JPH07272914A - 焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents
焼結磁石およびその製造方法Info
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- JPH07272914A JPH07272914A JP6087861A JP8786194A JPH07272914A JP H07272914 A JPH07272914 A JP H07272914A JP 6087861 A JP6087861 A JP 6087861A JP 8786194 A JP8786194 A JP 8786194A JP H07272914 A JPH07272914 A JP H07272914A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 保磁力が高く、残留磁束密度も高いR−T−
B系焼結磁石(Rは、希土類元素、Tは、Fe、または
FeおよびCo)を提供する。また、このようなR−T
−B系焼結磁石を製造する際に、焼結時の寸法変化を抑
えることにより焼結後の研削加工を不要として、安価な
薄肉磁石を提供する。 【構成】 実質的にR2 T14Bから構成される相を有す
る主相用母合金の粉末と、Rを70〜97重量%含み、
残部が実質的にFeおよび/またはCoである粒界相用
母合金との混合物に、粒界相用母合金が溶融するように
熱処理を施した後、解砕して成形し、焼結する。また、
成形体密度を5.5g/cm3 以上とし、最終密度が7.2
g/cm3 以下となるように焼結して、閉空孔を2体積%以
上含む磁石とする。
B系焼結磁石(Rは、希土類元素、Tは、Fe、または
FeおよびCo)を提供する。また、このようなR−T
−B系焼結磁石を製造する際に、焼結時の寸法変化を抑
えることにより焼結後の研削加工を不要として、安価な
薄肉磁石を提供する。 【構成】 実質的にR2 T14Bから構成される相を有す
る主相用母合金の粉末と、Rを70〜97重量%含み、
残部が実質的にFeおよび/またはCoである粒界相用
母合金との混合物に、粒界相用母合金が溶融するように
熱処理を施した後、解砕して成形し、焼結する。また、
成形体密度を5.5g/cm3 以上とし、最終密度が7.2
g/cm3 以下となるように焼結して、閉空孔を2体積%以
上含む磁石とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類焼結磁石とその
製造方法とに関する。
製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】高性能を有する希土類磁石としては、粉
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積32M
GOeのものが量産されている。また、近年Nd2 Fe
14B磁石等のR−T−B系磁石(Rは希土類元素、Tは
Fe、またはFeおよびCo)が開発され、特開昭59
−46008号公報には焼結磁石が開示されている。R
−T−B系磁石は、Sm−Co系磁石に比べ原料が安価
である。R−T−B系焼結磁石の製造には、従来のSm
−Co系の粉末冶金プロセス(溶解→母合金鋳造→イン
ゴット粗粉砕→微粉砕→成形→焼結→磁石)を適用する
ことができる。
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積32M
GOeのものが量産されている。また、近年Nd2 Fe
14B磁石等のR−T−B系磁石(Rは希土類元素、Tは
Fe、またはFeおよびCo)が開発され、特開昭59
−46008号公報には焼結磁石が開示されている。R
−T−B系磁石は、Sm−Co系磁石に比べ原料が安価
である。R−T−B系焼結磁石の製造には、従来のSm
−Co系の粉末冶金プロセス(溶解→母合金鋳造→イン
ゴット粗粉砕→微粉砕→成形→焼結→磁石)を適用する
ことができる。
【0003】Nd2 Fe14B系焼結磁石の保磁力が結晶
粒界のNdリッチ相の存在に依存していることは、様々
な論文などにおいて詳しく報告されている。したがっ
て、Nd2 Fe14B相から構成される結晶粒をNdリッ
チ相が均一に被覆するように焼結すること、すなわち、
焼結磁石中においてNdリッチ相を均一に分散させるこ
とが重要となる。磁石中においてNdリッチ相を均一に
分散させるためには、2合金法を用いることが好まし
い。2合金法では、Nd2 Fe14Bを中心とする主相用
粉末とNdリッチな粒界相用粉末との混合物を成形し、
焼結する(特開昭63−93841号公報、特開昭63
−278208号公報、特開平5−21219号公報
等)。粒界相用粉末は焼結時に溶融し、Nd2 Fe14B
主相に対して濡れ性の極めて良好な液相となって流動
し、主相用粉末の周囲を被覆して磁石の粒界相となり、
保磁力を向上させる。
粒界のNdリッチ相の存在に依存していることは、様々
な論文などにおいて詳しく報告されている。したがっ
て、Nd2 Fe14B相から構成される結晶粒をNdリッ
チ相が均一に被覆するように焼結すること、すなわち、
焼結磁石中においてNdリッチ相を均一に分散させるこ
とが重要となる。磁石中においてNdリッチ相を均一に
分散させるためには、2合金法を用いることが好まし
い。2合金法では、Nd2 Fe14Bを中心とする主相用
粉末とNdリッチな粒界相用粉末との混合物を成形し、
焼結する(特開昭63−93841号公報、特開昭63
−278208号公報、特開平5−21219号公報
等)。粒界相用粉末は焼結時に溶融し、Nd2 Fe14B
主相に対して濡れ性の極めて良好な液相となって流動
し、主相用粉末の周囲を被覆して磁石の粒界相となり、
保磁力を向上させる。
【0004】しかし、このような2合金法を用いて製造
された焼結磁石を観察すると、結晶粒がNdリッチ相に
ほぼ完全に取り囲まれているとは言えない。したがっ
て、Nd2 Fe14B系焼結磁石の組織構造を改善するこ
とにより、さらに保磁力を向上させることが可能である
と考えられる。
された焼結磁石を観察すると、結晶粒がNdリッチ相に
ほぼ完全に取り囲まれているとは言えない。したがっ
て、Nd2 Fe14B系焼結磁石の組織構造を改善するこ
とにより、さらに保磁力を向上させることが可能である
と考えられる。
【0005】ところで、R−T−B系磁石では、焼結磁
石の他に、磁石粉末を樹脂バインダや金属バインダで結
合したボンディッド磁石も実用化されている。ボンディ
ッド磁石は、成形の際の寸法がほぼ維持されるため、寸
法精度が高く、製造後に形状加工を必要としない。しか
し、工業化されているR−T−B系のボンディッド磁石
は、単ロール法等の急冷法により製造した微細結晶から
なる多結晶粒子を用いているので、磁場中成形などによ
る異方性化は困難である。R−T−B系焼結磁石の粉砕
粉は、粉砕による歪や酸化などにより保磁力が激減して
いるため、ボンディッド磁石の原料粉として用いること
はできない。なお、R−T−B系合金インゴットの粉砕
粉を水素と反応させて、希土類水素化物とTのほう化物
とTとに分解し、所定温度で脱水素することにより、個
々の粒子内で結晶方位の揃った微細結晶を析出させる提
案もなされている。この方法で得られた多結晶粒子は磁
場配向が可能であり、微細結晶により高保磁力が得られ
るが、水素を用いるため工程が複雑となるので、実用化
されていない。
石の他に、磁石粉末を樹脂バインダや金属バインダで結
合したボンディッド磁石も実用化されている。ボンディ
ッド磁石は、成形の際の寸法がほぼ維持されるため、寸
法精度が高く、製造後に形状加工を必要としない。しか
し、工業化されているR−T−B系のボンディッド磁石
は、単ロール法等の急冷法により製造した微細結晶から
なる多結晶粒子を用いているので、磁場中成形などによ
る異方性化は困難である。R−T−B系焼結磁石の粉砕
粉は、粉砕による歪や酸化などにより保磁力が激減して
いるため、ボンディッド磁石の原料粉として用いること
はできない。なお、R−T−B系合金インゴットの粉砕
粉を水素と反応させて、希土類水素化物とTのほう化物
とTとに分解し、所定温度で脱水素することにより、個
々の粒子内で結晶方位の揃った微細結晶を析出させる提
案もなされている。この方法で得られた多結晶粒子は磁
場配向が可能であり、微細結晶により高保磁力が得られ
るが、水素を用いるため工程が複雑となるので、実用化
されていない。
【0006】一方、R−T−B系焼結磁石では、実質的
に単結晶粒子からなる粉末を磁場中で成形するため、容
易に異方性磁石が得られ、しかもバインダを用いないた
め、高特性が得られる。しかし、焼結法では、成形体が
焼結反応時に著しく収縮し、その収縮が不均一であるた
め、成形体の寸法精度の維持が難しい。この収縮は、成
形体中の粒子の配向度や密度のばらつきなどにより異な
る。異方性焼結磁石では、磁化容易軸方向とそれに垂直
な方向とで収縮率が異なり、例えば、成形体の密度が
4.3g/cm3 のとき、磁化容易軸方向で22%程度、そ
れに垂直な方向で15%程度となり、焼結後の密度は
7.55g/cm3 に達する。
に単結晶粒子からなる粉末を磁場中で成形するため、容
易に異方性磁石が得られ、しかもバインダを用いないた
め、高特性が得られる。しかし、焼結法では、成形体が
焼結反応時に著しく収縮し、その収縮が不均一であるた
め、成形体の寸法精度の維持が難しい。この収縮は、成
形体中の粒子の配向度や密度のばらつきなどにより異な
る。異方性焼結磁石では、磁化容易軸方向とそれに垂直
な方向とで収縮率が異なり、例えば、成形体の密度が
4.3g/cm3 のとき、磁化容易軸方向で22%程度、そ
れに垂直な方向で15%程度となり、焼結後の密度は
7.55g/cm3 に達する。
【0007】異方性焼結磁石におけるこのような寸法変
化は、リング状磁石や板状磁石で薄肉のものの場合に特
に問題となる。薄肉磁石において収縮率が不均一になる
と、反りが発生するからである。そこで、製品化に際し
ては、このような寸法変化を修正するために焼結体を研
削加工する。しかし、研削加工には以下に述べるような
問題がある。
化は、リング状磁石や板状磁石で薄肉のものの場合に特
に問題となる。薄肉磁石において収縮率が不均一になる
と、反りが発生するからである。そこで、製品化に際し
ては、このような寸法変化を修正するために焼結体を研
削加工する。しかし、研削加工には以下に述べるような
問題がある。
【0008】 研削加工時の焼結体の材料損失量が大
きくなる。例えば、厚さ1mmの薄肉板状の磁石を作製す
る際に1mmの反りが発生する場合、まず、厚さ3mm程度
の焼結体を製造し、これの上下面を研削する必要がある
ので、材料の2/3が損失となる。このような損失を避
けるために、厚肉の1個の母材から複数の薄肉板状磁石
を厚さ1mmに切り出す場合でも、研削用カッターの歯幅
が0.6mmであると約40%もの損失が生じてしまう。
また、薄肉の焼結体は機械的強度が小さいので、加工時
の衝撃や取り扱いの際に欠けや割れが発生しやすく、歩
留りが低くなってしまう。
きくなる。例えば、厚さ1mmの薄肉板状の磁石を作製す
る際に1mmの反りが発生する場合、まず、厚さ3mm程度
の焼結体を製造し、これの上下面を研削する必要がある
ので、材料の2/3が損失となる。このような損失を避
