においても水相と油相が分離することなく、安
定性に優れた乳化粒子として存在する。特に該抱水組成
物を化粧料および口紅用組成物に配合することにより、
安定性、安全性に富み、抱水力の優れた化粧料および口
紅用組成物を得ることが可能である。また、該抱水性組
成物は、油中水型であることが好ましく、特に油中水型
化粧料および油中水型口紅用組成物として用いることが
好ましい。
【0021】本発明の抱水組成物は、該抱水組成物の効
果を十分発揮できる程度に配合することが必要であり、
該抱水組成物の好適な配合量は、化粧料においては化粧
料全量中0.5〜30重量%であり、口紅用組成物にお
いては口紅用組成物全量中0.5〜25重量%である。
本発明の抱水組成物を配合した化粧料および口紅用組成
物は、本発明のHACDと、水と、抱水安定化剤よりな
る抱水組成物をあらかじめ形成し、配合する他は常法に
したがって製造される。
【0022】本発明の化粧料又は口紅用組成物において
は、本発明の抱水組成物の他、各種油分を配合すること
ができる。本発明の化粧料又は口紅用組成物に用いられ
る油としては、たとえばマカデミアナッツ油、月見草
油、ヒマシ油、オリーブ油、ミンク油、ホホバ油、ラノ
リン、スクラレン等の天然動物油脂類、流動パラフィ
ン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、スク
ワラン等の炭化水素類、鯨ロウ、密ロウ、キャンデリラ
ワックス、カルナウバロウ等のワックス類、セタノー
ル、イソセタノール、ステアリルアルコール、イソステ
アリルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソス
テアリン酸等の高級脂肪酸類、イソプロピルミリスチン
酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルイソステ
アリン酸、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメチロール
プロパントリイソステアリル、イソステアリルン酸グリ
セロール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、2エ
チルヘキサン酸グリセリール等のエステル類、その他ジ
エチレングリールモノプロピレンペンタエリスリトール
エーテル、リノール酸エチル、ポリオキシプロピレンブ
チルエーテル等の極性オイルやシリコーン油等が挙げら
れる。
【0023】本発明の化粧料および口紅用組成物には、
本発明の抱水組成物の効果を損なわない範囲で、さらに
各種任意の化粧料成分を配合することができる。例え
ば、D−マンニット、乳糖などの可溶性粉末基材、グリ
セリン、ヒアルロン酸等の保湿剤、ビタミンC、ビタミ
ンE等の薬剤、消炎剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防
腐剤、粘度調整剤、色素類、生薬類、香料成分等が挙げ
られる。本発明の化粧料および口紅用組成物は、種々の
用途に合わせた形状、例えば、クリーム状、乳液状、液
状、固形状、スティック状、ペンシル状等の形状とする
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。本発明はこれにより限定されるものではない。
特に示さない限り配合量は重量部で示す。まず、本発明
者らは本発明にかかる抱水組成物の物性について検討し
た。すなわち、下記の処方によりヒドロキシプロピル化
β−CD(以下、HP−β−CDという)と、水と、抱
水安定化剤よりなる抱水組成物を調整し、該組成物の高
温時における分離安定性を検討した。
【0025】[分離安定性] ○:90℃で8時間保持した後でも水相と油相の分離が
見られない △:80℃で1時間保持した後、水相と乳化相の分離が
一部に見られる ×:80℃で1時間保持した後、水相と油相に分離が見
られる
【0026】
【表1】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 実施例 1 2 3 4 1 2 ────────────────────────────────────マカテ゛ミアナッツ 油脂肪酸コレステリル 70 70 70 70 70 70 イオン交換水 20 20 20 20 20 20 HP−β−CD 0 10 10 10 10 10 グリセリン 0 0 2 0 0 0 ブチレングリコール 0 0 0 2 0 0アルキル 化ホ゜リシロキサンホ゜リエチレン共重合体 0 0 0 0 2 0 アルキルシリル化無水ケイ酸 0 0 0 0 0 2 ──────────────────────────────────── 分離安定性 × △ △ △ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0027】上記結果より明らかなように、比較例1で
は、80℃で1時間保持した場合、水相と油相に分離が
認められ、比較例2〜4においても、80℃で1時間保
持した場合に水相と乳化相に一部で分離が認められる。
一方、実施例1及び2においては、いずれも90℃で8
時間保持した場合であっても水相と油相若しくは乳化相
に分離は認められない。したがって、本発明の抱水組成
物は、高温時の分離安定性の高いものであることが示唆
される。
【0028】さらに本発明者らは、上記実施例1、2及
び比較例1〜3を用いて下記の条件でDSC測定を行っ
た。
【0029】DSC測定の結果を図2及び図3に示す。
図より明らかなように比較例1では、DSC測定の最大
ピークが73.1℃であり、また、HP−β−CDを加
えた比較例2では、最大ピークが83.5℃である。ま
た、比較例1、2とも、最大ピークの後に大きなピーク
は認められない。したがって、比較例1及び2では、5
0〜90℃で水分が蒸発していると考えれられる。
【0030】また、一般に用いられる保湿剤であるグリ
セリンを配合した比較例3では、DSC測定のピーク
は、80℃付近に見られ、ピーク以上の温度においても
なだらかなカーブを描いており、水分が徐々に蒸発して
いることが伺える。これは配合したグリセリンの保湿力
のためと考えられるが、高温時の水分保持としては、安
定性に欠ける。
【0031】一方、実施例1及び2について考察する
と、DSC測定の最大ピークは、106.4℃、94.
