JPH07241457A - 乳化組成物 - Google Patents

乳化組成物

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JPH07241457A
JPH07241457A JP6023294A JP6023294A JPH07241457A JP H07241457 A JPH07241457 A JP H07241457A JP 6023294 A JP6023294 A JP 6023294A JP 6023294 A JP6023294 A JP 6023294A JP H07241457 A JPH07241457 A JP H07241457A
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cyclodextrin
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alkyl
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JP6023294A
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Kenzo Ito
建三 伊藤
Haku Matsuda
伯 松田
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シクロデキストリンを用いた乳化系におい
て、凝集や油浮きのない安定な乳化組成物を提供する。 【構成】 シクロデキストリンおよび/またはシクロデ
キストリン誘導体と、油性成分と、アルキル変性カルボ
キシビニルポリマーとを含有することを特徴とする乳化
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳化組成物に関し、特
に、界面活性剤を使用することなく長期安定性に優れた
乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来より、化粧用の乳化
組成物としては、各種の油性および水性の原料を乳化し
たクリーム、乳液などが広く用いられている。かかる乳
化組成物の製造にあたっては、原料を厳密に設定した各
種条件のもとに処理するだけでなく、乳化組成物の経時
安定性を保証するために界面活性剤を使用することが必
須とされていた。しかしながら、近年、化粧品について
もより一層の安全性が期待されており、この観点から、
界面活性剤の存在が問題とされる事もある。そのため、
界面活性剤を用いずに、シクロデキストリンを利用して
化粧用乳化物を得る方法も提案されている(特公平2−
38253号公報、特公昭62−31681号公報、特
公昭61−38166号公報)。しかしながら、これら
の乳化組成物は、乳化の長期安定性の点で必ずしも十分
に満足できるものではなかった。そこで、本発明者ら
は、前記問題点を解決すべく検討を重ねた結果、アルキ
ル変性カルボキシビニルポリマーを配合することにより
乳化の長期安定性および使用感が向上することを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の目的
は、界面活性剤を使用せずに、経時の乳化安定性が良好
な乳化組成物を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シクロデキストリンおよび/またはシクロデキストリン
誘導体と、油性成分と、アルキル変性カルボキシルビニ
ルポリマーとを含むことを特徴とする乳化組成物であ
る。また、請求項2記載の発明は、実質的に界面活性剤
を含まない請求項1記載の乳化組成物である。請求項3
記載の乳化組成物は、シクロデキストリン誘導体がヒド
ロキシアルキルシクロデキストリンであることを特徴と
する。さらに請求項4記載の乳化組成物は、シクロデキ
ストリンおよび/またはシクロデキストリン誘導体の配
合量が0.05〜20重量%であることを特徴とする。
請求項5記載の乳化組成物は、油性成分の配合量が2〜
50重量%であることを特徴とする。請求項6記載の乳
化組成物は、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの
配合量が0.01〜10重量%であることを特徴とす
る。
【0004】本発明に用いられるアルキル変性カルボキ
シビニルポリマーは、アクリル酸メタクリル酸アルキル
共重合体で、例えばカーボポール(Carbopol)1342, ペミ
ュレン(Pemulen)TR-1, ペミュレン(Pemulen)TR-2 (Goo
d rich社)の商品名で知られているものが挙げられる。
アルキル変性カルボキシビニルポリマーの配合量は乳化
組成物中0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましく
は、 0.1〜5重量%である。0.01%未満では乳化しにく
く、10%を超えて配合しても乳化作用および乳化安定性
向上効果の増大は期待できない。さらに使用性の観点か
らは、 0.1〜5重量%の範囲が最も好ましい。なお、増
粘剤として通常用いられているカルボキシビニルポリマ
ー(例えば、カーボポール(Carbopol)941 (Goodrich
社)、ハイビスワコー 105(和光純薬)等)では、油分
を安定に乳化することはできない。
【0005】本発明で使用されるシクロデクストリンお
よびシクロデキストリン誘導体は、特に限定されるもの
ではない。シクロデキストリンは、d−グルコースがα
−1、4結合により環状に結合したものであり、6個結
合したものがα−シクロデキストリン、7個のものがβ
−シクロデキストリン、8個のものがγ−シクロデキス
トリンである。本発明では、α型、β型、γ型−シクロ
デキストリンのいずれをも使用することができる。ま
た、α,β,γ型の混合したものであっても、また、デ
キストリンとの混合体であってもよい。さらに、シクロ
デキストリンの誘導体として、例えばヒドロキシメチル
