JPH07209152A - ガス検出器及びその使用方法 - Google Patents
ガス検出器及びその使用方法Info
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- JPH07209152A JPH07209152A JP472794A JP472794A JPH07209152A JP H07209152 A JPH07209152 A JP H07209152A JP 472794 A JP472794 A JP 472794A JP 472794 A JP472794 A JP 472794A JP H07209152 A JPH07209152 A JP H07209152A
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Abstract
を必要とせず、シンプルな構造と簡便な方法で、検知対
象ガスを希釈状態で検知、あるいは濃度測定することが
できるガス検出器を得る。 【構成】 検知対象ガスが存在する検知対象空間2と連
通連結された定容積のガス検知空間4内に、熱線型半導
体式ガスセンサを備え、小径の貫通孔あるいは制限透過
膜等の第1通気制限機構5を介して検知対象空間2とガ
ス検知空間4とを連通連結するとともに、第2通気制限
機構6を介して、検知対象ガスのガス濃度が低い希釈ガ
ス空間7とガス検知空間4とを連通連結して、希釈状態
でガス検知空間において検出をおこなう。
Description
る検知対象空間と連通連結された定容積のガス検知空間
内に、検知対象ガスを検知可能なガス検知素子を備えた
ガス検出器に関する。このような構成のガス検出器は、
ガスの存否の確認、さらには検知対象空間における検知
対象ガスの濃度の測定等に利用される。
スの濃度確認の場合を例に取って説明する。一般に、検
知対象ガスの濃度確認にあたっては、上記のような構成
のガス検出器において、検知対象ガスをガス検知空間内
に導いて検知、測定動作をおこなう。しかしながら、以
下に示すような場合は、検知対象空間内の検知対象ガス
を、その濃度のまま検出したのでは様々な問題を生じる
ことがある。先ず、ガスの希釈が必要とされるこういっ
た場合の例を列記する。 (a) LNGを貯蔵タンクで冷却保持する装置におい
て、周囲を囲む窒素ガス槽内へ漏れる天然ガスを検知し
ようとすると、この窒素ガス槽内には酸素が無くガスセ
ンサ(接触燃焼式ガスセンサや熱線型半導体式ガスセン
サあるいは、半導体式ガスセンサ)がそのまま使えない
場合。このような場合は、従来、大気による希釈をおこ
なっている。 (b) 高濃度ガスの検知では、センサが検知対象ガス
の高濃度の影響を受け、感度安定性が得られない場合。 (c) 高濃度ガスの検知で濃度がLELを越え、ガス
センサが防爆構造で無い場合。 (d) 燃焼器具の不完全燃焼排ガス成分検知(例え
ば、一酸化炭素検知)において、排気温が高く、排気を
センサに直接接触させる方法では、温度的にセンサ感度
の安定性に問題が生じる場合。 (e) 燃焼器具の不完全燃焼排ガス成分検知(例え
ば、一酸化炭素検知)において、熱線型半導体式センサ
を用いて検知をおこないたい場合は、排気をセンサに直
接接触させる構成をとると、排気中の酸素濃度変化が非
常に大きいとともに、このセンサの酸素濃度依存性が大
きいため、酸素濃度検出器を別途用意して、補正を必要
とするが、この酸素濃度によるセンサ出力の補正をしな
いで済ましたい場合。
スをガス検知空間に導いて、大気などで一定希釈をおこ
なって検知をおこなうこととなる。従来行われてきた希
釈構成としては、図8(イ)(ロ)に示す以下の2者が
ある。 (イ) 図8(イ)に示すもので、検知対象ガスと希釈
ガスの一例としての大気を、ポンプ100で流量制御し
ながら同時に吸引し、一定比率で検知対象ガスと大気を
ミキシングし、一定の希釈状態を実現する。 (ロ) 図8(ロ)に示すもので、検知対象ガスをサン
プリングするにあたり、検知対象ガスの存在する容器1
