JPH06307703A - 分散型空調システム及びその制御方法 - Google Patents
分散型空調システム及びその制御方法Info
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- JPH06307703A JPH06307703A JP5120487A JP12048793A JPH06307703A JP H06307703 A JPH06307703 A JP H06307703A JP 5120487 A JP5120487 A JP 5120487A JP 12048793 A JP12048793 A JP 12048793A JP H06307703 A JPH06307703 A JP H06307703A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高精度な加工や組立,測定を行う工場で簡単
で,かつ高精度な空調をすると共に安価で省電力の空調
システムを目的とする。 【構成】 広域空間の温度調整をするのに複数台の中規
模空調機と,1台の空調機当り複数個の温度センサ−を
設けると共に,広域空間の温度情報を制御盤に導き,制
御盤の制御信号に基づき制御可能としたもので,温度制
御の他湿度制御も出来るようにし,設定値に対し1時間
当り±1℃を実現した。 【効果】 設備投資の効率化,省電力化,省エネルギ−
化が図れる。
で,かつ高精度な空調をすると共に安価で省電力の空調
システムを目的とする。 【構成】 広域空間の温度調整をするのに複数台の中規
模空調機と,1台の空調機当り複数個の温度センサ−を
設けると共に,広域空間の温度情報を制御盤に導き,制
御盤の制御信号に基づき制御可能としたもので,温度制
御の他湿度制御も出来るようにし,設定値に対し1時間
当り±1℃を実現した。 【効果】 設備投資の効率化,省電力化,省エネルギ−
化が図れる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】広域空間を空調するためのシステ
ム及びその制御方式についての発明であり,比較的天井
の高い,かつ精度の高い温湿度制御を要する工程等の空
調に有効で広く活用される空調システム及びその制御方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,大規模の広域空間をもつ大工場と
か体育館のような所では,100冷凍トンを越える大型
の空調設備が設置されて冷房が行われていた。然し,こ
の場合は所定の温度に温度制御するというより,夏期等
で室温が上昇し,不快感を取り除く為,外気温度より摂
氏で数度下げ,不快感を無くす為の冷房であり,時には
温度だけでなく,湿度を制御する為にボイラ−を焚き,
蒸気を発生させ,湿度を上げることも行われている。一
方,半導体工場のように極端に塵埃を嫌うクリ−ン・ル
−ム等では,上記のような大型の空調設備を完備して±
0.5℃以内というような恒温・恒湿室を設置してい
る。これは,如何に高額な設備投資であれ,その設備投
資を怠ると製品が出来なくなる為設備しなければならな
いという必然的なものに他ならない。 【0003】一方,精密なる部品の加工や組立て等を行
う工場では,特に超精密なものの加工とか組立てをする
ために上記のようなクリ−ン・ル−ムを必要とする事は
あるものの,一般的な高精密な部品の加工や組立てをす
るような工場においては,作業場全体を空調する必要が
ある。これは夏とか冬とか,朝とか昼では作業場内の温
度が変化し,外気温に対し摂氏数度から10数度変化す
ることがある。これは単に気温の変化によるだけではな
く,例えば工作機械のある作業場では,モ−タ−から発
生する熱なり,加工中に発生する熱なり,又作業者の居
るだけでも熱源となり室温は上昇する原因となる。 【0004】一方,現在機械加工精度とか部品の測定精
度は,10- 4 mmから10- 5 mm位の精度が要求さ
れるのが普通となり,大きな部品になると室温が1℃上
昇することによって数μmの寸法の変化が発生する。そ
のため精密な部品加工とか精密な測定精度が要求される
場合の測定機とか,若しくは,これらの部品の組立てと
かの作業においては,常時温度制御をすることにより室
温を±1〜2℃位の温度制御をする必要がある。更に,
半導体工場等のクリ−ン・ル−ム等では,室温は更に高
精度の温度制御が要求される。そしてこのような高精度
への要求は,戦後10年に一桁ずつ加工精度が向上して
きたと言われるが,ここ10〜15年位では5年に一桁
ずつ加工精度が向上しており,この傾向は益々短時日で
実現される傾向にある。これに伴い,機械工場等の広域
空間における空調方式も安価な空調設備でかつ,高い精
度で制御出来る方法が要求されるようになってきてい
る。 【0005】以下,従来の空調方式を図について用いて
説明する。図5は,一例として屋内の両側面に空調機
(パッケ−ジ型エアコンディショナ−以下,空調機と称
する)を配した断面側面図を示したものであり,図6は
空調機を屋内の片側に配した時の断面平面図である。
又,図7は両側面に空調機を配し,更に部分的に高い精
度の空調室を設けた状態を示す断面側面図であり,又,
図8はその断面平面図である。図5において51は工場
の建物であり,52は建物の壁,53は空調機である。
54は空調機53に接続されたダクト,55は51の建
物の天井であり,56は空調機53の冷気・暖気又は排
風を吹き出す吹出し口であり,天井55に固定されてい
る。そして57は,空調機53に固定されている温度セ
ンサ−である。 【0006】更に58は天井55に取り付けられた吹出
し口56からの冷気・暖気又は空気流の流れの方向を示
したものであり,59は空調機からの直接の冷気・暖気
又は空気流を空調機53の前面より直接吹き出している
状態をそれぞれ点線で示している。ここで吹出し口56
は排風量の調節が出来るようになっており,空調機53
に近い吹出し口では風量を絞り気味とし,末端になる程
開放にして空調機53の風量を出来るだけ均一にするよ
うにしている。然し,天井55に近い部分60,61の
空間では,殆ど冷気,暖気又は空気流の流れは無く,
又,空調機の全面部62の位置でも,天井55に取り付
けた吹出し口56からの空気流しか来ないことになる。