シクロデキストリン、ヒドロキシエチルシクロデキスト
リン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ヒドロ
キシブチルシクロデキストリン、ジメチルシクロデキス
トリン、トリメチルシクロデキストリン、ジエチルシク
ロデキストリン、トリエチルシクロデキストリン、カル
ボキシメチルシクロデキストリン、グルコシルシクロデ
キストリン、マルトシルシクロデキストリン、ジマルト
シルシクロデキストリン、シクロデキストリンエピクロ
ルヒドリンポリマー等が挙げられる。配合量は、0.05〜
20重量%が適当である。これらのシクロデキストリンお
よびシクロデキストリン誘導体の中では、溶解性および
生産性の点から、ヒドロキシアルキルシクロデキストリ
ン、とりわけヒドロキシプロピルシクロデキストリンが
良好に用いられる。
【0006】本発明において用いられる油性成分として
は、通常化粧料に用いられる極性および非極性のいずれ
のものも使用でき、例えば、マカデミアナッツ油、月見
草油,オリーブ油、ミンク油、ホホバ油、ラノリン、ス
クワレン等の天然動植物油脂類、流動パラフィン、スク
ワラン、ワセリン等の炭化水素類、パラフィンワック
ス、鯨ロウ、密ロウ、キャンデリラワックス、カルナウ
バロウ等のワックス類、セタノール、ステアリルアルコ
ール等の高級アルコール類、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オ
レイン酸、リノレン酸、リノール酸、リノレイン酸、オ
キシステアリン酸等の高級脂肪酸類、イソプロピルミリ
スチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルイ
ソステアリン酸、2エチルエキサン酸グリセリール等の
エステル類、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエ
リスリトールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエ
ーテル、リノール酸エチル等の極性オイル、その他シリ
コーン油等を加えることもできる。このうち固型あるい
は半固型の油性成分を多く配合すると凝集作用が強くな
り、外観および粒子の状態が悪くなるので液状油を多く
用いるほうが望ましい。油性成分全体に対して液状油の
占める割合は、好ましくは50重量%以上である。また、
乳化組成物に対する油性成分全体の配合量は、2〜50重
量%が適当である。
【0007】また、本発明の乳化組成物には、ビタミン
A、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンE、酢酸トコフ
ェロール、アスコルビン酸エステル、ビタミンA酸、グ
リチルレチン酸、レシチン、γ−オリザノール、葉酸等
のビタミン類およびビタミン様作用物質類、エストラジ
オール、吉草酸エストラジオール、エチニルエストラジ
オール、プロスタグランジン、プロピオン酸テストステ
ロン等のホルモン類、ベンゾフェノン、4−t−ブチル
−4−メトキシ−ジベンゾイルメタン、ジメトキシケイ
皮酸エチルヘキサン酸グリセリル、p−アミノ安息香酸
エステル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸
フェニル等の紫外線吸収剤類、L−メントール、カンフ
ァー等の消炎剤、エチルパラベン、プロピルパラベン、
ブチルパラベン等の防腐剤、トリクロサン、ジプチルヒ
ドロキシトルエン等の殺菌剤などを配合することができ
る。さらに、本発明の乳化組成物には、必要に応じて適
当な香料、色素等を乳化安定性、使用感を損なわない範
囲で添加してもよい。また、モノグリセライド、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ジグリセリンジイソステアリン酸
エステル等の親油性活性剤、あるいは多糖増粘剤を併用
すると安定性はさらに向上する。
【0008】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳しく説明する。 実施例1 次の配合組成により化粧用乳化物を製造した。 成分 配合量 (1)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 3.0重量% (2)スクワラン 2.0 (3)アルキル変性カルボキシビニルポリマー (ペミュレン TR−2) 0.5 (4)KOH 0.2 (5)エチルアルコール 10.0 (6)メチルパラベン 0.15 (7)イオン交換水 残 部 該乳化物を製造するには、 (7)に(1)(3)(4)(5)(6) を分
散溶解し、それに(2)を添加し、ホモミキサー処理して
均一な乳化組成物とする。得られた乳化組成物につい
て、表1に示す比較例と共に、50℃、1ケ月後の安定性
を評価した。比較例1〜3は安定化剤として粘土鉱物
(ラポナイト)、多糖増粘剤(ケルトロール)、カルボ
キシルビニルポリマー(ハイビスワコー105)を、そ
れぞれ単独で配合したものであるが、実施例1の乳化組
成物は、いずれの比較例に比べても経時での安定性が優
れていた。
【0009】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 比較例2 比較例3 ──────────────────────────────────── ヒドロキシプロピル− 重量% 重量% 重量% 重量% β−シクロデキストリン 3 3 3 3 スクワラン 2 2 2 2 ペミュレン TR−2 0.5 − − − ラポナイト − 1 − − ケルトロール − − 0.5 − ハイビスワコー105 − − − 0.5 KOH 0.2 − − 0.01 エチルアルコール 10 10 10 10 メチルパラベン 0.15 0.15 0.15 0.15 イオン交換水 残部 残部 残部 残部 ──────────────────────────────────── 50℃、1ケ月の安定性 ○ × × ×〜△ 油分離 油分離 油分離 ──────────────────────────────────── 〔安定性評価基準〕 ○:油分離が全く認められない △:油分離が僅かに認められる ×:油分離が明確に認められる