01にサンプリング用のパイプ102を設けて、容器1
01内の検知対象ガスの熱対流(上昇気流)103を利
用してサンプリング流路102に流速を実現する構成。
あるいは、検知対象ガス自体が流速を持っている場合
に、その流速を利用して、サンプリング流路102に流
速を実現する構成。
(イ)に示す前者の従来技術においては、構成上、ポン
プ、流量制御機構が必要となり装置が大掛かりで、高コ
ストとなる。さらに、検出流路が長い場合にはリアルタ
イム検知が難しい。一方、検知対象ガスを連続的に吸引
すれば、取出し量が多くなり、検知対象ガスの条件に影
響を与えやすい。さらに、上記の希釈を必要とする測定
において、(d)のような条件(排気温が比較的高い)
の場合は、結露水の処理の問題も発生する。一方、図8
(ロ)に示す後者の従来技術においては、熱対流(上昇
気流)103の条件や検知対象ガス自体の流速が変化す
ることがあり、その様な場合には、サンプリング流路1
02内の流速が一定せず、したがって、希釈倍率も一定
しない。
力や流量制御機構などの器具などを必要とせず、シンプ
ルな構造と簡便な方法で、検知対象ガスを希釈状態で検
知する、あるいは濃度測定することができるガス検出器
を得ることにあり、さらに、得られるガス検出器を使用
して一酸化炭素の濃度を簡便に検出することにある。
の本発明によるガス検出器の特徴構成は、拡散状態で通
気ガス量を制限する第1通気制限機構を介して検知対象
空間とガス検知空間とを連通連結するとともに、拡散状
態で通気ガス量を制限する第2通気制限機構を介して、
検知対象ガスのガス濃度が低い希釈ガス空間とガス検知
空間とを連通連結したことにある。この構成において、
希釈ガス空間が大気開放された空間であることが好まし
い。さらに、上記の構成において、第1通気制限機構が
検知対象空間とガス検知空間との間に設けられる貫通孔
もしくは通気制限透過膜であることが好ましい。さら
に、上記の構成において、第2通気制限機構が、ガス検
知空間と希釈ガス空間との間に設けられる貫通孔もしく
は通気制限透過膜であることが好ましい。さらに、検知
対象空間に於ける検知対象ガスの濃度とガス検知空間に
於ける希釈状態にある検知対象ガスの濃度との相関関係
を予め記憶した記憶手段を備え、検知対象空間に於ける
検知対象ガスの濃度を測定するにあたって、ガス検知空
間における希釈状態にある検知対象ガスの濃度を検出す
るとともに、相関関係によって補正して、検知対象空間
に於ける検知対象ガス濃度として出力する補正出力手段
を備えておくことが好ましい。そして、本願の酸素濃度
が変化することがある検知対象空間における一酸化炭素
濃度の検出方法の特徴手段は、検知対象空間と連通連結
可能な定容積のガス検知空間内に、熱線型半導体式セン
サを備え、拡散状態で通気ガス量を制限する第1通気制
限機構を介して検知対象空間とガス検知空間とを連通連
結するとともに、拡散状態で通気ガス量を制限する第2
通気制限機構を介して、大気開放空間と前記ガス検知空
間とを連通連結する構成のガス検出器を使用し、ガス検
知空間内の前記酸素濃度を大気中酸素濃度近傍に維持し
て、一酸化炭素濃度を検出することにある。そして、こ
れらの作用・効果は次の通りである。
知空間の容積が固定されていることと、第1通気制限機
構、第2通気制限機構を設けることにより、構成関係に
より、ガス検知空間において、検知対象空間における検
知対象ガスのガス濃度変化に対応した一定の希釈状態が
実現する。従って、このガス検出器を検知対象空間に、
第1通気制限機構を介して連通させて設置することによ
り、直接検知対象空間に接蝕させることにより生じる問
題の発生のない状態で、検知対象ガスの検出が可能にな
る。ここで、ガス検知空間が連通する2者の空間間にお
けるガスの流通は、自然拡散によるため、ポンプ、流量
制御機構等の機器を備える必要はない。そして、希釈倍
率は、以下に説明するように、第1、第2通気制限機構
における検知対象ガスの通気率(透過係数)が大きく係
わることとなる。以下、本願のガス検出器に於ける希釈
