JPH09150058A - エチレンオキシド製造用触媒 - Google Patents

エチレンオキシド製造用触媒

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JPH09150058A
JPH09150058A JP8246062A JP24606296A JPH09150058A JP H09150058 A JPH09150058 A JP H09150058A JP 8246062 A JP8246062 A JP 8246062A JP 24606296 A JP24606296 A JP 24606296A JP H09150058 A JPH09150058 A JP H09150058A
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silver
catalyst
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具敦 岩倉
Takako Imamoto
孝子 今元
Katsumi Nakadai
克己 仲代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたエチレンオキシド製造用触媒を提供す
る。 【解決手段】 多孔性担体にリチウム化合物とセシウム
化合物を含有する溶液で前処理し、次いで、銀化合物及
びセシウム化合物を含有する溶液を含浸させ、加熱処理
してなることを特徴とするエチレンを酸化してエチレン
オキシドを製造するための触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンを分子状
酸素により気相接触酸化してエチレンオキシドを製造す
るための改良された銀触媒及びその製造方法に関する。
エチレンオキシドは活性水素化合物に付加重合させて非
イオン系界面活性剤の製造に向けられるほか、水を付加
させてエチレングリコールとなし、ポリエステルやポリ
ウレタン系高分子の原料、エンジン用不凍液などに使用
される。
【0002】
【従来の技術】エチレンを分子状酸素により気相接触酸
化して工業的にエチレンオキシドを製造する際に使用さ
れる触媒は銀触媒である。エチレンオキシドを効率よく
生産するために、この銀触媒の改良の要請が強く、より
高選択性、長寿命の触媒の出現が望まれている。このた
め、従来から種々の方法が提案されているが、主活性成
分である銀と反応促進剤であるアルカリ金属等との組合
せ、その配合比の最適化、これらを担持する担体の改良
等がその主なものである。
【0003】例えば、特開昭49−30286号公報に
は、多孔性の担体に特定量のカリウム、ルビジウム及び
/又はセシウムを銀と同時に堆積せしめた触媒により高
い選択性が得られると述べられている。特開昭53−1
191号公報には、銀及び特定量のナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム又はセシウムを含有する触媒により活性
及び選択性が改良されると述べられている。また、特公
昭60−1054号公報においてナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、及びセシウムの2種以上のアルカリ金
属の組合わせによる効果が述べられている。
【0004】更に、反応促進剤であるアルカリ金属のう
ちで、セシウムとリチウムの併用も知られており、特公
昭62−35813号公報や特開昭55−127144
号公報などに、セシウム成分とリチウム成分を銀と同時
に含浸させてなる触媒が示されている。また、特開平4
−317741号公報には、特定物性の多孔性担体にア
ルカリ金属類を含浸させる場合は、銀と同時含浸する方
法か、特にセシウム成分については担体に銀を担持させ
後に含浸させる方法が触媒性能を向上させる方法として
好ましいと述べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、エチレ
ンオキシド製造用触媒については、反応促進剤がアルカ
リ金属である場合に限ってもいろいろな提案がなされて
いるが、未だ十分に満足すべきレベルに達しているとは
言えず、触媒性能改善のための努力が、継続して行われ
ている状況にある。本発明の目的は、従来の触媒に比較
してより高い選択率と優れた活性を合わせ持ち、且つ長
寿命のエチレンオキシド製造用触媒を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、リチウムとセ
シウムによる前処理を施した多孔性担体に銀とセシウム
を担持した触媒を用いることによりエチレンオキシドに
ついて高い選択率が得られることを見出し、本発明を完
成した。即ち、本発明は、多孔性担体にリチウム化合物
とセシウム化合物を前処理し、次いで、銀化合物及びセ
シウム化合物を含浸させ加熱処理してなることを特徴と
するエチレンを酸化してエチレンオキシドを製造するた
めの触媒に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の触媒について詳細