更に図6では,63の点線で示す円は吹出し口56より
吹き出された空気流が床面に拡散吹き出された状態であ
る。この場合は,空調機53を片側に配しただけなの
で,空調機53の取り付けてない側64の部分は空気流
が少なく,室温の温度分布が悪くなる。 【0007】更に図7は,広域室内での温度分布が悪い
ため,特に高精度な測定等を行う場合,空調された屋内
に更に小さな部屋65を作り,更にその中に空調機66
を設けるようにしている。。そして,その小さな部屋6
5の中に作業台67を配置し,その上に高精度な測定機
を設置したり,又,時には高精度な工作機械を入れてい
る所もある。(参考:図7では工作機械69は小さな部
屋65には入れていない状態を示している)又,この小
さな部屋65は簡易的に厚手のビニ−ルシ−トで囲った
ものもある。68は天井55からのつり手を示したもの
である。更に図8は,この小さな部屋を66空調室の他
の場所,矢印の方向に移動した状態を示したものであ
る。この他,広域空間を多数の小部屋に仕切って,それ
ぞれ小型の空調機を設置する方法もあるが,効率的な問
題があるため望ましくない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このように中規模の空
調機は3〜30冷凍トン位が一般的であり,この種パッ
ケ−ジ型のエアコンディショナ−は温度センサ−が内蔵
されており,この温度センサ−は設定温度に対し±2〜
3℃位で作動する為,精密な加工とか測定するには不充
分であった。更に,湿度センサ−はオプションとして付
けられるようになっているが,一般的には湿度コントロ
−ルしていないのが普通である。そして,加湿機を使用
する場合には一般的にパン型加湿機が用いられる。 【0009】又,図5及び図6からも明らかなように空
調機の前面とか側面の空調機からの直接,吹出し口又は
天井の吹出し口の下部には冷房・暖房又は送風等の装置
があるが,そこから,外れた位置では間接的になるため
同一室内であっても温度が不均一であった。特にドアや
窓等の開閉可能な部分では,特にその温度変化が激しい
という問題点があった。そして,一般的に精密な加工や
測定をするような場所では,空調機は24時間運転する
のが普通であるが,中規模の空調機による空調の場合で
は使用しない時には電源をOFFにするため,再度所定
の室内温度にするまで時間を要する為電力エネルギ−の
損失が大であった。(参考:クリ−ン・ル−ム等では大
型の空調機は24時間連続運転している。)等々従来の
技術では種々の課題があった。 【0010】 【課題を解決するための手段】このような種々の課題を
解決するため,中規模の空調機を複数台設置,かつ1台
の空調機には隣接する空調機の温度センサ−を含め,床
面より2m以下の高さの水平方向で,かつ隣接する空調
機の温度センサ−を含め少なくとも2ケ以上及び2m以
上の高さの垂直方向の温度センサ−を1ケ以上,合計で
少なくとも3ケ以上の温度センサ−により空調機を動作
させ,かつ複数台の空調機を配置し,相互に作用させる
よう空調機を制御するようにした。 【0011】 【作用】一台の空調機に対し,少なくとも3ケ以上の複
数の温度センサ−と,かつ複数台の空調機を設置するこ
とにより,広域空間の多数の情報により,複数台の空調
機をCPUにより集中管理するようにしたため広域空間
における温度変化を安定化させることが出来,かつ省電
力化が図られた。 【0012】 【実施例】以下,実施例について図を詳述しながら説明
する。図1は本発明になる広域空間として工場を想定
し,そこに空調機を配した工場断面斜視図を示したもの
であり,図2はその平面図であり,送風による占有状態
及び温度センサ−の配置を示している。又,図3は空調
機が配置された部分の一部断面側面図で,図4はCPU
を含む制御盤の斜視図である。図1において,1は広域
空間を示す建物(工場)であり,この建物の内部を均一
に温度制御するようにしている。2〜6は建物1に配置
された空調機であり,7〜11は各空調機2〜6に取付
けられている外気導入用ダンパ−で,その先端は,それ
ぞれ建物1の外壁から室外へ突出している。又,12〜
15は室内から外部に向かっての排気扇であり,実際に
は各屋根の棟ごとの両側面に取り付けられている。(図
では見えて居る所しか示していない)16,16a ,1
6b は空調機2を制御するための温度センサ−を示した
もので,16及び16a は空調機2の両サイドに,又,
16b は空調機2の前面の壁面の下部に,又,本図では
図示されていないが,16b の温度センサ−の上部に取
付けられている。 【0013】同様に空調機3に対応する温度センサ−
は,それぞれ17,17a ,17b ,及び17c であ
り,空調機4に対する温度センサ−は18,18a ,1
8b ,18c で,空調機5に対する温度センサ−は1
9,19a ,19b ,19c 又,空調機6に対しては2
0,20a 及び20b である。(但し20c は図示して
いないので省略する) 次に21〜30までは,それぞれ温度センサ−の配線を
示しており,これらは建物の床面にある配線溝31を通
り32の制御盤に接続されている。尚,本実施例では同
一床面内(同一建物内)に,これら空調機2〜6までの
制御盤32を置くことも可能であるが,例えば,工場の
建物1より離れた別棟33に設置可能なのでこの状態を
示している。尚,建物1及び別棟33には入口とか窓と
かは図示しているが,入口はともかく窓は開閉による外
気との交流があり開閉は少ない方が良く,どうしても必
要な場合には,その上部に温度センサ−を付けることに
より外気との交流に対処することが出来る。 【0014】次に図2について説明する。図2は空調機
の配置を示す平面図であり,更に空調機からの冷房,暖
房又は送風の時の風の向きを図示している。即ち,本実
施例では広域室内を万遍なく送風する為に空調機を室内
の両端にジグザグ状(室内の仮想中心線に対し非対称)
に設置した方が良く,図では空調機の2,4,6を一方
の側に,そして,その正面の他の一方の側に空調機3,
5を設置し,かつ一方の側に対し,その中間位置に他の
一方の空調機が来るようにしている。而も空調機は,側
面からの吹出口と正面からの吹出し口があり,それぞれ
側面からの吹出口の角度(α1 ,β1 ,γ1 ,δ1 ,ε