7℃と、いずれも90℃以上の観察される。したがっ
て、本発明の抱水安定化剤を加えることにより最大ピー
ク温が90℃以上となり、高温時における水分保持力の
改善された、組成物を得ることができると示唆される。
【0032】さらに、本発明者らは、上記実施例1及び
2の水分蒸発率について検討を行った。結果を図4に示
す。図より明らかなように、実施例1、2の水分蒸発率
を比較すると、実施例1の方が水分蒸発率が低く、時間
が経つにつれ、その差は広がっている。すなわち、アル
キル化ポリシロキサンポリエチレングリコール共重合体
を配合した方が、高温で長時間保持した場合の水分蒸発
率が低くなっていることが明らかとなった。
【0033】次に下記の処方に示すように実施例3と、
実施例3の処方よりHP−β−CDを抜去した比較例5
を作成し、実施例3及び比較例5をプレパラート上にと
り、顕微鏡による観察を行った。また上記と同一の条件
によりDSC測定を行った。なお、実施例3及び比較例
5においては、粘度調整のためにスクワランを配合して
いる。顕微鏡観察により得た顕微鏡写真を図5に、結果
を処方と共に表2に示す。また、DSC測定の結果を図
6に示す。
【0034】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例3 比較例5 ────────────────────────────────────マカテ゛ミアナッツ 油脂肪酸コレステリル 70 70 イオン交換水 20 20 HP−β−CD 10 0アルキル 化ホ゜リシロキサンホ゜リエチレン共重合体 2 2 スクワラン(粘度調整) 20 20 ──────────────────────────────────── 乳化粒子の粒径(μm) 1〜3 なし 組成物の形態 均一なクリーム状 不均一(二層分離) ────────────────────────────────────
【0035】上記結果と顕微鏡写真より明らかなよう
に、HP−β−CDを配合した実施例3では、形態が均
一なクリーム状で粒径が1〜3μmの乳粒子が存在し、
乳化が安定に行われていると思われる。一方、HP−β
−CDを抜去した比較例5では乳化粒子は存在せず、組
成物は、水相と油相に分離し、乳化を安定に行うことは
できない。
【0036】次に、図6のDSC測定の結果を比較する
と、実施例3と比較例5の間には、水分蒸発温度に著し
い差のあることがわかる。すなわち、HP−β−CDを
抜去した比較例5では、水分蒸発温度のピークが70〜
100℃で観察されるが、HP−β−CDを配合した実
施例3においては、100〜130℃度の範囲において
水分蒸発温度のピークが観察される。これより本発明が
90℃以上の過酷条件下においても高い水分保持力を有
することが示唆された。
【0037】さらに、本発明者らはHACDの配合の効
果について検討を行った。なお、HE−β−CDは、ヒ
ドロキシエチル化β−CD、HB−β−CDは、ヒドロ
キシブチル化β−CDを示す。
【表3】 ──────────────────────────────────── 比較例6 実施例4 実施例5 実施例6 ────────────────────────────────────マカテ゛ミアナッツ 油脂肪酸コレステリル 70 70 70 70 イオン交換水 20 20 20 20 HE−β−CD − 10 − − HP−β−CD − − 10 − HB−β−CD − − − 10アルキル 化ホ゜リシロキサンホ゜リエチレン共重合体 2 2 2 2 ──────────────────────────────────── 乳化粒子の粒径(μm) なし 1−3 1−3 1−3 組成物の形態 分離 クリーム状 クリーム状 クリーム状 ────────────────────────────────────
【0038】上記結果より明らかなように、HACDを
配合していない比較例6では乳化粒子を形成することは
できず、水相と油相に分離してしまった。一方、HAC
Dを配合した実施例4〜6は、乳化粒子径が1−3μm
と小さく球形をとり、しかもクリーム状の優れた抱水組
成物を得ることができた。
【0039】さらに本発明者らは、製品形成時における
抱水性を評価するため、実施例1を配合した口紅(実施
例7)および実施例1と同量のHP−β−CD、水、マ
カデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、アルキル化ポリ
シロキサンポリエチレン共重合体を直接配合した口紅
(比較例7)を調整し、これらを用いて外観観察(色材
の凝集)、角質水分量の変化、水分透過量を比較した。
各口紅は下記の方法に従い、調整した。各口紅の組成は
外観観察の結果と共に、表4に示す。
【0040】(製法1;実施例7)あらかじめ抱水組成
物を調整する(実施例1参照)。口紅基剤を80℃にて
溶融しそこへ抱水組成物を添加する。デスパー撹拌にて
10分間撹拌後、得られた組成物を90℃にて5分間保
持した。 (製法2;比較例7)口紅基剤を80℃にて溶融し、そ
こへマカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、アルキル
化ポリシロキサンポリエチレン共重合体を添加し溶解さ
せた後、HP−β−CDを水に溶解させたものを油相に
添加し、デスパー撹拌にて10分間撹拌する。得られた
組成物を90℃にて5分間保持した。
【0041】