に説明する。 (多孔性担体)本発明の触媒は多孔性担体に触媒主成分
として銀を担持させた触媒である。多孔性担体として
は、アルミナ、炭化珪素、チタニア、ジルコニア、マグ
ネシア等の多孔性耐火物が挙げられるが、主成分がα−
アルミナであるものが特に好適である。また、多孔性担
体には通常10%程度を上限としてシリカ成分を含有さ
せたものであってもよい。
【0008】本発明においては多孔性担体の諸物性がそ
の触媒活性に大きな影響を与える場合がある。多孔性担
体の表面積は、通常0.1〜10m2/g、好ましくは
0.6〜5m2/g、更に好ましくは0.8〜2m2/gで
あるものが望ましい。また、かかる表面積を保持して触
媒成分の含浸操作を容易にするという点で、担体の吸水
率が好ましくは20〜50%、更に好ましくは25〜4
5%であるものが望ましい。
【0009】(触媒組成)本発明の触媒は、全触媒重量
に対して、銀を、好ましくは5〜30重量%、更に好ま
しくは8〜20重量%含有する。また、本発明の触媒
は、銀以外にリチウムとセシウムを必須成分とする。か
かる成分の触媒中での含有量は、全触媒重量に対して、
好ましくは、リチウムが100〜2000ppm及びセ
シウム250〜2000ppmであり、更に好ましく
は、リチウムが200〜1000ppm及びセシウム3
00〜1600ppmである。かかる範囲以外では公知
の銀触媒以上の充分な触媒としての効果が得られにく
い。また、セシウムとリチウムの含有割合としては、そ
の重量比(Li/Cs)が、好ましくは0.05〜8、
更に好ましくは0.1〜4である。
【0010】更に、本発明の触媒は、リチウムとセシウ
ム以外のアルカリ金属成分の含有を排除するものではな
く、本発明の触媒の特徴を損なわない範囲において、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を金属原
子として通常10〜10000ppm程度含有していて
もよい。
【0011】また、本発明の触媒の特徴を損なわない範
囲において、助触媒成分として作用しうるその他成分も
通常10〜10000ppm程度含有させてもよく、ベ
リリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マ
グネシウム等のアルカリ土類金属、銅、金等の11族金
属、亜鉛、カドミウム、水銀等の12族元素、ホウ素、
ガリウム、インジウム、タリウム等の13族元素、ゲル
マニウム、スズ、鉛等の14族元素、リン、砒素、アン
チモン、ビスマス等の15族元素、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム等の4族元素、珪素、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル等の5族元素、クロム、モリブデン、タン
グステン等の6族金属、レニウム等の7族金属、スカン
ジウムイットリウム、サマリウム、セリウム、ランタ
ン、ネオジウム、プラセオジウム、ユーロピウム等の希
土類金属などが例示される。以上の任意成分は、後述の
触媒調製における前処理工程及び本処理工程のいずれに
おいて担体に担持させてもよいが、好ましくは、本処理
工程で銀成分と同時含浸する方法が採用される。
【0012】(触媒の調製、前処理工程)本発明の触媒
は、多孔性担体にリチウム化合物とセシウム化合物を含
有する溶液で前処理し、次いで、銀化合物及びセシウム
化合物を含有する溶液を含浸させ、加熱処理して調製さ
れるものであるが、以下、初めの多孔性担体にリチウム
化合物を含有する溶液で前処理する工程を「前処理工
程」、また、前処理後の銀化合物及びセシウム化合物を
含浸させ、加熱処理する工程を「本処理工程」と、各々
定義することで説明する。
【0013】本発明の前処理とは、多孔性担体にリチウ
ム及びセシウムを沈着させる処理であり、多孔性担体に
リチウム化合物とセシウム化合物を含有する溶液を含浸
させ、これを乾燥処理することをいう。含浸させる方法
としては、リチウム化合物とセシウム化合物を含有する
溶液中に多孔性担体を浸漬する方法または多孔性担体に
リチウム化合物とセシウム化合物の含有溶液を噴霧する
方法が挙げられる。なお、該処理は、リチウム化合物と
セシウム化合物の両方を含有する溶液で行ってもよい
し、リチウム化合物含有溶液での処理とセシウム化合物
含有溶液の処理を別々に行ってもよい。乾燥処理として
は、含浸処理後、多孔性担体と余剰のリチウム化合物と
セシウム化合物の含有溶液を分離後、減圧乾燥、あるい
は加熱処理による乾燥等が挙げられる。該加熱処理とし
ては、好ましくは100〜300℃、更に好ましくは1
30〜200℃での空気、窒素等の不活性ガス、過熱水
蒸気を利用する方法が好ましい。特に好ましいのは過熱
水蒸気を利用する方法である。
【0014】本発明の前処理工程で使用されるリチウム
化合物は特に制限はないが、本処理工程で、一旦担体に
担持させたリチウム成分の再溶出の起こりにくいという
観点から、水への溶解度が比較的低いものが望ましく、
炭酸リチウム、重炭酸リチウムあるいは、シュウ酸リチ
ウム、酢酸リチウム等のカルボン酸のリチウム塩が好ま
しく、炭酸リチウム又は重炭酸リチウムが特に好まし