1 ),正面の送風方向の角度(α2 ,β2 ,γ2 ,
δ2 ,ε2 )及び上下方向の角度(α3 ,β3 ,γ3 ,
δ3 ,ε3 )が調整できるようになっている。そして,
その角度は対向する空調機の設置された幅Hと設置され
たピッチDで決められる。 【0015】更に図3は,図2のA,A1 断面図を示し
た図で,複数台設置された空調機(図1では一例として
5台設置)のうちの1台の空調機2の状態を示す図であ
る。即ち,空調機2は正面からの送風される上下方向の
角度はα3 であり,この角度は調整可能である。そし
て,空調機の温度センサ−は,空調機2の側面の壁2m
以下の高さの所に温度センサ−16及び16a が取付け
られており,又,正面の壁の同じ高さの位置に16
b が,そして,その上部,即ち2m以上の所に16cが
取付けられている。(図2参照)そして空調機の温度制
御は,一次的には温度センサ−16b 及び16c によっ
て行われ,更に,二次的に温度センサ−16,16a が
働くようになっている。次に各温度センサ−の所には温
度センサ−も取付けてある。又,温度センサ−16及び
16a からの配線21及び温度センサ−16b 及び16
c からの配線22は床面の溝31を通り制御盤32に結
線されている。次に,外気導入用ダンパ−7は外気導入
による送風で室内の空調をすることが出来るようになっ
ている。 【0016】更に,温度センサ−を2m以下と2m以上
に決定したのは,工場等で一般に使用される工作機械類
では全高のある機械もあるが,その発熱源となる加工部
分とか動力であるモ−タ−は,2m以下の所(一般的に
は1m位の高さの所)であり,作業者の背の高さも2m
以下である為,有効な位置として2m以下とした。好ま
しくは1.5m〜2mの範囲が良い。又,高い位置の温
度センサ−を2m以上としたのは,高い温度の空気流は
上昇気流となり上部に移動する為で,室内の上部温度を
下げてやることにより2m以下の温度制御が確実に行う
事が出来る為である。その為高い位置にある温度センサ
−16c 〜20c の設定温度の中心は,下部にある温度
センサ−16b 〜20b の設定温度の中心より+2℃以
下と低く設定した方が効果的である。 【0017】又,温度センサ−16〜20,16a 〜2
0a ,16b 〜20b ,16c 〜20c の配線21〜3
0は床面の溝31を通り,制御盤32に結線され,セン
サ−からの情報が制御盤に入り,又,その結果に基づき
制御信号が,それぞれの空調機2〜6に指示されるよう
になっている。更に,冷房や暖房だけでなく外気導入用
ダンパ−7〜11を動作することも出来,省電力化,省
エネルギ−化が図られる。又,年間を通じ夏期及び冬期
における温度変化を考慮して,省エネルギ−の為外気温
度に適合した室内温度となるように年間を通じ夏期にお
いては平均温度24℃,又,冬期においては18℃と平
均温度を標準温度20℃に対し設定を変えることによ
り,省エネルギ−化,省電力化を図ることが出来,室内
に出入りする人に対し違和感のない温度制御を可能とす
ることも出来る。ここで,広域空間の温度調整を建物1
の四囲の壁部34断熱材料が用いられており,同様に天
井35の上にも,例えば発泡スチロ−ル等の断熱材36
が取付けられている。 【0018】図4は,具体的に制御盤32を示したもの
で,制御盤32にはCRTディスプレイ37により各空
調機2〜6までの稼働状態及びその履歴を表示するよう
になっており,その下にボ−ドコンピュ−タ38,温
度,湿度計測器39,更には制御用リレ−40及び電源
部41が組み込まれている。そして,ボ−ドコンピュ−
タ38には室内にある温度センサ−16〜20,16a
〜20a ,16b 〜20b ,16c 〜20c からの温度
情報,外気温度情報(図示されていない。室外に温度セ
ンサ−を設置して置く。)又室内の空調器2〜6までの
稼働情報が入力されると同時に,その情報に基づき空調
器2〜6までの制御信号,外気導入用ダンパ−7〜11
の制御信号,更には加湿機或いは除湿機(図示せず)の
制御信号が出力されるようになっている。 【0019】以下,具体的な動作について言及する。先
ず,建物は前述したように,四囲の壁,天井等には断熱
材が用いられると同時に,外気温度に影響を受け易い窓
を無くし,出入口も2重構造にするのが望ましい。一般
に広域空間の温度調整には,100冷凍トンというよう
な大型の空調設備を24時間連続で稼働させているのに
対し,本発明では中型の3〜30冷凍トンの中規模の空
調機(通称パッケ−ジ型エアコンディショナ−)を複数
台,而もジグザグ状に配置した。又,中規模の空調機で
は温度センサ−が内蔵されており,又,動作温度範囲も
設定温度に対し2〜3℃であるのに対し,本方法では温
度センサ−を1台の空調機に対し複数個所設けている。
特に空調機の設置してある前面の壁には上・下2段取付
けてあり,この温度センサ−を一次的に設定し,空調機
を働かせるようにしている。又,空調機の両側面にも温
度センサ−があり,これは二次的に働くようになってい
る。尚,この両側面の温度センサ−は,例えば空調機3
の場合には温度センサ−18及び18a の代わりに空調
機2及び4の正面の温度センサ−17b 及び19b 又は
17b ,17c 及び19b ,19c を用いることも出来
る。 【0020】このように広域空間を中規模の空調機で冷
房・暖房することにより,きめ細やかな温度制御が可能
となる。即ち図2に示すように,それぞれの空調機でほ
ぼ室内全域をカバ−することが出来る上に,複数台の空
調機を相互に作用させ制御する為,均一な温度分布が得
られ,必要最小限の機器構成で良く,而も空調機は一般
的に使用されているものを用いる為,大規模な工事は不
要となる。更に外気温が所定の温度であまり変化しない
時には,外気導入による室内への送風に切り換えること
が出来,冷房・暖房・送風等の不要時には,制御盤の制
御信号により,電源をOFFにする事も可能となり省電
力化を図ることが出来る。又,従来クリ−ン・ル−ム等
では,24時間空調する必要ガあったのに対し,本方法
では,中規模の空調機を分散させて,配置してあり,個
々に空調温度を設定することも出来る為,工場の稼働に
合わせた空調をすることが出来る。 【0021】次に,図には記載していないが,人の出入
りするドア等の開口部は室内において,特に温度変化が