原理を図6に示す希釈モデルを参照しながら説明する。
希釈モデルは、検知対象ガス濃度C0の検知対象空間
と、検知対象ガス濃度Cのガス検知空間と検知対象ガス
濃度がC=0の希釈ガス空間を備えて構成されており、
検知対象空間と希釈ガス空間との容積は無限大と設定さ
れる。使用条件より、この希釈モデルにおいてC0>C
>0の条件は満たされるため、対象ガス希釈空間内の濃
度Cの変化は次式で表される。
数 bは、第2通気制限機構における検知対象ガスの透過係
数 であり、これらの透過係数は、検知対象ガスのガス種、
通気制限機構の構造、ガス検知空間の容積や形等によっ
て決定される定数である。
0の条件で解くと
従って、定常状態では t=∞でC=C0/p となり、一定の希釈状態が得られることがわかる。
合の定常状態の希釈倍率C/C0=pを表1に示した。
和曲線(時間と濃度希釈比との関係)を示した。従っ
て、このガス検出器においてはその構造が決定される
と、検知ガス濃度に応じて、希釈されることがわかる。
従って、このガス検出器を使用する場合は、希釈状態で
の検出が可能となることにより、例えば酸素を必要とす
る検出においても、大気希釈をおこなって検出可能とな
る。さらに、低濃度での検出であるので感度安定性の問
題も生じ難い。同様に、爆発下限界以下での検出、高温
排気の測定の場合にも通常温度での検出ができる。さら
に、検知対象ガスとともに含まれることがある酸素濃度
が低い場合においても、ガスを大気希釈する場合、酸素
濃度を増した状態で検出できる。
構などの器具などを必要とせず、シンプルな構造と簡便
な方法で、検知対象ガスを希釈状態で検知することがで
きるガス検出器を得ることができた。ここで、この構成
においては、ガス検知空間を比較的小容量の空間として
形成するとともに、第1、第2通気制限機構をも比較的
ガス流通流量の少ないものとして形成することとなるた
め、検知対象空間に於けるガス状態をリアルタイムで検
知可能で、流速や圧力差の影響がほとんど無い、サンプ
リング量が微小な状態で検知対象ガスに影響を与えない
で検知をおこなうことが可能となる。
開放された空間としておく場合には、希釈ガスとして最
も適するとともに、容量が無限大の大気を簡易に利用す
ることができるため、ガス検出器の構成が簡単となる。
さらに、大気には、酸素が含まれているため、酸素の存
在が不可欠な接触燃焼式ガスセンサ、熱線型半導体式ガ
スセンサをガス検知素子として使用する場合において
も、ガスの検出が可能となる。
間とガス検知空間との間に設けられる貫通孔とする場合
は、通気制限機能を発揮するためにこの貫通孔の径を調
節するのに、孔径の調節をおこなって容易にこれをおこ
なうことができる。一方、この第1通気制限機構を通気
制限透過膜で形成することも可能であり、この場合は、
後述するように、通気制限機構が隔てる空間間に圧力差
がある場合においても、この圧力差に大きく影響を受け
ないで検出をおこなうことができる。一方、第2通気制
限機構を、上述の貫通孔あるいは通気制限透過膜で構成
することも可能であり、第1通気制限機構と同様な作用
・効果を得ることができる。
スの濃度とガス検知空間に於ける希釈状態にある検知対
象ガスの濃度との相関関係を予め記憶した記憶手段を備
え、検知対象空間に於ける検知対象ガスの濃度を測定す
るにあたって、ガス検知空間における希釈状態にある検
知対象ガスの濃度を検出するとともに、相関関係によっ
て補正して、検知対象空間に於ける検知対象ガス濃度と
して出力する補正出力手段を備えてガス検出器を構成し
ておくと、ガス検知空間において希釈された状態の検知
対象ガス濃度を検出して、正しい検知対象空間に於ける
検知対象ガス濃度を推定して検出することができる。
る。説明にあたっては、所定の希釈状態を得られる水素
ガスを検出するためのガス検出器1の実施例を第1実施
例、第2実施例として説明するとともに、第2実施例と
同一構造のガス検出器1を使用して、比較的酸素濃度が
低いガス機器燃焼排気中の一酸化炭素検知をおこなう場
合の例を第3実施例として説明する。ここで、ガス検出