【表4】 ──────────────────────────────────── 比較例7 実施例7 ──────────────────────────────────── A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5 0.5 キャンデリラロウ 5.0 5.0 セレシン 10.0 10.0 スクワラン 11.0 11.0 流動パラフィン 30.0 30.0 グリセリンイソステアレート 14.8 14.8 グリセリンジイソステアレート 8.3 8.3 B.抱水組成物 実施例1の組成物 − 20.4 HP−β−CD 2.0 − マカテ゛ミアナッツ油脂肪酸コレステリル 14.0 − アルキル化ホ゜リシロキサンホ゜リエチレン共重合体 0.4 − イオン交換水 4.0 − ──────────────────────────────────── 外観観察; 油相と乳化相が 乳化粒子が均一 分離し、不均一 に分散 ────────────────────────────────────
【0042】上記結果より明らかなように、比較例6に
示すように、抱水組成物の各成分を別個に配合すると、
油相と乳化相が分離して、不均一なものとなり、分離安
定性にかけるものであった。これは、各成分を別々に添
加した場合、水が本発明で抱水安定化剤として用いるア
ルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合体に吸着さ
れ、シリコンは炭化水素系油分に対して相溶性が悪いの
で、シリコン活性剤の乳化相と、炭化水素系の油相に分
離してしまったのではないかと考えられる。
【0043】一方、本発明の抱水組成物を含む実施例4
においては、抱水組成物が均一に分散している。これ
は、実施例4で示したように、乳化粒子が非常に小さ
く、分散性が高いためと考えられる。したがって、本発
明の抱水組成物は、分離安定性が高く、水相を油相中に
良好に保持することを可能とするものである。
【0044】さらに、本発明のより具体的な実施例を示
す。なお、各実施例とも角質水分量のコンダクタンス比
は大きく、抱水性に優れ、また皮膚への刺激の懸念がな
く、保存安定性に優れている。
【0045】配合例1 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HP−β−CD 1.0 コレステロールエステル(イソステアリン酸) 3.5 アルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合体 0.2 グリセリン 0.5 精製水 1.0 C.その他の基剤 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量
【0046】(製法)60℃のコレステロールエステル
に抱水安定化剤としてアルキル化ポリシロキサンポリエ
チレン共重合体を分散させ、そこへHP−β−CDを精
製水0.5%に溶融させたものを添加し、デスパー撹拌
にて10分間撹拌し、次に残りの精製水1.5%とグリ
セリンを入れてホモミキサーにて10分間撹拌し抱水組
成物を製造する。口紅基剤を80℃にて溶融し、そこへ
抱水組成物を添加する。デスパー撹拌にて10分間撹拌
後に、色材、香料、防腐剤を入れて分散撹拌し、その
後、成型し、口紅を得る。
【0047】配合例2 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HP−β−CD 1.0 コレステロールエステル(オレイン酸) 3.5 アルキルシリル化無水ケイ酸 0.2 グリセリン 0.5 精製水 2.0 C.その他の基剤 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量 (製法)配合例1と同様にして口紅を得る。
【0048】配合例3 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HP−β−CD 1.0 コレステロールエステル(ステアリン酸) 3.5 グリセロール変性シリコン樹脂被覆粉末 0.2 グリセリン 0.5 精製水 2.0 C.その他の基剤 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量 (製法)配合例1と同様にして口紅を得る。
【0049】配合例4 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HP−β−CD 1.0 コレステロールエステル(オレイン酸) 3.5 アルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合体 0.2 グリセリン 0.5 精製水 1.5 C.その他の基剤 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量 (製法)配合例1と同様にして口紅を得る。
【0050】配合例5 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HE−β−CD 1.0 コレステロールエステル(オレイン酸) 3.5 デキストリン脂肪酸エステル 0.2 グリセリン 0.5 精製水 1.5 C.その他の基剤 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量 (製法)配合例1と同様にして口紅を得る。
【0051】配合例6 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HB−β−CD 1.0 マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 3.5 アルキルシリル化無水ケイ酸 0.2 グリセリン 0.5 精製水 1.5 C.その他の基剤 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量 (製法)配合例1と同様にして口紅を得る。
