JPH06317649A - 車輌位置識別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設置費用が安価であり最新の車輌の位置を知
ることができる車輌位置識別装置を提供すること。 【構成】 ＧＰＳ衛星からの電波を受信して車輌１の現
在位置を測定するＧＰＳコア部３と、このＧＰＳコア部
３により測定された現在位置が予め決められた境界線を
越したときに越境信号を発生するデータ処理部４と、こ
のデータ処理部４から越境信号が出力されたときに現在
位置を示すデータを送信する無線機５と、この送信機５
から送信された車輌１の現在位置を示すデータを受信し
て各車輌１の現在位置を表示する表示部１５とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、タクシー等の車輌の現
在位置を識別するための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、タクシー会社においては車輌
を効率的に活用するために各車輌の現在位置を把握して
おく必要がある。一般的には、利用者から配車の要求が
あった場合には、タクシー会社の基地局から無線で利用
者が居る場所を各車に対して送信し、指定された場所の
近傍にいる空車が基地局に自車の識別番号を返信するこ
とにより基地局は車輌の現在位置を把握している。

【０００３】しかしながら、このような無線を使用して
音声で問い合わせや現在位置の報告を行う方式では、運
転手が無線の通信の内容や無線機の操作に気をとられて
運転がおろそかとなったり、無線機からの音声がうるさ
いというという問題がある。

【０００４】そこで、タクシーの稼働区域を幾つかのエ
リアに分割し、各車輌に小出力の送信機を搭載すると共
に、エリアの所定個所に各車輌からの送信電波を検出す
るサインポストを設け、車輌があるエリアから他のエリ
アに移動したことを検出するようにした「サインポスト
方式」と呼ばれる方式がある。

【０００５】また、「ＧＰＳ（Ｇｒｏｂａｌ Ｐｏｓｉ
ｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）方式」と呼ばれる位置
識別用の衛星を使用した位置識別装置も提案されてい
る。すなわち、各車輌にＧＰＳ受信装置を設けて現在位
置を常時測定しておき、基地局から各車輌に対して無線
を介して順次ポーリングをかけることにより全車輌の現
在位置を把握している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
「サインポスト方式」においては、タクシーの稼働区域
が広い場合には、サインポストを多数設置する必要があ
るため費用と手間がかかるという問題がある。特に、車
輌位置を細かく知ろうとするとサインポストの数はもっ
と必要になる。また、各サインポストで得た位置情報
を、基地局で伝送するための有線或いは無線の通信回線
を必要とするのでこの通信回線を確保するためのコスト
も高いものとなっていた。

【０００７】また、「ＧＰＳ方式」では、全車輌に対し
てポーリングをかける必要があるが、タクシーの車輌数
が非常に多い場合には、全車輌の位置を知るのに時間が
かかるという問題がある。たとえば、車輌数が６００台
ありポーリングに１秒かかるとすると、一巡するのに１
０分もかかってしまい、最新の車輌の位置を知ることが
できないという問題がある。

【０００８】そこで本発明は、設置費用が安価であり最
新の車輌の位置を知ることができる車輌位置識別装置を
提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の車輌位置識別装
置は、前記目的を達成するため、ＧＰＳ衛星からの電波
を受信して車輌の現在位置を測定するＧＰＳ受信装置
と、該ＧＰＳ受信装置により測定された現在位置が予め
決められた境界線を越したときに越境信号を発生する越
境検出装置と、該越境検出装置から越境信号が出力され
たときに現在位置を示すデータを送信する送信機と、該
送信機から送信された車輌の現在位置を示すデータを受
信して各車輌の現在位置を表示する表示装置とを有する
ことを特徴とする。

【００１０】

【作用】ＧＰＳ衛星からの電波を受信して車輌の現在位
置が測定されるが、現在位置のデータは車輌が予め決め
られた境界線を越したときに送信される。受信側ではこ
の現在位置に基づいて車輌の現在位置を表示する。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照しながら実施例に基づいて
本発明の特徴を具体的に説明する。

【００１２】図１は、本発明の車輌位置識別装置の実施
例を示す模式図である。各車輌１には、それぞれＧＰＳ
受信装置が設けられている。ＧＰＳ受信装置は、ＧＰＳ
衛星からの電波を受信するアンテナ２と、受信されたＧ
ＰＳ信号から受信位置を求め、経度・緯度データとして
出力するＧＰＳコア部３とからなっている。ＧＰＳコア
部３からの経度・緯度データは、データ処理部４に供給
される。