激しく,必ずしも安定した温度分布を得ることは不可能
である。この為本方法では,ドア等の開口部の上部に温
度センサ−(図示していない)を配し,その部分の温度
上昇があった場合には集中的に空調機を働かせるように
なる為,ドア等の開口による温度変化を最小限にするこ
とができる。又,温度センサ−の他に湿度センサ−を温
度センサ−と同一場所,若しくは別に設定した室内の特
定位置に固定し,その情報を制御盤に入れることも出来
る。そして,空調機とは別途設けた加湿機或いは徐湿機
を稼働させることが出来るようにしてある。 【0022】更に,工作機械等から発生する加工による
発熱,モ−タ−の稼働による発熱は,上昇気流により上
部の温度が上昇するが,工場内で例えば作業者が働き回
るような発熱源が移動する場合に対処する熱エネルギ−
源を複数個のセンサ−にて検知することにより局所的に
空調機を働かせ温度制御できるようになっている。そし
て,広域空間である工場からの情報としては室内温度,
室内湿度,局所的な温度情報のほか外気温度,湿度情
報,さらには空調機の冷房・暖房の運転・停止情報及び
湿度センサ−による加湿機・徐湿機の運転・停止等の情
報が制御盤にもたらされると同時に,制御盤よりそれぞ
れの空調機の制御信号,即ち冷房・暖房及び送風等の運
転停止信号のほか外気導入用のダンパ−の制御信号,即
ちダンパ−を全開にするとか1/3開,半開,1/4
開,又は全閉の信号の他,天井部にある排気扇のON,
OFF等の制御信号が出せるようになっている。更に,
温度センサ−からの制御信号により加湿機・徐湿機の運
転・停止も行える等,制御盤により広域空間の温度制御
の他,湿度制御も可能である。 【0023】この為従来の大掛かりな,例えばグリ−ン
・ル−ムとの比較は無理としても中規模の広域空間の温
度制御が単に空調機に内蔵された精度の幅の広い温度セ
ンサ−の制御に比し,本方法では,1台の空調機に対し
複数個の温度センサ−を配している為精度の向上が望め
る。又複数台の空調機により屋内の全域をカバ−すによ
うにしているため,広域部分を1時間当り±1℃と均一
な温度分布にする事が出来,又,空調機をそれぞれ広域
空間に分散して設置してある為,温度センサ−からの情
報により空調機の稼働・非稼働の設定も可能となり,空
調の度合いを可変とする事もでき省電力,省エネルギ−
化をすることも可能となる。更に湿度についても,湿度
センサ−からの信号で加湿機・徐湿機を制御する為安定
な湿度条件も得られる。そして,これらの制御盤は空調
された空間の一部に設置することは当然であるが,例え
ば別棟の事務所等に置くことも可能であり集中管理が出
来る。 【0024】 【発明の効果】以上,述べたように本分散型空調システ
ム及びその制御方法によれば広域空調であるにもかかわ
らず本発明により多くの効果が得られる。即ち, (1)広域空間に対し,中規模の空調機を分散させて配
置することにより,必要最小限の機器構成でよい為設備
投資が少なくてすむ。 (2)又中規模の空調機は,標準品でよい為(温度セン
サ−を除く)大規模な工事を必要としない。 (3)空調機の冷房・暖房又は送風等,不要時には,個
別に電源をOFFにすることができ省電力化を図ること
が出来る。 【0025】(4)外気が温暖で室内の空調が不要の時
には,外気のみの導入による送風も可能である。 (5)工作機械の発熱源,人による熱エネルギ−の発散
等のため,温度センサ−を2m以下の所と2m以上の所
に設定し,かつ上昇気流による影響を最小限とし,少な
くとも2m以下の所における温度分布を一定にするた
め,2m以下の温度センサ−の中心温度設定値よりも2
m以上の所の温度センサ−の中心温度の設定値を+2℃
以下とした。 (6)制御盤は空調機のある屋内は勿論別棟にも設置可
能であり,集中管理をする事により,広域部分の制御が
可能となり,CRTディスプレイにより個々との空調機
の稼働状況の履歴を見ることが出来る。 【0026】(7)開口部(ドアとか窓等)の上部に温
度センサ−を配置してある為,その部分の温度上昇があ
っても,温度センサ−が働く為,その部分を集中的に空
調することが可能で,開口による温度変化を最小限とす
る事が出来る。 (8)大規模の空調機と異なり,中規模空調機では24
時間運転の必要はないばかりか広域空間に空調機が分散
配置されているため効率も良く,工場の稼働のスケジュ
−ルに合わせた空調が可能である。 等,広域室内での温度分布の均一化を安価で出来ると共
に,設備投資の効率化,省電力,省エネルギ−化とその
効果は大である。
ム及びその制御方式についての発明であり,比較的天井
の高い,かつ精度の高い温湿度制御を要する工程等の空
調に有効で広く活用される空調システム及びその制御方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,大規模の広域空間をもつ大工場と
か体育館のような所では,100冷凍トンを越える大型
の空調設備が設置されて冷房が行われていた。然し,こ
の場合は所定の温度に温度制御するというより,夏期等
で室温が上昇し,不快感を取り除く為,外気温度より摂
氏で数度下げ,不快感を無くす為の冷房であり,時には
温度だけでなく,湿度を制御する為にボイラ−を焚き,
蒸気を発生させ,湿度を上げることも行われている。一
方,半導体工場のように極端に塵埃を嫌うクリ−ン・ル
−ム等では,上記のような大型の空調設備を完備して±
0.5℃以内というような恒温・恒湿室を設置してい
る。これは,如何に高額な設備投資であれ,その設備投
資を怠ると製品が出来なくなる為設備しなければならな
いという必然的なものに他ならない。 【0003】一方,精密なる部品の加工や組立て等を行
う工場では,特に超精密なものの加工とか組立てをする
ために上記のようなクリ−ン・ル−ムを必要とする事は
あるものの,一般的な高精密な部品の加工や組立てをす
るような工場においては,作業場全体を空調する必要が
ある。これは夏とか冬とか,朝とか昼では作業場内の温
度が変化し,外気温に対し摂氏数度から10数度変化す
ることがある。これは単に気温の変化によるだけではな
く,例えば工作機械のある作業場では,モ−タ−から発
生する熱なり,加工中に発生する熱なり,又作業者の居
るだけでも熱源となり室温は上昇する原因となる。 【0004】一方,現在機械加工精度とか部品の測定精