器1の構成に関し第1実施例と第2実施例とでは検知対
象ガスが存在する検知対象空間2とガス検知素子3を備
えたガス検知空間4とを連通連結する第1通気制限機構
5の構成が異なり、前者のものにおいてはこれが小径の
貫通孔5aから構成されており、後者のものにおいては
これが通気制限透過膜5bから構成されている。
の構成原理を説明する。 第1実施例 第1実施例のガス検出器1の構成が図1に示されてい
る。図1において、左側に位置される空間が、検知対象
ガスが存在する検知対象空間2であり、この空間に於け
るガスの存非、ガス濃度が検出対象となる。さて、この
ガス検出器1は前記検知対象空間2と連通連結するよう
に取付られて、使用される。ガス検出器1は、定容積の
ガス検知空間4内に、検知対象ガスを検知可能なガス検
知素子3を備えた構造が採用されており、自然拡散状態
で通気ガス量を制限する第1通気制限機構5を介して検
知対象空間2と前記ガス検知空間3とを連通連結すると
ともに、自然拡散状態で通気ガス量を制限する第2通気
制限機構6を介して、検知対象ガスのガス濃度が低い希
釈ガス空間7と前記ガス検知空間4とを連通連結した構
成が採用されている。さらに具体的には、ガス検知空間
4を形成するハウジング8を備え、このハウジングの底
部(図1の右側)にガス検知素子3である熱線型半導体
式センサ30を備えている。そして、ガス検知素子3か
らの出力は検知回路部9により処理されて、ガス検知の
用に供される。さて、上記のハウジング30には、前記
第1通気制限機構5を構成する小径の第1貫通孔5a及
び前記第2通気制限機構6を構成する一対の同様に小径
の第2貫通孔6aが備えられている。ここで、第1貫通
孔5aは検知対象空間2からガス検知空間4へ、検知対
象ガスを取り入れる役割を、さらに第2貫通孔6aは前
記ガス検知空間4から希釈ガス空間7である大気側への
検知対象ガスを導出する機能を備えている。そして、両
者の貫通孔5a、6aは、比較的小径に形成されている
ため、自然拡散状態において、これらの孔部を拡散通気
する検知対象ガスの流通を制限することとなる。
ウジング8の容量、形状、第1、第2貫通孔5a、6a
が特定されると、ガス検知空間4では、所定の希釈割合
に希釈された状態が実現する。従って、この状態を適切
に利用するために、本願のガス検出器1には、図1に示
す検知対象空間2に於ける検知対象ガスの濃度(実質上
は、この濃度に対応するガス検知素子の出力値)とガス
検知空間4に於ける希釈状態にある検知対象ガスの濃度
との相関関係を予め記憶した記憶手段10が備えられる
とともに、検知対象空間2に於ける検知対象ガスの濃度
を測定するにあたって、ガス検知空間4における希釈状
態にある検知対象ガスの濃度を検出するとともに、前記
相関関係によって補正して、検知対象空間2に於ける検
知対象ガス濃度として出力する補正出力手段11が備え
られている。従って、ガス濃度の検出においては、後述
する希釈ガス濃度と真のガス濃度との間に於ける補正を
行って、ガス検出において、希釈されたガスを検出する
ものでありながら、実情にあったガス濃度を検出するこ
とができる。
もに、この構成で得られる希釈状態について説明する。 ハウジング8の構成 内径6Φ 長さ10mm程度、
内容積280mm3 第1貫通孔5a 径 1.0Φ 個数 1個 第2貫通孔6a 径 1.5Φ 個数 2個 ガス検知素子3 熱線型半導体式ガスセンサ30 この構造のガス検出器1において、水素ガスを検知対象
ガスとした場合の希釈状態について表2を参照しながら
説明する。同表において、最上段に示されているガス濃
度が、検知対象空間2における濃度であり、下段に示さ
れている濃度がハウジング8内に於ける希釈された状態
のガス濃度である。測定は、定常状態が得られる時間経
過後におこなっている。
釈された検知対象ガスを良好に測定しえることがわか
る。ここで、平均の希釈倍率は約4.3倍程度となって
いた。
5a、第2貫通孔6aの孔径を変化させた場合の希釈倍
率の変化状態について検討した結果を表3に基づいて説