けるために、厚肉の1個の母材から複数の薄肉板状磁石
を厚さ1mmに切り出す場合でも、研削用カッターの歯幅
が0.6mmであると約40%もの損失が生じてしまう。
また、薄肉の焼結体は機械的強度が小さいので、加工時
の衝撃や取り扱いの際に欠けや割れが発生しやすく、歩
留りが低くなってしまう。
【0009】 磁気特性が低下する。前述したよう
に、Nd2 Fe14B系焼結磁石の保磁力は、結晶粒界の
Ndリッチ相の存在に依存している。この系の焼結磁石
を加工する際には、応力により加工面に近い領域の結晶
粒界にクラック等が生じ、加工面から0.1〜0.2mm
の深さまでの領域で保磁力が失われてしまう。加工面近
傍における磁石特性の消失は、厚肉の磁石では無視し得
るものであっても薄肉磁石では影響が大きく、磁石全体
としての磁気特性劣化が明白になってしまう。なお、加
工により保磁力が消失した領域を酸エッチングにより除
去することも可能であるが、焼結体の損失量がさらに増
大し、製造コストも増加してしまう。
に、Nd2 Fe14B系焼結磁石の保磁力は、結晶粒界の
Ndリッチ相の存在に依存している。この系の焼結磁石
を加工する際には、応力により加工面に近い領域の結晶
粒界にクラック等が生じ、加工面から0.1〜0.2mm
の深さまでの領域で保磁力が失われてしまう。加工面近
傍における磁石特性の消失は、厚肉の磁石では無視し得
るものであっても薄肉磁石では影響が大きく、磁石全体
としての磁気特性劣化が明白になってしまう。なお、加
工により保磁力が消失した領域を酸エッチングにより除
去することも可能であるが、焼結体の損失量がさらに増
大し、製造コストも増加してしまう。
【0010】このような事情から、長手方向長さ/厚さ
が10以上に達する薄肉異方性磁石では、通常、Sm−
Co系ボンディッド磁石が用いられており、コスト高が
問題となっている。R−T−B系の薄肉焼結磁石も存在
するが、寸法調整のための加工が必須であり、しかも加
工の際の材料歩留りが20〜30%となるため、やはり
コスト高となってしまっている。
が10以上に達する薄肉異方性磁石では、通常、Sm−
Co系ボンディッド磁石が用いられており、コスト高が
問題となっている。R−T−B系の薄肉焼結磁石も存在
するが、寸法調整のための加工が必須であり、しかも加
工の際の材料歩留りが20〜30%となるため、やはり
コスト高となってしまっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、保磁
力が高く、残留磁束密度も高いR−T−B系焼結磁石を
提供することであり、また、他の目的は、このようなR
−T−B系焼結磁石を製造する際に、焼結時の寸法変化
を抑えることにより焼結後の研削加工を不要として、安
価な薄肉磁石を提供することである。
力が高く、残留磁束密度も高いR−T−B系焼結磁石を
提供することであり、また、他の目的は、このようなR
−T−B系焼結磁石を製造する際に、焼結時の寸法変化
を抑えることにより焼結後の研削加工を不要として、安
価な薄肉磁石を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(16)の本発明により達成される。 (1)R(Rは、Yを含む希土類元素の少なくとも1種
である)、T(Tは、Fe、またはFeおよびCoであ
る)およびBを含有する焼結磁石を製造する方法であっ
て、実質的にR2 T14Bから構成される相を有する主相
用母合金の粉末と、Rを70〜97重量%含み、残部が
実質的にFeおよび/またはCoである粒界相用母合金
との混合物に、粒界相用母合金が溶融するように熱処理
を施した後、解砕して成形し、焼結することを特徴とす
る焼結磁石の製造方法。 (2)混合物中における粒界相用母合金の比率を2〜1
5重量%とする上記(1)の焼結磁石の製造方法。 (3)熱処理前に、主相用母合金の粉末を着磁する上記
(1)または(2)の焼結磁石の製造方法。 (4)粒界相用母合金のRの50%以上をNdが占める
上記(1)〜(3)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (5)粒界相用母合金を液体急冷法により製造する上記
(1)〜(4)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (6)主相用母合金の結晶粒の長軸/短軸の平均値が3
以下であるか、主相用母合金の粉末を構成する粒子の長
軸/短軸の平均値が3以下である上記(1)〜(5)の
いずれかの焼結磁石の製造方法。 (7)主相用母合金の粉末の平均粒子径が20μm 以上
である上記(1)〜(6)のいずれかの焼結磁石の製造
方法。 (8)焼結温度が900〜1100℃である上記(1)
〜(7)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (9)真空中で焼結を行なう上記(1)〜(8)のいず
れかの焼結磁石の製造方法。 (10)密度5.5g/cm3 以上の成形体を、密度変化が
0.2g/cm3 以上となるように焼結する工程を有する上
記(1)〜(9)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (11)抗折強度が0.3kgf/mm2 以上である成形体を
焼結する上記(10)の焼結磁石の製造方法。 (12)8t/cm2 以上の圧力で成形を行なう上記(10)
または(11)の焼結磁石の製造方法。 (13)上記(1)〜(12)のいずれかの方法により製
造された焼結磁石であって、閉空孔を2体積%以上含む
ことを特徴とする焼結磁石。 (14)密度が7.2g/cm3 以下である上記(13)の焼
結磁石。 (15)開空孔の比率が2体積%以下である上記(13)
または(14)の焼結磁石。 (16)Rを27〜40重量%、Bを0.5〜4.5重
量%含有し、残部が実質的にTである上記(13)〜(1
5)のいずれかの焼結磁石。
(1)〜(16)の本発明により達成される。 (1)R(Rは、Yを含む希土類元素の少なくとも1種
である)、T(Tは、Fe、またはFeおよびCoであ
る)およびBを含有する焼結磁石を製造する方法であっ
て、実質的にR2 T14Bから構成される相を有する主相
用母合金の粉末と、Rを70〜97重量%含み、残部が
実質的にFeおよび/またはCoである粒界相用母合金
との混合物に、粒界相用母合金が溶融するように熱処理
を施した後、解砕して成形し、焼結することを特徴とす
る焼結磁石の製造方法。 (2)混合物中における粒界相用母合金の比率を2〜1
5重量%とする上記(1)の焼結磁石の製造方法。 (3)熱処理前に、主相用母合金の粉末を着磁する上記
(1)または(2)の焼結磁石の製造方法。 (4)粒界相用母合金のRの50%以上をNdが占める
上記(1)〜(3)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (5)粒界相用母合金を液体急冷法により製造する上記
(1)〜(4)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (6)主相用母合金の結晶粒の長軸/短軸の平均値が3
以下であるか、主相用母合金の粉末を構成する粒子の長
軸/短軸の平均値が3以下である上記(1)〜(5)の
いずれかの焼結磁石の製造方法。 (7)主相用母合金の粉末の平均粒子径が20μm 以上
である上記(1)〜(6)のいずれかの焼結磁石の製造
方法。 (8)焼結温度が900〜1100℃である上記(1)
〜(7)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (9)真空中で焼結を行なう上記(1)〜(8)のいず
れかの焼結磁石の製造方法。 (10)密度5.5g/cm3 以上の成形体を、密度変化が
0.2g/cm3 以上となるように焼結する工程を有する上
記(1)〜(9)のいずれかの焼結磁石の製造方法。 (11)抗折強度が0.3kgf/mm2 以上である成形体を
焼結する上記(10)の焼結磁石の製造方法。 (12)8t/cm2 以上の圧力で成形を行なう上記(10)
または(11)の焼結磁石の製造方法。 (13)上記(1)〜(12)のいずれかの方法により製
造された焼結磁石であって、閉空孔を2体積%以上含む
ことを特徴とする焼結磁石。 (14)密度が7.2g/cm3 以下である上記(13)の焼
結磁石。 (15)開空孔の比率が2体積%以下である上記(13)
または(14)の焼結磁石。 (16)Rを27〜40重量%、Bを0.5〜4.5重
量%含有し、残部が実質的にTである上記(13)〜(1
5)のいずれかの焼結磁石。
【0013】
【作用および効果】上述した従来の2合金法では、焼結
時にRリッチ粉末を溶融させてR2 T14B系粉末の周囲
を被覆し、高保磁力を得ようとしている。しかし、この
方法では磁性をもつR2 T14B粉末と非磁性のRリッチ
粉末との混合物を磁場中で成形するため、成形体中でR
リッチ粉末が偏在してしまう。このような成形体を焼結
した磁石では、内部の密度および保磁力が不均一となる
ため、形状変形が生じると共に磁石特性が低くなってし
まう。また、磁性粉末と非磁性粉末との混合物に磁界を
印加するので、磁性粉末の配向が妨げられ、また、成形
体の密度も低くなってしまう。
時にRリッチ粉末を溶融させてR2 T14B系粉末の周囲
を被覆し、高保磁力を得ようとしている。しかし、この
方法では磁性をもつR2 T14B粉末と非磁性のRリッチ
粉末との混合物を磁場中で成形するため、成形体中でR
リッチ粉末が偏在してしまう。このような成形体を焼結
した磁石では、内部の密度および保磁力が不均一となる
ため、形状変形が生じると共に磁石特性が低くなってし
まう。また、磁性粉末と非磁性粉末との混合物に磁界を
印加するので、磁性粉末の配向が妨げられ、また、成形
体の密度も低くなってしまう。
【0014】また、従来の2合金法では、圧縮成形され
た成形体中においてRリッチ粉末を溶融させているた
め、液相化したRリッチ合金の流動が妨げられて、磁石
中のRリッチ相の均一分散が不十分となる。
た成形体中においてRリッチ粉末を溶融させているた
め、液相化したRリッチ合金の流動が妨げられて、磁石
中のRリッチ相の均一分散が不十分となる。
【0015】一方、2合金法ではない通常の粉末冶金法
で高保磁力のR2 T14B系焼結磁石を製造するために
は、R含有量の多い母合金を用いるが、R含有量が多い
と焼結が進んで収縮率が高くなってしまう。なお、R2
T14B系焼結磁石のRとしては、通常、Ndを用いる
が、Ndの一部をDyで置換することにより主相の異方
性磁界が向上するので、高保磁力が得られる。しかし、
DyはNdに比べ高価である。
で高保磁力のR2 T14B系焼結磁石を製造するために
は、R含有量の多い母合金を用いるが、R含有量が多い
と焼結が進んで収縮率が高くなってしまう。なお、R2
T14B系焼結磁石のRとしては、通常、Ndを用いる
が、Ndの一部をDyで置換することにより主相の異方
性磁界が向上するので、高保磁力が得られる。しかし、
DyはNdに比べ高価である。
【0016】これに対し本発明では、R2 T14B相を有
する主相用母合金の粉末と、Rを所定量含むRリッチな
粒界相用母合金との混合物に、粒界相用母合金が溶融す
るように熱処理を施す。粒界相用母合金は、Nd89Fe
11(重量比)を中心とする低融点組成を有する。熱処理