い。また、溶媒としては、使用するリチウム化合物に対
して、不活性で、溶解性が高ければ、特に限定なく使用
でき、低沸点の有機溶媒、水等が挙げられる。
【0015】また、本発明で使用されるセシウム化合物
の種類は特に限定はなく、セシウムの硝酸塩、水酸化
物、ハロゲン化物、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩等
が例示される。なお、この場合に使用するリチウム化合
物と同一のアニオン塩を使用することが取り扱い上、好
ましく、例えば、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩等が
好ましい。
【0016】この場合、担体に含浸させる全セシウム量
の好ましくは5〜95%、更に好ましくは10〜80%
を、リチウム化合物と同時に前処理工程で含浸加熱処理
を行い、担体にリチウムとともにセシウムも沈着担持さ
せる。従って、この前処理工程で担体に担持されるセシ
ウムの含有量は、好ましくは50〜1800ppm、更
に好ましくは75〜1375ppmである。なお、前処
理工程でのセシウムの担持量が多すぎると、後述する本
処理工程でのセシウム担持量を少なくすることになり、
選択性が低下するので、あまり好ましくない。本発明の
方法を採用することで、本処理工程のみで全セシウムを
含浸させる方法と比較して、より高い選択性を有する触
媒を得ることができる。
【0017】(触媒の調製、本処理工程)本処理工程
は、前記の前処理工程でリチウムとセシウムを担持させ
た多孔性担体に、銀化合物及びセシウム化合物を含有す
る溶液を含浸させ加熱処理させる工程である。
【0018】本処理工程で、銀を担体に沈着担持させる
ために有利に使用される銀化合物としては、例えばアミ
ン化合物と溶媒中で可溶な錯体を形成し、そして500
℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは26
0℃以下の温度で分解して銀を析出するものがある。そ
の例としては、酸化銀、硝酸銀、炭酸銀、あるいは、酢
酸銀、シュウ酸銀などの各種カルボン酸銀を挙げること
ができるが、シュウ酸銀が特に好ましい。錯体形成剤と
してのアミン化合物は、上記銀化合物を溶媒中で可溶化
し得るものが用いられる。かかるアミン化合物として
は、例えばピリジン、アセトニトリル、アンモニア、1
〜6個の炭素を有するアミン類などが挙げられる。中で
もアンモニア、ピリジン、ブチルアミンなどのモノアミ
ン、エタノールアミンなどのアルカノールアミン、エチ
レンジアミン、1,3−プロパンジアミンの如きポリア
ミンが好ましい。特にエチレンジアミン及び/又は1,
3−プロパンジアミンの使用、特にその混合使用が最適
である。
【0019】銀化合物の含浸方法としては、銀化合物を
アミン化合物との水溶液の形として用いることが最も現
実的であるが、アルコールなどを加えた水溶液としても
用い得る。最終的には触媒成分として5〜30重量%の
銀が担持されるように含浸液中の銀濃度は決定される。
また、含浸の後、要すれば減圧、加熱、スプレー吹き付
けなどを併せて行うこともできる。アミンは銀化合物を
錯化するに必要な量(通常アミノ基2個が銀1原子に対
応する)で加えられる。この場合アミン化合物は、上記
必要量より5〜30%過剰に加えるのが、反応性の面か
ら好ましい。
【0020】本処理工程で使用されるセシウム化合物
は、前記の前処理工程の説明で掲げたものを使用すれば
よい。セシウム化合物は銀化合物水溶液中に溶解し、銀
と同時に担体上に担持すればよい。この本処理工程で担
体に担持されるセシウムの含有量は好ましくは200〜
2000ppm、更に好ましくは225〜1525pp
mである。本処理工程でのセシウムの担持量が少なけれ
ば、選択性が低下し、逆に多すぎる(即ち全セシウム量
が多くなる)と活性、選択性が低下する。なお、本発明
ではリチウム化合物を前処理工程で含浸させることを特
徴の一つとしているが、本処理工程でリチウム化合物の
一部を含浸させることを排除するものではない。
【0021】含浸後の加熱処理は、銀が担体上に析出す
るのに必要な温度と時間を測定して実施する。担体上に
銀ができるだけ均一に、微細な粒子で存在するように析
出する条件を選ぶことが最も好ましい。一般的に加熱処
理は、高温、長時間となるほど、析出した銀粒子の凝集
を促進するので好ましくない。好ましい加熱処理は、1
30℃〜300℃で、加熱した空気(又は窒素などの不
活性ガス)又は、過熱水蒸気を使用して、5分から30
分の短時間行われる。好ましい上記熱処理は、触媒調製
工程の時間短縮という観点からも望ましく、他に過熱水
蒸気を使用すると、担体上の銀の分布が均一になり触媒
性能も向上するので特に好ましい。
【0022】(反応方法)本発明の触媒を用いてエチレ
ンをエチレンオキシドに転換する反応は、慣用操作で実
施できる。反応圧力は通常0.1〜3.6MPa(0〜
35kg/cm2G)であり、反応温度は通常180〜
350℃、好ましくは200〜300℃である。反応原
料ガスの組成は、一般に、エチレンが1〜40容量%、
分子状酸素が1〜20容量%の混合ガスが用いられ、ま