【0052】配合例7 口紅 A.口紅基剤 カルナバロウ 0.5重量部 キャンデリラロウ 5.0 セレシン 10.0 スクワラン 30.0 グリセリントリイソステアレート 10.0 グリセリンジイソステアレート 20.0 B.抱水組成物 HP−β−CD 1.0 コレステロールエステル(オレイン酸) 3.5 スクワラン 2.0 アルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合体 0.2 グリセリン 0.5 精製水 1.5 C.その他の基剤 0.5 色材 適 量 香料 適 量 防腐剤 適 量
【0053】(製法)60℃のコレステロールエステル
に粘度調整のためスクワランを配合した後、抱水安定化
剤としてアルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合
体を分散させ、そこへHP−β−CDを水0.5%に溶
融させたものを添加し、デスパー撹拌にて10分間撹拌
し、次に残りの精製水1.5%とグリセリンを入れてホ
モミキサーにて10分間撹拌し、抱水組成物を製造す
る。口紅基剤を80℃にて溶融し、そこへ抱水組成物を
添加する。デスパー撹拌にて10分間撹拌後、色材、香
料、防腐剤を入れて、分散撹拌し、その後、成型して口
紅を得る。
【0054】配合例8 クリーム A.油相 マイクロクリスタリンワックス 8.0重量部 固形パラフィン 2.0 ミツロウ 3.0 ワセリン 6.0 還元ラノリン 5.0 スクワラン 30.0 ヘキサデシルアジピン酸エステル 8.0 モノオレイン酸グリセリン 3.5 POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0 B.その他の基剤 防腐剤 適 量 酸化防止剤 適 量 香料 適 量 C.水相 精製水 15.0 プロピレングリコール 5.0 D.抱水組成物 HP−β−CD 1.0 マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 3.5 スクワラン 2.0 アルキル化ポリシロキサンポリエチレン共重合体 0.2 グリセリン 1.5 精製水 1.5
【0055】(製法)60℃に加温したマカデミアナッ
ツ油脂肪酸コレステリルに粘度調整のためにスクワラン
を配合した後、抱水安定化剤としてアルキル化ポリシロ
キサンポリエチレン共重合体を分散させ、そこへHP−
β−CDを精製水0.5%に溶融させたものを添加し、
デスパー撹拌にて10分間撹拌し、次に残りの精製水
1.5%とグリセリンを入れてホモミキサーにて10分
間撹拌し抱水組成物を製造する。油相を加熱溶解後、防
腐剤、酸化防止剤、香料を加え70℃に調整する。精製
水にプロピレングリコールを加え70℃に調整する(水
相)。先に調整した油相に水相を徐々に添加しホモミキ
サー撹拌にて10分間撹拌して乳化させた後、上記方法
により製造した抱水組成物を添加し、ホモミキサーにて
さらに10分間撹拌後、脱気、冷却を行いクリームを得
る。
【0056】
【発明の効果】本発明の抱水組成物は、HACDと、水
と、抱水安定化剤よりなり、高温および経時においても
抱水性が高く、安定性の高い組成物である。また、該抱
水組成物を化粧料および口紅用組成物を配合すると、製
品は高い水分保持力を示し、潤い持続性に優れ、保湿効
果が高く、安定性に優れた化粧料および口紅用組成物を
得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】HACDとコレステロールエステルと水の配合
量比を示す相図である。
【図2】比較例1、2、3のDSC測定のスペクトル図
である。
【図3】実施例1、2のDSC測定のスペクトル図であ
る。
【図4】実施例1、2の水分蒸発率の比較図である。
【図5】実施例3および比較例5の抱水性を示す顕微鏡
写真である。
【図6】実施例3と比較例5のDSC測定のスペクトル
図である。
フロントページの続き (72)発明者 冨田 希子 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 松本 俊 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 松田 伯 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキス
    トリンと、(b)水と、(c)アルキル化ポリシロキサ
    ンポリエチレングリコール共重合体、アルキルシリル化
    無水ケイ酸、アルキル変性シリコン樹脂被覆粉末、グリ
    セロール変性シリコン樹脂被覆粉末、デキストリン脂肪
    酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上の
    抱水安定化剤とを含んでなることを特徴とする抱水組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の抱水組成物において、さら
    に(d)抱水性油分を含んでなることを特徴とする抱水
    組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の抱水組成物において、
    (a)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンを抱水
    組成物全量中の5〜30重量%、(b)水を抱水組成物
    全量中の5〜60重量%、(d)抱水性油分を抱水組成
    物全量中の5〜80重量%含有することを特徴とする抱
    水組成物。
  4. 【請求項4】請求項2記載の抱水組成物において、
    (a)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンと、
