JPH0572371B2 - - Google Patents

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JPH0572371B2
JPH0572371B2 JP60082025A JP8202585A JPH0572371B2 JP H0572371 B2 JPH0572371 B2 JP H0572371B2 JP 60082025 A JP60082025 A JP 60082025A JP 8202585 A JP8202585 A JP 8202585A JP H0572371 B2 JPH0572371 B2 JP H0572371B2
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allyl
acetic acid
water
acetate
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Naomichi Tsurumaru
Yoshio Fuchigami
Shiro Morya
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアリルアルコールの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、パラジウム触媒の存在下に
プロピレン、酸素及び酢酸を気相で反応させて酢
酸アリルを得、該酢酸アリルをポーラス型の高架
橋度酸性イオン交換樹脂の存在下に液相で加水分
解してアリルアルコールを得ることからなるアリ
ルアルコールの工業的に有利な製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
パラジウム触媒を用いてプロピレン、酸素及び
酢酸を気相で反応させ、酢酸アリルを製造する方
法は公知である(例えば、英国特許第1017938号
明細書ならびに、特公昭44−29046号、45−17163
号、47−10698号、47−14208号、47−38415号、
47−10761号及び51−25438号公報等参照)。又、
酢酸アリルをイオン交換樹脂を用いて液相で加水
分解することからなるアリルアルコールの製造方
法についても公知である(例えば特公昭50−2489
号、49−4203号公報等参照)。さらに、プロピレ
ン、酸素及び酢酸をパラジウム触媒の存在下に気
相で反応させ、得られる酢酸アリルをイオン交換
樹脂を用いて液相で加水分解することによつてア
リルアルコールを製造する方法も公知である(例
えば、特公昭48−23408号、50−28934号公報等参
照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らが、パラジウムを触媒として気相で
プロピレン、酸素及び酢酸を反応させ、得られる
反応生成ガスを冷却し、酢酸アリル、水及び酢酸
を主成分とする凝縮成分を酸性イオン交換樹脂を
触媒とする加水分解反応工程に供することからな
るアリルアルコールの製造法について検討した結
果、加水分解反応工程における酸性イオン交換樹
脂の劣化が著しくその触媒寿命が短いことから、
かかる方法によればアリルアルコールを効率的に
かつ長期にわたつて安定に製造することが困難で
あることが判明した。そして、加水分解反応工程
における酸性イオン交換樹脂の劣化は、上記凝縮
成分中に含まれるアクロレイン、アリリデンジア
セテート等の成分に起因することが判明した。か
かる凝縮成分中に含まれるアクロレイン、アリリ
デンジアセテート等の成分は酢酸アリル、水及び
酢酸のような主成分に比べて微量であり、これら
の微量の成分加水分解反応工程において酸性イオ
ン交換樹脂触媒に対して無視しえない悪影響を及
ぼすことについて従来は何ら言及されていない。
例えば、前述の特公昭48−23408号及び50−28934
号公報に開示されている方法では、プロピレン、
酸素及び酢酸を反応させて得られる凝縮成分をそ
のままもしくは低沸点を有する物質を除去したの
ち加水分解反応工程に供することによつてアリル
アルコールを製造しているが、かかる方法では凝
縮成分中のアリリデンジアセテートが加水分解反
応工程に供給されることを避けることができな
い。加水分解反応工程においてアリリデンジアセ
テートは酢酸とアクロレインに分解されるため、