度は,10- 4 mmから10- 5 mm位の精度が要求さ
れるのが普通となり,大きな部品になると室温が1℃上
昇することによって数μmの寸法の変化が発生する。そ
のため精密な部品加工とか精密な測定精度が要求される
場合の測定機とか,若しくは,これらの部品の組立てと
かの作業においては,常時温度制御をすることにより室
温を±1〜2℃位の温度制御をする必要がある。更に,
半導体工場等のクリ−ン・ル−ム等では,室温は更に高
精度の温度制御が要求される。そしてこのような高精度
への要求は,戦後10年に一桁ずつ加工精度が向上して
きたと言われるが,ここ10〜15年位では5年に一桁
ずつ加工精度が向上しており,この傾向は益々短時日で
実現される傾向にある。これに伴い,機械工場等の広域
空間における空調方式も安価な空調設備でかつ,高い精
度で制御出来る方法が要求されるようになってきてい
る。 【0005】以下,従来の空調方式を図について用いて
説明する。図5は,一例として屋内の両側面に空調機
(パッケ−ジ型エアコンディショナ−以下,空調機と称
する)を配した断面側面図を示したものであり,図6は
空調機を屋内の片側に配した時の断面平面図である。
又,図7は両側面に空調機を配し,更に部分的に高い精
度の空調室を設けた状態を示す断面側面図であり,又,
図8はその断面平面図である。図5において51は工場
の建物であり,52は建物の壁,53は空調機である。
54は空調機53に接続されたダクト,55は51の建
物の天井であり,56は空調機53の冷気・暖気又は排
風を吹き出す吹出し口であり,天井55に固定されてい
る。そして57は,空調機53に固定されている温度セ
ンサ−である。 【0006】更に58は天井55に取り付けられた吹出
し口56からの冷気・暖気又は空気流の流れの方向を示
したものであり,59は空調機からの直接の冷気・暖気
又は空気流を空調機53の前面より直接吹き出している
状態をそれぞれ点線で示している。ここで吹出し口56
は排風量の調節が出来るようになっており,空調機53
に近い吹出し口では風量を絞り気味とし,末端になる程
開放にして空調機53の風量を出来るだけ均一にするよ
うにしている。然し,天井55に近い部分60,61の
空間では,殆ど冷気,暖気又は空気流の流れは無く,
又,空調機の全面部62の位置でも,天井55に取り付
けた吹出し口56からの空気流しか来ないことになる。
更に図6では,63の点線で示す円は吹出し口56より
吹き出された空気流が床面に拡散吹き出された状態であ
る。この場合は,空調機53を片側に配しただけなの
で,空調機53の取り付けてない側64の部分は空気流
が少なく,室温の温度分布が悪くなる。 【0007】更に図7は,広域室内での温度分布が悪い
ため,特に高精度な測定等を行う場合,空調された屋内
に更に小さな部屋65を作り,更にその中に空調機66
を設けるようにしている。。そして,その小さな部屋6
5の中に作業台67を配置し,その上に高精度な測定機
を設置したり,又,時には高精度な工作機械を入れてい
る所もある。(参考:図7では工作機械69は小さな部
屋65には入れていない状態を示している)又,この小
さな部屋65は簡易的に厚手のビニ−ルシ−トで囲った
ものもある。68は天井55からのつり手を示したもの
である。更に図8は,この小さな部屋を66空調室の他
の場所,矢印の方向に移動した状態を示したものであ
る。この他,広域空間を多数の小部屋に仕切って,それ
ぞれ小型の空調機を設置する方法もあるが,効率的な問
題があるため望ましくない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このように中規模の空
調機は3〜30冷凍トン位が一般的であり,この種パッ
ケ−ジ型のエアコンディショナ−は温度センサ−が内蔵
されており,この温度センサ−は設定温度に対し±2〜
3℃位で作動する為,精密な加工とか測定するには不充
分であった。更に,湿度センサ−はオプションとして付
けられるようになっているが,一般的には湿度コントロ
−ルしていないのが普通である。そして,加湿機を使用
する場合には一般的にパン型加湿機が用いられる。 【0009】又,図5及び図6からも明らかなように空
調機の前面とか側面の空調機からの直接,吹出し口又は
天井の吹出し口の下部には冷房・暖房又は送風等の装置
があるが,そこから,外れた位置では間接的になるため
同一室内であっても温度が不均一であった。特にドアや
窓等の開閉可能な部分では,特にその温度変化が激しい
という問題点があった。そして,一般的に精密な加工や
測定をするような場所では,空調機は24時間運転する
のが普通であるが,中規模の空調機による空調の場合で
は使用しない時には電源をOFFにするため,再度所定
の室内温度にするまで時間を要する為電力エネルギ−の
損失が大であった。(参考:クリ−ン・ル−ム等では大
型の空調機は24時間連続運転している。)等々従来の
技術では種々の課題があった。 【0010】 【課題を解決するための手段】このような種々の課題を
解決するため,中規模の空調機を複数台設置,かつ1台
の空調機には隣接する空調機の温度センサ−を含め,床
面より2m以下の高さの水平方向で,かつ隣接する空調
機の温度センサ−を含め少なくとも2ケ以上及び2m以
上の高さの垂直方向の温度センサ−を1ケ以上,合計で
少なくとも3ケ以上の温度センサ−により空調機を動作
させ,かつ複数台の空調機を配置し,相互に作用させる
よう空調機を制御するようにした。 【0011】 【作用】一台の空調機に対し,少なくとも3ケ以上の複
数の温度センサ−と,かつ複数台の空調機を設置するこ
とにより,広域空間の多数の情報により,複数台の空調
機をCPUにより集中管理するようにしたため広域空間
における温度変化を安定化させることが出来,かつ省電
力化が図られた。 【0012】 【実施例】以下,実施例について図を詳述しながら説明
する。図1は本発明になる広域空間として工場を想定
し,そこに空調機を配した工場断面斜視図を示したもの
であり,図2はその平面図であり,送風による占有状態
及び温度センサ−の配置を示している。又,図3は空調
機が配置された部分の一部断面側面図で,図4はCPU
を含む制御盤の斜視図である。図1において,1は広域
空間を示す建物(工場)であり,この建物の内部を均一