    (b)水と、(d)抱水性油分の含量比が図1に示す相
    図の斜線で示される範囲内に存することを特徴とする抱
    水組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の抱水組成
    物において、(c)抱水安定化剤を抱水組成物全量中の
    0.01〜20重量%含有することを特徴とする抱水組
    成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜6のいずれかに記載の抱水組成
    物において、(c)抱水安定化剤が、アルキル化ポリシ
    ロキサンポリエチレングリコール共重合体であることを
    特徴とする抱水組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の抱水組成
    物を含有することを特徴とする化粧料。
  8. 【請求項8】請求項7記載の化粧料において、乳化型が
    油中水型であることを特徴とする乳化化粧料。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の化粧料において、請
    求項1〜5のいずれかに記載の抱水組成物の配合量が、
    化粧料全量中0.5〜30重量%であることを特徴とす
    る化粧料。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のいずれかに記載の抱水組
    成物を含有することを特徴とする口紅用組成物。
  11. 【請求項11】請求項10記載の口紅用組成物におい
    て、乳化型が油中水型であることを特徴とする口紅用組
    成物。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載の口紅用組成物
    において、請求項1〜5のいずれかに記載される抱水組
    成物の配合量が、口紅用組成物全量中0.5〜25重量
    %含有することを特徴とする口紅用組成物。
  13. 【請求項13】(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキ
    ストリンと、(b)水と、(c)アルキル化ポリシロキ
    サンポリエチレングリコール共重合体、アルキルシリル
    化無水ケイ酸、アルキル変性シリコン樹脂被覆粉末、グ
    リセロール変性シリコン樹脂被覆粉末、デキストリン脂
    肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上
    の抱水安定化剤と、(d)抱水性油分とを撹拌混合して
    得ることを特徴とする抱水組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の抱水組成物の製造
    方法において、(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキ
    ストリンを5〜30重量%、(b)水を5〜60重量
    %、(d)抱水性油分を5〜80重量%配合することを
    特徴とする抱水組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の抱水組成物の製造方
    法において、(a)ヒドロキシアルキル化シクロデキス
    トリンと、(b)水と、(d)抱水性油分の量比が図1
    に示す相図の斜線で示す範囲内に含まれることを特徴と
    する抱水組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13〜15のいずれかに記載の
    抱水組成物の製造方法において、(c)抱水安定化剤を
    組成物全量中の0.01〜20重量%配合することを特
    徴とする抱水組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項13〜16のいずれかに記載の
    抱水組成物の製造方法において、(c)抱水安定化剤が
    アルキル化ポリシロキサンポリエチレングリコール共重
    合体であることを特徴とする抱水組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項13〜17のいずれかに記載の
    抱水組成物の製造方法により、抱水組成物を調整し、 これを他の成分と撹拌混合することにより得ることを特
    徴とする化粧料の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の化粧料の製造方法に
    おいて、請求項13〜17のいずれかに記載の抱水組成
    物の製造方法により、製造された抱水組成物を化粧料全
    量中の0.5〜30重量%配合することを特徴とする化
    粧料の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項13〜17のいずれかに記載の
    抱水組成物の製造方法により抱水組成物を調整し、 これを他の成分と撹拌混合することにより得ることを特
    徴とする口紅用組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の口紅用組成物の製造
    方法において、請求項13〜17のいずれかに記載の抱
    水組成物の製造方法により、製造された抱水組成物を口
    紅用組成物全量中の0.5〜25重量%配合することを
    特徴とする口紅用組成物の製造方法。
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