により、粒界相用母合金は主相用母合金の粉末に対して
濡れ性の極めて良好な液相となって流動し、主相用母合
金の粉末の周囲を被覆する。
する主相用母合金の粉末と、Rを所定量含むRリッチな
粒界相用母合金との混合物に、粒界相用母合金が溶融す
るように熱処理を施す。粒界相用母合金は、Nd89Fe
11(重量比)を中心とする低融点組成を有する。熱処理
により、粒界相用母合金は主相用母合金の粉末に対して
濡れ性の極めて良好な液相となって流動し、主相用母合
金の粉末の周囲を被覆する。
【0017】このように本発明では、加圧成形する前に
粒界相用母合金を溶融するため、液相化した粒界相用母
合金の流動も容易となり、焼結後の磁石中においてRリ
ッチ相が偏ることもない。Rリッチ相が偏らないため、
磁石全体のR含有量が少ない場合でも高保磁力が得られ
るので、残留磁束密度を高くすることもできる。また、
成形圧力が同じであっても、2合金法を用いた場合より
も高密度の成形体が得られる。また、磁場中成形による
配向性も2合金法より良好となる。
粒界相用母合金を溶融するため、液相化した粒界相用母
合金の流動も容易となり、焼結後の磁石中においてRリ
ッチ相が偏ることもない。Rリッチ相が偏らないため、
磁石全体のR含有量が少ない場合でも高保磁力が得られ
るので、残留磁束密度を高くすることもできる。また、
成形圧力が同じであっても、2合金法を用いた場合より
も高密度の成形体が得られる。また、磁場中成形による
配向性も2合金法より良好となる。
【0018】冷却後には、主相用母合金粒子はRリッチ
相により互いに結合されているが、この結合は極めて弱
いものなので、容易に解砕できる。解砕後、主相用母合
金粒子の周囲はRリッチ相によりほぼ均一に被覆されて
いる。
相により互いに結合されているが、この結合は極めて弱
いものなので、容易に解砕できる。解砕後、主相用母合
金粒子の周囲はRリッチ相によりほぼ均一に被覆されて
いる。
【0019】Nd2 Fe14B系焼結磁石製造用の通常の
成形体は、空孔がないと仮定したときの密度(理論密
度:約7.6g/cm3 )の55%程度の密度(約4.2g/
cm3 )であり、45%程度の空孔を含んでいる。そし
て、焼結により理論密度の99%程度まで緻密化させる
ので、体積収縮率が大きくなってしまう。前述したよう
に、磁場配向された成形体では焼結の際の収縮が不均一
となるため、平行度や真円度の良好な焼結体が得られな
い。
成形体は、空孔がないと仮定したときの密度(理論密
度:約7.6g/cm3 )の55%程度の密度(約4.2g/
cm3 )であり、45%程度の空孔を含んでいる。そし
て、焼結により理論密度の99%程度まで緻密化させる
ので、体積収縮率が大きくなってしまう。前述したよう
に、磁場配向された成形体では焼結の際の収縮が不均一
となるため、平行度や真円度の良好な焼結体が得られな
い。
【0020】これに対し本発明の好ましい態様では、主
相用母合金の粉末の平均径を比較的大径とし、かつ、成
形圧力を従来よりも大きくすることによって、焼結の進
みにくい、すなわち焼結工程における収縮率の小さい成
形体を製造し、これを完全に焼結させないで磁石化す
る。具体的には、成形体密度を5.5g/cm3 以上と高く
し、かつ、磁石密度が7.2g/cm3 以下となるように焼
結する。これにより、焼結時の収縮率が著しく小さくな
る。大径の主相用母合金粉末を含む高密度成形体中で
は、Rリッチの液相を介した粒子移動が困難なので、焼
結工程における保持温度が高温(例えば従来の完全焼結
温度領域)であっても、完全焼結する前に焼結反応が進
行しなくなる。このため、低密度の焼結体が広い温度範
囲で安定して得られることになり、焼結工程の管理が極
めて容易となる。また、大径の粒子は凝集しにくいた
め、取り扱いが容易となり、特に成形時に金型への充填
が容易となる。
相用母合金の粉末の平均径を比較的大径とし、かつ、成
形圧力を従来よりも大きくすることによって、焼結の進
みにくい、すなわち焼結工程における収縮率の小さい成
形体を製造し、これを完全に焼結させないで磁石化す
る。具体的には、成形体密度を5.5g/cm3 以上と高く
し、かつ、磁石密度が7.2g/cm3 以下となるように焼
結する。これにより、焼結時の収縮率が著しく小さくな
る。大径の主相用母合金粉末を含む高密度成形体中で
は、Rリッチの液相を介した粒子移動が困難なので、焼
結工程における保持温度が高温(例えば従来の完全焼結
温度領域)であっても、完全焼結する前に焼結反応が進
行しなくなる。このため、低密度の焼結体が広い温度範
囲で安定して得られることになり、焼結工程の管理が極
めて容易となる。また、大径の粒子は凝集しにくいた
め、取り扱いが容易となり、特に成形時に金型への充填
が容易となる。
【0021】このようにして焼結の際の収縮率を小さく
抑えることにより、リング状や板状の薄肉異方性磁石を
製造する場合でも、形状を修正するための加工が不要と
なり、低コスト化および生産性向上が実現する。また、
高密度成形体は抗折強度が高いので、取り扱いが容易と
なり、成形工程と焼結工程との間での割れや欠けの発生
が少なくなる。
抑えることにより、リング状や板状の薄肉異方性磁石を
製造する場合でも、形状を修正するための加工が不要と
なり、低コスト化および生産性向上が実現する。また、
高密度成形体は抗折強度が高いので、取り扱いが容易と
なり、成形工程と焼結工程との間での割れや欠けの発生
が少なくなる。
【0022】このようにして製造された収縮率の小さい
焼結磁石中には、通常、閉空孔が2体積%以上存在す
る。閉空孔は磁石外部へ連通していないため、磁石の腐
食を招くことがない。なお、このような焼結磁石の表面
付近には開空孔も存在するが、焼結工程の少なくとも一
部を真空中または減圧雰囲気下で行なえば、液相化した
粒界相用母合金が開空孔の外部への連通路を塞ぐため、
開空孔の割合が減って耐食性が向上する。
焼結磁石中には、通常、閉空孔が2体積%以上存在す
る。閉空孔は磁石外部へ連通していないため、磁石の腐
食を招くことがない。なお、このような焼結磁石の表面
付近には開空孔も存在するが、焼結工程の少なくとも一
部を真空中または減圧雰囲気下で行なえば、液相化した
粒界相用母合金が開空孔の外部への連通路を塞ぐため、
開空孔の割合が減って耐食性が向上する。
【0023】本発明により製造される低収縮率の焼結磁
石の磁気特性は、R−T−B系高密度焼結磁石よりは低
くなるが、Sm−Co系のボンディッド磁石{(BH)max
=約15MGOe}よりは高くすることができる。R−T−
B系磁石はSm−Co系磁石に比べ原料が安価である。
したがって、本発明により製造される低収縮率の焼結磁
石は、従来、薄肉磁石に用いられてきたSm−Co系ボ
ンディッド磁石の代替品として好適である。
石の磁気特性は、R−T−B系高密度焼結磁石よりは低
くなるが、Sm−Co系のボンディッド磁石{(BH)max
=約15MGOe}よりは高くすることができる。R−T−
B系磁石はSm−Co系磁石に比べ原料が安価である。
したがって、本発明により製造される低収縮率の焼結磁
石は、従来、薄肉磁石に用いられてきたSm−Co系ボ
ンディッド磁石の代替品として好適である。
【0024】ところで、特開平3−80508号公報に
は、RFeB系磁石を粉末冶金法により製造する方法に
おいて、磁石粉をプレス成形した後、400〜900℃
の温度範囲でポーラスな焼結体とし、それを溶融合金N
dx Fe1-x (x=0.65〜0.85)に一定時間浸
漬する方法が開示されている。この方法は、磁場配向に
よる熱収縮の異方性に起因する焼結後の変形を抑えるこ
とを目的とするものである。この方法では、焼結体にR
リッチ溶融合金を染み込ませるので、本発明により得ら
れる効果が実現するとは考えられない。しかも、同公報
の実施例で用いているNd2 Fe14B磁石粉末は約10
μm と小径であり、同公報には、成形圧力、成形体の密
度、低温焼結後のポーラスな焼結体の密度は記載されて
いない。
は、RFeB系磁石を粉末冶金法により製造する方法に
おいて、磁石粉をプレス成形した後、400〜900℃
の温度範囲でポーラスな焼結体とし、それを溶融合金N
dx Fe1-x (x=0.65〜0.85)に一定時間浸
漬する方法が開示されている。この方法は、磁場配向に
よる熱収縮の異方性に起因する焼結後の変形を抑えるこ
とを目的とするものである。この方法では、焼結体にR
リッチ溶融合金を染み込ませるので、本発明により得ら
れる効果が実現するとは考えられない。しかも、同公報
の実施例で用いているNd2 Fe14B磁石粉末は約10
μm と小径であり、同公報には、成形圧力、成形体の密
度、低温焼結後のポーラスな焼結体の密度は記載されて
いない。
【0025】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
に説明する。
【0026】本発明では、実質的にR2 T14Bから構成
される相を有する主相用母合金の粉末と、Rを70〜9
7重量%含み、残部が実質的にFeおよび/またはCo
である粒界相用母合金との混合物に、粒界相用母合金が
溶融するように熱処理を施した後、解砕して成形し、焼
結する。
される相を有する主相用母合金の粉末と、Rを70〜9
7重量%含み、残部が実質的にFeおよび/またはCo
である粒界相用母合金との混合物に、粒界相用母合金が
溶融するように熱処理を施した後、解砕して成形し、焼
結する。
【0027】<主相用母合金>主相用母合金の組成は、
目的とする磁石組成に応じ、粒界相用母合金の組成とそ
の混合比率とを考慮して適宜決定すればよいが、通常、
Rを26〜35重量%、Bを0.5〜3.5重量%含有
し、残部が実質的にTであることが好ましい。
目的とする磁石組成に応じ、粒界相用母合金の組成とそ
の混合比率とを考慮して適宜決定すればよいが、通常、
Rを26〜35重量%、Bを0.5〜3.5重量%含有
し、残部が実質的にTであることが好ましい。
【0028】Rは、Yを含む希土類元素の少なくとも1
種、すなわち、Y、ランタニドおよびアクチニドであ
る。Rとしては、Nd、Pr、Tbのうち少なくとも1
種、特にNdが好ましく、さらにDyを含むことが好ま
しい。また、La、Ce、Gd、Er、Ho、Eu、P
m、Tm、Yb、Yのうち1種以上を含んでもよい。希
土類元素の原料としては、ミッシュメタル等の混合物を
用いることもできる。R含有量が少なすぎると鉄に富む
相が析出して高保磁力が得られなくなり、R含有量が多
すぎると高残留磁束密度が得られなくなる。
種、すなわち、Y、ランタニドおよびアクチニドであ
る。Rとしては、Nd、Pr、Tbのうち少なくとも1
種、特にNdが好ましく、さらにDyを含むことが好ま
しい。また、La、Ce、Gd、Er、Ho、Eu、P
m、Tm、Yb、Yのうち1種以上を含んでもよい。希
土類元素の原料としては、ミッシュメタル等の混合物を
用いることもできる。R含有量が少なすぎると鉄に富む
相が析出して高保磁力が得られなくなり、R含有量が多
すぎると高残留磁束密度が得られなくなる。
【0029】R2 T14B系磁石では、Rリッチ相が液相
となって流動することにより焼結反応が進行するが、本
発明では、Rリッチの粒界相用母合金を使用し、また、
収縮率を低くするために焼結反応の進行を抑えることが
好ましいので、主相用母合金のR含有量は少なくするこ
とが好ましい。