加水分解触媒として酸性イオン交換樹脂を用いる
場合には、かかるアクロレインによる触媒の劣化
が著しい。
しかして、本発明の目的は、プロピレン、酸素
及び酢酸を原料としてアリルアルコールを効率的
に得ることのできる、アリリアルコールの工業的
に有利な製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはアリルアルコールを工業的に有利
に製造する方法を得るため検討を重ね、酢酸アリ
ルの合成反応において副生するアリリデンジアセ
テートを効率的に処理すると酢酸の原単位が向上
し併せて酸性イオン交換樹脂を触媒とする酢酸ア
リルの加水分解が安定に実施できること、及び該
加水分解反応において使用する酸性イオン交換樹
脂としてポーラス型の架橋度14重量%以上の酸性
イオン交換樹脂が適していることを見出し、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、 () 金属パラジウム及びアルカリ金属酢酸塩
をシリカ沈着してなる触媒の存在下に、プロピ
レン、酸素及び酢酸を気相において反応させ、 () 得られた反応生成ガスを冷却して非凝縮
成分と凝縮成分とに分離し、該非凝固成分を炭
酸ガスを除去した後に前記()の酢酸アリル
合成反応工程へ循環し () 該凝縮成分を第1の蒸留塔で、本質的に
酢酸アリル、水及びアクロレイン、又は酢酸ア
リル、水、アクロレイン及び酢酸からなる塔頂
留分と本質的に酢酸及びアリリデンジアセテー
トからなる塔底液とに分離し、該アリリデンジ
アセテートを酸触媒の存在下に加水分解して得
られる酢酸のうち少なくとも一部を前記()
の酢酸アリル合成反応工程へ循環し、 () 該塔頂留分を第2の蒸留塔で、アクロレ
インを主成分とする塔頂留分と本質的に酢酸ア
リル及び水、又は酢酸アリル、水及び酢酸から
なる塔底液とに分離し、 () 該酢酸アリルと水をポーラス型の架橋度
14重量%以上の酸性イオン交換樹脂の存在下に
液相で反応させ、本質的に酢酸アリル、水、ア
リルアルコール及び酢酸からなる反応生成液を
得、 () 該反応生成液を第3の蒸留塔で、酢酸ア
リル、水及びアリルアルコールからなる塔頂留
分と酢酸からなる塔底液とに分離し、該塔底液
のうち少なくとも一部を前記()の酢酸アリ
ル合成反応工程へ循環し、 () 該塔頂留分を第4の蒸留塔で、酢酸アリ
ル、水及びアリルアルコールからなる塔頂留分
とアリルアルコールからなる塔底液とに分離
し、該塔頂留分を前記()の酢酸アリルの加
水分解反応工程へ循環するとともに塔底からア
リルアルコールを得ることを特徴とするアリル
アルコールの製造方法である。
本発明の方法を、実施態様の一例を工程図で示
した添付の図面(第1図)に基づいて以下に説明
する。
本発明の方法においては、先ず、触媒の存在下
に、プロピレン、酸素及び酢酸を反応器1におい
て気相で反応させる。かかる酢酸アリルの合成反
応において使用する触媒は、パラジウムと酢酸カ
リウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属酢酸塩
からなる助触媒とをシリカに沈着させたものであ
る。触媒中に含有されるパラジウムの濃度はシリ
カ担体に対して0.1〜5.0重量%が適当であり、好
ましくは0.3〜1.0重量%である。また触媒中に含
有されるアルカリ金属酢酸塩の濃度は、シリカ担
体に対して約1〜15重量%が適当である。酢酸ア
リルの合成反応においては反応器にプロピレン、
酸素、酢酸及び希釈ガスが供給されるかかる全供
給ガスに対するプロピレンの割合は、低くすぎる
と酢酸アリルへの選択率が低くなり、逆に高すぎ
ると触媒活性の経時低下が著しくなるため、5〜
20容量%であることが好ましく、さらに好ましく
は10〜15容量%である。全供給ガスに対する酸素
の割合は、低すぎると反応速度が遅くなり逆に高
すぎると反応器中におけるガス状混合物が爆発範
囲内になる危険性があるので、3〜15容量%であ
ることが好ましく、さらに好ましくは5〜10容量
%である。さらに、全供給ガスに対する酢酸の割
合は、低すぎると酢酸アリルへの選択率が低くな
り、逆に高すぎると触媒活性の経時低下が著しく
なるため、5〜20容量%であることが好ましく、
さらに好ましくは6〜10容量%である。希釈ガス
としては窒素、炭酸ガス等が好ましいが、希釈ガ
ス中に水(水蒸気)、プロパン等の飽和炭化水素