【００１３】データ処理部４は、図２に示すように、Ｃ
ＰＵ４ａと、このＣＰＵ４ａに対してバス４ｂを介して
接続されたインタフェース４ｅ，４ｆ、ＲＯＭ４ｃ、Ｒ
ＡＭ４ｄ等から構成されている。ＧＰＳコア部３とデー
タ処理装置４はＧＰＳインタフェース４ｅを介して接続
され、データ処理装置３と無線機５は無線機インタフェ
ース４ｆを介して接続されている。

【００１４】データ処理部４は、車輌の現在位置と予め
決められた境界を比較し、車輌が予め決められた境界を
横切ったときに越境信号を発生する。なお、この境界と
は、図３に示すように、タクシーのサービスエリアを幾
つかの区画２１〜２４に分割したときの境界を意味して
いる。図３の例では、車輌が点Ａから点Ｂに移動した時
のように同一区画内を移動したときには、越境信号は発
生しないが、車輌が点Ｂから点Ｃに移動した時のように
隣の区画に移動するときには、越境信号が発生する。

【００１５】無線機５は、データ処理部４が越境信号を
発生したときに、現在位置データを車輌の識別データと
共にアンテナ６から送信する。

【００１６】車輌１から送信された電波は、基地局１１
のアンテナ１２を通して無線機１３で受信され、データ
処理部で位置データと車輌識別データが検出され、検出
された現在位置を車輌番号と共に、表示部１５に表示す
る。

【００１７】なお、複数の車輌１が同時に境界を横切っ
た場合には、送信電波が重なって正常に受信出来ない場
合があるが、これを防止するためには、送信電波が基地
局１１で確実に受信されたかどうかを確認し、受信され
ていない場合には車輌１から再度送信するようにすれば
よい。すなわち、車輌１から位置データと車輌識別デー
タを送信し、車輌１からの電波が基地局１１で受信でき
たときには基地局から受信確認信号を車輌識別データと
ともに送信し、車輌１側では送信してから一定時間内に
自分宛の受信確認信号が受信できないときには、再度位
置データを送信する。この再送信の際には、各車輌１で
ランダムな待機時間の後に再送信を開始することによ
り、再度送信電波が衝突することを避けることができ
る。

【００１８】なお、ＧＰＳ方式は本来が軍事用の測地方
式であるので、有事の際には利用可能な衛星の数が減少
したり精度が低下することがあり、この場合には各車輌
の位置測定精度が低下する。そこで、ＧＰＳ受信装置を
車輌１のみに設けるのではなく、基地局１１にも同様な
ＧＰＳ受信装置を設け、各車輌１からの位置データを補
正することもできる。すなわち、基地局１１の位置は固
定であるので、ＧＰＳで測定された基地局１１の位置が
実際の位置の一致するように補正したときの補正データ
を求め、この補正データを各車輌の位置データに適用す
ることにより、各車輌の正確な位置を知ることができ
る。

【００１９】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明において
は、ＧＰＳにより車輌の現在位置を測定し、車輌が予め
決められた境界を越したときに送信を行うので、送信が
輻輳することが少なく、しかも短時間で各車輌の現在位
置を識別することができる。また、多数のサインポスト
を設ける必要がないので設置費用が安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の車輌位置識別装置の概略構成を示す
模式図である。

【図２】 データ処理部の内部構成を示すブロック図で
ある。

【図３】 サービスエリアの境界を示す説明図である。

【符号の説明】

１…車輌、２…アンテナ、３…ＧＰＳコア部、４…デー
タ処理部、５…無線機、６…アンテナ、１１…基地局、
１２…アンテナ、１３…無線機、１４…データ処理部、
１５…表示部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 圓島 鉄史 福岡市南区柳河内１−９−27 エイリツ電 子産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＧＰＳ衛星からの電波を受信して車輌の
   現在位置を測定するＧＰＳ受信装置と、 該ＧＰＳ受信装置により測定された現在位置が予め決め
   られた境界線を越したときに越境信号を発生する越境検
   出装置と、 該越境検出装置から越境信号が出力されたときに現在位
   置を示すデータを送信する送信機と、 該送信機から送信された車輌の現在位置を示すデータを
   受信して各車輌の現在位置を表示する表示装置とを有す
   る車輌位置識別装置。