た、一般に希釈剤、例えばメタンや窒素等の不活性ガス
を一定割合、例えば1〜70容量%で存在させることが
できる。分子状酸素含有ガスとしては、通常、空気ある
いは工業用酸素が用いられる。更に、反応改変剤とし
て、例えばハロゲン化炭化水素を0.1〜50ppm程
度、反応原料ガスに加えることにより触媒中のホットス
ポットの形成を防止でき、且つ触媒の性能、殊に触媒選
択性を大幅に改善させることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。なお、実施例等に用いた担体の物性を以下の
表−1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1 (1)担体の前処理 α−アルミナ担体A(表面積1.04m2/g、吸水率3
2.3%、平均細孔径1.4μm、シリカ3%、8φ×
3φ×8mmのリング状)50gを炭酸リチウム(Li
2CO3)0.94gと炭酸セシウム(Cs2CO3)0.0
87gが溶解した水溶液100mlに浸漬させ、余分な
液を切り、次いで、これを150℃の過熱水蒸気にて1
5分間、2m/秒の流速で加熱し、リチウムとセシウム
成分を含浸させた担体を調製した。
【0026】(2)シュウ酸銀の調製 硝酸銀(AgNO3 )228gとシュウ酸カリウム(K
224・H2O)135gを各々1リットルの水に溶解
した後、水溶液中で60℃に加温しながら徐々に混合
し、シュウ酸銀の白色沈殿を得た。濾過後、蒸留水によ
り沈殿を洗浄した。
【0027】(3)銀アミン錯体溶液の調製 (2)で得たシュウ酸銀(AgC24、含水率19.4
7%)の一部(12.3g)を、エチレンジアミン3.
42g、プロパンジアミン0.94g、及び水4.54
gよりなるアミン混合水溶液に徐々に添加して溶解さ
せ、銀アミン錯体溶液を調製した。この銀アミン錯体溶
液に、攪拌しながら塩化セシウム(CsCl)1.14
重量%と硝酸セシウム(CsNO3)1.98重量%を含
有する混合水溶液1mlを添加した。該混合液に、更
に、水酸化バリウム八水和物(Ba(OH)2 ・8H2
O)の0.66重量%水溶液1mlを添加した。
【0028】(4)銀触媒の調製 (1)で調製したリチウムとセシウムが含浸されたα−
アルミナ担体50gを、(3)で得たセシウム及びバリ
ウムを含有するこの銀アミン錯体溶液に、エバポレータ
ー中で減圧下、40℃の加温中で含浸した。この含浸担
体を200℃の過熱水蒸気にて15分間、2m/秒の流
速で加熱し、触媒を得た。該触媒における銀(Ag)、
セシウム(Cs)、リチウム(Li)及びバリウム(B
a)の担持率は12%、595ppm、500ppm、
50ppmであった。
【0029】(5)エチレンの酸化反応 上記方法で調製した触媒を、6〜10メッシュに砕き、
その3mlを内径7.5mmのSUS製反応管に充填
し、反応ガス(エチレン30%、酸素8.5%、塩化ビ
ニル1.5ppm、二酸化炭素6.0%、残り窒素)
を、GHSV4300hr-1、圧力0.8MPa(7k
g/cm2G)で流し、反応を行った。反応を開始して
1週間経過後の、酸素転化率が40%になるときの反応
温度T40(℃)と酸素転化率が40%となるときのエチ
レン基準の酸化エチレンの選択率S40(%)を表−2に
示す。
【0030】実施例2 リチウムの担持量が300ppmとなるように前処理工
程での炭酸リチウムの含浸量を変更した以外は実施例1
と同様の方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を
表−2に示す。
【0031】実施例3 リチウムの担持量が700ppmとなるように前処理工
程での炭酸リチウムの含浸量を変更した以外は実施例1
と同様の方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を
表−2に示す。
【0032】実施例4、5 前処理工程と本処理工程で担持させるセシウムの量を表
−2に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法
で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表−2に示
す。
【0033】比較例1、2 担体にリチウムを担持せず、かつ、前処理工程ではセシ
ウムを担持させず、本処理工程で担持させるセシウムの
量を表−2に示すように変更した以外は実施例1と同様
の方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表−2
に示す。
【0034】比較例3 前処理工程と本処理工程で担持させるセシウムの量を表
−2に示すように変更した以外は比較例1と同様の方法
で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表−2に示
す。
【0035】比較例4 リチウムの担持量が500ppmとなるように本処理工
程で硝酸リチウムを含浸させた以外は比較例1と同様の
方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表−2に
示す。なお、硝酸リチウムの代わりに炭酸リチウムの使