等のガスが混入していても何らさしつかえなく、
これらのものも希釈ガスとしての役割を果たす。
反応は100〜200℃の温度及び1〜30気圧の圧力
において行うことができるが、実用的には140〜
170℃の温度及び2〜10気圧の圧力において実施
するのが有利である。反応方式としてはオイル又
は加圧水を熱媒とするジヤケツト式固定床が好ま
しく、反応管はステンレス鋼等の材質からなる耐
蝕性を有する鋼管が好ましく用いられる。
上記の酢酸アリルの合成反応によつて得られた
反応生成ガスを、次に、冷却器2で好ましくは20
℃以下に冷却して非凝縮成分と凝縮成分とに分離
する。又、必要であれば凝縮成分をさらに脱気し
て使用してもよい。非凝縮成分は主成分である未
反応のプロピレンの他に少量の炭酸ガスを含む。
このため、本発明の方法におていは、非凝縮成分
を炭酸ガス除去装置3に送り、そこで炭酸ガスを
例えば炭酸カリウム水溶液に吸収させるなどの方
法によつて除去したのち、非凝縮成分を酢酸アリ
ルの合成反応工程へ循環する。
該凝縮成分は第1の蒸留塔4で、本質的に酢酸
アリル、水及びアクロレイン、又は酢酸アリル、
水、アクロレイン及び酢酸からなる塔頂留分と本
質的に酢酸及びアリリデンジアセテートからなる
塔底液とに分離する。上述のように、該塔頂留分
は本質的に酢酸アリル、水及びアクロレインから
なつていてもよいし、さらに酢酸が混入していて
もよいが、蒸留操作が容易である点及び消費エネ
ルギーが少ない点から酢酸が塔頂留分に混入する
ように蒸留操作を行うことが好ましい。又、例え
ば酢酸を塔頂留分中に含まれる酢酸アリルに対し
て15〜35重量%の割合で塔頂留分中に存在させる
ことなどの方法によつて塔頂留分を均一な液相に
することができる。塔頂留分を均一相にすること
は、後述の酢酸アリルの加水分解反応が均一な液
相で実施し易くなるため、特に好ましい。かかる
塔頂留分中における酢酸の混入割合の調整は第1
の蒸留塔における蒸留条件を選択することによつ
て行つてもよいし、第1の蒸留塔で蒸留条件を選
択することによつて一部酢酸を混入させ、得られ
る塔頂留分後述のアリリデンジアセテートの加水
分解工程及び/又は酢酸アリルの加水分解工程で
得られる酢酸の一部をさらに混入せしめることに
よつて行つてもよい。
前記の第1の蒸留塔で得られた塔底液は本質的
に酢酸及びアリリデンジアセテートからなつてい
るが、塔底液中の該アリリデンジアセテートは加
水分解反応器5で加水分解されたのち、さらに酢
酸回収塔6でアクロレインを除去することによつ
て酢酸として回収される。得られた酢酸のうち少
なくとも一部は前記の酢酸アリル合成反応工程へ
循環される。アリリデンジアセテートの加水分解
反応は、例えば硫酸等の鉱酸、酸性イオン交換樹
脂又は酸性イオン交換膜等の酸触媒の存在下に実
施されるが、生成するアクロレインによる活性低
下作用を受けにくい硫酸等の鉱酸を使用するのが
望ましい。アリリデンジアセテートの加水分解に
用いる水の量はとくに限定されないが、加水分解
に供するアリリデンジアセテート1モルに対し1
〜15モルの割合で使用することが実用的である。
反応形式もとくに限定されず、1段式ないし多段
式の攪拌槽、充填床等の各種形式を適宜、選択し
て採用することができる。該アリリデンジアセテ
ートの加水分解反応速度は比較的大きいので、生
成物を留去しながら反応を行う反応蒸留形式を採
用することができる。かかる反応蒸留形式は、工
程が簡略化できるので特に有利である。アリリデ
ンジアセテートの加水分解に使用する水は、採用
する反応形式に応じて、加水分解に供するアリリ
デンジアセテートに加えてもあるいは加水分解反
応系に加えてもよいし、また前述の酢酸アリル合
成反応工程に水蒸気として供給しておいてもよ
い。反応温度は、用いる酸触媒の種類及び反応形
式に応じて適宜選択されるが、通常50〜200℃で
ある。又、アリリデンジアセテートの加水分解反
応は常圧下または加圧下で実施されるが、好まし
くは常圧〜10気圧の圧力下において実施される。
前記の第1の蒸留塔で得られた塔頂留分を第2
の蒸留塔7へ供給し、アクロレインを主成分とす
る塔頂留分と本質的に酢酸アリル及び水、又は酢
酸アリル、水及び酢酸からなる塔底液とに分離す
る。
次に第2の蒸留塔で得られた塔底液を酢酸アリ
ル加水分解反応器8へ導入することによつて、酢
酸アリルと水とをポーラス型の架橋度14重量%以