となって流動することにより焼結反応が進行するが、本
発明では、Rリッチの粒界相用母合金を使用し、また、
収縮率を低くするために焼結反応の進行を抑えることが
好ましいので、主相用母合金のR含有量は少なくするこ
とが好ましい。
【0030】Tは、Fe、またはFeおよびCoであ
る。T中のCo量は30重量%以下とすることが好まし
い。
る。T中のCo量は30重量%以下とすることが好まし
い。
【0031】B含有量が少なすぎると高保磁力が得られ
なくなり、B含有量が多すぎると高残留磁束密度が得ら
れなくなる。
なくなり、B含有量が多すぎると高残留磁束密度が得ら
れなくなる。
【0032】保磁力を改善するために、Al、Cr、M
n、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Z
r、Ti、Moなどの元素を添加してもよいが、添加量
が6重量%を超えると残留磁束密度の低下が問題とな
る。
n、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Z
r、Ti、Moなどの元素を添加してもよいが、添加量
が6重量%を超えると残留磁束密度の低下が問題とな
る。
【0033】主相用母合金は、通常、実質的にR2 T14
Bから構成される相を含む結晶粒と、Rリッチな粒界相
とを有する。主相用母合金の粉末の平均結晶粒径は特に
限定されない。本発明では、磁場配向により異方性化す
るので、後述する粒子径としたときに単結晶粒子となる
ような結晶粒径であることが好ましいが、多結晶粒子で
あっても粒子内で結晶粒が配向していればよいので、平
均結晶粒径は、例えば3〜600μm 程度の広い範囲か
ら選択することができる。
Bから構成される相を含む結晶粒と、Rリッチな粒界相
とを有する。主相用母合金の粉末の平均結晶粒径は特に
限定されない。本発明では、磁場配向により異方性化す
るので、後述する粒子径としたときに単結晶粒子となる
ような結晶粒径であることが好ましいが、多結晶粒子で
あっても粒子内で結晶粒が配向していればよいので、平
均結晶粒径は、例えば3〜600μm 程度の広い範囲か
ら選択することができる。
【0034】主相用母合金の粉末の平均粒子径は特に限
定されず、焼結後の磁石の結晶粒径が所望の値となるよ
うに決定すればよく、例えば5〜500μm 程度から適
宜選択すればよい。ただし、焼結時の収縮率を低くする
ためには、好ましくは20μm 以上、より好ましくは5
0〜350μm とする。平均粒子径が小さすぎると、前
述した粒子大径化による効果が不十分となる。一方、平
均粒子径が大きすぎると、薄肉の成形体中では磁場配向
が困難となる。なお、主相用母合金粉末の平均粒子径
は、粒子1個あたりの平均投影面積を算出し、これを円
に換算したときの直径とする。粒子の投影面積の測定方
法は特に限定されない。例えば、粉末の分散液を、粒子
同士が重ならないようにガラス板上に塗布して写真を撮
影し、この写真から粒子の投影面積を求めることができ
る。この他、前記塗布物を光ビームで走査して反射率変
化を検出することにより、粒子の投影面積を求めること
もできる。
定されず、焼結後の磁石の結晶粒径が所望の値となるよ
うに決定すればよく、例えば5〜500μm 程度から適
宜選択すればよい。ただし、焼結時の収縮率を低くする
ためには、好ましくは20μm 以上、より好ましくは5
0〜350μm とする。平均粒子径が小さすぎると、前
述した粒子大径化による効果が不十分となる。一方、平
均粒子径が大きすぎると、薄肉の成形体中では磁場配向
が困難となる。なお、主相用母合金粉末の平均粒子径
は、粒子1個あたりの平均投影面積を算出し、これを円
に換算したときの直径とする。粒子の投影面積の測定方
法は特に限定されない。例えば、粉末の分散液を、粒子
同士が重ならないようにガラス板上に塗布して写真を撮
影し、この写真から粒子の投影面積を求めることができ
る。この他、前記塗布物を光ビームで走査して反射率変
化を検出することにより、粒子の投影面積を求めること
もできる。
【0035】主相用母合金の粉末の製造方法は特に限定
されず、鋳造合金を水素吸蔵粉砕などにより粉末化する
方法や、還元拡散法等のいずれを用いてもよく、焼結磁
石を粉砕して粉末化してもよい。磁場配向により異方性
化された焼結磁石を粉砕した粉末、あるいはこのような
焼結磁石の削り屑などでは、配向された小径の結晶粒か
らなる大径の多結晶粒子を得ることができるので、高残
留磁束密度かつ高保磁力の磁石が得られる。また、還元
拡散法や鋳造法でも、製造条件を制御することにより、
磁化容易軸の揃いが良好な多結晶粒子が得られる。
されず、鋳造合金を水素吸蔵粉砕などにより粉末化する
方法や、還元拡散法等のいずれを用いてもよく、焼結磁
石を粉砕して粉末化してもよい。磁場配向により異方性
化された焼結磁石を粉砕した粉末、あるいはこのような
焼結磁石の削り屑などでは、配向された小径の結晶粒か
らなる大径の多結晶粒子を得ることができるので、高残
留磁束密度かつ高保磁力の磁石が得られる。また、還元
拡散法や鋳造法でも、製造条件を制御することにより、
磁化容易軸の揃いが良好な多結晶粒子が得られる。
【0036】主相用母合金粉末が単結晶粒子を主体とす
る場合、粒子形状は等軸形状に近いことが好ましい。ま
た、主相用母合金粉末が多結晶粒子を主体とする場合、
粒子内の結晶粒の形状は等軸形状に近いことが好まし
い。これら各場合において等軸形状に近いとは、粒子ま
たは結晶粒の長軸/短軸の平均値が、好ましくは3以
下、より好ましくは2.5以下であることを意味する。
単結晶粒子は、等軸形状に近いほど単位体積あたりの表
面積の比率が小さくなるので、磁石製造工程で受ける粒
子表面付近のダメージの影響が少なくなり、高特性の磁
石が得られる。また、多結晶粒子では、等軸形状に近い
結晶粒を有する場合に良好な磁気特性が得られる。
る場合、粒子形状は等軸形状に近いことが好ましい。ま
た、主相用母合金粉末が多結晶粒子を主体とする場合、
粒子内の結晶粒の形状は等軸形状に近いことが好まし
い。これら各場合において等軸形状に近いとは、粒子ま
たは結晶粒の長軸/短軸の平均値が、好ましくは3以
下、より好ましくは2.5以下であることを意味する。
単結晶粒子は、等軸形状に近いほど単位体積あたりの表
面積の比率が小さくなるので、磁石製造工程で受ける粒
子表面付近のダメージの影響が少なくなり、高特性の磁
石が得られる。また、多結晶粒子では、等軸形状に近い
結晶粒を有する場合に良好な磁気特性が得られる。
【0037】<粒界相用母合金>粒界相用母合金は、R
を70〜97重量%、好ましくは75〜92重量%含
み、残部が実質的にFeおよび/またはCoである。粒
界相用母合金に含まれるRとしてはNdが好ましく、R
中の50%以上をNdが占めることがより好ましく、R
として実質的にNdだけを用いることがさらに好まし
い。R中のNd量が少なく、また、R量が少ないと、粒
界相用母合金の融点が低くならず、閉空孔が形成されに
くくなる。Nd89Fe11(重量比)共晶合金の融点は6
40℃、Nd81Co19(重量比)共晶合金の融点は56
6℃であるが、Dy88Fe12(重量比)共晶合金の融点
は890℃である。本発明で用いる粒界相用母合金は、
Bを含まない。粒界相用母合金中のBは、磁石特性の向
上に寄与せず、また、粒界相用母合金の融点の低下にも
寄与しない。
を70〜97重量%、好ましくは75〜92重量%含
み、残部が実質的にFeおよび/またはCoである。粒
界相用母合金に含まれるRとしてはNdが好ましく、R
中の50%以上をNdが占めることがより好ましく、R
として実質的にNdだけを用いることがさらに好まし
い。R中のNd量が少なく、また、R量が少ないと、粒
界相用母合金の融点が低くならず、閉空孔が形成されに
くくなる。Nd89Fe11(重量比)共晶合金の融点は6
40℃、Nd81Co19(重量比)共晶合金の融点は56
6℃であるが、Dy88Fe12(重量比)共晶合金の融点
は890℃である。本発明で用いる粒界相用母合金は、
Bを含まない。粒界相用母合金中のBは、磁石特性の向
上に寄与せず、また、粒界相用母合金の融点の低下にも
寄与しない。
【0038】粒界相用母合金には、R、Fe、Coの
他、Al、Cu、Ga、Ni、Sn、Cr、V、Ti、
Mo等の少なくとも1種を添加してもよい。ただし、粒
界相用母合金中におけるこれらの元素の合計含有量は、
20重量%以下であることが好ましい。これらの元素
は、非磁性化合物を形成して残留磁束密度を低下させる
からである。AlおよびCuは、保磁力と耐食性とを向
上させる効果を示す。
他、Al、Cu、Ga、Ni、Sn、Cr、V、Ti、
Mo等の少なくとも1種を添加してもよい。ただし、粒
界相用母合金中におけるこれらの元素の合計含有量は、
20重量%以下であることが好ましい。これらの元素
は、非磁性化合物を形成して残留磁束密度を低下させる
からである。AlおよびCuは、保磁力と耐食性とを向
上させる効果を示す。
【0039】粒界相用母合金の製造方法は特に限定され
ないが、好ましくは液体急冷法を用いる。液体急冷法と
しては、合金溶湯を冷却基体に接触させて冷却する方
法、例えば単ロール法、双ロール法、回転ディスク法等
などが好ましく、ガスアトマイズ法を用いてもよい。合
金溶湯の冷却は、窒素やAr等の非酸化性雰囲気中ある
いは真空中で行なう。冷却速度が遅い場合、上記した組
成の粒界相用母合金は、主としてNdとFe2 Ndとに
相分離してしまう。これらの融点は1000℃以上と高
く、また、Ndは極めて酸化されやすい。液体急冷法に
より製造された粒界相用母合金は、アモルファス相また
は微結晶相を有する。
ないが、好ましくは液体急冷法を用いる。液体急冷法と
しては、合金溶湯を冷却基体に接触させて冷却する方
法、例えば単ロール法、双ロール法、回転ディスク法等
などが好ましく、ガスアトマイズ法を用いてもよい。合
金溶湯の冷却は、窒素やAr等の非酸化性雰囲気中ある
いは真空中で行なう。冷却速度が遅い場合、上記した組
成の粒界相用母合金は、主としてNdとFe2 Ndとに
相分離してしまう。これらの融点は1000℃以上と高
く、また、Ndは極めて酸化されやすい。液体急冷法に
より製造された粒界相用母合金は、アモルファス相また
は微結晶相を有する。
【0040】熱処理により溶融した粒界相用母合金は、
主相用母合金粒子に対して濡れ性が極めて良好であり、
迅速に主相用母合金粒子の周囲を被覆するため、溶融前
の粒界相用母合金の形状および寸法は特に限定されな
い。ただし、粒界相用母合金を微細な粉末にまで粉砕す
る場合、酸化が避けられず、粉砕の際に形成された酸化
物は磁石中に残留して磁石特性の低下を招くので、平均
粒子径は50μm 以上であることが好ましい。一方、粒
界相用母合金が大きなバルク状であると、主相用母合金
粒子を被覆するために移動ないし拡散する距離が大きく
なってしまうので、最大径は10mm以下であることが好
ましい。
主相用母合金粒子に対して濡れ性が極めて良好であり、
迅速に主相用母合金粒子の周囲を被覆するため、溶融前
の粒界相用母合金の形状および寸法は特に限定されな
い。ただし、粒界相用母合金を微細な粉末にまで粉砕す
る場合、酸化が避けられず、粉砕の際に形成された酸化
物は磁石中に残留して磁石特性の低下を招くので、平均
粒子径は50μm 以上であることが好ましい。一方、粒