に温度制御するようにしている。2〜6は建物1に配置
された空調機であり,7〜11は各空調機2〜6に取付
けられている外気導入用ダンパ−で,その先端は,それ
ぞれ建物1の外壁から室外へ突出している。又,12〜
15は室内から外部に向かっての排気扇であり,実際に
は各屋根の棟ごとの両側面に取り付けられている。(図
では見えて居る所しか示していない)16,16a ,1
6b は空調機2を制御するための温度センサ−を示した
もので,16及び16a は空調機2の両サイドに,又,
16b は空調機2の前面の壁面の下部に,又,本図では
図示されていないが,16b の温度センサ−の上部に取
付けられている。 【0013】同様に空調機3に対応する温度センサ−
は,それぞれ17,17a ,17b ,及び17c であ
り,空調機4に対する温度センサ−は18,18a ,1
8b ,18c で,空調機5に対する温度センサ−は1
9,19a ,19b ,19c 又,空調機6に対しては2
0,20a 及び20b である。(但し20c は図示して
いないので省略する) 次に21〜30までは,それぞれ温度センサ−の配線を
示しており,これらは建物の床面にある配線溝31を通
り32の制御盤に接続されている。尚,本実施例では同
一床面内(同一建物内)に,これら空調機2〜6までの
制御盤32を置くことも可能であるが,例えば,工場の
建物1より離れた別棟33に設置可能なのでこの状態を
示している。尚,建物1及び別棟33には入口とか窓と
かは図示しているが,入口はともかく窓は開閉による外
気との交流があり開閉は少ない方が良く,どうしても必
要な場合には,その上部に温度センサ−を付けることに
より外気との交流に対処することが出来る。 【0014】次に図2について説明する。図2は空調機
の配置を示す平面図であり,更に空調機からの冷房,暖
房又は送風の時の風の向きを図示している。即ち,本実
施例では広域室内を万遍なく送風する為に空調機を室内
の両端にジグザグ状(室内の仮想中心線に対し非対称)
に設置した方が良く,図では空調機の2,4,6を一方
の側に,そして,その正面の他の一方の側に空調機3,
5を設置し,かつ一方の側に対し,その中間位置に他の
一方の空調機が来るようにしている。而も空調機は,側
面からの吹出口と正面からの吹出し口があり,それぞれ
側面からの吹出口の角度(α1 ,β1 ,γ1 ,δ1 ,ε
1 ),正面の送風方向の角度(α2 ,β2 ,γ2 ,
δ2 ,ε2 )及び上下方向の角度(α3 ,β3 ,γ3 ,
δ3 ,ε3 )が調整できるようになっている。そして,
その角度は対向する空調機の設置された幅Hと設置され
たピッチDで決められる。 【0015】更に図3は,図2のA,A1 断面図を示し
た図で,複数台設置された空調機(図1では一例として
5台設置)のうちの1台の空調機2の状態を示す図であ
る。即ち,空調機2は正面からの送風される上下方向の
角度はα3 であり,この角度は調整可能である。そし
て,空調機の温度センサ−は,空調機2の側面の壁2m
以下の高さの所に温度センサ−16及び16a が取付け
られており,又,正面の壁の同じ高さの位置に16
b が,そして,その上部,即ち2m以上の所に16cが
取付けられている。(図2参照)そして空調機の温度制
御は,一次的には温度センサ−16b 及び16c によっ
て行われ,更に,二次的に温度センサ−16,16a が
働くようになっている。次に各温度センサ−の所には温
度センサ−も取付けてある。又,温度センサ−16及び
16a からの配線21及び温度センサ−16b 及び16
c からの配線22は床面の溝31を通り制御盤32に結
線されている。次に,外気導入用ダンパ−7は外気導入
による送風で室内の空調をすることが出来るようになっ
ている。 【0016】更に,温度センサ−を2m以下と2m以上
に決定したのは,工場等で一般に使用される工作機械類
では全高のある機械もあるが,その発熱源となる加工部
分とか動力であるモ−タ−は,2m以下の所(一般的に
は1m位の高さの所)であり,作業者の背の高さも2m
以下である為,有効な位置として2m以下とした。好ま
しくは1.5m〜2mの範囲が良い。又,高い位置の温
度センサ−を2m以上としたのは,高い温度の空気流は
上昇気流となり上部に移動する為で,室内の上部温度を
下げてやることにより2m以下の温度制御が確実に行う
事が出来る為である。その為高い位置にある温度センサ
−16c 〜20c の設定温度の中心は,下部にある温度
センサ−16b 〜20b の設定温度の中心より+2℃以
下と低く設定した方が効果的である。 【0017】又,温度センサ−16〜20,16a 〜2
0a ,16b 〜20b ,16c 〜20c の配線21〜3
0は床面の溝31を通り,制御盤32に結線され,セン
サ−からの情報が制御盤に入り,又,その結果に基づき
制御信号が,それぞれの空調機2〜6に指示されるよう
になっている。更に,冷房や暖房だけでなく外気導入用
ダンパ−7〜11を動作することも出来,省電力化,省
エネルギ−化が図られる。又,年間を通じ夏期及び冬期
における温度変化を考慮して,省エネルギ−の為外気温
度に適合した室内温度となるように年間を通じ夏期にお
いては平均温度24℃,又,冬期においては18℃と平
均温度を標準温度20℃に対し設定を変えることによ
り,省エネルギ−化,省電力化を図ることが出来,室内
に出入りする人に対し違和感のない温度制御を可能とす
ることも出来る。ここで,広域空間の温度調整を建物1
の四囲の壁部34断熱材料が用いられており,同様に天
井35の上にも,例えば発泡スチロ−ル等の断熱材36
が取付けられている。 【0018】図4は,具体的に制御盤32を示したもの
で,制御盤32にはCRTディスプレイ37により各空
調機2〜6までの稼働状態及びその履歴を表示するよう
になっており,その下にボ−ドコンピュ−タ38,温
度,湿度計測器39,更には制御用リレ−40及び電源
部41が組み込まれている。そして,ボ−ドコンピュ−
タ38には室内にある温度センサ−16〜20,16a
〜20a ,16b 〜20b ,16c 〜20c からの温度
情報,外気温度情報(図示されていない。室外に温度セ
ンサ−を設置して置く。)又室内の空調器2〜6までの
稼働情報が入力されると同時に,その情報に基づき空調