上の酸性イオン交換樹脂の存在下に液相で反応さ
せる。かかる酢酸アリルの加水分解反応において
使用するポーラス型の架橋度14重量%以上の酸性
イオン交換樹脂は機械的強度、触媒活性寿命、耐
熱性等の点で優れており、不均一な液相反応系に
おいても使用されるが、触媒活性寿命を長期化す
るためには均一な液相反応系において該酸性イオ
ン交換樹脂を使用することが好ましい。
酢酸アリルを加水分解してアリルアルコールと
酢酸を生成する反応は平衡反応であるため、反応
は平衡転化率までしか進まない。平衡転化率を上
げるためには加水分解反応に供する水と酢酸アリ
ルの比を大きくすればよいが、大きすぎると加水
分解によつて得られる反応生成液から除去すべき
水が多くなり水の分離に多大のエネルギーを消費
することになる。又、かかる水と酢酸アリルの比
が小さすぎると転化率が小さいため、循環する未
反応の酢酸アリルが多くなり効率が悪い上に大型
の装置を用いることが必要になるので好ましくな
い。従つて、加水分解に用いる水の量は、加水分
解に供する酢酸アリル1モルに対し通常0.5〜10
モルの割合である。実用的には第1の蒸留塔から
の塔頂留分中に含まれる水だけを用いることによ
つて加水分解反応を実施するのが効率的である
が、必要ならば加水分解に際してさらに水を追加
して用いてもよい。酢酸アリルの加水分解反応に
おいては反応温度が高いほど反応速度が速くなる
ので、より高い反応温度を採用する方が有利であ
る。反応温度は通常50〜150℃の範囲から選ばれ
るが、用いる酸性イオン交換樹脂の耐熱性及び触
媒活性寿命の点から50〜120℃でしるのが好まし
い。反応圧力は反応温度に対応して決められる
が、実用上は13気圧以下であるのが有利である。
前述の酢酸アリルの加水分解で生成した反応生
成液は、本質的に酢酸アリル、水、アリルアルコ
ール及び酢酸からなつているが、該反応生成液を
第3の蒸留塔9で、酢酸アリル、水及びアリルア
ルコールからなる塔頂留分と、酢酸からなる塔底
液とに分離する。得られた塔底液のうち少なくと
も一部は、前記の酢酸アリル合成反応工程へ循環
再使用される。
上記の第3の蒸留塔で得られた塔頂留分は第4
の蒸留塔10で、共沸組成に近い組成を有する酢
酸アリル、水及びアリルアルコールの三成分混合
物とアリルアルコールに分離される。目的とする
アリルアルコールは塔底液として取得される。ま
た酢酸アリル、水及びアリルアルコールからなる
塔頂留分は前記の酢酸アリルの加水分解反応工程
へ循環される。かかる塔頂留分を酢酸アリルの加
水分解反応工程へ循環するに際しては、必要に応
じて塔頂留分から水の一部を除去することによつ
て該加水分解反応工程において使用される水の量
を適宜調節することもできる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によつて具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
実施例 1 第1図に示す工程に従つて操作を行つた。熱媒
ジヤケツトを有するステンレス鋼(SUS316)製
の内径23mm、長さ2000mmの反応管に、表面積200
m2/gのシリカにパラジウム0.7重量%及び酢酸
カリウム8重量%を均一に担持させて作つた直径
約5mmの球状触媒250mlを充填し、圧力9気圧、
温度140℃で、プロピレン、酸素、酢酸及び窒素
からなる混合ガス〔プロピレン:酸素:酢酸:窒
素=12:7:9:72(容量比)〕を400Nl/hrの速
度で供給することによつて酢酸アリルの合成反応
を行つた。なお、熱媒にはオイルを使用し、酸素
は空気として供給した。また、反応器に供給する
酢酸中に酢酸カリウムを20ppmの濃度で含有させ
た。
得られた反応生成ガスを約10℃に冷却し、さら
に脱気槽で非凝縮成分をパージして、酢酸アリル
34.8重量%、水7.3重量%、酢酸56.7重量%及びア
リリデンジアセテート1.2重量%からなる濃縮成
分を得た。なお非凝縮成分は炭酸カリウム水溶液
中を通過させることによつて炭酸ガスを除去した
のち酢酸アリル合成反応工程に供給するプロピレ
ンの一部として使用した。
該凝縮成分をステンレス鋼製マクマホンを充填
した内径26mm、高さ1000mmの充填塔で常圧下、還
流比0.1で蒸留し、アクロレイン0.2重量%、酢酸
アリル66.2重量%、水13.8重量%及び酢酸19.8重