用を試みたが、銀アミン錯体溶液中への炭酸リチウムの
溶解度が低く、リチウムを500ppm相当担持させる
ことができなかった。
【0036】比較例5 リチウム原子の担持量が500ppmとなるように本処
理工程で硝酸リチウムを含浸させた以外は比較例3と同
様の方法で触媒を調製し反応を行った。反応結果を表−
2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例6〜16 担体の種類、セシウムの担持段階と担持量を表−3に示
すように変更した以外は実施例1と同様の方法で触媒を
調製し反応を行った。反応結果を表−3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】実施例17 セシウムの担持段階と担持量を表−4に示すように変更
し、かつ、銀アミン錯体溶液中に、更に過レニウム酸ア
ンモニウムを添加した以外は実施例1と同様の方法で触
媒を調製し反応を行った。該触媒における銀(Ag)、
セシウム(Cs)、リチウム(Li)及びレニウム(R
e)の担持率は12%、870ppm、500ppm、
370ppmであった.反応結果を表−4に示す。本実
施例の触媒ではレニウム成分添加の影響で反応温度がT
40が高くなっているが、選択率(S40)の顕著な向上が
認められる。
【0041】実施例18 担体Aの代わりに担体Iを用い、本処理工程で用いる銀
アミン錯体溶液中に、所定量の硝酸セシウム(CsNO
3)、タングステン酸リチウム(Li2WO4)及び硝酸リ
チウム(LiNO3)を添加した以外は、実施例1と同
様の方法で調製し、反応を行った。Ag、Cs、W及び
Liの担持率は、20%、937ppm、468pp
m、667ppmであった。反応結果を表−4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明の触媒を用いることにより、従来
の触媒と比較して温和な条件下で高い選択率でエチレン
オキシドを製造することができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性担体にリチウム化合物とセシウム
    化合物を含有する溶液で前処理し、次いで、銀化合物及
    びセシウム化合物を含有する溶液を含浸させ、加熱処理
    してなることを特徴とするエチレンを酸化してエチレン
    オキシドを製造するための触媒。
  2. 【請求項2】 銀を5〜30重量%含有することを特徴
    とする請求項1の触媒。
  3. 【請求項3】 リチウムを100〜2000ppm及び
    セシウム250〜2000ppm含有することを特徴と
    する請求項1又は2の触媒。
  4. 【請求項4】 セシウムとリチウムの重量比(Li/C
    s)が0.1〜4であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかの触媒。
  5. 【請求項5】 多孔性担体に含浸させる全セシウムの1
    0〜80%をリチウム化合物と同時に含浸させることを
    特徴とする請求項1ないし4の触媒。
  6. 【請求項6】 多孔性担体の表面積が0.6〜5m2/g
    であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの
    触媒。
  7. 【請求項7】 多孔性担体の主成分がα−アルミナであ
    ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの触
    媒。
  8. 【請求項8】 リチウム化合物が炭酸リチウム又は重炭
    酸リチウムであることを特徴とする請求項1ないし7の
    いずれかの触媒。
  9. 【請求項9】 リチウム化合物がカルボン酸のリチウム
    塩であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか
    の触媒。
  10. 【請求項10】 前処理がリチウム化合物を含有する溶
    液を含浸後、加熱処理することを特徴とする請求項1な
    いし9のいずれかの触媒。
  11. 【請求項11】 前処理の加熱処理の際に過熱水蒸気を
    用いることを特徴とする請求項10の触媒。
  12. 【請求項12】 銀化合物、セシウム化合物及び錯体形
    成剤としてのアミン化合物を含有する溶液を用いて、銀
    化合物及びセシウム化合物を含浸させることを特徴とす
    る請求項1ないし11のいずれかの触媒。
  13. 【請求項13】 銀化合物及びセシウム化合物を含浸さ
    せ加熱処理する際に過熱水蒸気を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし12のいずれかの触媒。
  14. 【請求項14】 エチレンを、請求項1ないし13のい
    ずれかの触媒の存在下、分子状酸素により気相接触酸化
    することを特徴とするエチレンオキシドの製造方法。
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