明する。表3には、検討対象とした構成における孔径の
変化と対応する構成に於ける希釈倍率の変化状態を示し
た。ここで、検知対象空間2側の検知対象ガスの濃度
は、500、1500、3000ppmと変化させた。
とにより、任意の希釈構成を取ることが可能であり、検
出対象のガス濃度とガス検知素子3の感度が安定するガ
ス濃度との関係を考慮して、希釈倍率を予め所定範囲に
設定して、検出をおこなうことができることがわかる。
づいて説明する。この例の特徴は、前述の第1貫通孔の
代わりに通気制限透過膜5bが採用されていることであ
る。 第2実施例の具体的構成 ハウジング8の構成 内径6Φ 長さ10mm程度、
内容積270mm3 通気制限透過膜5b テフロン膜、透過断面積28mm
2 透過特性 差圧1kg/cm2での流量が2〜5リット
ル/min/cm2 第2貫通孔6a 径 3Φ 個数 2個 ガス検知素子3 熱線型半導体式ガスセンサ 上記表2に対応する、この例の希釈状態を示す表を表4
に示した。
9.0の状態が実現していることがわかる。
器1の構成を確定しておけば、希釈倍率が検知対象空間
2における検知対象ガスの濃度によって多少違うとして
も、予め検知対象ガス濃度に対する出力の特性を補正曲
線(相関関係)として用意しておける。そして、このこ
とを利用して、前記記憶手段に上記の相関関係を記憶手
段10に備え、補正出力手段11の働きにより、ガス検
知素子3からの出力を測定する事により濃度未知の比較
的高い濃度状態にある検知対象ガスの濃度検出をおこな
うことができる。ここで、説明している補正曲線の実例
を図3に示した。これは第2実施例2のものに対応し、
水素ガス濃度検知に使用されるものである。ガス濃度に
対応した図中センサ出力として示されるガス検知素子の
出力値から、検知対象空間における検知対象ガス濃度で
ある横軸のガス濃度を求めて、出力する構成とされてい
る。図中矢印で3000ppmの場合の例を図中矢印で
示した。
貫通孔として構成する場合と通気制限透過膜として構成
する場合の差異について説明する。これは、ガス検出器
1の差圧依存性に係わる問題を提起することとなる。即
ち、検知対象ガスが一定の流速で流れている場合等のよ
うに、検知対象空間2側とガス検知空間4との間に気圧
差が生じる場合がある。このような場合、差圧がガス検
出能に影響を与えることとなり、この検討が必要とな
る。図4は、このような圧力差が存在する場合におけ
る、第1実施例のガス検出器と第2実施例のガス検出器
の、ガス検知素子自体の出力を差圧との関係で示したも
のである。ここで、センサ出力比は差圧が無い状態の素
子出力で正規化している。結果、第1実施例では、通気
制限機構として貫通孔5aを採用しているため、差圧の
影響を大きく受けるが、第2実施例の通気制限透過膜5
bの場合には影響はかなり抑えられていることがわか
る。従って、通気制限透過膜構成を採用するほうが、差
圧依存性を問題にする必要がない。
象ガスが水素ガスであり、検知対象空間2にこれ以外の
ガスが存在せず、ガス検知素子3によるガス検知におい
て、干渉ガスの存在を問題とする必要のない場合を対象
としたが、以下に、熱線型半導体式センサ30を用い
た、ガス器具(図外)燃焼排気中の一酸化炭素ガス検知
のように、検知対象空間2における干渉ガスとしての酸
素の存在により、ガス検知素子の出力が大きく影響をう
ける場合の、本願のガス検出器1の有用性についての検
討結果について説明する。
ガス器具の燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度を検知しなけ
ればならない場合がある。この場合、熱線型半導体式セ
ンサ30は一酸化炭素濃度に対し高い感度があるので、
ガス検知素子3として採用したい。しかしながら、図5
に示すようにこのガス検知素子3の出力は、酸素濃度の
影響を大きくうける。例えば、図5に示すように、一酸
化炭素濃度1000ppmの出力は酸素濃度が3%にな
れば、大気状態である酸素濃度21%の時に比べて1.