量%からなる塔頂留分と酢酸97.9重量%及びアリ
リデンジアセテート2.1重量%からなる塔底液と
に分離した。
塔底液を容積1000mlの攪拌機付きの反応槽で塔
底液中に含まれるアリリデンジアセテートのモル
数に対して約10倍のモル数の水及び0.5mlの硫酸
を使用してバツチで常圧、118℃の温度において
加水分解した。加水分解によつて得られた反応生
成液は、酢酸を主成分とし、アクロレインを0.7
重量%含有していた。該反応生成液から硫酸を除
去し、該硫酸を中和して廃棄した。硫酸を除去し
た反応生成液を、ステンレス鋼製マクマホンを充
填した内径30mm、高さ1200mmの充填塔を用いてバ
ツチでアクロレイン及び水からなる塔頂留分と酢
酸を主成分とする塔底液とに分離した。酢酸を主
成分とする塔底液を前記酢酸アリル合成反応工程
へ循環し再使用した。
前述のアクロレイン、酢酸アリル、水及び酢酸
からなる塔頂留分をステンレス鋼製マクマホンを
充填した内径18mm、高さ1200mmの充填塔を用いて
還流比3.0で蒸留し、アクロレインを主成分とす
る低沸点を有する成分を塔頂より除去した。塔底
液は酢酸アリル66.4重量%、水13.8重量%、水
13.8重量%及び酢酸19.8重量%からなつていた。
かかる酢酸アリル、水及び酢酸からなる塔底液を
後述の大略共沸組成である酢酸アリル、アリルア
ルコール及び水からなる留分と混合したのち(但
し、運転開始時には塔底液を酢酸アリル、アリル
アルコール及び水と混合することなく用いた)、
0.5hr-1の空間速度(0℃、1気圧)でポーラス
型の架橋度14重量%の酸性イオン交換樹脂(三菱
化成株式会社製ダイヤイオンPK−228)を充填し
た内径26mm、長さ450mmの充填塔へ導き、常圧、
70℃の温度において酢酸アリルの加水分解を行つ
た。加水分解によつて得られた反応生成液は酢酸
アリル35.0重量%、水19.4重量%、アリルアルコ
ール20.6重量%及び酢酸25.0重量%からなつてい
た。
該反応生成液を、充填層のうち上方の2/3の部
分がステンレス鋼製マクマホンで、下方の1/3の
部分が外径6mmの磁製ラシヒリングで充填された
内径26mm、高さ1500mmの充填塔を用いて還流比
2.0で蒸留し、酢酸アリル46.7重量%、水25.9重量
%及びアリルアルコール27.4重量%からなる塔頂
留分と、酢酸からなる塔底液とに分離した。該塔
底液を前記酢酸アリル合成反応工程へ循環するこ
とによつて再使用した。また塔頂留分を、内径35
mm、30段のオールダーシヨウ型蒸留塔を用いて上
層還流比2.7、下層還流比1.8で蒸留し、大略共沸
組成の酢酸アリル、水及びアリルアルコールから
なる混合物を塔頂より分離するとともに塔底より
アリルアルコールを得た。該大略共沸組成の留分
を、前述の酢酸アリルの加水分解反応工程へ循環
した。なおこの際、蒸留塔のデカンター下層の一
部を抜き取ることによつて、酢酸アリルの加水分
解反応工程に供給される水の量を調節した。さら
に抜き取つたデカンター下層を蒸留に付すことに
よつて少量混入している酢酸アリルとアリルアル
コールとを分離し回収した。
運転は極めて安定であり、イオン交換樹脂のイ
オン交換容量の低下はほとんど認められなかつ
た。酢酸の回収率は99.7%であり、アリルアルコ
ールの収率は消費されたプロピレンに対して99.9
%であつた。
比較例 1 酢酸アリル合成反応工程からの反応生成ガスを
凝縮して得られる凝縮成分を直接、酢酸アリルの
加水分解工程に供し、酢酸アリルの加水分解反応
工程における酸性イオン交換樹脂としてゲル型の
酸性イオン交換樹脂(三菱化成株式会社製ダイヤ
イオンSK−1B)を用いた以外は実施例1と同様
にしてアリルアルコールの製造を行つた。約1週
間の運転で酢酸アリルの加水分解反応器中のイオ
ン交換樹脂層の入口側から約1/3までの部分に充
填された酸性イオン交換樹脂の平均イオン交換容
量が約35%低下し、約1箇月の運転でイオン交換
樹脂層の入口側から約1/3までの部分に充填され
た酸性イオン交換樹脂は完全に脱色して膨潤し、
脆化していた。又、酢酸の回収率は98.4%であつ
た。
実施例 2 酢酸アリルの化水分解反応において、酢酸アリ
ル、水、酢酸及びアリルアルコールからなる供給
液の反応器への供給速度を1hr-1の空間速度(0
℃、1気圧基準)にした以外は実施例1と同様に
して操作を行つた。酢酸アリルの加水分解反応工