界相用母合金が大きなバルク状であると、主相用母合金
粒子を被覆するために移動ないし拡散する距離が大きく
なってしまうので、最大径は10mm以下であることが好
ましい。
【0041】<混合および熱処理>主相用母合金の粉末
と粒界相用母合金との混合物を製造する方法は、特に限
定されない。通常は、両者をVミキサー等により混合す
るが、主相用母合金の粉末上に、粒界相用母合金の粉末
や、その粗粉、その破砕片等を載せるだけでもよい。
と粒界相用母合金との混合物を製造する方法は、特に限
定されない。通常は、両者をVミキサー等により混合す
るが、主相用母合金の粉末上に、粒界相用母合金の粉末
や、その粗粉、その破砕片等を載せるだけでもよい。
【0042】混合物中における粒界相用母合金の比率
は、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜1
1重量%とする。この比率が低すぎると、本発明の効果
が不十分となり、この比率が高すぎると残留磁束密度の
高い磁石を得ることが難しくなる。
は、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜1
1重量%とする。この比率が低すぎると、本発明の効果
が不十分となり、この比率が高すぎると残留磁束密度の
高い磁石を得ることが難しくなる。
【0043】このようにして得られた混合物に、熱処理
を施す。熱処理条件は特に限定されず、粒界相用母合金
の粉末が溶融する温度であって、かつ主相用母合金の粉
末が焼結しないか、あるいは焼結が進みすぎない温度で
あればよい。焼結が進みすぎると、熱処理後の解砕が困
難ないし不可能となり、磁場中成形による異方性化が困
難となる。具体的には、処理温度は、好ましくは600
〜1000℃、より好ましくは650〜950℃であ
る。処理温度が高すぎると主相用母合金の粉末の焼結が
問題となる。一方、処理温度が低すぎると、処理時の粒
界相用母合金の流動性が低くなるので、処理後の主相用
母合金の粉末中におけるRリッチ相の分散が不十分とな
ってしまう。なお、粒界相用母合金は、その融点におい
てほぼ瞬時に溶融して主相用母合金粒子を被覆するが、
両母合金間での元素の拡散を十分に行なうために、好ま
しくは10分間以上、より好ましくは30分間以上、融
点以上の温度に保持する。
を施す。熱処理条件は特に限定されず、粒界相用母合金
の粉末が溶融する温度であって、かつ主相用母合金の粉
末が焼結しないか、あるいは焼結が進みすぎない温度で
あればよい。焼結が進みすぎると、熱処理後の解砕が困
難ないし不可能となり、磁場中成形による異方性化が困
難となる。具体的には、処理温度は、好ましくは600
〜1000℃、より好ましくは650〜950℃であ
る。処理温度が高すぎると主相用母合金の粉末の焼結が
問題となる。一方、処理温度が低すぎると、処理時の粒
界相用母合金の流動性が低くなるので、処理後の主相用
母合金の粉末中におけるRリッチ相の分散が不十分とな
ってしまう。なお、粒界相用母合金は、その融点におい
てほぼ瞬時に溶融して主相用母合金粒子を被覆するが、
両母合金間での元素の拡散を十分に行なうために、好ま
しくは10分間以上、より好ましくは30分間以上、融
点以上の温度に保持する。
【0044】混合物は、熱処理前に加圧成形されておら
ず、かつ、熱処理時に加圧されていなければよい。熱処
理の際に混合物を保持する容器は、熱処理により混合物
と反応しない材質、例えば、ステンレスやMo等の高融
点金属から構成すればよい。
ず、かつ、熱処理時に加圧されていなければよい。熱処
理の際に混合物を保持する容器は、熱処理により混合物
と反応しない材質、例えば、ステンレスやMo等の高融
点金属から構成すればよい。
【0045】冷却後には、主相用母合金の粒子は、凝固
した粒界相用母合金により互いに結合されているため、
解砕を行ない、成形用の磁石粉末とする。
した粒界相用母合金により互いに結合されているため、
解砕を行ない、成形用の磁石粉末とする。
【0046】なお、熱処理前に、主相用母合金の粉末を
着磁することが好ましい。主相用母合金粉末のうち平均
粒子径よりも小さな微粒子は、熱処理後の解砕処理によ
り分離することが難しいので、解砕処理後もRリッチ相
により大径粒子に結合したままであり、見掛け上、多結
晶体化している。このようにして形成された多結晶体中
では、各粒子の磁化容易軸が揃っていないので、磁場中
で成形したときの配向度が不十分となる。しかし、粒界
相用母合金が主相用母合金粉末中に分散して凝固する前
に、主相用母合金の粉末を着磁しておけば、熱処理の際
に小径粒子は磁化容易軸方向が大径粒子とほぼ揃った状
態で多結晶体中に取り込まれる。このような理由から、
主相用母合金の粉末の着磁は、その温度がキュリー温度
未満であるときに行なう。主相用母合金の粉末を着磁す
るときの磁界強度は、通常、5 kOe以上とすることが好
ましい。
着磁することが好ましい。主相用母合金粉末のうち平均
粒子径よりも小さな微粒子は、熱処理後の解砕処理によ
り分離することが難しいので、解砕処理後もRリッチ相
により大径粒子に結合したままであり、見掛け上、多結
晶体化している。このようにして形成された多結晶体中
では、各粒子の磁化容易軸が揃っていないので、磁場中
で成形したときの配向度が不十分となる。しかし、粒界
相用母合金が主相用母合金粉末中に分散して凝固する前
に、主相用母合金の粉末を着磁しておけば、熱処理の際
に小径粒子は磁化容易軸方向が大径粒子とほぼ揃った状
態で多結晶体中に取り込まれる。このような理由から、
主相用母合金の粉末の着磁は、その温度がキュリー温度
未満であるときに行なう。主相用母合金の粉末を着磁す
るときの磁界強度は、通常、5 kOe以上とすることが好
ましい。
【0047】<成形>成形工程では、磁石粉末を磁場中
で成形する。成形体密度は特に限定されないが、焼結時
の収縮率を小さくするためには、成形体密度を好ましく
は5.5g/cm3 以上、より好ましくは6.0g/cm3 以上
とする。密度の小さい成形体では、十分な磁石特性を得
ようとすると焼結時の収縮率が大きくなってしまい、焼
結時の収縮率を小さくすると磁石特性が不十分となって
しまう。成形体の密度の上限は特にないが、6.4g/cm
3 を超える密度とすることは困難である。例えば、成形
時に20t/cm2 以上の超高圧が必要になるため成形装置
や金型が高価になり、また、成形体の形状が単純なもの
に制限されてしまう。成形体密度を向上させるためには
多量の有機潤滑剤の利用も有効であるが、焼結前に有機
潤滑剤を完全に除去することが困難であり、磁石中の残
留炭素が磁石特性を低下させてしまう。なお、成形体の
密度は、マイクロメータなどにより測定した成形体の寸
法から算出することができる。
で成形する。成形体密度は特に限定されないが、焼結時
の収縮率を小さくするためには、成形体密度を好ましく
は5.5g/cm3 以上、より好ましくは6.0g/cm3 以上
とする。密度の小さい成形体では、十分な磁石特性を得
ようとすると焼結時の収縮率が大きくなってしまい、焼
結時の収縮率を小さくすると磁石特性が不十分となって
しまう。成形体の密度の上限は特にないが、6.4g/cm
3 を超える密度とすることは困難である。例えば、成形
時に20t/cm2 以上の超高圧が必要になるため成形装置
や金型が高価になり、また、成形体の形状が単純なもの
に制限されてしまう。成形体密度を向上させるためには
多量の有機潤滑剤の利用も有効であるが、焼結前に有機
潤滑剤を完全に除去することが困難であり、磁石中の残
留炭素が磁石特性を低下させてしまう。なお、成形体の
密度は、マイクロメータなどにより測定した成形体の寸
法から算出することができる。
【0048】このように高い密度の成形体は、抗折強度
が0.3kgf/mm2 以上、さらには0.5kgf/cm2 以上と
なるので、取り扱いが容易となり、割れや欠けの発生が
少なくなる。
が0.3kgf/mm2 以上、さらには0.5kgf/cm2 以上と
なるので、取り扱いが容易となり、割れや欠けの発生が
少なくなる。
【0049】成形圧力は特に限定されず、所望の密度の
成形体が得られるように適宜決定すればよいが、上述し
た高密度の成形体を得るためには、好ましくは8t/cm2
以上、より好ましくは12t/cm2 以上とする。成形時の
磁場強度は、通常、10 kOe以上、好ましくは15 kOe
以上とする。
成形体が得られるように適宜決定すればよいが、上述し
た高密度の成形体を得るためには、好ましくは8t/cm2
以上、より好ましくは12t/cm2 以上とする。成形時の
磁場強度は、通常、10 kOe以上、好ましくは15 kOe
以上とする。
【0050】成形時に印加する磁界は、直流磁界であっ
てもパルス磁界であってもよく、これらを併用してもよ
い。本発明は、圧力印加方向と磁界印加方向とがほぼ直
交するいわゆる横磁場成形法にも、圧力印加方向と磁界
印加方向とがほぼ平行であるいわゆる縦磁場成形法にも
適用することができる。
てもパルス磁界であってもよく、これらを併用してもよ
い。本発明は、圧力印加方向と磁界印加方向とがほぼ直
交するいわゆる横磁場成形法にも、圧力印加方向と磁界
印加方向とがほぼ平行であるいわゆる縦磁場成形法にも
適用することができる。
【0051】<焼結>上記のようにして得られた成形体
は、焼結されて磁石化される。
は、焼結されて磁石化される。
【0052】焼結は、焼結体の密度から成形体の密度を
減じた値(焼結時の密度変化量)が0.2g/cm3 以上と
なるような条件で行なうことが好ましい。焼結工程での
密度変化が小さすぎる場合、焼結が不十分であり、磁石
特性および機械的強度が不十分となる。収縮率を小さく
するためには、上記した高密度成形体を用い、かつ、密
度変化量を好ましくは1.5g/cm3 以下、より好ましく
は1.2g/cm3 以下とする。
減じた値(焼結時の密度変化量)が0.2g/cm3 以上と
なるような条件で行なうことが好ましい。焼結工程での
密度変化が小さすぎる場合、焼結が不十分であり、磁石
特性および機械的強度が不十分となる。収縮率を小さく
するためには、上記した高密度成形体を用い、かつ、密
度変化量を好ましくは1.5g/cm3 以下、より好ましく
は1.2g/cm3 以下とする。
【0053】焼結時の各種条件に特に制限はなく、焼結
時の密度変化などが所望の値となるように適宜選択すれ
ばよい。焼結温度は、粒界相用母合金の溶融温度以上で
あればよいが、上述した比較的大径の粉末を用いた高密
度成形体では、焼結が進みにくいために従来のいわゆる
半焼結の場合より焼結温度を高くしても、収縮率を低く
抑えることができる。具体的には、900〜1100℃
で0.5〜10時間熱処理を施して焼結し、その後、急
冷することが好ましい。なお、焼結雰囲気は、真空中ま
たはArガス等の不活性ガス雰囲気であることが好まし
く、前述したように開空孔の比率を減らすことができる
点で、真空中または減圧した不活性ガス雰囲気での焼結
がより好ましい。なお、焼結工程の一部だけを真空また
は減圧雰囲気とする構成としてもよい。
時の密度変化などが所望の値となるように適宜選択すれ
ばよい。焼結温度は、粒界相用母合金の溶融温度以上で
あればよいが、上述した比較的大径の粉末を用いた高密
度成形体では、焼結が進みにくいために従来のいわゆる
半焼結の場合より焼結温度を高くしても、収縮率を低く