器2〜6までの制御信号,外気導入用ダンパ−7〜11
の制御信号,更には加湿機或いは除湿機(図示せず)の
制御信号が出力されるようになっている。 【0019】以下,具体的な動作について言及する。先
ず,建物は前述したように,四囲の壁,天井等には断熱
材が用いられると同時に,外気温度に影響を受け易い窓
を無くし,出入口も2重構造にするのが望ましい。一般
に広域空間の温度調整には,100冷凍トンというよう
な大型の空調設備を24時間連続で稼働させているのに
対し,本発明では中型の3〜30冷凍トンの中規模の空
調機(通称パッケ−ジ型エアコンディショナ−)を複数
台,而もジグザグ状に配置した。又,中規模の空調機で
は温度センサ−が内蔵されており,又,動作温度範囲も
設定温度に対し2〜3℃であるのに対し,本方法では温
度センサ−を1台の空調機に対し複数個所設けている。
特に空調機の設置してある前面の壁には上・下2段取付
けてあり,この温度センサ−を一次的に設定し,空調機
を働かせるようにしている。又,空調機の両側面にも温
度センサ−があり,これは二次的に働くようになってい
る。尚,この両側面の温度センサ−は,例えば空調機3
の場合には温度センサ−18及び18a の代わりに空調
機2及び4の正面の温度センサ−17b 及び19b 又は
17b ,17c 及び19b ,19c を用いることも出来
る。 【0020】このように広域空間を中規模の空調機で冷
房・暖房することにより,きめ細やかな温度制御が可能
となる。即ち図2に示すように,それぞれの空調機でほ
ぼ室内全域をカバ−することが出来る上に,複数台の空
調機を相互に作用させ制御する為,均一な温度分布が得
られ,必要最小限の機器構成で良く,而も空調機は一般
的に使用されているものを用いる為,大規模な工事は不
要となる。更に外気温が所定の温度であまり変化しない
時には,外気導入による室内への送風に切り換えること
が出来,冷房・暖房・送風等の不要時には,制御盤の制
御信号により,電源をOFFにする事も可能となり省電
力化を図ることが出来る。又,従来クリ−ン・ル−ム等
では,24時間空調する必要ガあったのに対し,本方法
では,中規模の空調機を分散させて,配置してあり,個
々に空調温度を設定することも出来る為,工場の稼働に
合わせた空調をすることが出来る。 【0021】次に,図には記載していないが,人の出入
りするドア等の開口部は室内において,特に温度変化が
激しく,必ずしも安定した温度分布を得ることは不可能
である。この為本方法では,ドア等の開口部の上部に温
度センサ−(図示していない)を配し,その部分の温度
上昇があった場合には集中的に空調機を働かせるように
なる為,ドア等の開口による温度変化を最小限にするこ
とができる。又,温度センサ−の他に湿度センサ−を温
度センサ−と同一場所,若しくは別に設定した室内の特
定位置に固定し,その情報を制御盤に入れることも出来
る。そして,空調機とは別途設けた加湿機或いは徐湿機
を稼働させることが出来るようにしてある。 【0022】更に,工作機械等から発生する加工による
発熱,モ−タ−の稼働による発熱は,上昇気流により上
部の温度が上昇するが,工場内で例えば作業者が働き回
るような発熱源が移動する場合に対処する熱エネルギ−
源を複数個のセンサ−にて検知することにより局所的に
空調機を働かせ温度制御できるようになっている。そし
て,広域空間である工場からの情報としては室内温度,
室内湿度,局所的な温度情報のほか外気温度,湿度情
報,さらには空調機の冷房・暖房の運転・停止情報及び
湿度センサ−による加湿機・徐湿機の運転・停止等の情
報が制御盤にもたらされると同時に,制御盤よりそれぞ
れの空調機の制御信号,即ち冷房・暖房及び送風等の運
転停止信号のほか外気導入用のダンパ−の制御信号,即
ちダンパ−を全開にするとか1/3開,半開,1/4
開,又は全閉の信号の他,天井部にある排気扇のON,
OFF等の制御信号が出せるようになっている。更に,
温度センサ−からの制御信号により加湿機・徐湿機の運
転・停止も行える等,制御盤により広域空間の温度制御
の他,湿度制御も可能である。 【0023】この為従来の大掛かりな,例えばグリ−ン
・ル−ムとの比較は無理としても中規模の広域空間の温
度制御が単に空調機に内蔵された精度の幅の広い温度セ
ンサ−の制御に比し,本方法では,1台の空調機に対し
複数個の温度センサ−を配している為精度の向上が望め
る。又複数台の空調機により屋内の全域をカバ−すによ
うにしているため,広域部分を1時間当り±1℃と均一
な温度分布にする事が出来,又,空調機をそれぞれ広域
空間に分散して設置してある為,温度センサ−からの情
報により空調機の稼働・非稼働の設定も可能となり,空
調の度合いを可変とする事もでき省電力,省エネルギ−
化をすることも可能となる。更に湿度についても,湿度
センサ−からの信号で加湿機・徐湿機を制御する為安定
な湿度条件も得られる。そして,これらの制御盤は空調
された空間の一部に設置することは当然であるが,例え
ば別棟の事務所等に置くことも可能であり集中管理が出
来る。 【0024】 【発明の効果】以上,述べたように本分散型空調システ
ム及びその制御方法によれば広域空調であるにもかかわ
らず本発明により多くの効果が得られる。即ち, (1)広域空間に対し,中規模の空調機を分散させて配
置することにより,必要最小限の機器構成でよい為設備
投資が少なくてすむ。 (2)又中規模の空調機は,標準品でよい為(温度セン
サ−を除く)大規模な工事を必要としない。 (3)空調機の冷房・暖房又は送風等,不要時には,個
別に電源をOFFにすることができ省電力化を図ること
が出来る。 【0025】(4)外気が温暖で室内の空調が不要の時
には,外気のみの導入による送風も可能である。 (5)工作機械の発熱源,人による熱エネルギ−の発散
等のため,温度センサ−を2m以下の所と2m以上の所
に設定し,かつ上昇気流による影響を最小限とし,少な
くとも2m以下の所における温度分布を一定にするた
め,2m以下の温度センサ−の中心温度設定値よりも2
m以上の所の温度センサ−の中心温度の設定値を+2℃
以下とした。 (6)制御盤は空調機のある屋内は勿論別棟にも設置可
能であり,集中管理をする事により,広域部分の制御が
可能となり,CRTディスプレイにより個々との空調機