程において用いられた酸性イオン交換樹脂の触媒
活性劣化係数(1日あたりの酢酸アリルの転化率
の低下割合)は、運転開始から1週間の期間中に
おいて0.004 1/日であつた。又、酢酸アリルの
加水分解反応器中のイオン交換樹脂層の入口側か
ら約1/2までの部分に充填された酸性イオン交換
樹脂については、運転開始から1週間後におい
て、 平均膨潤〔(使用後の樹脂容積)−(新樹脂
容積)/(新樹脂容積)×100〕 が5%であり、平均イオン交換容量の低下割合は
2%以下でしつた。
比較例 2 酢酸アリルの加水分解反応においてポーラス型
の架橋度4重量%の酸性イオン交換樹脂(三菱化
成株式会社製ダイヤイオンPK−208)を用いた以
外は実施例2と同様にして操作を行つた。酢酸ア
リルの加水分解反応工程において用いられた酸性
イオン交換樹脂の触媒活性劣化係数は、運転開始
から1週間の期間中において0.023 1/日であつ
た。又、酢酸アリルの加水分解反応器中のイオン
交換樹脂層の入口側から約1/2までの部分に充填
された酸性イオン交換樹脂については、運転開始
から1週間後において平均膨潤度が16%であり、
平均イオン交換容量の低下割合が約20%であつ
た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、上記実施例から明らかなとお
り、酢酸アリル合成反応において副生するアリリ
デンジアセテートが酢酸として回収され、原料の
一つである酢酸の原単位を大幅に低下させること
ができる。また本発明によれば、酢酸アリルの加
水分解反応において用いられる酸性イオン交換樹
脂からなる触媒の劣化が抑制され、アリルアルコ
ールを長期にわたつて安定に製造することができ
る。従つて本発明のアリルアルコールの製造方法
は産業上の有用性が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を示すフローの略図であ
る。 1……酢酸アリル合成反応器、2……冷却器、
3……炭酸ガス除去装置、4……第1の蒸留塔、
5……アリリデンジアセテート加水分解反応器、
6……酢酸回収塔、7……第2の蒸留塔、8……
酢酸アリル加水分解反応器、9……第3の蒸留
塔、10……第4の蒸留塔。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 () 金属パラジウム及びアルカリ金属酢
    酸塩をシリカに沈着してなる触媒の存在下に、
    プロピレン、酸素及び酢酸を気相において反応
    させ、 () 得られた反応生成ガスを冷却して非凝縮
    成分と凝縮成分とに分離し、該非凝縮成分を炭
    酸ガスを除去した後に前記1の酢酸アリル合成
    反応工程へ循環し、 () 該凝縮成分を第1の蒸留塔で、本質的に
    酢酸アリル、水及びアクロレイン、又は酢酸ア
    リル、水、アクロレイン及び酢酸からなる塔頂
    留分と本質的に酢酸及びアリリデンジアセテー
    トからなる塔底液とに分離し、該アリリデンジ
    アセテートを酸触媒の存在下に加水分解して得
    られる酢酸のうち少なくとも一部を前記1の酢
    酸アリル合成反応工程へ循環し、 () 該塔頂留分を第2の蒸留塔で、アクロレ
    インを主成分とする塔頂留分と本質的に酢酸ア
    リル及び水、又は酢酸アリル、水及び酢酸から
    なる塔底液とに分離し、 () 該酢酸アリルと水をポーラス型の架橋度
    14重量%以上の酸性イオン交換樹脂の存在下に
    液相で反応させ、本質的に酢酸アリル、水、ア
    リルアルコール及び酢酸からなる反応生成液を
    得、 () 該反応生成液を第3の蒸留塔で、酢酸ア
    リル、水及びアリルアルコールからなる塔頂留
    分と酢酸からなる塔底液とに分離し、該塔底液
    のうち少なくとも一部を前記1の酢酸アリル合
    成反応工程へ循環し、 () 該塔頂留分を第4の蒸留塔で、酢酸アリ
    ル、水及びアリルアルコールからなる塔頂留分
    とアリルアルコールからなる塔底液とに分離
    し、該塔頂留分を前記5の酢酸アリルの加水分
    解反応工程へ循環するとともに塔底からアリル
    アルコールを得ることを特徴とするアリルアル
    コールの製造方法。
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