65倍にもなる。さらに、ガス燃焼器具の排ガス中酸素
濃度は燃焼状態によってはこの3%程度になることもあ
る。一方、燃焼排気中の一酸化炭素濃度濃度は、器具の
燃焼モード(例えば、燃焼量の大小や通気ファンの強さ
など)によって、同じ一酸化炭素が発生しても酸素濃度
がいつも同じとは限らない(給湯器のタイプにもよるが
概ね3〜18%程度)。従って、排ガス中の一酸化炭素
濃度を知るためには、同時に測定した酸素濃度の値を得
て、これを用いて補正をしなければならない。このよう
な補正は装置を複雑にするばかりでなく、補正量が大き
いため一酸化炭素濃度の測定値に無視出来ない不正確さ
を引き起こすことが多い。
器1は非常に有用に働くことができる。この例を上述の
第2実施例に示したガス検出器1で説明する。具体的な
適応条件を以下に記す。 適応場所 16号のFE給湯器 検知対象空間2 上記給湯器の排気系 排気ガス流量 40m3/時間 ガス圧差 20mm水柱 希釈ガス空間7 大気 上記のような場合における排ガス中の酸素濃度とハウジ
ング内酸素濃度の測定値を示すと表5のようになる。
不完全燃焼で、排ガス中酸素濃度が3.9%まで下がっ
た場合でも、ガス検出器1のハウジング8内部の酸素濃
度は19.1%あり、大気中の値とあまり変わらない状
態を維持できる。従って、図5に示す、検知素子出力の
酸素濃度依存のグラフから判断して、排ガス中ではガス
検知素子出力が大気21%の出力に比べ64%も増加す
るのに対し、この構造を用いれば検知するハウジング内
部の酸素濃度が大気の値とあまり変わらない、たかだか
2.6%増加するにすぎない。よって、大気中酸素濃度
近傍である15%程度以上の酸素濃度を実現して酸素濃
度の変化にほとんど影響されないで排ガス中の一酸化炭
素濃度を正確に検知することができる。
書きする。 (イ) 上記の実施例においては、検知対象ガスのガス
濃度が低い希釈ガス空間としては、これが大気開放の空
間である場合を示したが、この場合が有用性に最も優れ
るものの、用途によっては、希釈ガス空間においては、
検知対象ガス濃度が低い状態にあれば、いかなるガスが
存在してもよい。 (ロ) 上記の実施例においては、通気制限機構として
貫通孔及び通気制限透過膜の例を示したが、第1、第2
実施例に示すように、第1通気制限機構を貫通孔もしく
は通気制限透過膜で構成する他、第2通気制限機構を通
気制限透過膜で構成してもよい。さらに、これらのほか
に、複数の小孔、樹脂や繊維などからなる透過膜、金属
メッシュ、焼結金属、パンチングメタル、キャピラリー
等でもその機能は発揮できる。 (ハ) さらに、上記の実施例において、用いられるガ
ス検知素子として、熱線型半導体式ガスセンサの例を示
したが、半導体式ガスセンサ、接蝕燃焼ガスセンサ、定
電位電解式ガスセンサ、赤外線吸収型光学式ガスセン
サ、イオン電流式煙センサ、屈折率変化型光学式ガスセ
ンサ、その他、ガスセンサであれば、どんなタイプのも
のでもよい。ただし、希釈されたガス濃度で充分感度を
有するものが望ましい。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
検知空間において検出した場合の出力関係を示す図
る出力依存状態を示す図
す図
Claims (6)
- 【請求項1】 検知対象ガスが存在する検知対象空間
(2)と連通連結された定容積のガス検知空間(4)内
に、前記検知対象ガスを検知可能なガス検知素子(3)
を備えたガス検出器であって、拡散状態で通気ガス量を
制限する第1通気制限機構(5)を介して前記検知対象
空間(2)と前記ガス検知空間(4)とを連通連結する
とともに、拡散状態で通気ガス量を制限する第2通気制
限機構(6)を介して、前記検知対象ガスのガス濃度が
低い希釈ガス空間(7)と前記ガス検知空間(4)とを
連通連結したガス検出器。 - 【請求項2】 前記希釈ガス空間(7)が大気開放され
た空間である請求項1記載のガス検出器。 - 【請求項3】 前記第1通気制限機構(5)が、前記検
知対象空間と前記ガス検知空間との間に設けられる貫通
孔もしくは通気制限透過膜である請求項1記載のガス検
出器。 - 【請求項4】 前記第2通気制限機構(6)が、前記ガ