抑えることができる。具体的には、900〜1100℃
で0.5〜10時間熱処理を施して焼結し、その後、急
冷することが好ましい。なお、焼結雰囲気は、真空中ま
たはArガス等の不活性ガス雰囲気であることが好まし
く、前述したように開空孔の比率を減らすことができる
点で、真空中または減圧した不活性ガス雰囲気での焼結
がより好ましい。なお、焼結工程の一部だけを真空また
は減圧雰囲気とする構成としてもよい。
【0054】焼結後、保磁力向上のために時効処理を必
要に応じて施す。
要に応じて施す。
【0055】<焼結磁石>このようにして製造される焼
結磁石の組成は、主相用母合金および粒界相用母合金そ
れぞれの組成と、これらの母合金の混合比率によって決
まるが、好ましい磁石組成は、Rを27〜40重量%、
Bを0.5〜4.5重量%含有し、残部が実質的にTで
あるものである。
結磁石の組成は、主相用母合金および粒界相用母合金そ
れぞれの組成と、これらの母合金の混合比率によって決
まるが、好ましい磁石組成は、Rを27〜40重量%、
Bを0.5〜4.5重量%含有し、残部が実質的にTで
あるものである。
【0056】焼結磁石中には、これらの元素の他、不可
避的不純物あるいは微量添加物として、例えば炭素や酸
素が含有されていてもよい。
避的不純物あるいは微量添加物として、例えば炭素や酸
素が含有されていてもよい。
【0057】焼結磁石は、実質的に正方晶型の結晶構造
の主相を有し、結晶粒界には、R2T14BよりもR比率
の高いRリッチ相が存在する。磁石の結晶粒径は、主相
用母合金の結晶粒径、主相用母合金粉末の粒子径、焼結
条件等に応じたものとなる。
の主相を有し、結晶粒界には、R2T14BよりもR比率
の高いRリッチ相が存在する。磁石の結晶粒径は、主相
用母合金の結晶粒径、主相用母合金粉末の粒子径、焼結
条件等に応じたものとなる。
【0058】焼結時の収縮を低く抑えた場合には、焼結
磁石中に閉空孔が含まれる。閉空孔とは、磁石表面に連
通していない空孔である。磁石全体に対する閉空孔の比
率は、好ましくは2体積%以上、より好ましくは2.5
〜10体積%である。閉空孔が少なすぎる磁石は、焼結
時に大きく収縮しており、成形体の良好な寸法精度が維
持されていない。閉空孔の多すぎる磁石は、磁石特性が
不十分であり、強度も不足する。磁石中における閉空孔
の合計容積率および後述する開空孔の合計容積率は、以
下のようにして算出することができる。
磁石中に閉空孔が含まれる。閉空孔とは、磁石表面に連
通していない空孔である。磁石全体に対する閉空孔の比
率は、好ましくは2体積%以上、より好ましくは2.5
〜10体積%である。閉空孔が少なすぎる磁石は、焼結
時に大きく収縮しており、成形体の良好な寸法精度が維
持されていない。閉空孔の多すぎる磁石は、磁石特性が
不十分であり、強度も不足する。磁石中における閉空孔
の合計容積率および後述する開空孔の合計容積率は、以
下のようにして算出することができる。
【0059】開空孔合計容積率K 式I K=(WW −W)/V 閉空孔合計容積率H 式II H=1−K−W/(V・ρ) ただし、上記各式において、 V:サンプル形状から求めた体積、 W:サンプル重量、 WW :サンプルを水中に浸漬し、100Torr以下まで減
圧して30秒間保持した後、取り出し、サンプル表面の
水をふき取った後のサンプル重量、 ρ:磁石の理論密度 である。
圧して30秒間保持した後、取り出し、サンプル表面の
水をふき取った後のサンプル重量、 ρ:磁石の理論密度 である。
【0060】本発明の焼結磁石の密度は、7.2g/cm3
以下であることが好ましい。200μm 程度の大径の粒
子からなる粉末を高圧で成形すれば、成形体の密度を
6.4g/cm3 程度と高くすることができるが、このよう
な成形体では焼成の際の粒子移動が困難であるため、高
温で焼成しても7.2g/cm3 を超える密度とすることは
困難である。逆に、小径の粒子を用いて低密度の成形体
とした場合に7.2g/cm3 を超える密度となるまで焼成
すると、焼結が進みすぎて収縮率が大きくなってしま
う。焼結磁石の密度がこの範囲であっても、磁石表面に
連通する開空孔が多い場合には、磁石の耐食性が極端に
低下するため好ましくない。開空孔の比率は、2体積%
以下であることが好ましい。開空孔の比率は、前述した
方法により求めることができる。
以下であることが好ましい。200μm 程度の大径の粒
子からなる粉末を高圧で成形すれば、成形体の密度を
6.4g/cm3 程度と高くすることができるが、このよう
な成形体では焼成の際の粒子移動が困難であるため、高
温で焼成しても7.2g/cm3 を超える密度とすることは
困難である。逆に、小径の粒子を用いて低密度の成形体
とした場合に7.2g/cm3 を超える密度となるまで焼成
すると、焼結が進みすぎて収縮率が大きくなってしま
う。焼結磁石の密度がこの範囲であっても、磁石表面に
連通する開空孔が多い場合には、磁石の耐食性が極端に
低下するため好ましくない。開空孔の比率は、2体積%
以下であることが好ましい。開空孔の比率は、前述した
方法により求めることができる。
【0061】<その他>磁石の耐食性を向上させるため
には、開空孔を塞ぐことが好ましい。このためには、例
えば、有機溶剤に樹脂を溶解した溶液中に磁石を浸漬し
た後、乾燥させる処理を施せばよい。なお、このような
処理の後、樹脂の電着塗装や無電解めっき等により、通
常の防食被覆を設けてもよい。
には、開空孔を塞ぐことが好ましい。このためには、例
えば、有機溶剤に樹脂を溶解した溶液中に磁石を浸漬し
た後、乾燥させる処理を施せばよい。なお、このような
処理の後、樹脂の電着塗装や無電解めっき等により、通
常の防食被覆を設けてもよい。
【0062】本発明は、後述するような薄肉のリング状
や板状の磁石の製造に好適であり、特に厚さが3mm以下
である薄肉磁石の製造に本発明は適する。なお、磁石厚
さが0.5mm未満となると、成形が困難となる傾向があ
る。
や板状の磁石の製造に好適であり、特に厚さが3mm以下
である薄肉磁石の製造に本発明は適する。なお、磁石厚
さが0.5mm未満となると、成形が困難となる傾向があ
る。
【0063】<寸法偏差>本発明では、寸法偏差の極め
て小さい焼結磁石が得られるので、焼結後、研削等によ
る形状加工をせずに製品化することができる。
て小さい焼結磁石が得られるので、焼結後、研削等によ
る形状加工をせずに製品化することができる。
【0064】すなわち、本発明によれば、平行部を有
し、平行部の最大長さをその平均厚さで除した値が10
以上である薄肉焼結磁石において、平行部の厚さ偏差を
1.5%以下とすることができ、1%以下とすることも
容易であり、最大長さ/平均厚さが15以上である薄肉
磁石についても厚さ偏差をこのような範囲に収めること
が可能である。平行部とは、対向する平行な2面で挟ま
れたブロックであり、平行部を有する磁石とは、例え
ば、板状磁石や円盤状磁石、リング状磁石である。平行
部の厚さ偏差とは、平行部の厚さの最大値と最小値との
差を平行部の最大長さで除した値である。平行部の厚さ
偏差は、平行部の反りや厚さの不均一性の指標となる値
であり、上記のような寸法比の薄肉焼結磁石の場合、反
りや厚さの不均一さが大きくなるので、従来、一般に厚
さ偏差が2.5%以上となっている。
し、平行部の最大長さをその平均厚さで除した値が10
以上である薄肉焼結磁石において、平行部の厚さ偏差を
1.5%以下とすることができ、1%以下とすることも
容易であり、最大長さ/平均厚さが15以上である薄肉
磁石についても厚さ偏差をこのような範囲に収めること
が可能である。平行部とは、対向する平行な2面で挟ま
れたブロックであり、平行部を有する磁石とは、例え
ば、板状磁石や円盤状磁石、リング状磁石である。平行
部の厚さ偏差とは、平行部の厚さの最大値と最小値との
差を平行部の最大長さで除した値である。平行部の厚さ
偏差は、平行部の反りや厚さの不均一性の指標となる値
であり、上記のような寸法比の薄肉焼結磁石の場合、反
りや厚さの不均一さが大きくなるので、従来、一般に厚
さ偏差が2.5%以上となっている。
【0065】また、本発明によれば、円筒部を有し、円
筒部の平均外径をその平均肉厚で除した値が10以上で
ある薄肉磁石において、円筒部の外径偏差および/また
は内径偏差を1.5%以下とすることができ、1%以下
とすることも容易であり、平均外径/平均肉厚が15以
上である薄肉磁石についても外径偏差および/または内
径偏差をこのような範囲に収めることが可能である。円
筒部とは、外周面を有するか、外周面および内周面を有
する円筒状ブロックであり、円筒部を有する磁石とは、
例えばリング状磁石や円盤状磁石であるが、この場合の
外径偏差および内径偏差は、外周面および内周面を有す
る円筒部を対象とする。円筒部の外径偏差とは、円筒部
の外径の最大値と最小値との差を平均外径で除した値で
あり、内径偏差とは、円筒部の内径の最大値と最小値と
の差を平均内径で除した値である。円筒部の外径偏差お
よび内径偏差は、円筒部の反りや歪、肉厚の不均一性の
指標となる値であり、上記のような寸法比の薄肉焼結磁
石の場合、反りや歪、肉厚の不均一さが大きくなるの
で、従来、一般に外径偏差および内径偏差が3%以上と
なっている。
筒部の平均外径をその平均肉厚で除した値が10以上で
ある薄肉磁石において、円筒部の外径偏差および/また
は内径偏差を1.5%以下とすることができ、1%以下
とすることも容易であり、平均外径/平均肉厚が15以
上である薄肉磁石についても外径偏差および/または内
径偏差をこのような範囲に収めることが可能である。円
筒部とは、外周面を有するか、外周面および内周面を有
する円筒状ブロックであり、円筒部を有する磁石とは、
例えばリング状磁石や円盤状磁石であるが、この場合の
外径偏差および内径偏差は、外周面および内周面を有す
る円筒部を対象とする。円筒部の外径偏差とは、円筒部
の外径の最大値と最小値との差を平均外径で除した値で
あり、内径偏差とは、円筒部の内径の最大値と最小値と
の差を平均内径で除した値である。円筒部の外径偏差お
よび内径偏差は、円筒部の反りや歪、肉厚の不均一性の
指標となる値であり、上記のような寸法比の薄肉焼結磁
石の場合、反りや歪、肉厚の不均一さが大きくなるの
で、従来、一般に外径偏差および内径偏差が3%以上と
なっている。
【0066】なお、円盤状磁石など、外周面だけを有す
る円筒部をもち、平均外径/平均厚さが10以上、さら
には15以上である薄肉焼結磁石においても、円筒部の
外径偏差を1.5%以下とすることができ、1%以下と
することも容易である。
る円筒部をもち、平均外径/平均厚さが10以上、さら
には15以上である薄肉焼結磁石においても、円筒部の
外径偏差を1.5%以下とすることができ、1%以下と
することも容易である。
【0067】本明細書において、平行部の厚さ偏差は以
下のようにして測定する。まず、被測定物を、その平行
部を構成する一方の面が定盤と接するように、定盤上に
載置する。そして、平行部を構成する他方の面の定盤表
面からの高さを、20箇所で測定する。次に、前記他方
の面が定盤表面と接するように、被測定物を裏返して定
盤上に載置し、同様にして20箇所で高さを測定する。
測定位置は、測定対象の面をほぼ均等に20に分割し、
各領域内のほぼ中央の点とする。得られたすべての測定
値から、最大値(Tmax )と最小値(Tmin )との差