の稼働状況の履歴を見ることが出来る。 【0026】(7)開口部(ドアとか窓等)の上部に温
度センサ−を配置してある為,その部分の温度上昇があ
っても,温度センサ−が働く為,その部分を集中的に空
調することが可能で,開口による温度変化を最小限とす
る事が出来る。 (8)大規模の空調機と異なり,中規模空調機では24
時間運転の必要はないばかりか広域空間に空調機が分散
配置されているため効率も良く,工場の稼働のスケジュ
−ルに合わせた空調が可能である。 等,広域室内での温度分布の均一化を安価で出来ると共
に,設備投資の効率化,省電力,省エネルギ−化とその
効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調機を配した工場断面斜視図。
【図2】空調機の配置を示す平面図。
【図3】図2の一部断面側面図。
【図4】制御盤の斜視図。
【図5】両側面に空調機を配した従来の断面側面図。
【図6】空調機を片側に配した従来の断面平面図。
【図7】屋内に高い精度の空調室を設けた断面側面図。
【図8】屋内に高い精度の空調室を設けた断面平面図。
【符号の説明】
1 工場
2〜6 空調機
7〜11 外気導入用ダンパ−
12〜15 排気扇
16 空調機2の温度センサ−
17 空調機3の温度センサ−
18 空調機4の温度センサ−
19 空調機5の温度センサ−
20 空調機6の温度センサ−
21〜30 各温度センサ−の信号を伝える配線
31 配線を通す床面の溝
32 制御盤
34 工場1の壁
35 天井
36 断熱材
37 CRTディスプレイ
38 ボ−ドコンピュ−タ
39 温度計測器
40 制御用リレ−
41 電源部
51 従来例を示す工場建物
52 壁
53 空調機
54 ダクト
55 天井
56 空調機の吹出口
57 温度センサ−
58 空気流の天井よりの方向
59 空調機前面からの空気流の状態
60・61 全く空気流のない個所
62 一部空気流のある状態
63 天井の吹出口からの広がり
64 空調機のない側
65 広域空調室内に作られた高精度空調室
66 空調機
67 作業台
68 精密測定器
69 工作機械
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【特許項1】 工場等の広域室内の空調であって大型の
空調機によらず,中規模の空調機を複数台設置すると共
に,屋内に設置された空調機で,かつ空調機の外部に配
された温度センサ−が床面より2m以下の所定の高さの
位置及び床面より2m以上の所定の高さの位置に温度セ
ンサ−を配置し,それぞれの温度センサ−には温度範囲
を設定し,CPUに記憶し冷房,暖房を制御させると共
に,複数個の温度センサ−により,1台の空調機を,更
に複数台の空調機を相互に作用させ制御するようにした
ことを特徴とする分散型空調システム。 【請求項2】 中規模空調機を所定空間の仮想中心線に
対し非対称に配置し,かつ分散型空調機であって,年間
を通じ夏期及び冬期において,外気温度に適合するよう
に室内空調温度を平均して,夏期には24℃又冬期には
18℃と設定した請求項1記載の分散型空調システム及
びその制御方法。 【請求項3】 請求項1項記載の分散型空調システムで
あって,CPUは,冷房,暖房の不要時には空調機のス
イッチをOFFにすると共に,外気導入により屋内空調
機の外気制御用ダンパ−の開閉を行うことによる外気導
入量の制御を可能とする分散型制御システム。 【請求項4】 請求項1記載の分散型空調システムの複
数台の空調機を制御するCPUを含む制御盤を,一つの
キャビネットに収納することにより,集中管理が出来る
ようにしたことを特徴とする分散型制御システム。 【請求項5】 請求項1項記載の温度センサ−を外部と
の開口部(出入口とか窓部分等)の室内の内部に配置す
ることにより,開口部の開閉による温度変化を最小限に
する事を特徴とする分散型空調システム。 【請求項6】 1台の空調機は複数個の温度センサ−に
より制御される他,隣接する空調機の温度センサ−によ
っても制御されることにより,稼働機,非稼働機を選択
的に設定出来,広域空間の空調を均一にすることで省エ
ネルギ−化を実現することを特徴とする制御方法。 【請求項7】 2m以下の高さにある温度センサ−より
も,2m以上の所にある温度センサ−の温度制御範囲の
設定中心温度を+2℃以下としたことを特徴とする温度
制御方法。 【請求項8】 温度センサ−の他,湿度センサ−を制御
盤のCPUと連結することにより,除湿機又は加湿機の
制御も行うことを特徴とする温湿度制御方法。 【請求項9】 所定の広域屋内における熱エネルギ−源
の移動に際し,熱エネルギ−源をセンサ−により検知す
ると共に局所的に温度制御出来るようにしたことを特徴
とする温度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5120487A JPH06307703A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 分散型空調システム及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5120487A JPH06307703A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 分散型空調システム及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06307703A true JPH06307703A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14787406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5120487A Pending JPH06307703A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 分散型空調システム及びその制御方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH06307703A (ja) |
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