【0010】実施例2 成分 配合量 (1)アルキル変性カルボキシビニル 重量% ポリマー(ペミュレンTR−1) 0.1 (2)アルキル変性カルボキシビニル ポリマー(ペミュレンTR−2) 0.2 (3)グリセリン 10.0 (4)セルデックスCH−30 0.4 (α、β、γミックスCD(日本食品化工製)) (5)メチルパラベン 0.15 (6)フェノキシエタノール 0.2 (7)ジメチルシリコーン 1.0 (8)マカデミアナッツオイル 1.0 (9)グリチルレチン酸ステアリル 0.05 (10)精製水 残部 (10)の一部に(4) を溶解し、(7)(8)(9) の油相を均一混
合させる。(10)の残部に、(1)(2)(3)(5)(6) を溶解さ
せ、これに前記油相混合パートを添加して乳化組成物を
得た。
【0011】実施例3 成分 配合量 (1)アルキル変性カルボキシビニル 重量% ポリマー (カーボポール 1342) 1.0 (2)コンドロイチン硫酸ソーダ 1.0 (3)1,3ブチレングリコール 10.0 (4)デキシパールK−50 20.0 (α,β,γ,CDミックス+デキストリン(塩水港精糖社製)) (5)流動パラフィン 20.0 (6)ワセリン 10.0 (7)ビタミンEアセテート 0.05 (8)大豆レシチン 0.05 (9)ブチルパラベン 0.02 (10)精製水 残部 (10)の一部に(4) を溶解し、これに均一に加熱溶解した
(5)(6)(7)(8)(9) を添加しホモミキサー処理する。(10)
の残部に、(1)(2)(3) を溶解し、これを前パートに混合
させクリームを得た。
【0012】実施例4 成分 配合量 (1)カルボキシビニルポリマー 重量% (カーボポール941) 0.2 (2)アルキル変性カルボキシビニルポリマー (ペミュレンTR−1) 0.7 (3)エチルアルコール 5.0 (4)マルトシルシクロデキストリン 10.0 (5)スクワラン 10.0 (6)ワセリン 5.0 (7)オクチルメトキシシンナメート 5.0 (8)2−ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン 2.0 (9)ジグリセリンジイソステアレート 2.0 (10)α−トコフェロール 0.01 (11)グリチルレチン酸 0.03 (12)エチルパラベン 0.1 (13)ブチルパラベン 0.2 (14)香料 0.05 (15)精製水 残部 (1)(2)(3)(4)(15)を均一に溶解し、70℃に保つ。別釜で
(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14) を加熱して均一
に溶解し、前パートに添加しホモミキサー処理して、安
定性良好な乳化組成物を得た。
【0013】実施例5〜8 表2の処方で実施例1に準じて化粧用乳化物を調整し、
安定性および専門パネルによる使用性評価を行った。そ
の結果を併せて表2に示す。
【0014】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 ──────────────────────────────────── ヒドロキシプロピル− β−シクロデキストリン 3 3 3 3 スクワラン 2 2 2 2 ペミュレン TR−2 0.05 0.1 5 7 KOH 0.02 0.04 0.2 0.3 エチルアルコール 10 10 10 10 メチルパラベン 0.15 0.15 0.15 0.15 イオン交換水 残部 残部 残部 残部 ──────────────────────────────────── 50℃、1ケ月の安定性 ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── 使用性 ○ ◎ ◎ ○ コクがなく コクがあり 同 左 やや 物足りない しっとりする べとつく ────────────────────────────────────
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルキル変性カルボキシルビニルポリマーを併用するこ
とにより、シクロデキストリン配合の乳化系をより安定
化させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/40 H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロデキストリンおよび/またはシク
    ロデキストリン誘導体と、油性成分と、アルキル変性カ
    ルボキシビニルポリマーとを含有することを特徴とする
    乳化組成物。
  2. 【請求項2】 実質的に界面活性剤を含まない請求項1
    記載の乳化組成物。
  3. 【請求項3】 シクロデキストリン誘導体がヒドロキシ
    アルキルシクロデキストリンである請求項1または請求
    項2記載の乳化組成物。
  4. 【請求項4】 シクロデキストリンおよび/またはシク
    ロデキストリン誘導体の配合量が0.05〜20重量%
    である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の乳化
    組成物。
  5. 【請求項5】 油性成分の配合量が2〜50重量%であ
    る請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の乳化組成
    物。
  6. 【請求項6】 アルキル変性カルボキシビニルポリマー
    の配合量が0.1〜5重量%である請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載の乳化組成物。
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