(Tmax −Tmin)を求める。この差を、前記平行部を
構成する各面の長さ(長手方向長さ)のうちの最大値L
で除した値{(Tmax −Tmin )/L}を、厚さ偏差と
する。互いに平行な面を2組以上有する薄肉磁石の厚さ
偏差は、両主面を前記一方の面および前記他方の面とし
たときに大きな値となる。なお、薄肉磁石の説明におけ
る平均厚さには、上記のようにして得られたすべての測
定値の平均を用いればよい。
下のようにして測定する。まず、被測定物を、その平行
部を構成する一方の面が定盤と接するように、定盤上に
載置する。そして、平行部を構成する他方の面の定盤表
面からの高さを、20箇所で測定する。次に、前記他方
の面が定盤表面と接するように、被測定物を裏返して定
盤上に載置し、同様にして20箇所で高さを測定する。
測定位置は、測定対象の面をほぼ均等に20に分割し、
各領域内のほぼ中央の点とする。得られたすべての測定
値から、最大値(Tmax )と最小値(Tmin )との差
(Tmax −Tmin)を求める。この差を、前記平行部を
構成する各面の長さ(長手方向長さ)のうちの最大値L
で除した値{(Tmax −Tmin )/L}を、厚さ偏差と
する。互いに平行な面を2組以上有する薄肉磁石の厚さ
偏差は、両主面を前記一方の面および前記他方の面とし
たときに大きな値となる。なお、薄肉磁石の説明におけ
る平均厚さには、上記のようにして得られたすべての測
定値の平均を用いればよい。
【0068】円筒部の外径偏差および内径偏差は以下の
ようにして求める。まず、円筒部の外径または内径を、
円筒部の軸方向に連続して測定し、最大値と最小値とを
求める。このとき、円筒部の軸方向両端部の0.1mmの
範囲の測定値は除外する。次に、前記円筒部をその軸を
中心にして15°回転させた後、同様な測定を行なう。
このようにして、15°間隔で周方向180°にわたっ
て測定を合計12回繰り返す。12の最大値のうち最大
のものをφmax 、12の最小値のうち最小のものをφmi
n とし、φmax −φmin を求める。次に、12の最大値
の平均と12の最小値の平均との平均値φ0 を求め、φ
0 を平均外径または平均内径とする。そして、{(φma
x −φmin )/φ0 }を、外径偏差または内径偏差とす
る。なお、薄肉磁石の寸法比の説明における平均外径、
平均内径には、上記φ0 を用いればよく、平均肉厚に
は、(平均外径−平均内径)/2を用いればよい。
ようにして求める。まず、円筒部の外径または内径を、
円筒部の軸方向に連続して測定し、最大値と最小値とを
求める。このとき、円筒部の軸方向両端部の0.1mmの
範囲の測定値は除外する。次に、前記円筒部をその軸を
中心にして15°回転させた後、同様な測定を行なう。
このようにして、15°間隔で周方向180°にわたっ
て測定を合計12回繰り返す。12の最大値のうち最大
のものをφmax 、12の最小値のうち最小のものをφmi
n とし、φmax −φmin を求める。次に、12の最大値
の平均と12の最小値の平均との平均値φ0 を求め、φ
0 を平均外径または平均内径とする。そして、{(φma
x −φmin )/φ0 }を、外径偏差または内径偏差とす
る。なお、薄肉磁石の寸法比の説明における平均外径、
平均内径には、上記φ0 を用いればよく、平均肉厚に
は、(平均外径−平均内径)/2を用いればよい。
【0069】なお、寸法偏差の測定には、光学式などの
非接触式の測定器を用いてもよく、接触式3次元測定器
や、マイクロメータ、内周マイクロメータなどの接触式
の測定器を用いてもよい。
非接触式の測定器を用いてもよく、接触式3次元測定器
や、マイクロメータ、内周マイクロメータなどの接触式
の測定器を用いてもよい。
【0070】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
をさらに詳細に説明する。
【0071】<実施例1>表1に示す焼結磁石を、本発
明法、2合金法および通常の焼結法(表1には1合金法
と表示してある)により作製した。
明法、2合金法および通常の焼結法(表1には1合金法
と表示してある)により作製した。
【0072】本発明法 まず、主相用母合金のインゴットを、鋳造により製造し
た。インゴットの組成を表1に示す。なお、組成の残部
はFeである。これらの合金インゴットは、平均結晶粒
径約300μm であり、結晶粒の長軸/短軸の平均値
は、いずれも2.5以下であった。各合金インゴット
を、水素吸蔵・脱ガス反応による体積の膨張・収縮を利
用して粗粉砕した後、ディスクミルにより粉砕し、表1
に示す平均粒子径の粉末とした。粉末の平均粒子径は、
粉末の塗膜の光学顕微鏡写真から前述した方法により求
めた。粉末を構成する粒子の長軸/短軸の平均値は、い
ずれも2.5以下であった。
た。インゴットの組成を表1に示す。なお、組成の残部
はFeである。これらの合金インゴットは、平均結晶粒
径約300μm であり、結晶粒の長軸/短軸の平均値
は、いずれも2.5以下であった。各合金インゴット
を、水素吸蔵・脱ガス反応による体積の膨張・収縮を利
用して粗粉砕した後、ディスクミルにより粉砕し、表1
に示す平均粒子径の粉末とした。粉末の平均粒子径は、
粉末の塗膜の光学顕微鏡写真から前述した方法により求
めた。粉末を構成する粒子の長軸/短軸の平均値は、い
ずれも2.5以下であった。
【0073】次に、合金溶湯をAr雰囲気中で単ロール
法により冷却し、表1に示す組成の粒界相用母合金を製
造した。なお、表1に示す組成の残部はFeである。冷
却ロールにはCuロールを用いた。粒界相用母合金は厚
さ0.15mmの薄帯状であり、X線回折の結果、アモル
ファス状態であることが確認された。各粒界相用母合金
を、スタンプミルを用いて2mm角以下に粉砕した。
法により冷却し、表1に示す組成の粒界相用母合金を製
造した。なお、表1に示す組成の残部はFeである。冷
却ロールにはCuロールを用いた。粒界相用母合金は厚
さ0.15mmの薄帯状であり、X線回折の結果、アモル
ファス状態であることが確認された。各粒界相用母合金
を、スタンプミルを用いて2mm角以下に粉砕した。
【0074】次いで、主相用母合金粉末と粒界相用母合
金とをVミキサーにより混合し、混合物に10 kOeの磁
界を印加して主相用母合金粉末を着磁した。粒界相用母
合金の添加量(混合物中の粒界相用母合金の比率)を、
表1に示す。
金とをVミキサーにより混合し、混合物に10 kOeの磁
界を印加して主相用母合金粉末を着磁した。粒界相用母
合金の添加量(混合物中の粒界相用母合金の比率)を、
表1に示す。
【0075】各混合物をそれぞれMoボートに入れ、真
空中において800℃で30分間の熱処理を施した。表
1に示す粒界相用母合金は、すべてが800℃までに溶
融した。
空中において800℃で30分間の熱処理を施した。表
1に示す粒界相用母合金は、すべてが800℃までに溶
融した。
【0076】熱処理後、粒界相用母合金がバインダとな
って結合された主相用母合金粉末を解砕し、約500μ
m 以下の粒子からなる解砕粉とした。
って結合された主相用母合金粉末を解砕し、約500μ
m 以下の粒子からなる解砕粉とした。
【0077】各解砕粉を磁場中で成形し、直径20mm、
厚さ1.5mmの円盤状成形体を得た。磁界強度は8 kOe
とし、磁化容易軸が成形体の厚さ方向となるように磁界
を印加した。成形圧力および成形体密度を、表1に示
す。
厚さ1.5mmの円盤状成形体を得た。磁界強度は8 kOe
とし、磁化容易軸が成形体の厚さ方向となるように磁界
を印加した。成形圧力および成形体密度を、表1に示
す。
【0078】次いで、各成形体を真空中で焼結した後、
急冷した。焼結温度およびその温度に保持した時間を、
表1に示す。焼結後、Ar雰囲気中において650℃で
1時間時効処理を施して、円盤状の焼結磁石サンプルと
した。各焼結磁石サンプルの密度、焼結時の密度変化
量、残留磁束密度(Br)、保磁力(Hcj)を、表1
に示す。なお、BrおよびHcjの測定には、直径15
mm、厚さ10mmの成形体を焼結して作製した磁気特性測
定用サンプルを用いた。磁気特性測定用サンプルの製造
条件は、成形体寸法以外は表1に示す各サンプルとそれ
ぞれ同一とした。また、各サンプルの開空孔の合計容積
率および閉空孔の合計容積率を、前述した方法により算
出した。これらの算出に際しては、磁石の理論密度を
7.55g/cm3 とした。結果を表1に示す。
急冷した。焼結温度およびその温度に保持した時間を、
表1に示す。焼結後、Ar雰囲気中において650℃で
1時間時効処理を施して、円盤状の焼結磁石サンプルと
した。各焼結磁石サンプルの密度、焼結時の密度変化
量、残留磁束密度(Br)、保磁力(Hcj)を、表1
に示す。なお、BrおよびHcjの測定には、直径15
mm、厚さ10mmの成形体を焼結して作製した磁気特性測
定用サンプルを用いた。磁気特性測定用サンプルの製造
条件は、成形体寸法以外は表1に示す各サンプルとそれ
ぞれ同一とした。また、各サンプルの開空孔の合計容積
率および閉空孔の合計容積率を、前述した方法により算
出した。これらの算出に際しては、磁石の理論密度を
7.55g/cm3 とした。結果を表1に示す。
【0079】2合金法 粒界相用母合金は上記と同様にして製造し、これをピン
ミルにより粉末化し、フルイにより分級した。粒子径の
下限を規制する開きの小さいフルイ(残留フルイ)に
は、開きが38μm 以上のものを用い、粒子径の上限を
規制する開きの大きいフルイ(通過フルイ)には、開き
が355μm 以下のものを用いた。これらについても上
記と同様な測定を行なった。結果を表1に示す。
ミルにより粉末化し、フルイにより分級した。粒子径の
下限を規制する開きの小さいフルイ(残留フルイ)に
は、開きが38μm 以上のものを用い、粒子径の上限を
規制する開きの大きいフルイ(通過フルイ)には、開き
が355μm 以下のものを用いた。これらについても上
記と同様な測定を行なった。結果を表1に示す。
【0080】1合金法 粒界相用母合金を用いず、1種類の母合金だけを用いて
焼結磁石を作製した。これらについても上記と同様な測
定を行なった。結果を表1に示す。
焼結磁石を作製した。これらについても上記と同様な測
定を行なった。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。
明らかである。
【0083】サンプルNo. 1〜3は、R含有量がほぼ同
じである。サンプルNo. 2とサンプルNo. 3とは、小径
の主相用母合金粉末を用いて比較的密度の低い成形体と
し、これを焼結して高密度の磁石としたものであるが、
1合金法によるサンプルNo.3に比べ、本発明によるサ
ンプルNo. 2では保磁力が著しく高くなっている。ま
た、大径の主相用母合金粉末を用いて比較的密度の高い
成形体とし、焼結の際の密度増加を抑えたサンプルNo.
1でも、保磁力がサンプルNo. 3よりも著しく高くなっ
ている。
じである。サンプルNo. 2とサンプルNo. 3とは、小径
の主相用母合金粉末を用いて比較的密度の低い成形体と
し、これを焼結して高密度の磁石としたものであるが、
1合金法によるサンプルNo.3に比べ、本発明によるサ
ンプルNo. 2では保磁力が著しく高くなっている。ま
た、大径の主相用母合金粉末を用いて比較的密度の高い
成形体とし、焼結の際の密度増加を抑えたサンプルNo.