ス検知空間と前記希釈ガス空間との間に設けられる貫通
孔もしくは通気制限透過膜である請求項1記載のガス検
出器。 - 【請求項5】 前記検知対象空間(2)に於ける前記検
知対象ガスの濃度と前記ガス検知空間(4)に於ける希
釈状態にある前記検知対象ガスの濃度との相関関係を予
め記憶した記憶手段(10)を備え、前記検知対象空間
(2)に於ける前記検知対象ガスの濃度を測定するにあ
たって、前記ガス検知空間(4)における希釈状態にあ
る前記検知対象ガスの濃度を検出するとともに、前記相
関関係によって補正して、前記検知対象空間(2)に於
ける検知対象ガス濃度として出力する補正出力手段(1
1)を備えた請求項1、2、3又は4記載のガス検出
器。 - 【請求項6】 酸素濃度が変化することがある検知対象
空間(2)における一酸化炭素濃度の検出方法であっ
て、 前記検知対象空間(2)と連通連結可能な定容積のガス
検知空間(4)内に、熱線型半導体式センサ(30)を
備え、自然拡散状態で通気ガス量を制限する第1通気制
限機構(5)を介して前記検知対象空間(2)と前記ガ
ス検知空間(4)とを連通連結するとともに、自然拡散
状態で通気ガス量を制限する第2通気制限機構(6)を
介して、大気開放空間と前記ガス検知空間(4)とを連
通連結する構成のガス検出器を使用し、 前記ガス検知空間(4)内の前記酸素濃度を大気中酸素
濃度近傍に維持して、前記一酸化炭素濃度を検出する一
酸化炭素濃度の検出方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP472794A JP2768896B2 (ja) | 1994-01-20 | 1994-01-20 | ガス検出器及びその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|
JPH07209152A true JPH07209152A (ja) | 1995-08-11 |
JP2768896B2 JP2768896B2 (ja) | 1998-06-25 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002050374A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-15 | New Cosmos Electric Corp | 燃料電池システム |
JP2015147596A (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-20 | 四国化工機株式会社 | 過酸化水素ガス殺菌システムのガス濃度モニタリング装置 |
JP2016145748A (ja) * | 2015-02-06 | 2016-08-12 | 日本写真印刷株式会社 | ガス検出装置 |
JP2017056480A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | ファナック株式会社 | レーザ光路内の不純ガスを監視するレーザ加工システム |
-
1994
- 1994-01-20 JP JP472794A patent/JP2768896B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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JP2017056480A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | ファナック株式会社 | レーザ光路内の不純ガスを監視するレーザ加工システム |
US10145829B2 (en) | 2015-09-17 | 2018-12-04 | Fanuc Corporation | Laser processing system for monitoring impure gas in laser optical path |
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