1でも、保磁力がサンプルNo. 3よりも著しく高くなっ
ている。
【0084】サンプルNo. 4と5とは、R含有量がほぼ
同じであるが、本発明によるサンプルNo. 4は、2合金
法によるサンプルNo. 5よりも保磁力が高い。しかも、
粒界相用母合金の使用量はサンプルNo. 4のほうが少な
く、残留磁束密度が高くなっている。
同じであるが、本発明によるサンプルNo. 4は、2合金
法によるサンプルNo. 5よりも保磁力が高い。しかも、
粒界相用母合金の使用量はサンプルNo. 4のほうが少な
く、残留磁束密度が高くなっている。
【0085】サンプルNo. 2以外の本発明によるサンプ
ルは低密度磁石であり、主相用母合金粉末として平均粒
子径の大きなものを用いて高密度成形体を作製し、これ
を焼結したものである。これらには閉空孔が多量に含ま
れており、焼結の際の収縮が少なかったことがわかる。
しかも、これらのサンプルでは開空孔量が少ないので、
耐食性が良好である。これに対し、1合金法によるサン
プルNo. 8は、同様に高密度成形体を焼結した低密度磁
石であり、全空孔量は本発明サンプルと同等であるが、
焼結時のRリッチ相の流動が不十分であったためか、開
空孔の比率が高くなってしまっており、保磁力も本発明
によるサンプルに比べ著しく低い。また、2合金法によ
るサンプルは、開空孔量は少ないが、保磁力が本発明に
よるサンプルよりも低い。
ルは低密度磁石であり、主相用母合金粉末として平均粒
子径の大きなものを用いて高密度成形体を作製し、これ
を焼結したものである。これらには閉空孔が多量に含ま
れており、焼結の際の収縮が少なかったことがわかる。
しかも、これらのサンプルでは開空孔量が少ないので、
耐食性が良好である。これに対し、1合金法によるサン
プルNo. 8は、同様に高密度成形体を焼結した低密度磁
石であり、全空孔量は本発明サンプルと同等であるが、
焼結時のRリッチ相の流動が不十分であったためか、開
空孔の比率が高くなってしまっており、保磁力も本発明
によるサンプルに比べ著しく低い。また、2合金法によ
るサンプルは、開空孔量は少ないが、保磁力が本発明に
よるサンプルよりも低い。
【0086】サンプルNo. 9および10では、AlやC
uを含む粒界相用母合金を用いているため、高保磁力が
得られている。2合金法によるサンプルNo. 11でも、
粒界相用母合金がCuを含むために比較的高い保磁力が
得られているが、サンプルNo. 9および10よりも保磁
力が低く、しかも、Cuを含まない粒界相用母合金を用
いたサンプルNo. 6よりも保磁力が低い。
uを含む粒界相用母合金を用いているため、高保磁力が
得られている。2合金法によるサンプルNo. 11でも、
粒界相用母合金がCuを含むために比較的高い保磁力が
得られているが、サンプルNo. 9および10よりも保磁
力が低く、しかも、Cuを含まない粒界相用母合金を用
いたサンプルNo. 6よりも保磁力が低い。
【0087】次に、JIS1級定盤を用いて、前述した
方法により各サンプルの厚さ偏差を求めた。この結果、
サンプルNo. 2を除き、本発明によるサンプルでは、厚
さ偏差が0.9%以下と著しく小さく、焼結時の不均一
な収縮による反りが極めて少なかった。厚さ1.5mmの
薄肉磁石においてこのように厚さ偏差が小さければ、研
削加工による寸法修正をせずに製品化することが可能で
ある。しかも、表1に示されるように、本発明によるサ
ンプルでは十分な磁石特性が得られている。なお、厚さ
偏差の算出に際しては、平行部の最大長さとして磁石の
直径を用いた。
方法により各サンプルの厚さ偏差を求めた。この結果、
サンプルNo. 2を除き、本発明によるサンプルでは、厚
さ偏差が0.9%以下と著しく小さく、焼結時の不均一
な収縮による反りが極めて少なかった。厚さ1.5mmの
薄肉磁石においてこのように厚さ偏差が小さければ、研
削加工による寸法修正をせずに製品化することが可能で
ある。しかも、表1に示されるように、本発明によるサ
ンプルでは十分な磁石特性が得られている。なお、厚さ
偏差の算出に際しては、平行部の最大長さとして磁石の
直径を用いた。
【0088】これに対し、サンプルNo. 3では、粒子径
の小さな母合金の粉末を用いて形成した低密度の成形体
を焼結したため、焼結が進みすぎて閉空孔が少なくなっ
ており、厚さ偏差が3%以上と大きく、焼結時の不均一
な収縮により大きな反りが発生していることがわかっ
た。厚さ偏差がこのように大きいと、製品化は不可能で
ある。
の小さな母合金の粉末を用いて形成した低密度の成形体
を焼結したため、焼結が進みすぎて閉空孔が少なくなっ
ており、厚さ偏差が3%以上と大きく、焼結時の不均一
な収縮により大きな反りが発生していることがわかっ
た。厚さ偏差がこのように大きいと、製品化は不可能で
ある。
【0089】なお、密度が5.5g/cm3 以上の成形体
は、0.45kgf/mm2 以上の十分に高い抗折強度を示し
た。
は、0.45kgf/mm2 以上の十分に高い抗折強度を示し
た。
【0090】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 G
Claims (16)
- 【請求項1】 R(Rは、Yを含む希土類元素の少なく
とも1種である)、T(Tは、Fe、またはFeおよび
Coである)およびBを含有する焼結磁石を製造する方
法であって、 実質的にR2 T14Bから構成される相を有する主相用母
合金の粉末と、Rを70〜97重量%含み、残部が実質
的にFeおよび/またはCoである粒界相用母合金との
混合物に、粒界相用母合金が溶融するように熱処理を施
した後、解砕して成形し、焼結することを特徴とする焼
結磁石の製造方法。 - 【請求項2】 混合物中における粒界相用母合金の比率
を2〜15重量%とする請求項1の焼結磁石の製造方
法。 - 【請求項3】 熱処理前に、主相用母合金の粉末を着磁
する請求項1または2の焼結磁石の製造方法。 - 【請求項4】 粒界相用母合金のRの50%以上をNd
が占める請求項1〜3のいずれかの焼結磁石の製造方
法。 - 【請求項5】 粒界相用母合金を液体急冷法により製造
する請求項1〜4のいずれかの焼結磁石の製造方法。 - 【請求項6】 主相用母合金の結晶粒の長軸/短軸の平
均値が3以下であるか、主相用母合金の粉末を構成する
粒子の長軸/短軸の平均値が3以下である請求項1〜5
のいずれかの焼結磁石の製造方法。 - 【請求項7】 主相用母合金の粉末の平均粒子径が20
μm 以上である請求項1〜6のいずれかの焼結磁石の製
造方法。 - 【請求項8】 焼結温度が900〜1100℃である請
求項1〜7のいずれかの焼結磁石の製造方法。 - 【請求項9】 真空中で焼結を行なう請求項1〜8のい
ずれかの焼結磁石の製造方法。 - 【請求項10】 密度5.5g/cm3 以上の成形体を、密
度変化が0.2g/cm3 以上となるように焼結する工程を
有する請求項1〜9のいずれかの焼結磁石の製造方法。 - 【請求項11】 抗折強度が0.3kgf/mm2 以上である
成形体を焼結する請求項10の焼結磁石の製造方法。 - 【請求項12】 8t/cm2 以上の圧力で成形を行なう請
求項10または11の焼結磁石の製造方法。 - 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかの方法によ
り製造された焼結磁石であって、 閉空孔を2体積%以上含むことを特徴とする焼結磁石。 - 【請求項14】 密度が7.2g/cm3 以下である請求項
13の焼結磁石。 - 【請求項15】 開空孔の比率が2体積%以下である請
求項13または14の焼結磁石。 - 【請求項16】 Rを27〜40重量%、Bを0.5〜
4.5重量%含有し、残部が実質的にTである請求項1
3〜15のいずれかの焼結磁石。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6087861A JPH07272914A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 焼結磁石およびその製造方法 |
US08/364,756 US5641363A (en) | 1993-12-27 | 1994-12-27 | Sintered magnet and method for making |
US08/824,008 US5834663A (en) | 1993-12-27 | 1997-03-25 | Sintered magnet and method for making |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6087861A JPH07272914A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 焼結磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07272914A true JPH07272914A (ja) | 1995-10-20 |
Family
ID=13926674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6087861A Withdrawn JPH07272914A (ja) | 1993-12-27 | 1994-03-31 | 焼結磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07272914A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008263242A (ja) * | 2008-08-04 | 2008-10-30 | Inter Metallics Kk | 磁気異方性希土類焼結磁石の製造方法及び製造装置 |
JP2008294470A (ja) * | 2008-08-04 | 2008-12-04 | Inter Metallics Kk | NdFeB系焼結磁石の製造方法 |
JP2008294469A (ja) * | 2008-08-04 | 2008-12-04 | Inter Metallics Kk | NdFeB系焼結磁石の製造方法及びNdFeB系焼結磁石製造用モールド |
WO2010113371A1 (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 昭和電工株式会社 | R-t-b系希土類永久磁石用合金材料、r-t-b系希土類永久磁石の製造方法およびモーター |
JP2012049492A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-03-08 | Hitachi Metals Ltd | 希土類永久磁石の製造方法 |
JPWO2011070827A1 (ja) * | 2009-12-09 | 2013-04-22 | 愛知製鋼株式会社 | 希土類異方性磁石とその製造方法 |
JP5472320B2 (ja) * | 2009-12-09 | 2014-04-16 | 愛知製鋼株式会社 | 希土類異方性磁石粉末およびその製造方法とボンド磁石 |
WO2015002280A1 (ja) * | 2013-07-03 | 2015-01-08 | Tdk株式会社 | R-t-b系焼結磁石 |
WO2015020180A1 (ja) * | 2013-08-09 | 2015-02-12 | Tdk株式会社 | R-t-b系焼結磁石、および回転機 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6087861A patent/JPH07272914A/ja not_active Withdrawn
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WO2010113371A1 (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 昭和電工株式会社 | R-t-b系希土類永久磁石用合金材料、r-t-b系希土類永久磁石の製造方法およびモーター |
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US9640319B2 (en) | 2009-12-09 | 2017-05-02 | Aichi Steel Corporation | Anisotropic rare earth magnet powder, method for producing the same, and bonded magnet |
JPWO2011070827A1 (ja) * | 2009-12-09 | 2013-04-22 | 愛知製鋼株式会社 | 希土類異方性磁石とその製造方法 |
JP5472320B2 (ja) * | 2009-12-09 | 2014-04-16 | 愛知製鋼株式会社 | 希土類異方性磁石粉末およびその製造方法とボンド磁石 |
US10607755B2 (en) | 2009-12-09 | 2020-03-31 | Aichi Steel Corporation | Anisotropic rare earth magnet powder, method for producing the same, and bonded magnet |
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WO2015002280A1 (ja) * | 2013-07-03 | 2015-01-08 | Tdk株式会社 | R-t-b系焼結磁石 |
JPWO2015002280A1 (ja) * | 2013-07-03 | 2017-02-23 | Tdk株式会社 | R−t−b系焼結磁石 |
US10096410B2 (en) | 2013-07-03 | 2018-10-09 | Tdk Corporation | R-T-B based sintered magnet |
JPWO2015020180A1 (ja) * | 2013-08-09 | 2017-03-02 | Tdk株式会社 | R−t−b系焼結磁石、および回転機 |
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